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関西で圧倒的な影響力を持っている吉本興業の芸人たち。
大阪維新の会が牛耳る大阪府と大阪市は多数の広報案件で、毎回数千万円から数億円の金を吉本興業に渡すことで、吉本興業の芸人のほとんどを手なずけました。
大阪万博をはじめとして、御堂筋イルミネーション、大阪ラグビーワールドカップ、百舌鳥古墳群などの世界遺産に向けてのPRなどなどです。
そのうえ、関西の報道テレビでは、維新創設者である橋下氏が「中立」風のコメンテーターとして常連となり、さらに吉村府知事と松井市長も自治体の首長としてもタレントとしてテレビ局にとって重宝な存在になる。
大阪維新の強さは、地方議員が選挙ごとにノルマを与えられてフル活動する組織力と共に、吉本+維新のビッグ3で関西のテレビ局を全て押さえきっていることにあります。
そんな維新の牙城を崩すチャンスがと到来しています。
2022年の元旦に放映されたMBS毎日放送の番組「東野&吉田のほっとけない人」。
松井市長、吉村府知事が出演して、橋下徹氏とトークしたこの番組について
「政治的公平性を欠くのでは」
との指摘が相次ぎ、関西の中でも維新押しで目立っていた同社の虫明社長が1月19日に
「調査してきちんと報告します」
と言わざるを得なくなったのです。
毎日放送が維新の橋下・松井・吉村出演の特番について「偏向報道」を理由に調査開始。そして感染者数が過去最多の6101人の大阪府・2514人の兵庫県・1202人の京都府がまん延防止措置見送りを決定。
この事態に維新が実際に動揺しているのを私はあるニュースを読んで感じ取り、1月29日に書いた
【橋下維新の会とハシズムの歴史を振り返る2】盟友石原慎太郎氏に「彼の演説のうまさ、迫力っていうのは若いときのヒトラーですよ」と褒められた橋下氏とヒトラーの演説に共通するのは、むしろ嘘八百なところだ。
の末尾をこう締めくくったんです。
「橋下氏と松井市長の最近の言動を見ていますと、毎日放送で元旦に放送された橋下・松井・吉村揃い踏みの番組が毎日放送社内で偏向報道ではないかと調査の対象になったことを一番気にしているのは明らかです。
彼らのナチス張りのプロパガンダの最強の武器は関西のテレビ局を手名付けていることなので、テレビ局が維新と距離を置かないといけないという風潮になることを一番恐れているんですね。
今回のヒトラー騒動で、橋下氏を維新幹部が弁護すればするほど、橋下氏は維新そのものだということが浮き彫りになり、彼らにとってはジレンマがあるんです。
近いうちに、私たちにとって有利なこの状況をどう利用するか書くつもりです。」
私が維新の様子がおかしいなと思ったのは、1月26日の次のネットニュースを読んだ時でした。
松井市長がMBSが維新に厳しかったと盛んに強調していますよね。
「泉さんは態度を明らかにすべきだ」菅直人元総理の“ヒットラー”ツイートについて日本維新の会・松井代表
1/26(水) 14:51配信 ABEMA TIMES
日本維新の会の松井一郎代表は26日午後、菅直人衆院議員のTwitter上での発言について「立憲民主党さんはこれまで人権尊重とか、性差別については非常に厳しい態度で政治家として活動されてきたと思うが、この菅さんの発言は党として許される話なのか、そこはやっぱり公党なんだから、泉さんがはっきりと言うべきだ。態度を明らかにすべきだ」と話した。
松井代表は「逆に維新の誰かが立憲さんの幹部の方を“ヒットラーを思い起こす”などと公のSNS等で発信した場合は、人権侵害甚だしいし、議員であれば厳重注意どころか処分するし、僕は党代表として一番に謝る。そこは公党である立憲さんのクオリティ、品質として、人権に対してどういう思い、価値観を持っているのか、はっきりさせてもらいたい」と指摘。
さらに松井代表は記者団に対して「これはメディアの責任として取材しなければならないんじゃないの」と投げかけた。
