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(ジュゴンが泳ぐ美しい海 名護市辺野古 辺野古浜通信より)
沖縄のアメリカ軍普天間基地の移設問題で、名護市辺野古への移設計画に伴う環境影響評価書を、政府が本日2011年12月26日にも沖縄県に提出するとみられることから、基地の県内移設に反対する市民団体のメンバーなどが提出をやめさせようと沖縄県庁の中で座り込みを続けています。
(沖縄県庁内で座り込みする人々)
市民の抵抗が続けば、政府は沖縄県に評価書を郵送するとしています。
この環境影響評価(アセスメント)とは、基地に限らず、環境影響評価法に基づき、開発事業が環境に与える影響を事前に調べる制度です。
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の代替施設を同県名護市辺野古に移設する計画について、防衛省は2007年8月に調査方法などを記した「方法書」を沖縄県に送って手続きを始めましたが、鳩山政権で移設先が再検討されたため、最終段階の「評価書」作成を中断しました。
(普天間基地の辺野古移設反対デモ 辺野古アクションより)
2011年6月の日米安全保障協議委員会(2プラス2)で、辺野古移設を再確認し、防衛省は評価書を年内に沖縄県に提出する方針で作業を進めてきました。
評価書には、当然、辺野古に普天間基地を移転しても環境面でも安全面でも問題ないと書かれています。
しかし、この評価書では、普天間基地に導入される未亡人製造機オスプレイの事故隠しのことなどは一切検討されておらず、まず移設ありきのいい加減でずさんなものである事は明らかです。
来年普天間配備予定の未亡人製造機オスプレイの事故隠し発覚 辺野古への基地移設アセスメントは不可能だ
(「美ら海(ちゅらうみ)」 名護市辺野古 辺野古浜通信より)
この評価書提出後は、(1)知事は埋め立て部分は90日以内、飛行場部分は45日以内に意見を提出(2)防衛省は必 要に応じて評価書を修正(3)評価書が確定すれば公告、1カ月間の縦覧--を経てアセスは完了します。
そこで、防衛省は来年2012年6月ごろ辺野古沿岸の埋め立て許可を知事に申請する方針です。
沖縄県庁前の広場では普天間基地の県内移設に反対する市民団体や労働組合のメンバーなどが提出をやめさせようと、12月26日朝、抗議集会を開きました。また、 メンバーの一部は県庁の担当課の周辺で、書類が運び込まれないよう座り込みを続けています。
この問題では沖縄防衛局長が暴言を吐き、沖縄の方々の怒りは否が応でも増しています。
沖縄を普天間基地移設で「犯す前にこれから犯すとは言わない」辺野古環境アセスについて沖縄防衛局長が暴言
一川防衛相問責決議案可決 普天間基地を辺野古に移設する環境アセスがなぜ沖縄を「犯す」ことになるのか
(美ら海、辺野古の海を無残に切り刻む米軍基地。これでよく環境への影響は問題ないと言えたものだ。辺野古アクションより)
こういう普天間基地移設に反対する市民運動に参加しておられる方々の怒り、狭間に立ち苦悩する沖縄県の立場を、お金目的だと決めつける浅薄な意見もありますが、そのような卑しいとらえ方では、沖縄問題は決して解決しません。
米軍基地の問題は、沖縄差別、つまり、人間の尊厳の問題なのですから。
先日、第1回BLOGOSアワード大賞に輝いた超人気ブロガーのちきりんさんは、さすがで、こう書いておられます。
「“地元振興対策費”はしかし、必ずしも地元の人達を潤すわけではない。大規模な工事の間は、建設作業員の飲み食いだけでも地元の商店街や飲み屋は潤うかもしれない。しかし、そもそも市場性のない多くの建造物は、工事が終われば地元になんら経済的な利益を残さない。
後に残されるものは“基地”という地雷のようなお荷物だ。日本の警察や司法が手を出せない外国の兵隊による性犯罪、治安の悪化、騒音、事故の危険、発展性のない基地依存の地元経済。
沖縄はこういったものを、半ば宿命として受け入れながら戦後の60年余をすごしてきた。」
(宜野湾市ホームページより航空写真)
お金で何でも解決すると思って沖縄の人々を侮辱する人は、人はお金中心に生きているはずだという貧しい人生観・さもしい人間性を吐露しているだけのことです。
心ある方々には、もし、米軍基地が自分のために必要なら、なおさらそれを沖縄に押しつけている私たちこそ、自分の人間性が問われていることを心に刻み、行動しましょうと訴えたいです。
そして、本当に、普天間という侵略部隊である海兵隊の基地がなければ日本が守れないのかを冷静に考えましょうと呼びかけます。
米軍 沖縄に枯れ葉剤を埋めて隠蔽・「未亡人製造機」オスプレイ配備 沖縄差別を忘れないで
沖縄差別の象徴 普天間基地移設問題の解決方法は撤去・廃絶のみ
(こんなに美しいサンゴも死んでしまう。やんばる東村 高江の現状より)
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そういう仮定で続けますけど、環境影響評価は「事業の可否を判断するものではない」こと、「事業を行う前提で環境への影響を明らかにし、影響がある場合は事業による環境影響を回避・低減、あるいは代償するための環境保全措置を明記するもの」であることを無視するのはいかがなものかと思います。
また、オスプレイの件についても、通常運用時の騒音や振動ならともかく、事故のことを評価するものではないことをご存知なのではないですか?
