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沖縄戦から71年目の今日2016年6月23日、沖縄慰霊の日。
安倍総理は安保法案審議中だった去年に続いて
「帰れ!」
などとヤジを受けましたが、慰霊の日の挨拶をやりとげました。
しかし、安倍首相がその中で沖縄の女性が米軍属に強姦殺人された容疑で逮捕されている事件について触れ、具体的な策を挙げたのは
「アメリカとは地位協定上の軍属の扱いの見直しを行うことで合意し、現在詰めの交渉を行っている。国民の命と財産を守る責任を負う政府として、2度とこうした痛ましい犯罪が起きないよう対策を早急に講じていく」
という部分のみ。
今回の事件での日米地位協定が問題なのは、米軍兵ではなく軍属が行なったことが問題なのではありません。
そうではなくて、一般に米軍関係者が日本で日本人を被害者に犯罪を犯した場合でも日本に原則として逮捕権や裁判権がなく、米軍が自分たちで身柄を確保し、自分たちで裁こうと考えると、日本は手の出しようがないことが問題なのです。
安倍首相はまたも小手先の言い訳程度の策で、あたかも日米地位協定をいじったかのように宣伝するつもりです。
NHKの
首相 日米地位協定の実質的改定目指す考え
という言い回しに代表されるように、マスコミもその尻馬に乗っかろうとしています。なにしろ、実質的改定とは条文上は改定しないことを意味するのですから。
安倍首相は選挙前にアメリカとの協定の「実質的見直し」ができたと言ってくるでしょうが、それが本質的な見直しではありえないことを、注意深く見なければなりません。
今回の事件がたまたま米軍兵士ではなく軍属によるものだったことをこれ幸いに、軍属に関する改善でお茶を濁そうという魂胆。
沖縄県民は米軍属が日米地位協定の対象になっていることに怒っているわけではありません!
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首相 日米地位協定の実質的改定目指す考え
6月23日 15時22分 NHK
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安倍総理大臣は沖縄県糸満市で記者団に対し、日米地位協定について、沖縄県で女性が殺害された事件を踏まえ、地位協定を補足する新たな協定を結ぶことなどで実質的な改定を目指す考えを示しました。
沖縄県で女性が殺害されアメリカ軍の軍属の男が逮捕された事件を受けて、日米両政府は、日本に駐留するアメリカ軍関係者の地位や犯罪の取り扱いなどを定めた日米地位協定の対象者の範囲を見直す方向で協議を始めています。
これについて安倍総理大臣は「今回の事件で逮捕された容疑者のような人物が、軍属という形で地位協定によって守られ保護されているのはおかしい」と述べました。
そのうえで「地位協定については運用の改善という形で取り組んできたが、安倍政権になって、例えば『環境補足協定』のような、事実上の地位協定の改定を行うことができた。沖縄県民の気持ちに寄り添い成果を挙げていきたい」と述べ、地位協定を補足する新たな協定を結ぶことなどで実質的な改定を目指す考えを示しました。
日米両政府は、沖縄の基地負担の軽減策の一環として、当時の仲井真知事の要請に基づき、在日アメリカ軍の基地やその周辺の環境保全を図るため、日米地位協定を補足する「環境補足協定」を結んでいます。
首相「日米地位協定の対象者見直し急ぐ」
6月23日 14時10分 NHK
安倍総理大臣は沖縄県糸満市で開かれた戦没者追悼式であいさつし、沖縄県で女性が殺害され、アメリカ軍の軍属の男が逮捕された事件を踏まえ、日米地位協定の対象者の範囲の見直しに向けたアメリカ政府との交渉を急ぐ考えを示しました。
このなかで安倍総理大臣は「戦後70年以上を経た今もなお、沖縄が大きな基地の負担を背負っている事実を重く受け止めなければならない。今後とも、国を挙げて基地負担の軽減に1つ1つ取り組んでいく」と述べました。
