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国際司法裁判所(ICJ)は2024年1月26日、パレスチナ自治区ガザ地区への攻撃を続けるイスラエル政府に対し、ジェノサイド(集団殺害)行為を防ぐ「全ての手段」を講じることなどの暫定措置を命じる仮保全命令を言い渡していました。
ICJのドノヒュー裁判長は
「この地域で繰り広げられている惨劇を痛感しており、人命の損失と人々の苦悩が続いていることに深く憂慮している」
と述べ、イスラエルにジェノサイドの防止と関連の証拠の保全を命じました。
この命令にはジェノサイドの扇動を防止する手段を講じることや、ジェノサイドが疑われる行為の証拠保全、そしてガザの人々への人道支援を供給するために、有効な方策の即時実施も含まれています。
そして、ICJはイスラエル政府に対してこれらの措置について1か月以内に報告するように命じました。
ICJ(国際司法裁判所)がイスラエル政府に対してガザでのジェノサイド(集団殺戮)行為を防ぐ「全ての手段」を講じるよう仮保全措置(暫定措置)を命令!イスラエル軍の即時撤退を要求しよう!!
ICJにイスラエルを訴えた南アフリカ共和国はさらに、南アフリカはラファ攻撃を防ぐようICJに求め、イスラエルがラファを含むガザ各地で
「ジェノサイド(集団虐殺)的な」
作戦を行っていると非難し、
「停止命令が必要だ」
と主張していました。
これを受けてICJのナワフ・サラム裁判長は2024年5月24日、
『イスラエルはラファ地区において軍事侵攻と、パレスチナ人の「物理的破壊」をもたらし得る「その他のあらゆる行動」を「ただちに停止しなくてはならない」』
という仮保全措置命令を新たに出しました。
サラム裁判長は、ICJがガザでの状況改善をイスラエルに命令して以来、状況はさらに悪化したと指摘しています。
【#ガザジェノサイドは続いてる】イスラエル軍によるガザ侵攻開始から200日経過。パレスチナ人3万5千人が死亡。軍が殴打や電気ショックの拷問。病院で300人が遺体に。ネタニヤフ首相がラファ突入を計画。
パレスチナの国連加盟を支持する決議案を国連総会で圧倒的多数で可決。賛成は143か国、反対はイスラエル・米国など9か国のみ。ジェノサイドにひた走るイスラエルと支援するアメリカは徹底糾弾しなければならない
これに対して、イスラエル政府は案の定猛反発。
ハネグビ国家安全保障顧問は外務省報道官との共同声明で、命令は
「虚偽で言語道断だ」
「ラファでの軍事行動はパレスチナ市民の殺害につながらない」
と説明し、さらにその後、イスラエルの民放チャンネル12で
「ICJはわれわれにラファでジェノサイド(民族大量虐殺)を行わないよう求めている。われわれはジェノサイドを行っていないし、これからも行わない」
「慎重さを伴う限り軍事侵攻の継続を認めるものだとイスラエル側は解釈している」
と発言して、イスラエル軍の攻撃は的を絞っており、全面的な侵攻からは程遠いと付け加えました。
国際司法裁判所の命令を勝手に解釈して、都合の良いように捻じ曲げて、自分の行動を正当化する。
イスラエル政府の無法者ぶりも極限に達したと言えます。
イスラエル軍の無差別攻撃で3万人以上のパレスチナ人が死亡。ガザ地区で飢餓が発生して子どもたちが死亡。食料を求めて集まった民衆を100人以上射殺。ネタニヤフ政権がやっていることはまさにジェノサイドだ。
確かに、国際法学では、ひとつの集団の「物理的破壊」とは「ジェノサイド」を意味するようです。
しかし、ICJがイスラエル政府に命じたのは
『ラファ地区において軍事侵攻』
『パレスチナ人の「物理的破壊」をもたらし得る「その他のあらゆる行動」』
を直ちに停止することです。
ジェノサイドになろうがなるまいが、ラファ地区での軍事侵攻は禁止されたのです。
ジェノサイドになりうるその他のあらゆる行動とは、たとえば食料・水・エネルギーの遮断のことを言っているのは明らかです。
イスラエル軍がなおもラファに侵攻していて、5月26日夜にもイスラエル軍の空爆があり、ガザ保健当局は27日に、少なくとも35人が死亡したと明らかにしていますが、この攻撃はICJの命令に真っ向から反します。
イスラエル軍の空爆で負傷し、病院で手当てを受けるパレスチナ人の子ども=5月26日、ガザ南部ラファ
さて、ガザでの紛争をめぐっては、国際刑事裁判所(ICC、オランダ・ハーグ)のカリム・カーン主任検察官は2024年5月20日、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相とヨアブ・ガラント国防相の2人に逮捕状を出しました。
