
役者としてのビートたけしは認めていますが、映画監督としてはそこそこかなと思う北野武。
9年ぶりにお得意のヤクザ映画です。これなら売れるかもしれません。
ヤクザや悪をやりそうもない北村総一郎組長と三浦友和若頭、加瀬亮に注目ですが、怪優石橋蓮司がどういじめられるのかも見物です。
完成報告会に悪(ワル)11人が勢ぞろい
北野監督「アウトレイジ」 産経新聞 2月8日
報告会での各出演者のコメントは次の通り。
北村総一朗(巨大暴力団組織「山王会」本家会長、関内役)「ツラとメンツをつぶしたら、ただじゃおかねえぞ、どんな手段をもっても制裁するぞ、という非常におっかない人です」
三浦友和(同若頭、加藤役)「全員がワルといえばワルなんですが、その中でも、たぶん一番悪いというか狡猾(こうかつ)な男を、(自分の)イメージ通りさわやかに演じさせてもらいました(笑)」
國村隼(山王会池元組組長、池元役)「池元というのは、意地汚いワルですね」
杉本哲太(同若頭、小沢役)「その意地汚い組長(笑)についていく右腕となる若頭を演じさせていただきました」
椎名桔平(山王会大友組若頭、水野役)「昭和任侠(にんきょう)ロマンがまだ残っているようなヤクザをやらせてもらいました」
加瀬亮(同組員、石原役)「大友組の金庫番をやらせてもらいました。どこかで自分以外の人を全員バカだと思っているそんな男でした」
石橋蓮司(村瀬組組長、村瀬役)「今回の映画のヤクザの中で、もっともかわいいヤクザを演じさせてもらいました。何とも愛嬌(あいきょう)あるヤクザなので、かわいがってください」
中野英雄(同若頭、木村役)「最初の被害者でしょうかね。僕から始まる…。そんな感じでしょうね」
塚本高史(同組員、飯塚役)「バカなチンピラです」
小日向文世(刑事、片岡役)「たけしさん演じる組長と三浦さん演じる組長の両方に情報を流しながら、お金をしっかりいただいているという、狡猾(こうかつ)な刑事をやらせてもらいました」
北野監督(大友組組長、大友役)「大友というのは、池元組のシマ以外にオカマバーを作って、店員がいないと自分がオカマになって客の接待をするという、いいタマだという…(笑)。最悪です(笑)」
北野作品は皆さん初出演、北野監督と共演した感想は
椎名「北野組の撮影はかなり独特で、とても大胆な感じがした。あまりテストもしませんし、役柄の説明もほとんどしない監督なので、何か考えて自分たちで出して、一発本番みたいなことを淡々と繰り返していく現場でした。先日、(完成した映画を)拝見したんですが、すごくおもしろくて。痛いんですけど、おもしろくて。高名な先生に、ずっと足裏マッサージをしてもらってるような。よだれが出そうなぐらい気持ちのいい映画です」
加瀬「経験した中で一番といっていいほど、撮影のスピードが速い。監督もどんどんその場でいろんなアイデアを思いついていって、ついて行くのがやっとという感じでした。映画は、予想外の展開ばっかりで、自分の役どころも多面的になっていて、おもしろかったです」
三浦「北野組に参加しているというと、いろんな俳優さんが興味を示して、『どんな内容なの?』『どんな話?』っていろいろ聞いてくるんですけど、ぼくの親分をやるのが北村さんって言うと、『あっ、ヤクザをベースにしたコメディーなんだ』って(笑)。有意義な撮影でした(笑)」
國村「現場のリズム、撮影のテンポは、本当に速かったです。現場の空気感をそのまま写し込んでいくような、気持ちのいいテンポで撮影が進みました」
杉本「痛いシーンが本当に痛くて。いやあ、痛かったです。以上です」
塚本「とても刺激的な現場でした。実はたけしさんと初めてお会いしたのは17歳のころ。たけしさんが先生で、僕が生徒の役。そのあとに僕は本物の北野武という役もやらせてもらったことがあったんですけど、今回、北野組に参加させていただいて、たけしさんに芝居をつけてもらうということが、すごい夢のようでした。とても勉強になりました」
中野「スピードの速さと、自分の考えていることがちゃんとできているのかどうかで、ほかの人のお芝居を見ている余裕がなかったです。とってもいい時間でした」
