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弁護士・元ロースクール教授宮武嶺の社会派リベラルブログです。

イスラエル軍がレバノンに地上侵攻し、レバノン・シリアの首都に空爆。ハリス米副大統領は「イランは中東を不安定化させる危険な勢力だ」と言うが、中東で一番危険な国は中東戦争を起こそうとしているイスラエルだ。

2024年10月02日 | イスラエル・パレスチナ戦争

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 イランの革命防衛隊は2024年10月1日夜、パレスチナ自治区ガザ地区のイスラム組織ハマスやレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラの指導者らが殺害されたことへの報復として、イスラエルに対して複数の弾道ミサイルによる攻撃を実施しました。

 これについて、イスラエルのネタニヤフ首相は1日夜の閣議で

「イランは重大な間違いを犯した。代償を払うことになる」

と「報復」すると明言しましたが、イランにいたハマスの指導者を攻撃して暗殺したり、ヒズボラに対してポケベルを爆破するなどして一般市民も巻き込んで数千人の死傷者を出し、指導者を空爆して殺害したのはイスラエルです。

 イランの弾道ミサイル攻撃こそがイスラエルの数々の攻撃に対する報復なのです。

イスラエルがヒズボラを狙ってレバノンでポケベルなどを相次ぎ爆発させ、あわせて数十人が死亡し5000人以上負傷。国連総会はイスラエルに対しパレスチナ占領政策を1年以内に終結するよう求める決議を採択。

 

【#イスラエル戦争犯罪】イスラエル軍がレバノンの首都ベイルートでヒズボラ幹部を空爆・暗殺。イランの首都テヘランでハマス最高指導者を暗殺。ネタニヤフ首相は自分の権力維持のために戦争拡大しか考えていない。

 

国際司法裁判所(ICJ)から攻撃禁止を命令されているイスラエル軍が、国連運営の学校を空爆して子どもたち数十人が死亡。空爆を命じたネタニヤフ首相も、米議会に招いて演説させるというアメリカも狂っている。

 

 

 そもそも2023年10月7日にハマスに越境攻撃されたことへの報復として、ネタニヤフ政権は実にその35倍の4万数千人のパレスチナ人を殺しています。

 赤ん坊も外国人も含めて1200人も殺し、200数十人もの無辜の市民を拉致したハマスの蛮行は決して許されない犯罪ですが、イスラエルがそれから1年やってきた「報復」は自衛権の範囲をはるかに超えた民族虐殺です。

 そして、そのことは国際司法裁判所にも認定され、イスラエル政府はガザでの軍事行動を停止するよう命じられています。

【#パレスチナに自由と平和を 】国際司法裁判所(ICJ)がイスラエル政府に長年の占領は国際法に反しているとして「イスラエルは占領を出来るだけ早く終結しなければならない」とする勧告的意見を言い渡した!

 

 

 それで、ガザ侵攻に関する停戦交渉でイスラエルとイスラム組織ハマスの仲介役を務めるカタール外務省のアンサーリ報道官は10月1日に、イスラエル軍が開始したレバノン南部への地上侵攻を強く非難して、中東全体の緊迫化により

「ガザの停戦交渉は非常に困難になった」

と強調しました。

 むしろそれこそがネタニヤフ首相の狙いであり、ネタニヤフ首相は戦争が終わると自分の刑事責任が追及されるのを恐れて、とにかく戦争拡大にひた走っており、10月1日にはシリアの首都ダマスカスにまで空爆しています。

 イスラエル軍はヒズボラを殲滅するとしてレバノンに地上侵攻し、首都ベイルートに空爆もしていますが、れっきとした独立国に侵攻するのは、ロシアがウクライナにしているのと同じ国連憲章違反の侵略です。

イランと戦火拡大リスク高まる ネタニヤフ氏、反撃明言 - 日本経済新聞

イスラエルのネタニヤフ政権が4日連続でガザの学校を攻撃。国際司法裁判所(ICJ)の軍事行動停止命令やアメリカが提唱して可決された国連安保理の停戦決議を無視するイスラエルに世界は経済制裁をすべきだ。

 

 

