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弁護士・元ロースクール教授宮武嶺の社会派リベラルブログです。

逃げるな白アリ!復興予算流用問題で民主党委員と答弁予定官僚が全員欠席して検討小委員会が流会!

2012年10月12日 | 東日本大震災の真の復興

(全省庁上げて血税に群がる白アリならぬヤブ蚊ぶり。予算をぶんどるということはそれを配分する権限・利権を得るということだから)



 およそ19兆円の復興予算のうちの数割が被災地以外に支出されていると批判の声が上がっています。たとえば外務省によるアジアや北米との青少年交流事業や、国土交通省による沖縄県の国道整備、財務省による全国の国税庁関連施設の耐震化といったケースが、被災地の復興と直接の関係がないのは明らかでしょう。

 経産省の巨額の出費は、東北と取引があるからと言って、岐阜県のコンタクトレンズ会社を含めるとかわけのわからないものばかりです。

 また、農水省の予算には、反鯨団体「シー・シェパード」の妨害活動への安全対策が含まれています。これについて、水産庁は「調査捕鯨で得られた鯨肉が、宮城県石巻市の産業復興に貢献した」と説明していますが、それこそ詭弁もいいところです。
 
 一番ひどい話は、復興予算なのに原発推進にも使ってしまったことです。東日本大震災の復興を遅らせている最大の原因が福島原発事故なのに、文部科学省が高速増殖原型炉「もんじゅ」などを運営する独立行政法人・日本原子力研究開発機構(原子力機構)の核融合エネルギー研究費に42億円が復興予算から計上してしまったのです。全く、盗人猛々しいとはこのことです。

 こうした予算がまかり通った背景には、政府が昨夏決定した復興基本方針で、産業空洞化や全国各地の防災対策などを「日本全体の再生」として復興政策に含めたことによります。これを各省が拡大解釈し(最初からそのつもり)、予算を査定する財務省も「復興予算」として認めたのです。まさに、霞が関総力を挙げての火事場泥棒です。こんなことだから白アリって言われるんですよ。

究極の火事場泥棒=白アリ官公庁が寄ってたかって被災地以外に使ってしまう復興予算=血税

写真

(「生活再建」のための二重ローン対策をケチっておいて、被災地以外にお金を使うなんて許せない)

 

 

 

 さて、この東日本大震災の復興予算が被災地以外で支出された問題で、審議を予定していた衆院決算行政監視委員会の行政監視小委員会は2012年10月11日午前、審議しないまま流会になりました。 

 この小委では11日午前9時から5時間開き、上に書いたような「被災地の復興と関係がない」と批判を受けた8事業を審議する予定だったのです。ところが、委員14人のうち野党委員6人は全員出席したのに、民主党の8人が「民主党の委員が決まっていないので出席できない」などと言い訳して全員欠席し、開催に必要な定足数7人に達しませんでした。

 おまけに、野田民主党政権が内閣総務官室を通じて欠席を指示し、各省庁の答弁予定者も全員出席しなかったというのです。

 ふざけてますねえ。政府側が委員会の出席要請を拒むなんて聞いたことがありません。野田政権は復興増税や消費税増税で国民に痛みを強いておきながら、自分の痛いところを突かれることからは逃げるというわけです。

 次回の小委の開催日程は決まっておらず、復興予算の使途の適否をめぐる審議が行われない事態が続いています。これは民主党も霞が関もよほど隠したいことがあるのでしょう。とにかく、国民の巨額の血税が余計なところに使われようとしており、肝心の被災地の復興は遅々として進まないという理不尽な状態が続いているのです。

 これについて、自民党の新藤委員長は、

「被災地のために復興予算の適切な使い道を決めることは、国会の責務なのに、民主党が出席しないのは極めて遺憾で、強く抗議する」

と述べています。これは一見正論ですが、自民党も、東日本大震災の復興や災害対策のためと称して10年間で200兆円の公共投資を行うことを柱とした「国土強靱化基本法案」を衆院に提出していますから、どっちもどっちというか、火事場泥棒狙いは一緒で呆れます。

 しかし、曲がりなりにも、今は政権を担っているのは民主党。震災復興のために増税したのも民主党。そのあと財務省とつるんで消費税増税までしたのも民主党なんですから、説明義務を果たすべきです。こんな人たちが決めた消費税増税なんて絶対に認められません。

 逃げるな、民主党!誤魔化すな、官僚!!

