本社加盟の日本世論調査会が昨年12月5、6両日に実施した今年夏の参院選に関する全国面接世論調査で、選挙後に参院で与野党の勢力が伯仲する方がよいとの期待は54%に上った。「与党が過半数を維持する方がよい」は30%、「野党が多数を占める方がよい」は8%だった。憲法改正に賛成する議員が衆参両院で3分の2以上を占めて改憲の発議が可能になるよう望む回答は57%で、これを望まないとする33%を上回った。

 参院選で隣接選挙区を統合する二つの合区が初導入されるのを踏まえ、将来の選挙制度について聞いたところ、合区で「1票の格差」是正を進めるとしたのは20%にとどまった。最多は「都道府県単位で代表を選ぶことを優先する」の37%で、「現行制度を抜本的に見直す」が34%で続いた。

 現時点での投票先は自民党が42%となり、民主党(11%)以下を引き離した。おおさか維新と公明党が各5%、共産党が4%、維新の党が2%、社民党と生活の党が各1%。次世代の党(現・日本のこころを大切にする党)、元気にする会、新党改革は0・5%に満たなかった。参院選で与野党勢力伯仲に期待しつつも、野党がその受け皿になりきれていない現状がうかがえる。

 

 

戦後の日本「憲法が役立った」86%

 
戦後70年の評価と安倍政権の評価
 
 

毎日新聞と埼玉大社会調査研究センターと共同世論調査

 毎日新聞は10〜12月、埼玉大学社会調査研究センターと共同で郵送世論調査「日本の世論2015」を実施した。「戦後の日本の繁栄に今の憲法が果たしてきた役割」の評価を尋ねたところ「役立った」との回答が86%(「かなり」34%、「ある程度」52%)に上った。「あまり役立っていない」は9%、「全く役立っていない」は2%だった。

 「戦後レジームからの脱却」を掲げる安倍晋三首相は来夏の参院選後を視野に、政権として憲法改正に取り組む構えを見せている。調査では、憲法が「役立った」との回答は内閣支持層でも86%と回答者全体の傾向と変わらず、憲法の評価は浸透している。憲法9条を巡っては「戦争放棄」を定めた1項と「戦力不保持」を定めた2項のそれぞれについて改正すべきだと思うかを質問。「改正すべきではない」が1項で57%、2項で46%を占めた。「改正すべきだ」は1項17%、2項23%だった。1項より2項の方が改正派の割合がわずかに高い背景には、実際に自衛隊を保有していることへの違和感があるとみられる。

 調査は「寄付つき世論調査」として13年から毎年実施し、今回で3回目。全国の有権者2400人を対象とし、61%の1468人から有効回答を得た。【今村茜】

 

 

 

  共同通信社は戦後70年に当たり、憲法改正の是非など国民の意識を探るため5~6月に郵送方式で世論調査を実施した。憲法について「このまま存続すべきだ」は60%で、「変えるべきだ」の32%を上回った。戦後の歩みの中で良かったこと(二つまで回答)は「国が復興し経済的に発展した」の55%、「他国と戦争せず平和だった」の54%が上位となった。

 戦後50年を前に日本世論調査会が実施した1994年7月の面接調査では、憲法に関し「このまま存続」は55%、「変える」は34%だった。戦後70年を迎え、集団的自衛権行使を容認する憲法解釈変更をはじめ安倍政権による安全保障政策の変質が進む中、憲法や平和の重要性が再認識されているといえそうだ。

 日中戦争と太平洋戦争について「戦争体験を含め直接知っている」との回答は6%にとどまった。先の戦争の評価を「侵略戦争」とした人は49%で、「自衛の戦争」は9%。「どちらともいえない」が41%を占めた。

 憲法を変えないという人が評価する点(二つまで回答)は「戦争放棄・平和主義」が88%で最多。「基本的人権の尊重」51%、「象徴天皇制・国民主権」31%が続いた。

 変えるべきだとする人が憲法で評価しない点(同)は「戦争放棄・平和主義」36%、「占領軍が起草」34%、「環境権などの不備」24%の順だった。平和主義をめぐる考え方の違いが評価を左右した形だ。安保関連法案の国会審議で、平和主義が論点になったことも影響したとみられる。

 「戦後の歩みの中で、特に問題だと思うもの」(二つまで回答)は「家庭や地域社会の連帯感が薄らいだ」が30%、「環境破壊が進んだ」が28%だった。

 日本が「悪い方向」に向かっていくと答えたのは「どちらかといえば」を含め計52%で、「どちらかといえば」を含めた「良い方向」の計46%よりも多かった。取り組むべき課題(三つまで回答)は「少子高齢化」「年金・医療制度」「財政赤字」の順となった。