さらにICJの命令に反してイスラエル軍がラファへの攻撃を続ければ続けるほど、ネタニヤフ首相らの罪は重くなるばかりと言えます。
欧米諸国はイスラエル寄りの国が多いのですが、とうとうEUのボレル上級代表は5月26日の会見で、
「ラファとその周辺でイスラエルの軍事作戦は続き、主要な検問所は閉鎖されて人道支援物資を入れることができないままだ。
これらは国際司法裁判所の判断に反して行われている」
とはっきり述べました。
イスラエル軍によるシリアにあるイラン大使館への空爆は不問に付し、イランによるイスラエル報復攻撃についてだけイラン革命防衛隊を「テロ組織」に認定したうえで経済制裁を検討しているG7のダブスタが異常すぎる
ICCの検察官によるネタニヤフ首相らへの逮捕状にはイスラエルとともに猛反発してICCへの制裁まで示唆していたアメリカのバイデン政権も、イスラエル軍のラファ攻撃事態は止めてきていただけに、ICJによるラファ攻撃中止命令には
「我々のラファに関する立場は明確で一貫してきた」
というのみでICJへの批判は差し控えています。
世界の中でのイスラエル政府の孤立はここに極まりました。
日本は国際社会の先頭に立って堂々とイスラエルにガザからの即時撤退を求めるべきです。
【祝】国際刑事裁判所(ICC)のカーン検察官がイスラエル政権のネタニヤフ首相とガラント国防相に逮捕状請求。ガザ地区を意図的に封鎖して食料や人道物資の搬入を途絶えさせた戦争犯罪容疑。ハマス幹部3人にも。
The International Court of Justice (ICJ) has ruled that Israel must immediately halt its attack on Rafah and allow unimpeded access to investigate allegations of genocide. pic.twitter.com/ra0acjBKvW
— Al Jazeera English (@AJEnglish) May 24, 2024
反米拗らせ論者で、国連憲章に違反してロシアが侵略しているウクライナ戦争については即時停戦・軍事支援否定の立場を崩していない伊勢崎賢治東外大名誉教授も、ICC検察官によるネタニヤフ首相への逮捕状請求には沈黙し、ICJの今回の暫定措置命令については上のアルジャジーラのポストをコメントなしでリポストするのみ。
いいかげん、国際政治?学者らしく、国際法秩序を守ることで得られる平和や人命・人権についても思いを巡らしたらどうなんでしょうか。
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画像提供,EPA
国連主要機関の国際司法裁判所(ICJ)は24日、ガザ地区南部ラファでの攻撃をただちに停止するよう、イスラエルに命令した。南アフリカが16日に起こした訴えを受けてのもの。これに対してイスラエル政府は、ICJの命令を拒絶すると声明を発表。判決から間もなく、イスラエルの戦闘機がラファ中心部の難民キャンプを空爆した。
南アフリカはラファ攻撃を防ぐようICJに求める中で、イスラエルがラファを含むガザ各地で「ジェノサイド(集団虐殺)的な」作戦を行っていると非難し、「停止命令が必要だ」と主張していた。
これを受けてICJのナワフ・サラム裁判長は24日、イスラエルはラファ地区において軍事侵攻と、パレスチナ人の「物理的破壊」をもたらし得る「その他のあらゆる行動」を「ただちに停止しなくてはならない」と命令した。ひとつの集団の「物理的破壊」とは、国際法上「ジェノサイド」を意味する。
裁判長は、ICJがガザでの状況改善をイスラエルに命令して以来、状況はさらに悪化したと指摘した。ICJは今年1月、ジェノサイドを防ぐためにあらゆる対策を講じるよう、イスラエルに暫定的に命じていた。
裁判長はさらに、ガザ地区でのジェノサイドの疑いを調査するあらゆる国連機関によるカザ内での活動を、イスラエルは無制限に認めなくてはならないと命じた。
ICJ判決はこのほか、ガザで基本的な公共サービスと人道援助を「妨げなく、大規模」に提供できるようにするよう、あらためてイスラエルに命じた。
「(ガザにおける)人道状況は現在、壊滅的と呼ぶべき」だと判決は指摘した。
画像提供,EPA
イスラエルは拒否
ICJのこの判決をイスラエル政府は拒絶し、ガザ地区での自国の軍事侵攻は国際法にのっとったものだと主張した。