 ところが、アメリカの大統領選挙を戦っている民主党のハリス副大統領は、勇ましいところを見せないとトランプ候補に付け込まれると見て、こんなイスラエルを擁護し、

「イランは中東を不安定化させる危険な勢力だ。イスラエルへの攻撃は、その事実のさらなる証明だ」

「イスラエルの安全保障に対する私のコミットメントは揺るぎない」

「イランと、イランが支援するテロリストからアメリカ軍とアメリカの利益を守るために必要な行動であれば、我々は躊躇せずに行う」

などと言い出しました。

 ハリス氏のこの偏った決めつけは、イスラエルこそが中東戦争を起こしかねない愚かな行為をし続けていることを無視した、非常に危険な言動です。

イランによるイスラエルへの攻撃について「現在わかっている範囲では、攻撃は失敗し、効果もなかったようだ。イスラエル軍とアメリカ軍の軍事力の証だ。間違えてはいけない。アメリカはイスラエルを完全に、完全に、完全に支持している」と語ったバイデン米大統領。
イスラエルのネタニヤフ首相がアメリカ上下院で演説。ガザで無差別殺戮を行ない、国際司法裁判所からは攻撃を差し止められ、国際刑事裁判所に逮捕状が請求されているネタニヤフ容疑者に演説させるアメリカは異常だ。

 

 

 また、フランスのマクロン大統領は10月2日に、イランがイスラエルへの報復措置としてミサイル攻撃を行ったことを受け、イランの脅威に対処するため中東地域に軍を追加派遣したと明らかにしましたが、アメリカもフランスも軍事介入するのでは、イスラエルが引き起こす中東戦争が第三次世界大戦になってしまいます。

イスラエルがガザで学校を空爆して、子どもたちを含む100人以上の市民を虐殺。イスラエル大使が招待されないと言って長崎の原爆平和式典への参列を拒否した欧米諸国はパレスチナの民に何と言って詫びるのか。

 

 

 誰に罪があるかと言い出せば、去年までのパレスチナへの違法入植も圧制も、ハマスによる攻撃以降の戦争犯罪も、圧倒的にイスラエルに罪があります。

 西欧諸国は中東戦争と世界大戦を防ぐために、イランではなくイスラエルを批判すべきであり、ネタニヤフ首相が内閣総辞職をしてイスラエルが戦争を終結させる努力を始めるようにイスラエルに圧力を加えるべきなのです。

「イスラエルは中東を不安定化させる危険な勢力だ。レバノン・シリア・イランへの攻撃は、その事実のさらなる証明だ」

  ハリス氏はそう言いなおすべきです。

 そして、よりによって日本は軍国主義者の石破茂氏を内閣総理大臣に選んでしまいましたが、彼が突飛で危険な言動に出ないように我々が責任をもって止めないといけません。

国際司法裁判所(ICJ)がイスラエルにガザ地区ラファへの攻撃を直ちに停止するよう暫定的な措置命令。ネタニヤフ政権が「慎重さを伴う限り軍事侵攻の継続を認めるものだ」と独自の解釈を強弁し空爆で35人死亡

 

編集後記

ハマスに人質に取られた6人の市民の殺害に抗議してイスラエル全土で数十万人がデモとストライキ。人質の死に責任があるのはハマス以上に停戦交渉をしないネタニヤフ政権だとイスラエル市民も知っている。

普通、戦争に勝とうと思っているなら、一点集中で攻撃して多方面展開は避けるのが当たり前であり、ナチスドイツのヒトラーのように多方面に同時多発的に攻撃したりしないはずです。

それなのにネタニヤフ首相はガザでの侵攻もまだ終わっていないのに、ヒズボラ、フーシ派、レバノン、シリアに攻撃を仕掛け、イランともやり合おうとしているわけです。

もし中東戦争になってそれに負けたらイスラエル国民全体の存亡の危機なのに、ネタニヤフ首相はイスラエル市民の安全より自分の権力維持を優先させています。

イスラエル軍がガザ侵攻を開始したときから、ネタニヤフ政権は人質がどこにいるかわからないのにガザに無差別爆撃・攻撃をして、パレスチナ市民だけでなく多数の人質を死なせてしまっているわけですが、自国民の命も歯牙にもかけないネタニヤフ首相は狂っています。

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イスラエルの報道官は先ほどSNS上で、「レバノン南部で非常に激しい戦闘になっている」と明かしました。

