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日本国憲法はその13条でこう規定しています。
13条 すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。
この前半部分が「個人の尊重」とか、「個人の尊厳」といい、日本国憲法の最高価値を規定したものと考えられています。
我々は一人一人、世界にただ一つの花。もともと特別なオンリーワン、ということですね。
あなたはあなただからこそ素晴らしいということです。
13条の後半は幸福追求権の保障と言って、ここからプライバシー権や名誉権などが具体的に保障されていると考えられていますが、注目して欲しいのは、幸福を保障するのではなくて、それを追い求める権利が保障されているということです。
幸せとは何かはそれぞれの個人によって違います。
なりたいものになり、やりたいことがやれるように。
自分らしい、自分だけの幸せを追い求める権利が保障されているのです。
憲法記念日 人間一人一人がかけがえのない存在として大切にされる社会を目指して
東日本大震災から半年が経過しました。
この機会に真の復興とは何なのかを考えてみました。
それは、被災者お一人お一人が、それぞれの幸せを追い求めることが出来るようにすることではないか、と考えます。
被災地をめぐる状況は厳しさを増し、被災者の多くが「取り残された」状態に陥っています。
死者・行方不明約2万人。全国の避難者数は8万2千人あまり(8月23日現在)。
そのうち半数以上の5万人近くが、原発事故のあった福島県民の避難者です。その結果、福島県の人口は約30年ぶりに200万人を割り込みました。
福島県に残った人々も「安全性」と「復興」の板挟みで苦しんでいます。
内部被曝の恐怖27 学校放射線基準 年1ミリシーベルト以下目標なら、もう集団学童疎開も考える時期
宮城県でもっとも死者・行方不明者の多かった石巻市では、避難所を転々とする住民や、津波で被害を受けた自宅の2階に住まざるを得ない被災者がいまだに多く残されています。
こうした被災者には、行政の支援も満足に行き届かず、震災から半年が経ったいまも被災者の生活再建が一向に進んでいないのが現状です。
被災地 劣悪な避難所状況 ヘドロ大量放置・イエバエ異常発生で感染症が広がるおそれ もはや生存権侵害!
被災した地域の復興計画についても、財源を確保する先行きが見えないことや、住民の合意を得る難しさに直面し、進んでいません。
読売新聞の調査では、自分の住んでいた地域が復興できると考える避難者はどんどん減って4人に1人。
自治体のなかには、当初計画していた高台への移転を変更し、津波の被害にあった浸水域に地域を「復旧」する計画を検討するところも出てきているのです。
「二重ローン」と呼ばれる問題があります。
金融庁によると、被災地の企業や個人は合計5560億円の債務を抱えているといいます。
もともと、事業や住宅のためにローンを抱えていたのに、工場や住居を失い、もう一度手に入れようとするとローンが二重になってしまうのです。
被災地の農業・漁業関係者、事業主やマイホームを持つ多くの人が抱えている問題です。
約2万もの中小企業や個人が既存債務の返済に追われる傍ら、生活再建に向けて新たな借金をすることで、破産に陥るリスクに直面しているのです。
東日本大震災 被災地過重「二重」ローンの激痛 被災者・被災企業の不合理な債務・負債 徳政令の出番か
東日本大震災が阪神大震災と圧倒的に違う点の第1は、津波などにより生活基盤であるコミュニティーが根こそぎ破壊され、個人の力では再生可能な状態の方々がとてつもなく多いと言うことです。
今度こそ、個人二重ローンも救済しなければなりません。
そして、さらに、今回の震災が特別なのは、福島原発事故です。
野田首相は、「福島の再生なくして、日本の再生なし」といいましたが、福島原発事故の反省なくして日本の再生なし。
脱原発なくして、日本の復興なし、です。
日本に陽はまた昇る 脱原発→節電・省エネ技術でライジングサンアゲイン計画を!