イスラエルのツァヒ・ハネグビ国家安全保障顧問は、外務省との共同声明で、「イスラエルはラファ地区において、パレスチナ民間人について、人口の全体だろうと一部だろうと、その破壊をもたらす生活条件を作り出すような軍事作戦を、これまでも行っていないし、今後も行わない」と主張した。
戦時内閣に参加するベニー・ガンツ前国防相は、イスラエルは「ラファを含めて、必要な時と場所」で軍事作戦を続けると主張した。
イスラエルの野党代表、ヤイル・ラピド氏もICJ判決を批判。ICJがラファ砲撃とイスラム組織ハマスが拘束するイスラエル人人質の解放に結び付けなかったことは、「ひどい道徳的な破綻(はたん)」だと非難した。
他方、ICJに訴えを起こした南アフリカ政府のゼイン・ダンゴール国際関係協力局(DIRCO)局長は、ICJ判決は「画期的」だと歓迎。ガザの一部で軍事行動を停止するよう、ICJがイスラエルに明確に命令したのは初めてだと指摘した。
ハマスもICJ命令を歓迎し、「残虐なシオニストの存在(イスラエルの意味)」がラファにおける「侵略をやめるよう要求するもの」だと評価した。
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パレスチナ自治政府のリヤド・マンスール国連大使は、ICJ判決を歓迎し、イスラエルに履行を促した。
「ICJの決定が滞りなく実施されることを期待する」、「これは義務だ。イスラエルは(ICJ規定に)参加している」とマンスール大使は述べた。
ICJは国連の主要な司法機関。すべての国連加盟国は自動的にICJ規程の当事国となる。
ICJ命令には法的拘束力があるものの、ICJに強制的な執行手段はない。
ICJ命令を受けて、欧州連合(EU)のジョセップ・ボレル外務・安全保障政策上級代表は、法の支配を深く重視するEUとして、イスラエルを支持する方針と法治主義順守を「併せて維持していくのが、非常に難しくなる」とコメントした。
数分後に空爆
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ICJの判決が読み上げられてから数分後、イスラエル軍機はラファ中心部のシャブーラ難民キャンプに複数回の空爆を繰り返した。
近くのクウェート病院にいた活動家はBBCに対して、空爆が激しすぎて救急隊が現場に入れずにいると話した。
イスラエルは長く予想されていたラファ侵攻を今月から開始。ガザ地区最南部のラファには、ハマスの大隊が残っており、それを掃討することが目的だとしている。ハマスがラファで、イスラエル人の人質を拘束し続けているとも、イスラエルは見ている。
国連によると、この軍事侵攻が始まって以来、80万人以上のパレスチナ人がラファから避難した。昨年10月の戦争開始を受けて、ガザ地区の各地から約150万人が戦闘を逃れようとラファに集まっていた。
ハマスが昨年10月7日にイスラエル南部を奇襲したことで、この戦争は始まった。ハマスはイスラエルの民間人を中心に約1200人を殺害し、252人を人質にしてガザ地区へ連行した。
ハマスが運営するガザの保健省によると、その後のイスラエルの攻撃によって少なくとも3万5800人のパレスチナ人が殺害されている。
イスラエル軍、ラファでの攻撃継続-国際司法裁の命令に独自の解釈
Ethan Bronner-
慎重さを伴う限り、軍事侵攻の継続認めるものだとイスラエル側
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イスラエルは「ジェノサイドを行っていない」-国家安全保障顧問
イスラエル軍はパレスチナ自治区ガザ南部ラファでの軍事活動を継続している。国際司法裁判所(ICJ)が民間人を守る観点から攻撃の即時停止を命じたものの、同国はイスラム組織ハマスに対する方針を変更する兆しは見えない。
イスラエルの当局者らは24日にICJが出した命令について、慎重さを伴う限り軍事侵攻の継続を認めるものだとイスラエル側は解釈していると発言。イスラエル軍の攻撃は的を絞っており、全面的な侵攻からは程遠いと付け加えた。
イスラエルはラファで軍事活動即時停止を、国際司法裁が命じる (1)
一方、イスラエルの情報当局トップと米中央情報局(CIA)長官、カタール外相によるパリでの会談を受け、ガザ停戦を巡る交渉は週内に再開される見通しとなった。
停戦協議はイスラエル人の人質とパレスチナ人の囚人を交換し、戦闘を長期間停止することを目指したものだが、ハマスは停戦が戦争終結につながらなくてはならないと主張し、過去の協議は妥結しなかった。イスラエルはこの戦争が終結するのは、ハマスの敗北によってのみ可能だとしている。
ICJは24日、「イスラエルはラファでの軍事攻撃と、パレスチナ人の全体ないし一部に物理的破壊をもたらし得るあらゆる行動を直ちに停止しなければならない」と命じた。