レバノンに侵攻したイスラエル軍の地上部隊とヒズボラの戦闘員の間でゲリラ戦になっているものとみられます。

また、ハガリ報道官は先ほどビデオメッセージを出し、今回の地上侵攻について「レバノン国民に対する作戦ではない」と強調したうえで、「イスラエルとレバノンの国境沿いにあるヒズボラの拠点を標的としている」と述べました。


一方で、イスラエル軍は1日もレバノン各地に空爆を続けていて、このうちダウディヤでは住宅が標的となり、少なくとも10人が死亡したということです。

イスラエル軍は今後も地上と空からの攻撃を続けていくものとみられますが、ヒズボラは徹底抗戦の構えを示していて、先ほども、イスラエルの中部にある最大の商業都市・テルアビブに弾道ミサイル10発を撃ち込むなど、今後の攻撃の激化が懸念されます。

 

 

イスラエルがレバノン首都“初”空爆 軍の会議に“殺害したいヒズボラ幹部リスト”も…全面戦争「回避せねば」バイデン大統領はネタニヤフ首相と会談へ

イスラエル軍は9月30日、レバノンの首都ベイルート中心部を空爆した。さらに10月1日には、親イラン武装組織ヒズボラの拠点などを攻撃するため、レバノン南部での限定的な地上作戦を始めたと発表。一方、ヒズボラのナンバー2・カセム師は、前日にテレビ演説で「地上作戦への備えはできている。我々が勝利する」と徹底抗戦の構えを示していて、戦闘が拡大し、さらに激しくなる恐れがある。

ベイルート市内中心部で9月30日、集合住宅が空爆され、パレスチナの過激派グループは幹部3人が死亡したと発表した。イスラエル側の発表はないが、AP通信などによると、一連の応酬でイスラエルによるベイルート市内への攻撃は初めてだという。

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紛争拡大が懸念される中、アメリカのバイデン大統領は9月29日、全面戦争について「回避しなければならない」と述べ、イスラエルのネタニヤフ首相と会談する予定だと明らかにした。

 

イスラエル軍の会議に“殺害したいヒズボラ幹部リスト”

青井実キャスター:
イスラエル軍のレバノンへの攻撃は、大規模なものだったようですね。

殺害されたヒズボラ最高指導者・ナスララ師
殺害されたヒズボラ最高指導者・ナスララ師

立石修フジテレビ解説委員室長:
攻撃はこの週末から本格化しました。27日にイスラエル軍はヒズボラの最高指導者のナスララ師という人物を殺害したのですが、米メディアによると、数分間で80発の爆弾が使われました。

ヒズボラ本部には大きな穴が空いた
ヒズボラ本部には大きな穴が空いた

しかも「バンカーバスター」と呼ばれるシェルターなどを壊して、地下に貫通する爆弾を使ったといいます。そのため、ヒズボラの本部には大きな穴が空いています。9月29日にはこの他、レバノン南部45カ所で空爆を行い、100人以上が死亡したと伝えられています。

青井キャスター:
イスラエルがターゲットにするヒズボラは、レバノン政府とは直接的にはつながっていない組織ですよね?

立石解説委員室長:
ヒズボラは、80年代にイスラエル軍がレバノンに侵攻した際にイランがバックアップして作った組織です。国会にも議員を送り、医療福祉活動も行ってきました。政府ではありませんが、国民に強い影響力を持つ存在です。
注目すべきは武装部門で、イスラエル全土を狙えるロケット弾なども保有していて、イスラム組織ハマスより巨大な組織です。2006年にイスラエルがレバノンに侵攻した際も、殺されたナスララ師の指導のもと激しく抵抗し、イスラエル軍が撤退したこともありました。

イスラエル軍の会議の様子を写した写真を見ると、“殺害したいヒズボラの幹部リスト”が背景に写っています。一番上がナスララ師で、その下の幹部にも「×(バツ)」がついています。こういった会議の写真を公開することからもイスラエルの本気度が伺えます。

 

イラン最高指導者・ハメネイ師は身を隠す

青井キャスター:
ハマスやヒズボラの後ろ盾である、イランの動きをどう見ますか?