セシウム汚染牛などの問題もありました。
福島セシウム汚染牛4頭発見 事故後4000頭出荷 宮城は全頭検査せず出荷停止解除 内部被曝の恐怖37
結局、原発事故が悪いのです。
責任を負うべきは、東京電力であり、経産省であり、これまで原発を推進してきた勢力です。
保安院のやらせを産んだ原発推進利権 自民党・経産省・財界・マスメディア・自治体の癒着の構造
福島から避難した被災者が病院で診療拒否を受けたり、郡山ナンバーの車が傷つけられたり、他県に転校した福島の子どもがいじめられるというようなことも起きています。
福島の子ども達が県外に避難した先で、偏見にさらされ差別されている問題。他人事でしょうか?
京都の五山の大文字焼きで、陸前高田の薪がセシウム汚染されていると過剰反応が起こる事件もありました。
平泉大文字送り火:被災家屋の木材使用 京都五山の送り火は陸前高田の薪使用中止
日本のように地震・津波、台風・洪水、火山の噴火などの天災にたびたび襲われる国では、いつ自分が被災者になるかわかりません。
また、54基も原発があるのですから、いつヒバクシャになるかもわからないのです。
今、被災者を見捨てたり、差別するような行動を取っていれば、明日は我が身です。
また、福島原発で働く作業員の方々の犠牲の上に、我々の危なっかしい安全が守られていることを忘れがちではないでしょうか。
福島原発1号機建屋での作業開始 本当の恐怖は「原発労働者の命を食べて生きる」ことに平気な私たちの社会
東北三県に入ったボランティアは延べ七十万人、義援金は総額三千億円を超えています。
素晴らしい善意の結集です。
岩手県は復興に向けた基本方針に二つの原則を掲げています。
一つは、被災者の人間らしい暮らし、学び、仕事を確保し、一人一人の幸福追求権を保障すること。もう一つは、犠牲者の故郷への思いを継承すること。
まさに人間性の復興を志向しているのです。
この「人間復興」は、憲法第13条「個人の尊厳と幸福追求権の保障」に通じるものです。
しかし、阪神大震災では、結局、道路や建物のハコもの復興が優先されてしまったのではないでしょうか。
今、神戸で仕事をしている私から見ると、神戸空港の建設や超高層化の土地区画整理と市街地再開発は、決して被災者の生活再建につながったとはいえないと感じます。
大事なのは、心の復興です。
政府は、いままた阪神大震災で失敗した「創造的復興」を掲げました。
野田首相は、民主党代表選挙の中で、震災は景気回復のためのチャンス、とさえ言い放ちました。
震災をテコにとか、踏み台にとかいう議論は、復興を口実にした開発・成長優先であり、本末転倒です。
これでは、人間復興ではなく、今までの「お上による上から目線の復興」を繰り返すことになります。
人間本位の復興なら子供達の給食も満足に出してあげられていないなどという状況になるわけがありません。
東日本大震災 子ども達に安全でおいしい給食を食べさせてあげて 宮城県女川町で完全給食再開
また、真の復興のためには、東電の賠償義務は原発で儲けてきた人が負うべきであり、国民が背負うべきではないことを忘れてはなりません。
原発賠償事故支援機構法案 閣議決定 東電の賠償義務を全国民が電気代でまかなう賠償スキーム 断固反対!