「オリンピック開催で、森元総理の“わきまえない女性”発言でも散々叩いてきたわけだから。立憲民主党さんも、MeTooかなにかで、あの発言を大批判したんじゃないの。やっぱりメディアのみなさんは、立憲さんの考え方をしっかり取材するべきだと思う。公党なんだから。ましてや総理経験者で、いま最高顧問なわけでしょう。特にそういう人権に厳しい立場である毎日新聞とか朝日新聞とか、ABC。
僕も昔、大阪府警の機動隊職員が沖縄で不適切な発言をしたとき、発言自体は不適切だと認めた上で、若い彼が現地で基地反対派の方から非常に責められる中で、しっかり職務は頑張っていたと言って、さんざんやられたよ。MBSにも。
それ以上に、大量虐殺をした、欧米では口に出すのもためらわれる人の名前を出した。“その人を彷彿とさせる”ということを、そのまま“ちょっと間違った発言”だけで済むんかね。僕のときはさんざん吊るし上げられたし、MBSは機動隊員は顔をモザイク無しで映したよね。全国放送で。そのくらい“人権侵害だ”って徹底的に叩いたけど、今回は知らんふりでいいんかね」。(ABEMA NEWS)
これは、週刊新潮の1月27日号が
「『橋下徹』不偏不党ではない『テレビ大量露出』に疑義あり」
という画期的な特集を組んで、橋下氏にも事前に直撃インタビューをしたことが松井市長の耳にも入り、維新が激震していたからなのだと思われます。
橋下氏はこの特集の中で、上記の番組が変更していたのではないかと追及され
「放送法を歪めるかたちで出演することは日本のためにもなりませんし、僕の本意でもありませんので、もし僕の出演やコメントで政治的公平性を害する部分があるというのでありましたら、具体的に指摘していただけると幸いです」
としどろもどろに弁解しているのですが、週刊新潮は
「冒頭で取り上げたMBSの番組が「政治的公平性を害」しているのは明らかであろう。」
と断罪(笑)。
さらに、週刊新潮は
「橋下氏はこの番組について、
〈それぞれの人間性にクローズアップした企画〉
だったと言う。しかし、そんな内容の番組ではなかったことはご本人が一番理解しているはず。
都構想を切望するような発言をし、「いつか総理になると思う人」として吉村知事の名を書いたことを忘れたのだろうか。」
とも述べていて痛快です。
詳しい内容は末尾に載せていますので見てほしいのですが、フジッ子こと橋下氏がフジテレビの報道番組でも偏向発言を繰り返していることも追及していて、橋下氏は真っ青です。
なにしろ、2015年に政界を引退してから橋下氏はテレビ界に復帰するために腐心してきました。
たとえば、維新の会に命じて橋下氏と維新の関係を示すネット上のデータやリアルのポスターをことごとく抹消させるなど、それはそれは気を使っているのが橋下ウォッチャーの私には手に取るようにわかりました。
お子さんが多いこともあって、身を切る改革で給与も退職金も減らしてしまった大阪市長の座に未練はなかった橋下氏は、最初はネット番組から始めて、とにかく金儲けに邁進。
そんな橋下氏にとって、フジテレビをはじめとするテレビ出演は自分の稼ぎと影響力の根源です。
ずっと三位一体攻撃でやってきたのに、いきなり橋下氏は維新と無関係の一民間人と言ってもそれは無理www
もし、今回の菅直人元首相の「ヒットラーなぞらえ」発言に橋下氏よりも維新の会が抗議したことで、やはり橋下氏は維新の人ということになったら、橋下氏がテレビ局から干されてしまうかもしれない危険があります。
これは橋下氏と持ちつ持たれつの関係にある維新にとっても、広報官を失うわけですから一大事です。
つまり、橋下氏と松井・吉村維新が不可分で一体だという彼らの強みであり、アキレス腱でもある部分。
ここが、リベラル左派からの攻めどころなんです。
もし、橋下氏をテレビ界から放逐出来たらこれは大事件ですよ。
少なくとも彼の出番を減らすチャンスは十分あります。
2015年の大阪「都」構想住民投票で維新が負けたら自分は辞める、とは橋下氏は公約していなかったんです。