石橋「北野監督とは、何十年か前にバラエティー的なドラマを一緒にしたことがあるんですが、僕の役が哀愁を帯びた逃亡者の役で、汽車の中でうたた寝をしてしまうと、北野監督にいたずら書きをされるという…。なんかひどい人だなあと思ってましたけど、今回、これほどやられていいんだろうかっていうぐらい、何の理由もなく理不尽にいじめられました。それが少し快感にもなっています(笑)。オレという役者は、北野監督のサディズムを何かくすぐるのかなと(笑)。次回、ご一緒できることを楽しみにしております」
小日向「北野組に参加できたことを本当にうれしく思っています。男たちのバイオレンスのある作品に参加できたことを良かったとしみじみ思っています。僕は俳優としてテレビドラマで初めてやった作品が、監督とご一緒した『説得』というTBSのドラマだったんですけど、ラストで監督と2人きりのシーンがあったんです。それ以来、監督とからむことができて、本当に夢のようです。光栄に思っています」
北村「十何年ぶりに悪い人間をやったんだけど、なかなかいいんだよ、これが。北野監督は滋味にあふれた演出で、すごくすてきなんです。テンポが速いし。ちらっと『小さい声で言って』とか言ってくれるんです。それだけなんだけど、あっと気づいて小さい声でやると、それがまたいいんです。そのシーンがものすごくいいんですよ。まあ、見てください。どのシーンかわかんないけど(笑)。いろんな意味で感動しました、一緒にお仕事をさせていただいて。ぜひみなさん、見てください。怖くてね、すごい映画ですよ。リアリティーがあって、たまりません。これ以上言いません」
北野監督「今回は、たまには一回も組んだことのない役者さんとやってくれませんかって。いかに今までの映画が当たってないかってことなんですけども。ああ、いいですよって言って。もってきた人でイエスかノーかを自分に判断させてということで、イエス、イエスといった人に集まっていただいたんです。僕はもともと撮影が速いんですけど、それ以上に速くできたのは、あまりダメ出しせずに(できたから)ね。みなさん、役者さんはこのクラスになるとすごいなと。ほとんど問題なく、ぱっぱっといったし、その通りの上がりでした」
9年ぶりにお得意のヤクザ映画です。これなら売れるかもしれません。
ヤクザや悪をやりそうもない北村総一郎組長と三浦友和若頭、加瀬亮に注目ですが、怪優石橋蓮司がどういじめられるのかも見物です。
完成報告会に悪(ワル)11人が勢ぞろい
北野監督「アウトレイジ」 産経新聞 2月8日
報告会での各出演者のコメントは次の通り。
北村総一朗(巨大暴力団組織「山王会」本家会長、関内役)「ツラとメンツをつぶしたら、ただじゃおかねえぞ、どんな手段をもっても制裁するぞ、という非常におっかない人です」
三浦友和(同若頭、加藤役)「全員がワルといえばワルなんですが、その中でも、たぶん一番悪いというか狡猾(こうかつ)な男を、(自分の)イメージ通りさわやかに演じさせてもらいました(笑)」
國村隼(山王会池元組組長、池元役)「池元というのは、意地汚いワルですね」
杉本哲太(同若頭、小沢役)「その意地汚い組長(笑)についていく右腕となる若頭を演じさせていただきました」
椎名桔平(山王会大友組若頭、水野役)「昭和任侠(にんきょう)ロマンがまだ残っているようなヤクザをやらせてもらいました」
加瀬亮(同組員、石原役)「大友組の金庫番をやらせてもらいました。どこかで自分以外の人を全員バカだと思っているそんな男でした」
石橋蓮司(村瀬組組長、村瀬役)「今回の映画のヤクザの中で、もっともかわいいヤクザを演じさせてもらいました。何とも愛嬌(あいきょう)あるヤクザなので、かわいがってください」
中野英雄(同若頭、木村役)「最初の被害者でしょうかね。僕から始まる…。そんな感じでしょうね」
塚本高史(同組員、飯塚役)「バカなチンピラです」
小日向文世(刑事、片岡役)「たけしさん演じる組長と三浦さん演じる組長の両方に情報を流しながら、お金をしっかりいただいているという、狡猾(こうかつ)な刑事をやらせてもらいました」
北野監督(大友組組長、大友役)「大友というのは、池元組のシマ以外にオカマバーを作って、店員がいないと自分がオカマになって客の接待をするという、いいタマだという…(笑)。最悪です(笑)」
北野作品は皆さん初出演、北野監督と共演した感想は
椎名「北野組の撮影はかなり独特で、とても大胆な感じがした。あまりテストもしませんし、役柄の説明もほとんどしない監督なので、何か考えて自分たちで出して、一発本番みたいなことを淡々と繰り返していく現場でした。先日、(完成した映画を)拝見したんですが、すごくおもしろくて。痛いんですけど、おもしろくて。高名な先生に、ずっと足裏マッサージをしてもらってるような。よだれが出そうなぐらい気持ちのいい映画です」