基地に限らず、公共事業に反対する人はよく環境影響評価でいちゃもんを付けますが、事業の可否は環境影響評価で行うものではありません。(強いて言うなら計画段階のアセス(戦略的環境アセスメント)で行います。)
物事を、当事者ではないから甘く考えて良いということは決してなく、地元の沖縄市民、住民にとって生命財産、安全性に、不可欠の問題であすから、下手な間違いの憶測で推し図ることを、極力、避けなければならない。
人権保障のテーマは、このように微妙ですが、その住民の立場に立って考えるところの、ray様による右ブログ記事を、尊重すべきでしょう。
如何でしょうか?
この点は、東電の福島原発事故に関係する環境、被曝、事故原因などの課題と、共通する重要な論点です。
あと、藤原氏とは環境影響評価制度に対する認識が全然違うので、議論になりようがないです。
私がブログ主さまに言いたいのは、事業に反対するのに、「環境影響評価書」をダシにしてほしくないということだけです。
記事アップ時点で公表されてもいない評価書をいい加減でずさんと決め付けており、かつ、その理由がアセス制度の外の話だからです。
付け加えるなら、アセス制度に対する誤った認識が広がるのを憂慮しているだけです(まあ、既にマスコミのせいで広まってしまってますが。)。
ウィキから引用で恐縮ですが、”大規模公共事業など環境に大きな影響を及ぼすおそれのある事業について、その事業(公共事業のみならず民間事業者によるものも含む。)を実施する事業者自らが環境への影響を予測評価し、その結果に基づいて事業を回避し、または事業の内容をより環境に配慮したものとしていく環境アセスメントについての手続きを定めた法律である。”
という事は、評価をして配慮したと言えば、全ての事業は実施されるという事です。こうじさんのおっしゃる通りです。
これに非常に驚いた理由は、環境評価の是非によって、計画の実施は左右されるものだという法律に自分がなじんでいるからです。
アメリカ連邦政府のNational Environmental Policy Act(通称NEPA)のEnvironmental Impact Statement(通称EIS)というのがありますが、NEPAでの評価が否定的だと、事業の中止には直ぐに繋がりませんが、連邦政府からのファンディングは使えないという事になり、辺野古で問題になっているような大きなプロジェクトは大抵中止もしくは大幅な計画変更を余儀なくされます。しかし、日本の法律だと、アセスメントをすれば、それはそれで置いといて、着工できる可能性が高い。特に、事業主が日本政府の防衛省である辺野古の場合、ごり押しで計画を進める可能性は否めない訳です。事業主がアセスメントをする以上、”あまり問題なし”というのは動機があって当たり前ですから。
ここで知事及び沖縄県政府がちゃんとした評価書の評価をして、大幅修正要求をしないと、単に事務手続きの一つとなって、本当の意味でのアセスメントでなくなる可能性がある。これは非常に問題です。
沖縄県がいろんな分野での専門家に評価書の評価を手伝ってもらうようにしている事も非常に大事です。非常に専門性が高い項目もありますから。評価期間の短さも気になります。
確かに日本の環境アセスメントは事業ありきで進められることが多く、「アワスメント」と揶揄されることも珍しくありませんでした。
そのため、計画段階から環境配慮する戦略的環境アセスメントを導入しようとしていますが、その環境影響評価法の一部改正が成立したのが去年の4月で、当然辺野古の事業には間に合っていません。
本ブログ記事の趣旨から外れるので、長くは書きませんが、通りがかりの者さんの懸念はごもっともだと思います。
なお、評価書の前には準備書が提出されているわけですが、準備書に対する沖縄県知事の意見もネットで公表されています。これを見る限り、細かいことまで色々注文を付けてはいますが、事業者側は多分全部対処できるでしょうし、対処した評価書を提出したのでしょう。
事業者側にも専門家がついていますし、そのことも公表されていますから。
この評価書に対しても、環境大臣等の意見も付くわけですが、環境影響評価としての審査でもって事業を撤回させるのは制度上難しいのではないかというのが私の意見というか感想です。
撤回させるのは、環境以外の面(政治、経済)で行うしか方法はないと思います。