でも、橋下氏は負けたところからまた挽回するのはしんどいし、政治家では金は儲からないしで、維新の仲間を置いて一人でずらかったんです。
というか、仲間とも思っていなかったんでしょう。単に利用する相手でしかなかったんです。
私は当時からこの人が金のために辞めると感じていたので、政界に戻ることはないと断言していました。
ほとんどの人は2万パーセント戻ると思っていましたけどねwww
そんな人なんです、橋下氏は。
橋下氏が政治家を潔くやめると言い出した時に、一番驚いたのは実は相棒の松井一郎氏だったはず(笑)。
だから内心面白くなかったであろう松井氏は、しかし、ここで橋下氏とけんかしない方がお互いに利用しあえると計算したんでしょう。
そんな人たちなんです、維新って。
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毎日放送 橋下氏、松井市長、吉村知事出演の特番めぐり調査チーム立ち上げ 「偏向報道」指摘受け
配信 スポニチ
毎日放送・虫明洋一社長は19日、社長会見に臨んだ。MBSテレビで1月1日に放送した特番「東野&吉田のほっとけない人」に、大阪市・松井一郎市長(57)、大阪府・吉村洋文知事(46)が出演。ゲストの元大阪府知事で弁護士の橋下徹氏(52)とトークした番組について「政治的公平性を欠くのでは」と指摘があることについて言及。「調査してきちんと報告します」と語った。
【写真】正月特番「東野&吉田のほっとけない人」で爆笑トークを繰り広げた橋下徹氏、吉村洋文知事、松井一郎市長
同番組はMCの東野幸治(54)、吉田敬(48)が「会いたかった人」「興味を持った人」を呼んでトークし、その人間性などを探るというコンセプトの正月2時間特番。過去8回の特番放送のうち、橋下氏は6回、吉村知事、松井市長も出演経験があった。
トーク番組とはいえ、維新を立ち上げた橋下氏と、維新の顔である現職の吉村知事、松井市長という3人が勢揃いし、また、政治色が強めのシーンも多かったことが、各方面から「偏向報道にあたるのでは?」との指摘があった。
虫明社長によると、同局が毎月開催する番組審議会でも、審議委員から「3人を出している状況に対して、厳しめの意見がありました。放送である以上、不偏不党、政治的な中立がどうなのかというご意見をいただいた」と説明。社長自ら命じて番組放送の経緯等を調査するチームを立ち上げた。また、視聴者センターにも20件ぐらい問い合わせがあり、「3人の起用に不満があるというか、問題があるのではというご指摘もあった」と明かした。
企画段階、オンエア前のチェック段階でも問題視する意見はあったようで「調査して、きちんとしたコメントを出します。3月の審議会で報告するように命じている」と虫明社長は語った。
橋下徹「テレビ大量露出」のウラにある巧妙な戦略とは 政治的中立性を巡り毎日放送が調査
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今年1月1日、関西ローカルで放映されたテレビ番組が永田町の一部で話題を呼んでいる。それは、MBSの「東野&吉田のほっとけない人」。東野幸治とブラックマヨネーズの吉田敬が司会を務めるトーク番組だが、この日のゲストは橋下徹・元大阪市長、松井一郎・大阪市長、吉村洋文・大阪府知事。この三人が一堂に会し、およそ45分にもわたってあたかもトリオ漫才のようなやり取りを披露したのだ。
永田町関係者が言う。
「三人とも大阪では人気があるのでしょうが、さすがに日本維新の会の創設者である橋下氏と代表である松井氏、副代表の吉村氏の鼎談を、公共の電波を用いて放送するのは偏向に過ぎる、という声が永田町で上がっているのです。放送の『不偏不党』は放送法で定められたルールですから」
政治的中立性を欠いた番組