イランの最高指導者・ハメネイ師
イランの最高指導者・ハメネイ師

立石解説委員室長:
イギリスのBBCによると、イランは最高指導者のハメネイ師について、暗殺を避けるために緊急予防措置をとって身を隠させたといいます。イランは事態が激しくなることを望んでいないかもしれませんが、緊張が高まれば、何らかの行動を起こす可能性もあります。

SPキャスター パトリック・ハーランさん:
バイデン大統領はどうしてもこの全面戦争を回避しなきゃいけないと言っていますが、イスラエルとハマスの交渉も全然動かないことから分かる通り、今アメリカは両者における影響力はほとんどないですよね。外交ルートで何ができるか、この先探らなくてはいけないですが、希望は持ちづらいところです。
(「イット!」 9月30日放送より)

 

 

イスラエルがシリア首都攻撃、テレビ司会者ら3人死亡

(CNN) シリア国営シリア・アラブ通信(SANA)は、シリアの首都ダマスカスが夜間にイスラエルの攻撃を受け、著名テレビ司会者のサファア・アフメドさんなど3人が死亡したと伝えた。

シリア国防省は、現地時間の午前2時ごろ、「占領されたゴラン高原の方向」からイスラエル軍がドローンと航空機でダマスカスを標的にしたと発表。防空システムでミサイルやドローンのほとんどを撃墜したと述べ、この攻撃で民間人3人と別の9人が負傷したとしている。

SNSに投稿された映像には、ダマスカス市内の軍の空港の西側にあるシリアの通信施設で爆発が起きる様子が映っている。CNNはこの映像の位置情報を確認した。別の映像では車が爆発・炎上していた。

アフメドさんらが死亡したのがこの場所だったのかどうかは分かっていない。

イスラエル軍は「外国メディアの報道についてはコメントしない」としている。

イスラエルは昨年10月7日以来、断続的にシリアを空爆しているが、通常、攻撃を実行したことは確認していない。

 

 

ハリス氏「イランは中東を不安定化させる危険な勢力」 トランプ氏「私が大統領だったらイスラエルへの攻撃は起こらなかっただろう」|TBS NEWS DIG
 
 


ハリス副大統領
「イランは中東を不安定化させる危険な勢力だ。イスラエルへの攻撃は、その事実のさらなる証明だ」

ハリス副大統領はこのように述べたうえで、「イスラエルの安全保障に対する私のコミットメントは揺るぎない」と強調しました。

また、「イランと、イランが支援するテロリストからアメリカ軍とアメリカの利益を守るために必要な行動であれば、我々は躊躇せずに行う」と述べています。

トランプ前大統領
「私が大統領だったら、きょうのイスラエルへの攻撃は起こらなかっただろう」

一方、トランプ前大統領は、自分が大統領を務めていれば、イランがイスラエルを攻撃することはなかったと主張。「2人の無能な人間が国を率いている。彼らは第3次世界大戦の瀬戸際に我々を導いている」と述べて、バイデン大統領とハリス氏を批判しました。

 

 

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2 コメント

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Unknown (津木野宇佐儀)
2024-10-03 00:55:50
「言うだけ」で、本当に「報復」したらどうなるかわかっているから、自制しているヒズブッラーとイラン
それをいいことにやりたい放題のネタニヤフ・イスラエル(powered by アメリカ)…

被疑者を「暗殺」という犯罪行為でではなく、逮捕して、国際社会がきっちりと、その戦争犯罪を裁かなければいけません!
第二次世界大戦の戦犯裁判が、法的には特例で事後的立法で行われましたよね?
条約を批准していないイスラエルや、イスラエル・ロビー等アメリカの協力者も(そしてプーチン・ロシアも)、「特例」で戦争犯罪裁判をすべきではないでしょうか?

戦争犯罪者を、国際社会は絶対に許してはなりません!
過去の不十分な「裁判」で不問にされてしまった、日本の蛮行も同じく、です!

ついつい熱くなってしまいました…(^^;)
返信する
Unknown (秋風亭遊穂)
2024-10-04 00:05:29
 取り急ぎ、こんな記事が出ている。
 
ヒズボラ最高指導者、殺害数日前に停戦に同意 レバノン外相が発言
https://www.cnn.co.jp/world/35224550.html?ref=rss

 爆殺される前にナスララ氏の停戦合意を伝えられた米・仏の関係者から何か発言が出るだろうか。注視したい。
返信する

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