不適切な表現に該当する恐れがある内容を一部非表示にしています

カラスが天狗で、天狗がカラス!? 烏天狗到来!(その2)

2021-05-12 17:40:55 | 紹介
信玄ミュージアムのガラスをコツコツつつくカラス君。


カラスつながりで、信玄公も信仰した、お姿が烏天狗の飯縄権現のお話になりました。


神仏の信仰、関わり方は、時代・土地それぞれで違うもの。
戦国の世と今では、カラスや天狗を通して見える世界も違うはず。
それはそうなんですが・・・、でも、伝承とは言え、ちょっとは共感したいじゃないですか。
そっか。だから、信玄公はその懐に烏天狗のお姿の飯縄権現をしのばせたんだ💡って。

そんなわけで、先ずは、
この記事を書くきっかけをくれた「カラス」のイメージを探ります。

「カラスってこわい!」「なんかずるがしこいから、余計いや!」
現代カラスのイメージ😨 多くの方にとってネガティブなものかと思いますが・・・

そこに至るまでに、いろ~んなイメージが重なって、
私たちの頭の中の「カラス」が出来上がっているワケですが、
カラスと言えば、やはりその黒、見方によっては美しい濡れ羽色。
色から得る印象は強く、イメージの形成には欠かせなかったはず。
カラスが黒くなければ、神使・カラスも烏天狗もいなかったかも。

それじゃあ、古代の日本で、黒のイメージってどんなものだったのでしょう?
日が暮れた色、暗闇、悪、死→現世から離れる→禁欲、
その他、地下の色っていうのもあって、そこから再生、豊穣、母神が連想されて・・・

また、黒はなど最下層に属する人々の衣服の色とされたり、
平安時代に入ると、喪の色としても定着しますが、
時に、黒と対極の色である白と逆転したり、白黒が混ぜこぜになって、創造の根源の色とされたり。
浄でもあり、不浄でもあり・・・

黒いカラスは、その特性とも相まって、霊魂を運ぶ鳥としても考えられました。
これは、チベット仏教などの葬儀のひとつ、鳥葬が発想の源のようで、
ご遺体をついばむことで、その魂を天に運んでくれるという考え方。

太陽の象徴、または太陽神、例えばギリシャ神話アポロンの使いもカラス。
真黒なカラスと太陽?意外でしょうか?
でも、カラスはどの土地に生息しようとも、太陽に向かって巣に帰る。
そんな姿から、世界各地にカラスと太陽のお話が伝承されています。
(カラスは太陽の位置と体内時計を使って、巣に帰るそうです。)

それじゃあ、天狗はどうでしょう?

古代中国では、天狗は、読んで字のごとく「天の犬」、
凶事を知らせてくれる流星として考えられたとか。
犬は、鋭い嗅覚などによって霊感が強い、「死」に近い存在とされ、
境界を守るための生贄や儀礼・呪術にも使われていたようです。

中国の流星を天狗とする見方、実は日本では定着せず、
天狗という呼び名が定着したころには、異界から、時々こちらにやってくる妖怪、
見方を変えれば山の神としてとらえられていたようです。
時系列が前後してしまいますが🙇💦💦
一方で、古事記・日本書紀にも登場する、天孫降臨の時の案内役・猿田彦や、
仏法の守護神、迦楼羅天(かるらてん)にもイメージが重ねられたり。
迦楼羅天は、その前身がインド神話に登場する、炎のように光り輝く神鳥ガルラであり、
だから、興福寺など、日本に安置される迦楼羅天のお姿は、はっとするくらい烏天狗、なんです。

烏天狗!
カラスは天狗?それとも天狗がカラスなの?

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« カラス天狗到来!? | トップ | 懐中に飯縄権現。その胸中は... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

紹介」カテゴリの最新記事