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遅ればせながら、「アバター」、見てきました。
以下、ネタバレの連続なので、観る前に読まない方がいいと思います。ただし、筋がわかってるかどうかは鑑賞の楽しみにあまり影響を与えない映画だと思います。
世界史上最高の興業収益というのが気にくわないので、なんとか否定してやろうとがんばりましたが、肩のこらない、非常に楽しい映画でした。アカデミー賞獲得は確実でしょう。
最初の30分はほんとに夫婦で寝そうでしたが、そこから2時間、怒濤でした。
私は西部劇が大好きなんですが、子どもの頃は騎兵隊がインディアン(アメリカ先住民のこと)をやっつけるのを楽しんで見ているのですが、そのうち、知識と知恵がついてくると、インディアンから土地を取り上げた白人許せないって気持ちになってきますよね。「第七騎兵隊」みたいにやられちゃえって。
アバターは、ケビン・コスナーのアカデミー賞作品「ダンス・ウィズ・ウルブズ」を超えて、白人(ヨーロッパ系アメリカ人のこと)がジェロニモになっちゃう話ですから、それは痛快です。
ベトナム戦争の映画って、「ディア・ハンター」みたいに、アメリカ人ひどい目にあったってのがほとんどで、良くて、オリバー・ストーンの「プラトーン」とか「7月4日に生まれて」ぐらいです。
ひどいのになるといまだにベトナムに捕まっている元米兵を助けるために、ヒーローがベトナムに乗り込んで殺しまくるなんて映画はいっぱいあります。負けた腹いせか。憂さ晴らしか。
しかし、ベトナム戦争で村皆殺しや無差別殺戮や枯れ葉剤など化学兵器の使用があり、ベトナム人がこってこてに殺され、ベトナム人が塗炭の苦しみを味わうというような映画がありません。
まして、戦争の最後は、ベトコンがアメリカ人を追い出した、みたいな映画はないわけです。アメリカ人は精神性低いから。日本人だって自分の侵略の歴史を描いた映画を作っているのに。
その点、米軍っぽい敵役がワルキューレというヘリに乗って、森を燃やすというのは、まさに「地獄の黙示録」。
その米海兵隊っぽいのがさんざんにこれでもかとめちゃくちゃなあく悪行三昧をして、そのあとこっぴどくしっぺ返しを食らう感じの「アバター」は快感です。
ラストの地球への捕虜送還シーンは画期的でしょう。これだけアメリカが負ける映画は観たことありません。
イラクでもアフガニスタンでもああなっちまえって感じです。沖縄の基地からも出て行けという調子。
この映画に過敏に怒ってみんなに「孔子」を観させようとした中国は騙るに落ちました。
それにしても大きな木が燃やされる光景は体が震えます。この映画を見て、環境問題、特に原生樹林を守る先住民の戦いを市民が応援し出す、みたいな夢想もしてしまうほど、良い場面でした。
キャメロン監督は「地獄の黙示録」にしても、「エイリアン2」のロボットにしても、宮崎駿のガンシップにしても、悪びれずに換骨奪胎しています。
彼女が出ているとは知らなかったのですが、シガニー・ウィーバーを持ってきたのは最高でした。
設定は、地球に異星人が来て地球人を奴隷にしている「バトルフィールド・アース」の裏返しですね。
「未来少年コナン」の飛行機群とか、「風の谷のナウシカ」でのオームの治療なんかも挿入されていて、邦画ファンにもサービスあり。
個人的には、主人公が下半身不随って設定がとても良かったなと思ってます。井上雄彦「リアル」を彷彿とさせました。地球と異星人、どちらを裏切るかというときに、恋愛以外に足の問題がひとつからむのはよかったです。
戦闘シーンは「アント」「スペースシップトルゥパーズ」「ロードオブザリング」などを思い出しますね。ニュージーランドでロケしてるのもあって。
女ヘリコプジェンヌ、次代の王の最期も見事。「アパッチ」「風とライオン」。
空の王が「ポケットモンター」の神と呼ばれしポケモンそっくりで、地上の獣の王が「ジェヴォーダンの獣」そっくりでした。「ドラゴン・ライダー」などのドラゴンものも思い出されます。
キャメロン監督も、タランティーノみたいな映画オタクなんでしょうね(僕もか)。ほんとうにたくさんの映画のおもしろいところをうまく構成して、楽しい映画を作ったものです。
去年のアカデミー賞「スラムドッグミリオネア」とどっちがいいかといわれると・・・どっちもすごく驚きましたから好き好きといっておきます。
