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2013年10月11日(金) しんぶん赤旗
「水俣病は克服した」首相発言
被害者から怒りの声
「実態も知らずに幕引き図るのか」
熊本県水俣市で開かれた水銀による健康・環境破壊を防ぐための「水銀に関する水俣条約」外交会議の開会式(9日)に寄せた安倍晋三首相のビデオメッセージが水俣病被害者の怒りを呼んでいます。批判を浴びているのが首相の「日本は水銀による被害を克服した」との発言です。
水俣病をめぐっては、昨年7月に水俣病特措法による救済申請を国が一方的に打ち切り、不服も受け付けないため、180人が救済を求めて「ノーモア・ミナマタ2次訴訟」を起こしています。
最大の被害者団体の水俣病不知火(しらぬい)患者会の大石利生会長は「安倍首相の『克服』発言は水俣病を終わったことにして幕引きを図ろうとするもので、現場も実態も知らずに被害者をばかにしている。水俣病被害は終わっていない」と憤ります。
被害者全員の救済を求めてきた日本共産党の松岡徹熊本県議は「『克服』発言はオリンピック招致時の福島原発事故の『汚染水をコントロールしている』と同じで事実とかけ離れている。数万人いるとも指摘される被害者救済のために、水俣病を引き起こした加害者でもある国の責任で不知火海沿岸住民の健康調査をまず実施し被害者全員救済の仕組みをつくってはじめて『克服』したと言える」とのべました。
「水俣病を克服した」安倍首相発言が不穏当な2つの理由
「水銀に関する水俣条約外交会議」が熊本市で10月9~11日まで開催され、「水俣条約」が採択された。会議には約140カ国・地域から1000人以上が参加。問題になっている安倍晋三首相の「水銀による被害と、その克服を経た我々」発言は、その開会式で飛び出した。(オルタナ編集委員=奥田みのり)
本会議に加え、「水俣デー」と名付けられた9日には、参加者は水俣を訪問し、被害者の話を聞いたり、水俣病資料館などを見学したりした。
筆者は、ケニアの女性が涙を浮かべながら、車椅子に乗った胎児性水俣病患者を抱きしめる場面に立ち会った。彼女はその患者のことを「エンジェル」だと言い、心からこの出会いを喜んでいた。ある国連職員は患者にサインを求め、「この日のことを忘れない」と約束した。どの人も名残惜しそうに握手をして去っていった。
一握りのこうした交流は、条約が採択された本会議とは別の小さな部屋の片隅で行われていた。
安倍首相の「克服」発言は間違いであることは明らかだ。
第一に、日本政府は、水俣病においては「加害者」だ。被害を受けた側が、「水俣病は終わっていない」と言っているのに、加害者が独自に「克服した」と発言するのは一方的だ。
第二に、会議会場に設けられた情報発信コーナーには、「克服」されていない水銀被害を訴えるブースが並んでいた。
水俣病の被害を国に認めてもらうため国と裁判中の原告や、水俣病だと認定してもらえない未認定被害者、未処理のまま水銀が埋め立てられている「エコパーク水俣」の危険性を訴える市民らがいた。
被害者の話を聞いたアフリカからの参加者は、「どうして明らかに水俣病の症状があるのに、政府は認めないのか」と苛立ちを隠さなかった。エコパークを訪問した米国人は、「地下に未処理の水銀が埋まっていることを考えると、その場に立っていることが奇妙に感じられた」と話す。
厳しい水俣の現状がある一方、本会議場から聞こえてくるスピーチと拍手は、参加者にある種の達成感を与えていた。外交会議という華々しい場が、水俣病を「克服したもの」と錯覚させる場であってはならない。
今後、安倍首相の「克服」発言で勢いづいた日本政府は、世界に向けてどんな「水俣病の教訓」を輸出していくのか。加害者が考える幕引きの「教訓」であることは許されない。
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[東京 13日 ロイター] - 菅義偉首相は13日、東京電力福島第1原子力発電所で増え続けるトリチウムなど放射性物質を含む処理水の海洋放出を決めたことを受けて記者団の質問に応じ、処理水は放射性物質の濃度が十分低いため、安倍晋三前首相が同原発について「アンダーコントロール(制御下にある)」と発言したことと「矛盾しない」と述べた。
2013年9月、首相だった安倍氏は東京五輪招致に向けた国際オリンピック委員会(IOC)総会の場で、第1原発の状況は「アンダーコントロール」と語った。菅首相は処理水の「トリチウム濃度が国内規制基準の40分の1以下で、国際原子力機関(IAEA)も評価しており、そこは全く矛盾しない」と述べた。
処理水の海洋放出は、漁業関係者の風評被害への懸念から反対も多い。菅首相は「処理水の貯蔵タンクが増加し、敷地がひっ迫しているのも事実。福島の廃炉を進め復興を成し遂げるためには避けて通れない。そのような中で判断した」と説明。「さまざまな機会において、しっかり説明していきたい。今日は梶山経産相が地元で説明している。内閣全体で責任を持って対応していく」と強調した。