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民主党は2012年5月7日の党役員会で、政治資金規正法違反事件で東京地裁から無罪判決を受けた小沢一郎元代表について、党員資格停止処分を解除することを了承 し、5月8日の常任幹事会で10日付の処分解除を正式決定します。
もともと、この処分は「判決確定まで」となっていたそうで、前原誠司同党政調会長は「日本は3審制だ。途中で処分内容を変 更するのはどうか」と控訴されるかを見極めるよう主張したそうです。
でもね、疑わしきは罰せず=推定無罪は世界の刑事法の大原則です。一審で無罪判決が出たら、犯罪成立がこれほど疑わしいことはないわけですから、日本でもアメリカのように検察側の控訴を認めるべきではないんですよ、もともと。この事件に限らず。
だから、有罪率99・9%の日本の刑事裁判で無罪判決が出た(つまり無罪は1000件に1件の僥倖の人呼んで「暗黒司法」である)以上、そりゃあ、党員資格停止処分は解除すべきなんです。
下のような世論調査結果も出ていますが、このような世論調査自体が小沢氏の足を引っ張るのが目的としか思えませんね。市民も無罪判決でもまだ目が覚めないようですが、マスコミの世論誘導の呪縛からそろそろ解放されて欲しいものです。
毎日新聞 2012年05月07日 23時29分
毎日新聞の全国世論調査で、政治資金規正法違反事件で東京地裁から無罪判決を受けた民主党の小沢一郎元代表に対する党員資格停止処分について「解除する必要はない」と答えた人が53%と過半数を占めた。「解除すべきだ」は40%だった。民主支持層でも「解除すべきだ」(49%)と、「解除する必要はない」(48%)が拮抗(きっこう)。民主党は7日の党役員会で元代表の処分解除を了承したが、早期の見直しに慎重な民意がうかがえる結果となった。
もともと、この事件は微罪で、起訴するのがおかしい事件でした。
私は、検察審査会の二度の起訴相当決議でこの事件が強制起訴となった時、小沢氏が党員資格停止となり、民主党代表選挙にも出られないとなったときに、まあ、なんて恐ろしい制度を作ってしまったんだろうと思いました。
マスコミで叩かれ、不人気の人はすぐにこういう目に遭うことになりかねないわけですから。今回の事件なんかも人民裁判のそしりを免れないと思います。
小沢一郎氏・陸山会事件は不起訴にすべき事件だった。検察審査会の強制起訴は人民裁判であってはならない
しかも、裁判では、虚偽内容の捜査報告書でっち上げだの、脅迫まがいの秘書らへの取り調べで多くの取調調書が任意性に疑いありとされるなど、違法捜査のオンパレードが明らかになりました。
取り調べ全面可視化は絶対必要!小沢裁判で調書一部不採用 佐賀国賠で検事の接見交通権侵害で弁護士勝訴
(人気あるのかなあ)
今回の無罪判決を限りなく黒に近い灰色、などと表現してなんとか小沢氏をおとしめようとする向きもありますが、共謀の認識がない可能性があり、無罪、ということは、共謀共同正犯に関しては完全に無罪ということですからね。疑わしきは罰せずなんですから。
刑事事件については、無罪判決が出た人を黒に近いなどと言って足を引っ張ることは法律学的には許されません。
しかし、政治責任はまた別の問題です。法的責任と政治責任はきっちり分けて論じなければなりません。
今回の無罪判決ではしゃいでいる小沢支持の人たちもどうかしていると思います。
小沢氏への判決も政治資金収支報告書の虚偽記載があったことを認め、その動機は小沢氏から資金が出ていたことを隠すためだと指摘しました。
小沢氏は秘書から政治資金収支報告について報告を受け了承していたが、虚偽記載について「共謀」まではなかったというのが、今回の無罪判決の論理です。
つまり、共謀以外の構成要件該当事実はことごとく認定されたといっていいわけです。
もちろん、裁判所が認定したからと言って真実だとは限りません。そこを説明するのが説明責任であり、政治責任です。小沢氏はこの事件発覚後、一回も国会で説明していません。小沢氏が国会での証人喚問に応じ、疑惑に答えるのは当然です。
小沢氏は完全復権し、民主党代表選挙にも出ようと考えているのなら、この問題を国会で説明すべきです。
小沢一郎被告人の国会での証人喚問は三権分立に反しない 国民の知る権利のために必ず実現するべきだ
(BLOGOS 「小沢被告に無罪」より。ちょっとキショクないですか)