そのうえで、沖縄県で女性が殺害され、アメリカ軍の軍属の男が逮捕された事件について「非常に強い憤りを覚えている。私から直接オバマ大統領に強く抗議するとともに徹底的な再発防止など厳正な対応を求めた」と述べました。
そして「アメリカとは地位協定上の軍属の扱いの見直しを行うことで合意し、現在詰めの交渉を行っている。国民の命と財産を守る責任を負う政府として、2度とこうした痛ましい犯罪が起きないよう対策を早急に講じていく」として、日米地位協定の対象者の範囲の見直しに向けたアメリカ政府との交渉を急ぐ考えを示しました。
安倍首相「地位協定で保護、おかしい
毎日新聞2016年6月23日 19時45分(最終更新 6月23日 20時01分)
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首相は在日米軍に関し「我が国の平和と安全を守る上で不可欠だが、負担を国民全体で負う必要がある」と述べる一方、米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)の名護市辺野古への移設については「普天間の一日も早い返還に向けて努力を重ねたい」と改めて語った。
沖縄県の翁長雄志(おなが・たけし)知事は日米協議について「スピーディーさがない。政府のペースは私たちと全く合っていない」と批判した。那覇市内で記者団に語った。【梅田啓祐】
首相、日米地位協定の協議「成果上げたい」
- 2016/6/23 18:55 日本経済新聞
安倍晋三首相は23日、沖縄県で米軍属が逮捕された女性暴行殺害事件について「容疑者のような人物が軍属という形で日米地位協定で保護されるのはおかしい」と述べた。「県民の気持ちに寄り添いながら成果を上げたい」とも語り、日米地位協定の軍属の扱いを巡る協議に期待を示した。沖縄県糸満市で開いた沖縄全戦没者追悼式の後、記者団の質問に答えた。
米軍普天間基地(宜野湾市)の名護市辺野古への移設問題を巡り、国と県で合意した「和解条項に従って誠実に対応する」と述べるにとどめた。
沖縄県の翁長雄志知事は23日、那覇市内で記者団に「地位協定を一つ一つ吟味して変えなければ、戦後の占領時代は終わらない」と抜本改定を求めた。県によると翁長氏は那覇空港で追悼式に出席した首相を見送ったが、会談はしなかった。
「反基地」意識し遊説せず=翁長知事、辺野古阻止で強気-安倍首相訪沖【16参院選】
安倍晋三首相は23日、沖縄全戦没者追悼式出席のため沖縄県を日帰りで訪問した。7月10日投開票の参院選で、沖縄選挙区(改選数1)は自民党の現職閣僚と野党統一候補の元市長が対決する激戦区の一つだが、米軍属による女性暴行・殺人事件で高まった県民の「反基地」感情を意識し、首相は選挙の応援演説を行わず、慰霊に特化した。
「米国と日米地位協定上の軍属の扱い見直しで合意し、詰めの交渉を行っている」。首相は式典のあいさつで、沖縄の基地負担軽減の一環として地位協定の運用改善を急ぐ考えを強調し、県民の理解を求めた。
これに対し、翁長雄志知事は式典で「地位協定の抜本的な見直しと海兵隊削減を含む米軍基地の整理縮小を強く求める」と迫り、安倍政権の取り組みは不十分との認識を示した。
沖縄では、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古移設をめぐる国と沖縄県の対立も尾を引き、参院選の主要争点となっている。首相は式典後の記者団の取材には「普天間の固定化は絶対にあってはならない」と移設推進の意向を示したものの、式典では移設問題に触れなかった。
一方、翁長氏は式典で「辺野古移設は県民の理解を得られず、『唯一の解決策』との考えは到底許容できない」と、政権の対応を厳しく非難した。今月5日の県議選では、辺野古移設に反対する知事与党が過半数を維持しており、知事は国に対し強気に出ている。
参院沖縄の野党統一候補は辺野古移設阻止を公約に掲げ、知事の全面的支援を受ける。さらに、米軍属事件や米兵の飲酒運転事故などが相次いだことで県民の「反基地」感情が一段と高まりを見せ、自民党ベテラン議員は「情勢は厳しい」と表情を曇らせる。