選挙、国会議員の文書交通費問題、否決に終わった大阪都構想……。番組では終始一貫して維新の政策を「自画自賛」するかのようなやり取りが続き、橋下氏の口からは都構想実現を切望するような言葉も飛び出した。極めつきは番組後半、「いつか総理になると思う人は」との問いに対し、三人がそれぞれ自分の考えをフリップに書いた場面。橋下氏と松井氏が揃って「吉村洋文」と書いたのだ。吉村氏は自民党の小泉進次郎前環境相の名を書いたものの、“本当は橋下さんにやってもらいたいと思っている”とも述べていた。
司会の二人はこうしたやり取りを温かく見守りつつ、時折合いの手を入れるのみ。例えば大阪府のコロナ対策に関して、人口100万人当たりの死亡者数が全国ワースト1位になっていることなど、吉村知事らにとって「耳の痛い問題」が俎上に載ることはなかった。
毎日放送に取材を申し込んだところ、
〈ご覧いただいた方から「政治的に公平でない」というご指摘があることは承知しております〉
との回答が寄せられた。
「明らかに政治的中立性を欠いた番組が成立してしまう背景には、橋下氏の存在があります。現在の橋下氏は、表向きは維新とは何の関係もない、“いち民間人”“いちコメンテーター”であることを強調しています。今回の番組も、準レギュラーである橋下氏が松井、吉村両氏を“連れてくる”という体裁を取っている。そのため、視聴者に許容されてしまうのかもしれません」(先の永田町関係者)
ツイッターでは維新への言及が突出
現在、橋下氏はフジテレビの「日曜報道 THE PRIME」と「めざまし8」にレギュラーで出演し、昨年1年間の総テレビ出演回数は実に250回を超えた。
「橋下氏がメディアに大量露出しているおかげで、結果的にとはいえ、“維新寄り”の画が公共の電波を通じて流れている。そのことと、昨年10月の衆院選で維新が元の11議席から41議席まで勢力を拡大したことは無関係ではないでしょう」(同)
では、橋下氏は本当に「いち民間人」なのか。
さる政界関係者が昨年の衆院選後から12月末までの橋下氏のツイッターでの各政党への言及頻度について分析したところ、
「『自民』が約60回、『立憲』が約50回だったのに対して、『維新』は400回を超えていました。1年前の同時期についても調べましたが、維新への言及は約10回。ここにきて維新に関する発言が激増していることが分かります」
この時期は日本維新の会所属の足立康史衆議院議員と「バトル」を繰り広げていたこともあって「維新」への言及が多くなった面はあるのだろう。しかし、そのツイートの中身をよく読んでみると、「この足立って議員、本当に維新??」と述べるなど、完全に「維新のブランドを守る」スタンスでの物言いとなっているのだ。
「念のため、やはりコメンテーターを務めている舛添要一前東京都知事の同時期のツイートも調べてみたところ、自民が約20回、維新が10回などとなっており、特定の政党への偏りは見られませんでした」(同)
フジテレビに年間150回出演
橋下氏はテレビでは「いちコメンテーター」をアピールするも、「危機」を察知した際には踏み込んだ発言をすることもある。昨年12月、松井市長の「30人宴会問題」が発覚した際には、「日曜報道 THE PRIME」(12月12日放送)で、
「松井さん、自ら2時間程度ってことをね、吉村さんと松井さんで決めたわけですから、これしっかり守ってもらわなきゃいけないですよね。ただね、ルール自体がおかしいところがあって、確かに松井さんが言ったように上限の人数決まってないんですよ」
と、擁護ともとれる発言をしている。
「橋下氏のテレビなどでの発言は実に巧妙です。不祥事を自らが厳しく非難する姿勢を示すことで“維新の不祥事への厳格さ、清廉さ”を暗にアピールして傷を浅くしようとするものだったり、“改革が手ぬるい”と叱咤することで逆に改革姿勢を示すものだったりします」(先の永田町関係者)
暗黙のうちにこうした「メディア戦略」を許しているテレビ局側の責任も見過ごせまい。中でもフジテレビはレギュラー番組を二つも持たせ、ゲストとしての出演回数も含めると年間150回を超える。他のキー局と比べて突出した出演回数となっているのだ。
京都知事の座を狙っている?