(これだけ国民が苦労して用意したお金を湯水のように無駄遣いするなんて許せない)


 

 

そんな消費税増税に賛成した自民党もどうよ。

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復興予算検証の小委員会 流会に

10月11日 13時37分
復興予算検証の小委員会 流会に
 

東日本大震災の復興予算が関連性の薄い事業に使われているという指摘を受けて、衆議院決算行政監視委員会は11日、小委員会を開いて質疑を行うことにしていましたが、多数を占める民主党が出席せず流会になりました。

政府は、東日本大震災からの復興に向けて、5年間で少なくとも19兆円規模の予算を充てる方針で、財源確保のため、所得税などの臨時増税を実施することにしていますが、復興予算を使って関連性の薄い事業が行われているという指摘が出ています。
これを受けて、衆議院の決算行政監視委員会は、自民党の新藤義孝委員長が、職権で、小委員会を11日開くことを決め、質疑を行うことにしていました。
しかし、小委員会で多数を占める民主党は、「民主党の委員が決まっていないので、出席できない」などとして出席せず、委員の出席が半数に満たなかったことから、流会になりました。
これについて、新藤委員長は、「被災地のために復興予算の適切な使い道を決めることは、国会の責務なのに、民主党が出席しないのは極めて遺憾で、強く抗議する」と述べました。
また、新藤氏は記者会見で、小委員会に、政府側も出席しなかったことを批判したうえで、「民主党の指示だとすれば強い警鐘を鳴らさなければならない」と述べ、政府側に説明を求める考えを示しました。

“先例に照らし内閣総務官室が判断”

藤村官房長官は、記者会見で、決算行政監視委員会の小委員会に政府側が出席しなかったことについて、「事実関係を調べているが、先例に 照らして内閣総務官室が判断したと聞いている。野党側から、総理大臣官邸に対して、『立法府として経緯を聞きたい』という申し入れがあったので、きちんと 対応したい」と述べました。
復興予算を巡っては、平野復興大臣が財務省に事業を精査するよう求めているほか、政府の行政刷新会議も、復興予算とし て適当ではない事業が計上されていないか調査しており、政府は不適切な使い方が明らかになれば予算の執行を一部停止することも含め、対応することにしてい ます。

“一方的な開催は残念”

民主党の山井国会対策委員長は記者団に対し、「民主党の委員が決まっていないので、委員会には出席できない。それなのに、野党が一方的 に委員会を開催したのは非常に残念だ。こういう状態では政府の担当者も委員会には出席できないので、政府側に出席しないよう指示を出した」と述べました。

 

毎日新聞 2012年10月11日 東京夕刊

 東日本大震災の 復興予算が被災地以外で支出された問題で、審議を予定していた衆院決算行政監視委員会の行政監視小委員会は11日午前、審議しないまま流会になった。委員 14人のうち民主党の8人が全員欠席し、開催に必要な定足数(7人)に達しなかった。野党委員6人は全員出席した。次回の開催日程は決まっていない。

 新藤義孝小委員長(自民)は流会後の記者会見で、民主党の委員だけでなく、各省庁の答弁予定者が出席しなかったことを指摘し「残念で、怒りを感じる」と強く批判。政府側が欠席した経緯について「民主党が内閣総務官室を通じて指示した」と明らかにした。

 これに対し民主党の山井(やまのい)和則国対委員長は国会内で記者団に、政府側に欠席を指示したことを 認めたが、民主党が野党だった当時にも同様のケースがあったと指摘。「与野党が合意しないと委員会を開けないのは国会のルールで、自民党も承知だと思う。 開催が強行されたのは非常に残念だ」と反論した。

 小委は11日午前9時から5時間、沖縄国道整備事業(国土交通省)など「被災地と関係がない」と批判を受けた8事業を審議する予定だった。【岡崎大輔】

 

 

写真

 政府の二〇一二年度予算の復興特別会計のうち、高速増殖原型炉「もんじゅ」などを運営する独立行政法人・日本原子力研究開発機構(原子力機構)の核融合エネルギー研究費に四十二億円が計上されていたことが分かった。文部科学省は一三年度予算の復興特別会計でも、四十八億円の研究費を概算要求している。東日本大震災の被災地復興のため、国民に新たな負担を求めた復興予算が復興とは直接関係のない「原子力ムラ」の事業に使われた。(中根政人)