こうした現状を踏まえ、首相は議席維持に懸命な閣僚の応援を見送り、滞在3時間半で帰京した。首相周辺は「慰霊の日に遊説したら、どうなるか想像できる」と、選挙活動が逆効果になりかねないとの見方を示した。
民進党の枝野幸男幹事長は式典出席後、野党候補を推す連合の集会に顔を出した。枝野氏は記者団に安倍政権の対沖縄姿勢について「外交や安全保障上の都合が先にある」と批判した。(時事通信 2016/06/23-19:46)
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沖縄が本土復帰以来、歴代の総理大臣は沖縄の苦しみを見て見ぬ振りを続けて来た。鳩山総理の時に動きそうになったが、それも立ち消えになり、現在に至っている。だが、安倍の場合は、歴代総理と同じ立場どころか、辺野古という素晴らしい景観の地に、初めて日本自ら基地を建設しようとする暴挙を推し進めようとしている事実からも、歴代最悪の総理大臣であることは疑いようが無い。
日米地位協定の改定をしろと言っても、「馬の耳に念仏」ならぬ「馬鹿の耳に念仏」。麻生のボンボン振りも酷いが、やはり安倍のボンボン振りに勝る者はいないだろう。ボンボンだからこそ戦争の残酷さなど理解出来ないしする必要も無いし、自分が戦場の最前線に立つことも無い。そして、日米地位協定など無関係な土地に住み、その屈辱など知る由も無い。
安倍の私邸は、アメリカ軍基地の中に据えれば良いと思う。セキュリティー上、地震を中心とした災害対策上、一番良い場所だ。ついでに、基地外の飲酒自粛と午前0時以降の外出禁止もセットで。
という言い回しに代表されるように、マスコミもその尻馬に乗っかろうとしています。なにしろ、実質的改定とは条文上は改定しないことを意味するのですから。
あぶない、あぶない。
もう1年もこのブログ読んでいるけど、単に
「日米地位協定の実質的改訂 目指す」
という文言だけを読むと、陥穽に気付かない。(ふつうの人って、こんなもんです テへ)(もっとも、わたくしは安倍の行状からその胡散臭さは察知しております)
よって、大部分の国民も気付いておらず、犬アッチ行けの放送を聞いて、おお、アメリカにモノ言う安倍ちゃんグレート! と、思っているだろう。
本土の民がそんな風なので、沖縄の苦難は伝わらず、かの地はいつまでも戦後を引きずり、基地を残したまま、今回と同様の痛ましい事件を再び引き起こすのだろう。そして、本土からの観光客は、沖縄の空と海の青さに歓声を上げ、リゾートを満喫するのである。(その資本はウチナーなのか、ヤマトなのか?)
ごめんね。
沖縄の人、ごめんね。
一緒に闘うから、少なくともそういう気持ちは持っているから、許してほしい。
期待する人にとっては、「良くなる」「改善される」ととるでしょうが、実態はさて。
かつて日米安保改定を「不平等の解消」と言いながら、裏では「見た目だけ変わればいい。実態は全く同じでかまわない。」とアメリカ側に申し出て、アメリカ側が驚いていたということがありました。
そう、アメリカの工作員として生きた岸信介です。国会を乗り切るために、見た目だけ変わればいいんだ。
こうして売国奴は日本をアメリカ軍に売り渡したわけです。戦後70年以上もアメリカ軍に支配され続けている日本を作り上げたのが、この売国奴でした。
在日米軍の「禁酒」が早々と緩和されても何一つ抗議もしない腰抜けを、この選挙で叩き落してやりましょう。
> 翁長知事が要望している日米地位協定の根本的な見直しよりも弱いですが、それでも戦後ずっと変わらなかった日米地位協定が少しでも変化するのは大きいです。
自民党がよくやるように、最初にこちらの要望を少しだけでも押し通すことが出来れば、他の内容も後からドンドン変更することが出来ます。日米地位協定も今直ぐに全部無くすというのは厳しいですが、徐々に解除するという方向で動くことは出来ると思います。
後は議会を抑えている与党次第だと言え、これが本当に出来れば評価したいところです。 //
事実の捉え方も、今後の見通しも、甘くないですか?
もう真実を追求するのはやめたのかな w