元日本テレビ解説委員で上智大学新聞学科教授の水島宏明氏が言う。
「フジテレビは報道において公平性に気を付ける意識が比較的弱いテレビ局だと思います。他局であれば、橋下さんをレギュラーにはしない、他の共演者でバランスを取るといった措置を講じるでしょう」
先の政界関係者は、
「フジが橋下氏を重用する背景には、今も社内で隠然とした影響力を誇る日枝久元会長の存在がある、という見方があります」
として、こう明かす。
「経営が厳しくなっているフジが今も望みを繋いでいるのが『お台場カジノ構想』。それを推進するために橋下氏を東京都知事にしたい、との思いが日枝元会長にはあるといわれています。橋下氏自身もまんざらでもないらしく、昨年秋、小池百合子都知事の重病説が流れた際には、維新の関係者が病状についてリサーチしていたそうです」
橋下氏のテレビ大量露出の背景に「東京都知事の座」と日枝元会長――。何やらキナ臭い話だが、維新の本拠地である大阪にも、「しがらみ」を感じざるを得ない事実が、表沙汰になることなく眠っていた。
「お世話したことも…」
「2020年7月、大阪市はある会社と『消毒液買入』として約6300万円もの巨額の随意契約を結んでいます。しかし、その会社の社長が維新と親密な関係にある人物だったことから、“何か裏があるのでは”と囁かれてきたのです」(大阪市政関係者)
その会社とは、大阪市に本社がある衛生用品メーカー「サラヤ」。民間調査会社によると、従業員は約1600人、20年10月期の売上高は「コロナ特需」もあってか630億円を超える。社長の更家悠介氏は、「大阪維新の会」を支援するために関西を基盤とする会社経営者約240人が設立した政治団体「経済人・大阪維新の会」の会長を務めている。
「大阪市は『緊急の必要による場合』との理由でサラヤと随意契約を結んでいますが、契約が締結された20年7月はすでに国内での消毒液の大幅な生産が実施されていた時期で、他の業者でも対応可能だったはず。実際、東京都など他自治体では同時期に入札による業者選定を行った事例が多数あります」(同)
当事者である更家社長本人に聞くと、
「随意契約? 随意契約になっているんですか?」
奇妙なことに、社長であるにもかかわらず、6千万円超の契約について把握していない、と言うのだ。
「6千万円も契約していたとは知りませんでした。市との契約自体は会社の担当者がやっているもので、社長である私が実際に出向くわけではありませんから。大阪市が6千万円も使うとは考えにくいけどな……。橋下さんや松井さんをお世話したこともあったけど、何かやってくれなど一言もありませんよ。彼らも私もそういったことは嫌っていますからね」
維新色を強める橋下氏
大阪市は文書で次のように回答した。
「短期間で約58,000Lもの消毒液の調達と災害時避難所約800箇所への配送を行う必要があったことから、(中略)複数の製造業者・卸業者に契約履行の可否について聴取したところ、履行可能の回答があったのがサラヤ(株)のみであったことから、物品買入等契約業者資格審査委員会の審議を経たうえで、サラヤ(株)と特名(ママ)随意契約を締結したものです」
契約内容には消毒液の「調達」だけではなく、避難所への「配送」も含まれていたのである。
「調達だけなら全国の製造業者が対応できたものの、『配送』という余計な契約条件を付すことで実質的にはサラヤしか参入できない環境を作り出したのでしょう。特命随意契約は業者の“言い値”の世界。調達と配送をそれぞれ競争入札にした方が“税金カット”に繋がったのは間違いありません」(先の市政関係者)
早稲田大学非常勤講師の田島泰彦氏はこう危惧する。