巨大地震、大津波、原発事故、風評被害という未有の複合災害が起きて、まだ半年。
やり直しは出来ないけど、取り返しはつきます。
被災者一人一人がご自身の幸せを見つけ、それを追い求める手助けを全国民でしたいものです。
それが自分の幸福追求にもつながるのですから。
被災者の心の復興・・・
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被災3県「復興できる」24%、減少傾向続く
東日本大震災の発生から6か月を前に、読売新聞は、避難生活中の岩手、宮城、福島の3県の被災者計500人にアンケート調査を行った。
このうち、「震災前に暮らしていた地域は復興できる」と答えた人は4人に1人にとどまった。
「復興できる」と考える人の割合は、発生から1か月と3か月でも実施した本紙調査のたびに減っており、時間の経過とともに復興への期待がしぼむ厳しい実情が浮き彫りになった。
調査は先月27~30日、岩手、宮城両県で被災した各150人と、原発事故で福島県内外に避難した200人に、仮設住宅や避難先の住宅などで記者が聞き取った。
岩手、宮城両県で「復興できる」と答えた人は24%。発生1か月(53%)、3か月(38%)と比較して大きく減った。福島県の被災者でも「復興できる」と答えた人は24%。発生1か月で41%、3か月では32%で、減少傾向に歯止めがかからなかった。
東日本大震災:「子ども煩わしい」7割 母親対象に影響調査(1/2ページ)
◇「甘え増えた」3~4割 ストレスで親に余裕なく
東日本大震災後、乳幼児を持つ母親で「子どもが煩わしくてイライラしてしまうこと」が「よくある」「時々ある」と答えた人は7割に達することが、ベネッセ次世代育成研究所のインターネット調査で分かった。同社が昨年行った郵送調査では、同じ回答は54%で、震災は子育てにも大きなストレスを与えているようだ。【田村佳子】
「子どもが煩わしい」と答えたのは、首都圏の母親で71%。首都圏・東北以外の母親でも70%と変わらず、直接震災を経験したかどうかを問わずイライラを感じている。同じ質問は4回目で、「煩わしい」が70%を超えたのは初めてだ。
子どもの言動の変化について首都圏の母親に尋ねると、震災後2週間に母親に甘えることが増えたのは0~2歳児の32%、3~5歳児の41%。震災2カ月後でも0~2歳児の31%、3~5歳児の26%は甘えが続いていた。年齢の高い子の方が震災直後の影響は大きく、年齢の低い子は回復に時間がかかっている。
毎日新聞 2011年9月11日 東京朝刊
ベートーベンも、ハイリゲンシュタットへ耳の病気のリハビリに出かけたが、当時の医療では直らないので、自殺を決意し遺書を書いた。
作曲家、音楽家を志したベートーベンにとって、耳の病によって聴力を失うことは、生きる意味の喪失で、ハイリゲンシュタットへ治療に来た意味がなくなり、死を決意したのだった。
しかし、彼は、ドイツの国民に対する希望と、祖国の理想のためには、自分のできる音楽によって、その国民、民衆の意気を、振るい立たせることができるのだ、と一晩寝て考え直した。
その手書きの遺書は、彼が亡くなった後に発見され、ハイリゲンシュタットの遺書となって、後世の人々へ感動を与えた。
なぜなら、耳の聞こえなくなった音楽家のベートーベンは、その遺書を書いて後で、運命の第五交響楽シンフォニー、第九の歓喜の歌を作曲して、ドイツ民衆、世界の音楽愛好家へ、自殺の死から生きる復活の生きとし生きる勇気と、生きることの素晴らしさを、残したからであった。
この幸福を追及する国民の権利に関する、本件のブログ記事を読んで、ベートーベンが書いたハイリゲンシュタットの遺書の後に、その生きる力で運命を切り開いて、歓喜の歌へと昇華した彼の苦しみと、ドイツ国民、いや世界の人々へ、生きる幸せを届けたベートーベンの遺書を、思い出した。
この随想を、東北大震災、福島原発事故によって、避難の苦しみの中にある方々へ、一言まで、、、
原発推進者にこそ、これを見て欲しい。
この光景を見て、いや彼らの前で、「原発賛成!」と言えるもんなら言ってみろ!
と同時に、「現実的(お金)にすぐに廃止はしないほうが…」と言ってた自分も深く反省です。
っていうか、、、ガレキ処理どうなってるんだーーー!
放射能がちょっと飛び散るぐらい我慢しようよ。
被災者の人だって、毎日ガレキ見せられたら忘れたくても忘れられないでしょうに!
原発推進派だけでなく、脱原発派までもがガレキ処理に反対しているとは…
にも関わらず去年を表す漢字が「絆」、、、、、、、はぁ。。。
もう、今年を表す感じは「恥」で決まりでしょ!