80点あげていいと思います。
以下、ネタバレの連続なので、観る前に読まない方がいいと思います。ただし、筋がわかってるかどうかは鑑賞の楽しみにあまり影響を与えない映画だと思います。
世界史上最高の興業収益というのが気にくわないので、なんとか否定してやろうとがんばりましたが、肩のこらない、非常に楽しい映画でした。アカデミー賞獲得は確実でしょう。
最初の30分はほんとに夫婦で寝そうでしたが、そこから2時間、怒濤でした。
私は西部劇が大好きなんですが、子どもの頃は騎兵隊がインディアン(アメリカ先住民のこと)をやっつけるのを楽しんで見ているのですが、そのうち、知識と知恵がついてくると、インディアンから土地を取り上げた白人許せないって気持ちになってきますよね。「第七騎兵隊」みたいにやられちゃえって。
アバターは、ケビン・コスナーのアカデミー賞作品「ダンス・ウィズ・ウルブズ」を超えて、白人(ヨーロッパ系アメリカ人のこと)がジェロニモになっちゃう話ですから、それは痛快です。
ベトナム戦争の映画って、「ディア・ハンター」みたいに、アメリカ人ひどい目にあったってのがほとんどで、良くて、オリバー・ストーンの「プラトーン」とか「7月4日に生まれて」ぐらいです。
ひどいのになるといまだにベトナムに捕まっている元米兵を助けるために、ヒーローがベトナムに乗り込んで殺しまくるなんて映画はいっぱいあります。負けた腹いせか。憂さ晴らしか。
しかし、ベトナム戦争で村皆殺しや無差別殺戮や枯れ葉剤など化学兵器の使用があり、ベトナム人がこってこてに殺され、ベトナム人が塗炭の苦しみを味わうというような映画がありません。
まして、戦争の最後は、ベトコンがアメリカ人を追い出した、みたいな映画はないわけです。アメリカ人は精神性低いから。日本人だって自分の侵略の歴史を描いた映画を作っているのに。
その点、米軍っぽい敵役がワルキューレというヘリに乗って、森を燃やすというのは、まさに「地獄の黙示録」。
その米海兵隊っぽいのがさんざんにこれでもかとめちゃくちゃなあく悪行三昧をして、そのあとこっぴどくしっぺ返しを食らう感じの「アバター」は快感です。
ラストの地球への捕虜送還シーンは画期的でしょう。これだけアメリカが負ける映画は観たことありません。
イラクでもアフガニスタンでもああなっちまえって感じです。沖縄の基地からも出て行けという調子。
この映画に過敏に怒ってみんなに「孔子」を観させようとした中国は騙るに落ちました。
それにしても大きな木が燃やされる光景は体が震えます。この映画を見て、環境問題、特に原生樹林を守る先住民の戦いを市民が応援し出す、みたいな夢想もしてしまうほど、良い場面でした。
キャメロン監督は「地獄の黙示録」にしても、「エイリアン2」のロボットにしても、宮崎駿のガンシップにしても、悪びれずに換骨奪胎しています。
彼女が出ているとは知らなかったのですが、シガニー・ウィーバーを持ってきたのは最高でした。
設定は、地球に異星人が来て地球人を奴隷にしている「バトルフィールド・アース」の裏返しですね。
「未来少年コナン」の飛行機群とか、「風の谷のナウシカ」でのオームの治療なんかも挿入されていて、邦画ファンにもサービスあり。
個人的には、主人公が下半身不随って設定がとても良かったなと思ってます。井上雄彦「リアル」を彷彿とさせました。地球と異星人、どちらを裏切るかというときに、恋愛以外に足の問題がひとつからむのはよかったです。
戦闘シーンは「アント」「スペースシップトルゥパーズ」「ロードオブザリング」などを思い出しますね。ニュージーランドでロケしてるのもあって。
女ヘリコプジェンヌ、次代の王の最期も見事。「アパッチ」「風とライオン」。
空の王が「ポケットモンター」の神と呼ばれしポケモンそっくりで、地上の獣の王が「ジェヴォーダンの獣」そっくりでした。「ドラゴン・ライダー」などのドラゴンものも思い出されます。
キャメロン監督も、タランティーノみたいな映画オタクなんでしょうね(僕もか)。ほんとうにたくさんの映画のおもしろいところをうまく構成して、楽しい映画を作ったものです。
去年のアカデミー賞「スラムドッグミリオネア」とどっちがいいかといわれると・・・どっちもすごく驚きましたから好き好きといっておきます。
80点あげていいと思います。
レス遅くてすみません。これからもよろしくお願いします。