 原子力機構に対し、一二年度予算の復興特別会計からは百億円超が支出された。このうち、東京電力福島第一原発事故の収束や除染に関する技術開発費などを除く四十二億円は、日本や欧州連合(EU)、米国、中国など七カ国・地域が核融合エネルギーの実用化を目指して共同で進める国際熱核融合実験炉(ITER)の研究事業に充てられた。ITERは、日本国内では、青森県六ケ所村と茨城県那珂市に研究拠点がある。

 復興とは無関係との指摘について、原子力機構は「被災地の研究拠点を通じて、復興を支える技術革新を促進できる」と強弁。文科省も「被災地の産業振興だけでなく、日本全体の復興につながる」と説明している。

 京都大原子炉実験所・小出裕章助教は「被災地の復興を最優先に考えるならば、むしろ原子力機構の不要不急な研究事業を削減して財源を確保する取り組みが不可欠だ。核融合エネルギーは、実用化のめどが立っておらず一般会計も含めて研究予算を付けること自体が無駄遣いだ」と批判している。

 政府は、東日本大震災の復興財源について、所得税や住民税の増税などで一一年度から五年間で計十九兆円を確保した。だが、津波で甚大な被害を受けた沿岸部の被災地へ十分に回っていないことや、被災地以外の公共事業などに使われていることに疑問の声が上がっており平野達男復興相は実態調査を財務省に要請している。

 原子力機構は原発推進の経済産業省や文科省の幹部らが天下りしOBが再就職した企業・団体と多額の取引を行っていることなどに批判が集まっている。

◆省庁が分捕り合戦

 災害復興予算の問題に詳しい宮入興一・愛知大名誉教授(財政学)の話 東日本大震災の復興予算は、被災地の復興に加えて「活力ある日本の再生」が編成の目的とされた。そのことで、復興を口実にした各府省の事業予算の分捕り合戦が起こり、復興とは無関係な事業にお金が回る事態に陥っている。

 原子力機構が研究費を復興特別会計から計上したのもその一例で、被災地のためではなく、予算をより多く確保したいという姿勢の表れでしかない。

<国際熱核融合実験炉(ITER)> 太陽で起きている核融合と同様の状態を人工的につくり出し、発電に使えるかどうかを実験する装置。実験炉の建設地をめぐっては、日本と欧州連合(EU)が誘致合戦を展開したが、2005年にフランス国内への建設が決定した。実験炉の運転開始は20年を予定している。


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4 コメント

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BLOGOS記事について (ミニも良かった)
2012-10-12 21:13:07
民主党の復興予算横流しについては私も義憤を感じますが、自民党の強靭化法案が火事場泥棒と同列に語るのはどうでしょう。
あなたも元である藤井教授の説はごらんになられたかと思いますが、これが成功するかしないかという問題はさておき火事場泥棒という理念とはもっとも遠い地点にあるといえます。
もちろん何の予算であれ、そうなる可能性はありますから、巨額である以上私たちもよく観察、検証はしないといけませんが。
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Unknown (福島県人)
2012-10-13 12:19:16
民主党の菅直人をかばっていたあなたが、そんなこと書いていいんですかね。
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Unknown (Unknown)
2012-10-13 17:02:30
復興予算の流用、私も腸が煮えくり返る思いです。
が、マスコミの報道からいまいち切迫感を感じないのは何故でしょう…。
私がそう誤解しているだけかもわかりませんが…
返信する
農水省に対する憤怒 (時々拝見)
2012-10-14 16:59:19
 東電災直後、どうして避難区域での太陽光・風力発電を始めないのか不思議でした。被災地の土地を貸し、借地料を取れば、一応、土地が生きていることになりますから。
 実は、外資から同様の話が地元にあり、設置費はあっち持ち、借地料と収益の一部は受け取れるはずだったそうです。なぜ、実現しなかったかと言うと、農水省が農地でなくなるから認めない、と言ったとのことです。農産物の出荷も認めない土地に対して。
 国内の雇用、苦しい中での土地の活用、電力供給、すべてを無にしたのが、農水省です。
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