「橋下さんや吉村さん、松井さんがテレビに出るのが日常的な光景になりすぎていて、批判するという精神が麻痺してしまっているのでしょうか。この三人が揃って出演するなど、あまりに露骨すぎで、明らかに中立性を欠いています」
中立の立場であるべきコメンテーターとして活躍する一方、“維新色”を強めていることについて橋下氏本人はどう考えているのか。取材を申し込んだところ、A4判3枚にわたる長大な回答文が寄せられた。橋下氏が長々と「弁明」すること自体異例だが、その理由については、
〈今回はきちんとお答えしなければならない質問だと思い回答しました〉
本誌への逆質問
回答文には、本誌(「週刊新潮」)への“逆質問”も含まれていた。以下、可能な限りそれにも答えながら橋下氏の「弁明」をご紹介しよう。
〈放送法を歪めるかたちで出演することは日本のためにもなりませんし、僕の本意でもありませんので、もし僕の出演やコメントで政治的公平性を害する部分があるというのでありましたら、具体的に指摘していただけると幸いです〉
と、橋下氏は書いているが、冒頭で取り上げたMBSの番組が「政治的公平性を害」しているのは明らかであろう。橋下氏はこの番組について、
〈それぞれの人間性にクローズアップした企画〉
だったと言う。しかし、そんな内容の番組ではなかったことはご本人が一番理解しているはず。都構想を切望するような発言をし、「いつか総理になると思う人」として吉村知事の名を書いたことを忘れたのだろうか。
松井市長の「30人宴会問題」が発覚した際のテレビでのコメントについては、
〈僕は元々飲食店への不合理な営業制限には反対の立場を主張しています。ですから「吉村さんのルールの決め方がおかしい」と指摘しました。「国民は不合理なルールに従わなくてもいい」という、ある意味吉村さん批判です。ただし「この不合理なルールを決めたのは吉村さんと松井さんなので、いくら不合理なルールであっても松井さんには守ってもらわないと府民への示しがつかない、だから反省して欲しい」という趣旨の批判コメントです。そもそも大阪府の今回のルールには会食人数の上限は設定されていません。一テーブル4人まで、一店舗2時間程度という制限だけです〉
前出の永田町関係者は、
「橋下さんは、“吉村さんが決めたルールがおかしい”と自分は維新を批判しているじゃないか、と言いたいのでしょうが詭弁です。ルールの決め方の問題に論点をすり替えることで、全体として松井市長を不祥事から守る発言となっているのは明らかです」
と、こう語る。
「“会食人数は上限が設定されていない”という主張についても、ルールとして決まっているのはあくまで“1テーブル当たりの人数”で、飲み会のグループの人数は上限が定められていない、という詭弁でしかありません。また、この主張は松井市長が行った弁明と全く同じものです」
橋下氏の反論に専門家は
橋下氏は回答文で、
〈僕の立場であれば、放送法4条の政治的公平性や意見が対立する問題の場合には多角的に論点を明らかにすべきことを特に意識しています〉
〈その他の番組でも政治的公平性が害されていないか、かなり注意している〉
などとした上で、
〈僕は大阪維新の会、日本維新の会の創設者でありますが、支持政党は明らかにしていません。ただし民主国家の一員である以上、もちろん自分の政治信条に近い政党や政治家は存在します。/それがあたりまえのことではないでしょうか?/あとは出演者の支持する政治家、政党の宣伝にならないような番組作りにしなければならないことはご指摘の通りです〉
〈繰り返しますが、僕は日本国民として自分なりの政治信条がありますし、支持政党もあります。支持する政治家もいます。/しかし、そのことだけで地上波出演ができないというのは違うと思います〉
と強調するが、先の永田町関係者は、