この文言を巡っては解釈が分かれるようになった。多くは攻撃の停止命令と捉えており、24日にはそうした解釈に基づいて広く報道された。だがイスラエル側は、この命令は条件付きだと指摘。軍は民間人の死者を出すような行動はやめなければならないと述べている。
ハネグビ国家安全保障顧問は外務省の法律顧問との共同声明で、ラファでの軍事行動は「パレスチナ市民の殺害につながらない」と説明。同氏はさらにその後、イスラエルの民放チャンネル12で「ICJはわれわれにラファでジェノサイド(民族大量虐殺)を行わないよう求めている。われわれはジェノサイドを行っていないし、これからも行わない」と述べた。
原題:Israeli Military Proceeds Into Rafah Despite Court Ruling (1)(抜粋)
ICJ=国際司法裁判所がイスラエルに対して、ガザ地区南部のラファでの攻撃を直ちに停止するよう暫定的な措置を命じたあともイスラエル軍が攻撃を続けるなか、EU=ヨーロッパ連合の外相にあたるボレル上級代表は「裁判所の判断に反している」と述べ、命令に従うようイスラエルに求めました。
国際司法裁判所は24日、ガザ地区での人道状況は悪化の一途をたどっているとして、イスラエルに対し、ラファでの攻撃を直ちに停止し、人道支援が大規模に行われるようラファの検問所を開放することなどを暫定的な措置として命じましたが、その後もイスラエル軍は攻撃を続けています。
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EUのボレル上級代表は26日の会見で、「ラファとその周辺でイスラエルの軍事作戦は続き、主要な検問所は閉鎖されて人道支援物資を入れることができないままだ。これらは国際司法裁判所の判断に反して行われている」と述べました。
そして裁判所の命令には法的拘束力があり、確実に履行すべきものだとして、イスラエルに対し命令に従うよう求めました。
一方、ボレル上級代表は、26日にイスラエルに対してイスラム組織ハマスが行ったロケット弾による攻撃についても「こうしたこともやめなければならない」と述べたうえで、停戦と人質の解放、それにガザ地区の人道状況の改善のため国際社会が力を尽くすべきだと訴えました。
国際司法裁判所(ICJ)がイスラエルに対し、パレスチナ自治区ガザ地区の最南部ラファでの戦闘停止を命じたことについて、米国務省の報道担当者は24日、毎日新聞の取材に「我々のラファに関する立場は明確で一貫してきた」とだけ述べ、ICJの命令に関する評価は避けた。ラファへの侵攻に反対しつつ、同盟国であるイスラエルの孤立を避けるというバイデン政権の難しい立場が浮き彫りになっている。
バイデン政権はこれまで、多数の死者が出ることが予想されるラファへの大規模侵攻について明確に反対してきた。人口密集地への侵攻を「レッドライン」に設定し、これを越えた場合は一部の武器の供給を停止するとまで明言した。だが仮に武器支援を停止すれば、野党・共和党など国内のイスラエル支持派から激しい反発を受けるのは必至だ。
国際刑事裁判所(ICC)が20日、イスラエルのネタニヤフ首相とハマスの指導者らの逮捕状を請求したと発表した際には、バイデン政権は「イスラエルとハマスを同列に扱うのはおかしい」とイスラエルを擁護し、国際的な孤立の回避を図った。
ただ、今回のICJの命令に対してもイスラエルを擁護すれば、今度はイスラエルの軍事作戦拡大に反対する国内の左派や若年層から批判されるほか、良好な関係を保つアラブ諸国との間にも亀裂が入る。
イスラエルが今後、ラファ侵攻を継続した場合、この問題について国連安全保障理事会で議論される可能性がある。その場合、米国はこれまでと同様にイスラエルを支持することができるのか。今後の対応に注目が集まる。【ワシントン松井聡】
しかし、いつものデフォですが「実効性を伴う強制力」はないと、、、
で、イスラエルを含めた侵略・ジェノサイド勢力は鼻クソほじりながら快楽殺人に耽ってられるとね
暗澹たる気持ちになりますが、せめて国際刑事裁判所のほうも批准だの何だの言ってないで国連に加盟したら自動的に管轄権に入るようにしてほしいですね
余談かもしれませんが、パレスチナは2015年にICCに加盟してるんですよね
ということは今回ネタニヤフやガラントとともに逮捕状の出たシンワル師、ハニヤ師、デイフ師の「3容疑者」を引き渡さないといけません
どうするつもりなんでしょうか
ハニヤ師は先月エルドアンと会談してますし、「居所不明」では通らないでしょうし