そもそも、どうして、いまだに小沢氏に期待するリベラル派が多いのか理解できません。
もともと、記者会見での偉そうな態度を見ても分かるように、彼は有数の非民主主義的な政治家でしょう。小選挙区制導入の主犯ですし、湾岸戦争での90億ドル支出なんかを見てもとても人権重視とは言えない。
小沢一郎民主党元代表 湾岸戦争・小選挙区制・TPP・陸山会事件 政界にいる価値も資格もない
消費税増税反対では頼りになりそうで、その一点で、野田首相よりは数等マシだと私も思いますが、震災が起こっても東北出身の政治家としてまるで動かないし、脱原発にしてもTPPにしても旗幟不鮮明な、宿便みたいな政治家です(たとえが汚くて申し訳ないですが)。
橋下大阪市長みたいな、決断と行動が早い(だけの)政治家が受けている時代に、小沢氏はリーダーになる目はもうないと思いますね。
まあ、そこは評価が分かれるかもしれませんが、少なくとも、一国の宰相を再び目指すのなら、主権者たる国民に政治家が説明責任を果たして判断材料を十分与える、という民主主義の基本に立ち戻って、国会で説明するべきです。
ニコニコ動画で話したり、取り巻きのフリージャーナリスト達に記者会見するだけでは、国民に「説明」したことにはならないのです。
もう一度言いますが、法的責任と政治責任は別です。ある意味、政治責任の方が厳しい。。。
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しかし、小沢氏に証人喚問を求められた事については、ちょっと異論を申し上げたくなってしまいました。
私は別に小沢支持者ではありませんが、こんな微罪(普通なら文書で修正を求められるだけのものだとか)で裁判を仕掛けられた時、
それも、明らかに政治家を失脚させるのが目的である事が見え見えのやり方で、政治家が裁判にかけられたとき、
謂わば被害者と言えるような者に、説明責任があるというのは、どうもおかしいのではないかと思うのですが?
説明責任があるとしたら、
総選挙直前に民主党代表だった小沢氏の秘書を、何ヶ月も拘束して取り調べたり、
検察が立憲できないとなると、怪しげな検察審査会を利用して被告に仕立て、小沢氏の政治活動を阻み続けた、麻生政権と検察を初めとした司法の方にこそ、
説明責任があると私には思えるのですが?
又国会で証人喚問を求めているマスコミの、これまでのやり口から想像すると、
彼等は証人喚問で小沢氏が発言した事の総てを、国民の前に披露はせず、
国民が小沢氏に疑惑を残すだろう所だけを選んで編集して、
テレビ等で放送して、小沢氏の足を引っ張ろうと証人喚問を主張しているのだと想像されます。
証人喚問を求めると言う事には、
小沢を貶めたいという意思が感じられます。
好き嫌いに関わらず、
国政選挙で選ばれた政治家を、
検察やマスコミをも操作できるの権力者が邪魔に思ったら、裏工作して失脚させる事も自由自在ということを許していたら、
日本はもう民主主義国ではないことになってしまうのではないでしょうか?
それに今、証人喚問を求めるなら、
東電社長か会長の証人喚問にしてほしいと思うのは、私だけでしょうか?
ですが、小沢氏の「説明責任」あるいは「政治的責任」については畏れながら反対意見を述べさせていただきます。そもそも、説明責任や政治的責任という言葉が踊っており、訳の分からないテレビのコメンテーターが九官鳥のようにしゃべっていますが、「説明責任や政治的責任とは具体的に何か?」という問いに対して具体的にどれだけの人が答えられるのでしょう?
原発事故の収束、被災地の復興など、政治が寸暇を惜しんで取り組まなければならない課題は山積しています。とりわけ、福島第一原発四号機の使用済核燃料貯蔵プールが危機的状況を迎えていることを世界が注視しています。仮に貯蔵プールが地震等で破壊されれば、人類がこれまで経験したことがないおびただしい放射能が降り注ぎます。かりにそのような破滅的事態に至れば、日本全土のみならず、朝鮮半島、東アジア、極東ロシアは人が住めなくなるかもしれません。その時、今度という今度こそ私は死を覚悟すると思います。
ですから、もうこんな不毛な裁判に振り回されるのは勘弁してほしいです。本当に、政治は国民の命を、あらゆる生き物の命を危機から救ってほしい。
ただ、今日指定弁護士が控訴したことによって、むしろ検察・司法の巨大犯罪が更に法廷で明るみになるのではないかという期待もあります。