加瀬「経験した中で一番といっていいほど、撮影のスピードが速い。監督もどんどんその場でいろんなアイデアを思いついていって、ついて行くのがやっとという感じでした。映画は、予想外の展開ばっかりで、自分の役どころも多面的になっていて、おもしろかったです」
三浦「北野組に参加しているというと、いろんな俳優さんが興味を示して、『どんな内容なの?』『どんな話?』っていろいろ聞いてくるんですけど、ぼくの親分をやるのが北村さんって言うと、『あっ、ヤクザをベースにしたコメディーなんだ』って(笑)。有意義な撮影でした(笑)」
國村「現場のリズム、撮影のテンポは、本当に速かったです。現場の空気感をそのまま写し込んでいくような、気持ちのいいテンポで撮影が進みました」
杉本「痛いシーンが本当に痛くて。いやあ、痛かったです。以上です」
塚本「とても刺激的な現場でした。実はたけしさんと初めてお会いしたのは17歳のころ。たけしさんが先生で、僕が生徒の役。そのあとに僕は本物の北野武という役もやらせてもらったことがあったんですけど、今回、北野組に参加させていただいて、たけしさんに芝居をつけてもらうということが、すごい夢のようでした。とても勉強になりました」
中野「スピードの速さと、自分の考えていることがちゃんとできているのかどうかで、ほかの人のお芝居を見ている余裕がなかったです。とってもいい時間でした」
石橋「北野監督とは、何十年か前にバラエティー的なドラマを一緒にしたことがあるんですが、僕の役が哀愁を帯びた逃亡者の役で、汽車の中でうたた寝をしてしまうと、北野監督にいたずら書きをされるという…。なんかひどい人だなあと思ってましたけど、今回、これほどやられていいんだろうかっていうぐらい、何の理由もなく理不尽にいじめられました。それが少し快感にもなっています(笑)。オレという役者は、北野監督のサディズムを何かくすぐるのかなと(笑)。次回、ご一緒できることを楽しみにしております」
小日向「北野組に参加できたことを本当にうれしく思っています。男たちのバイオレンスのある作品に参加できたことを良かったとしみじみ思っています。僕は俳優としてテレビドラマで初めてやった作品が、監督とご一緒した『説得』というTBSのドラマだったんですけど、ラストで監督と2人きりのシーンがあったんです。それ以来、監督とからむことができて、本当に夢のようです。光栄に思っています」
北村「十何年ぶりに悪い人間をやったんだけど、なかなかいいんだよ、これが。北野監督は滋味にあふれた演出で、すごくすてきなんです。テンポが速いし。ちらっと『小さい声で言って』とか言ってくれるんです。それだけなんだけど、あっと気づいて小さい声でやると、それがまたいいんです。そのシーンがものすごくいいんですよ。まあ、見てください。どのシーンかわかんないけど(笑)。いろんな意味で感動しました、一緒にお仕事をさせていただいて。ぜひみなさん、見てください。怖くてね、すごい映画ですよ。リアリティーがあって、たまりません。これ以上言いません」
北野監督「今回は、たまには一回も組んだことのない役者さんとやってくれませんかって。いかに今までの映画が当たってないかってことなんですけども。ああ、いいですよって言って。もってきた人でイエスかノーかを自分に判断させてということで、イエス、イエスといった人に集まっていただいたんです。僕はもともと撮影が速いんですけど、それ以上に速くできたのは、あまりダメ出しせずに(できたから)ね。みなさん、役者さんはこのクラスになるとすごいなと。ほとんど問題なく、ぱっぱっといったし、その通りの上がりでした」
キッズリターンとか初期作品は傑作揃いだと思うんですがねぇ。
あれでたいしたことないとは・・・
むしろ役者はやめて監督に徹すべきだと思うぐらいです。
たいしたことないのに国際的に有名。極めてカンヌ的な監督ですね。そのあたりを狙ってできるのがすごいところです。
私は監督・北野武を全く評価していないので(実は役者としてもそんなに買ってません。特に座頭市がヒドかった)、この作品どうでもいいのですが、やっぱり石橋蓮司さんは原田芳雄さんと組んだときが良いですね。(竜馬暗殺・浪人街)