「コメンテーターが政治信条や支持政党を持つことを否定する人はいないでしょう。しかし、世のいずれのコメンテーターも、総理候補として吉村知事の名を挙げたりして特定の政党を支援するコメントは決してしない。そこが決定的な違いであり、本質的な問題だと思います」
立教大学名誉教授の服部孝章氏はこう話す。
「大阪だけではなく全国で着実に力をつけてきている維新に非常に近い人物が、レギュラーとしてテレビ番組に出るということを、本来はメディアや国民が拒否しなければなりません。しかし、現在はメディアにも国民にも権力をチェックする機能が失われているように思います」
橋下氏には東京都知事選出馬の可能性についても聞いたが、
〈現在は、まずは家族を大事に、という価値観です〉
と、出馬を否定した。しかし、無節操なテレビとの“協調関係”が続く限り、「橋下都知事」誕生の日が来ないとは言い切れまい。
橋下徹氏 “維新の顔”露見でテレビ出演に黄信号…「ヒトラー」に例えた著名人は菅氏で6人め
社会・政治 投稿日:2022.01.31 18:00FLASH編集部
吉村、松井…MBS維新〝大集合〟番組の裏にノーギャラ出演 他局も戦々恐々
(東スポWeb)2022/01/20 06:15
毎日放送(MBS)の虫明洋一社長(59)が19日、オンラインで新春社長会見を開催し、今年の元日に放送した特別番組「東野&吉田のほっとけない人」(関西ローカル)への批判に、専務を筆頭とする社内検証チームを発足したと明かした。以前は大阪維新の会から「偏向報道」と〝口撃〟されていた同局が、なぜ「逆偏向報道」ともいえる事態に陥ってしまったのか――。
お笑いタレントの東野幸治、「ブラックマヨネーズ」吉田敬が司会を務めた同番組では、松井一郎大阪市長、吉村洋文府知事、橋下徹氏をゲストに招きトークを繰り広げたが、一部から「政治的公平性を極度に欠いている」などと批判され、社内の番組審議委員会でも「放送である以上、不偏不党、政治的中立はどうなのか」との「厳しめの言葉」があったという。
放送前には社内でも問題視する意見があったというが、それでも放送に至ったことについて、虫明社長は「まさにそのところの調査を強く命じている。企画段階からブッキング、制作、オンエア前のチェックの状況をもう一度きちんと調査した上で、きちんとしたコメントを出したい」と説明。3月までに報告したいという。
MBSといえば、在阪各局の中でも維新に鋭く切り込んだ報道で、維新からたびたび「偏向報道だ!」と名指しされているほどだった。それだけに今回の問題は、関西では意外だと受け取られている。同局関係者によると「偏向報道と言われても、信念を持って取材している現場の記者からは『何であんな番組を放送したんだ』という怒りの声が上がっています」。
なぜ〝逆偏向報道〟のような事態になってしまったのか? 同局は、収益拡大のために注力してきたコンテンツビジネス事業において、映画「劇場版 呪術廻戦 0」が、今月中にも興行収入100億円を突破する勢いを見せている。その一方で中核のテレビ事業は、在阪民放局で視聴率最下位に低迷している。
在阪テレビ関係者は「コロナが発生したころに比べると、吉村さんが出ても視聴率が上がることはなくなってますが、吉村さんにしろ松井さんにしろノーギャラってのは大きい。どこも制作費を削られてますからね。それと在阪各局、番組を制作するうえで吉本興業には頭が上がらない。特にMBSは吉本への依存度が高いと言われ、完全に足元を見られている状態です。視聴率が思わしくないからこそ、吉本に頼らざるをえないのが原因では」と指摘する。
虫明社長は番組放送の経緯について「基本的には『東野、吉田』というネームバリューのあるお2人が興味を持った人の話を聞くという番組。意図としては、その2人に誰と今、話したいのかという原点から始まって、1月1日の時にはレギュラーである橋下さんに加え、吉村さん、松井さんの3人という状況が生まれた」と説明した。