 日本外交で重視すべきなのは「アジア諸国との関係」が最多の42%。中国、韓国との関係改善に努力すべきだとの回答は共に70%以上だった。
 
 ◎国民に「平和主義」定着

 戦後70年の世論調査で鮮明になったのは、「平和国家」としての戦後の歩みと日本国憲法を肯定的に評価する国民意識だ。戦争を直接知る世代は少なくなり、終戦の2年後に施行された憲法の改正が具体的な課題として取りざたされる。しかし平和主義は国民の間にしっかりと定着しているといえよう。

 今回の調査で憲法は「このまま存続すべきだ」との回答は60%と約20年前の調査の55%よりも増えた。 存続と答えた人に憲法を評価する点(複数回答)を聞くと 「戦争放棄・平和主義」を挙げた人が88%にも達する。

 戦後の評価(複数回答)でも「国が復興し経済的に発展した」「他国と戦争せず平和だった」の2項目が上位を占めた。経済発展も平和という前提条件があったからだ。

 一方で日本の将来を 「どちらかといえば」を含めて「悪い方向」と答えた人の多くは憲法は「存続すべきだ」と回答し、「どちらかといえば」を含めた「良い方向」では存続と改正の差が縮まる。改憲を宿願とする安倍晋三首相が率いる政権への評価が将来に対する見方の「二分化」につながっているとも分析できそうだ。

 今後の課題として上位に並んだ「少子高齢化」や「年金・医療制度」などの対策は時に痛みも伴うものだ。二分化する国民意識を「統合」し、幅広い合意を形成する取り組みが、政治に課せられた責務といえよう。

(共同通信)

 

 

2015.4.27 20:15 産経新聞

【本紙・FNN合同世論調査】

未来志向の戦後70年談話を60%が「評価」

 産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が25、26両日に実施した合同世論調査によると、安倍晋三首相が今年夏に発表する戦後70年談話に「植民地支配と侵略」などの文言を盛り込むことにはこだわらず、未来志向の談話を出したいとの考えを示していることについて、60・1%が「評価する」と答えた。「評価しない」が29・8%だった。

 70年談話に対する首相の姿勢について男女別内訳では、男性の64・8%、女性の55・7%が「評価する」と答えており、各年代ともに「評価する」が「しない」を上回った。

 支持政党別では自民党支持層の78・1%、公明党支持層の68・0%、維新の党支持層の68・6%が評価するとしたが、民主党の支持層は「評価しない」(46・2%)と「評価する」(43・0%)がほぼ拮(きっ)抗(こう)した。

 一方、小型無人飛行機「ドローン」が首相官邸屋上に侵入した事件を受け、官邸など重要施設上空の飛行規制強化に関しては86・7%が必要だと答えた。

 憲法改正の賛否をたずねたところ、賛成は40・8%で、反対は47・8%。集団的自衛権の行使容認を含む安全保障関連法案の今国会成立については、賛成が36・2%と前回3月の調査よりも5・1ポイントアップした。反対は49・5%だった。政府が目指す米軍普天間飛行場(宜(ぎ)野(の)湾(わん)市)の名護市辺野古移設については、反対が44・7%で賛成の39・9%を上回った。

 安倍内閣の支持率は前回3月の調査より3・4ポイント低い50・2%で、不支持率は35・9%だった。

 

 

アベノミクス「評価せず」44% 本社世論調査 

2015/12/28 21:49 日本経済新聞

 日本経済新聞社とテレビ東京による25~27日の世論調査で、安倍政権の経済政策「アベノミクス」を「評価する」は38%で「評価しない」の44%を下回った。同様の質問をした8月調査からそれぞれ横ばいだった。

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 安倍晋三首相は9月の自民党総裁再選後に「国内総生産(GDP)600兆円の達成」などの「新3本の矢」を発表し、経済成長のてこ入れを図っている。その前後で受け止め方にほとんど差がないことがわかる。

 女性はアベノミクスを「評価する」が33%にとどまり「評価しない」の44%を下回った。男性は「評価する」が44%、「評価しない」が43%で拮抗した。家計を預かることの多い女性の方が厳しい見方をしている。

 内閣支持層は「評価する」が67%で「評価しない」が18%。不支持層は「評価する」が9%、「評価しない」が83%。経済政策への評価が内閣支持、不支持を分けているようだ。

 安倍政権に来年、優先的に処理してほしい政策課題を複数回答で聞くと「年金など社会保障改革」が54%で最も多かった。続いて「景気対策」が38%、「地方の活性化」が32%、「財政再建」が30%だった。「外交・安全保障」は25%だった。

 社会保障改革を求める声は男女とも最も多い。内閣支持、不支持、支持政党の違いにかかわらず最多だった。安倍首相の持論である「憲法改正」は12%と、関心は高くはなかった。

 前回同様の質問をした10月初めの調査では29%で、3位だった「原発・エネルギー政策」は5ポイント低下して6位。社会保障改革、地方の活性化、財政再建はそれぞれ4ポイント上昇した。

 

 

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