しかし、3人とのトークは東野と吉田の希望によるものかと問われると「もちろん、スタッフと相談の上の話だと思います」と否定。「そこのところも軽々に今の段階で言えないので調査を待って。ただ番組コンセプトとしては、お2人が会いたい人を呼んで、その人の本音なり人間性を探るという番組。そこはズレてないかと思いますけれども、どちらの方から提案があったのかは今は言及できません」とトーンを下げた。
とはいえ関西では維新に関する放送、とりわけ吉村氏の扱いをめぐっては、MBSだけでなく在阪各局が〝偏向報道〟との指摘もある。
府政関係者は「年末年始の放送を見てると、ほかの民放も似たような番組を放送していたし、こんなのはMBSだけの話でもない。MBSの報告結果には、他局も戦々恐々なのでは?」と指摘する。果たしてどんな結論が下されるか。
橋下・松井・吉村揃い踏み番組めぐりMBSが調査チーム 「維新ヨイショ!」に一石を投じるか
1/21(金) 14:40配信 日刊ゲンダイDIGITAL
今年の元日に毎日放送(MBS)で放送された関西ローカル番組「東野&吉田のほっとけない人」に、日本維新の会の橋下徹元代表、大阪市長の松井一郎代表、大阪府知事の吉村洋文副代表の3人がそろって出演したことについて、MBSが「政治的中立性を欠く」として調査チームを立ち上げたことが分かった。同社の虫明洋一社長が19日の会見で明らかにした。
松井市長が呼びかけた「大阪雨がっぱ」36万着…あれから2年弱でどうなった?
虫明社長によると、社内では放送前から問題視する声が上がっていたという。視聴者からも、約20件の問い合わせがあった。放送後に開かれた社内の月例番組審議会でも、「中立・公平性を求める放送法の観点から問題がある」という意見が出たという。そのため、社内に調査チームを立ち上げて、制作過程を検証することになった。その結果は3月の番組審議会で報告される。
MBSは、在阪メディアの中では維新に批判的なことで知られていた。維新側からも「偏向報道のMBS」とたびたび名指しされてきたくらいだ。そういう放送局だから、社会から異論も出たのだろうが、在阪メディアの維新偏重はMBSにかぎった話ではない。
■維新をバケモノにした在阪メディア
「在阪メディアでは、吉本興業の芸人が連日のようにテレビ各局で『維新はさすがやわぁ』『吉村知事はようやっとる』と持ち上げている。それが維新の支持拡大につながってきました。東京に対する対抗心から維新をことさら持ち上げる傾向があるのでしょうが、維新を大阪で敵なしのバケモノにしたのは在阪メディアです。さすがに、現場の報道記者からは『やりすぎだ』と不満の声も出ています」(ジャーナリスト・横田一氏)
昨年末には、読売新聞大阪本社が大阪府と包括連携協定を結んだことも話題になった。その直後の12月30日、読売新聞オンラインで「吉村洋文知事、休日の筋トレ姿を公開! たくましい筋肉に黄色い声殺到『カッコ良すぎ』『キャー!』」という記事が公開され、物議を醸したものだ。吉村が自身のSNSで筋トレの様子をアップしたところ絶賛コメントが殺到したという愚にも付かない内容だった。
「関西圏では吉村知事や維新関係者を取り上げると視聴率やPV数を稼げるのかもしれませんが、そういう人気者に仕立て上げたのは在阪メディアであり、マッチポンプです。MBSの調査結果によっては、他局にも影響が及ぶのではないか。この機会に正気を取り戻し、権力のチェックというメディア本来の役割を思い出してくれることを願います」(横田一氏)
MBSはどんな調査結果を出すのか。
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