歴タビ日記~風に吹かれて~

歴タビ、歴史をめぐる旅。旅先で知った、気になる歴史のエピソードを備忘録も兼ね、まとめています。

奥方たちの眠る寺~米沢

2022-06-14 08:16:40 | 山形県

今年4月の大型連休では、米沢を起点に、ぐるっと山形を一周しました。

 

林泉寺は、米沢で、一番に出かけたポイントでした。

本当は、ちょこっと境内を一周するつもりが、

受付のオジさまに誘われ、堂内と宝物館の見学をしています。

 

先ほどまで受付にいらした、件のオジさまは、ガイドさんに早替り!w

 

 

春日山・林泉寺、曹洞宗の由緒ある、お寺です。

 

明応5(1496)年、長尾景虎(ナガオ カゲトラ)

後の上杉謙信公の祖父・長尾能景(ナガオ ヨシカゲ)が

長尾家の墓所として創建しました。

 

余談:恥ずかしながら、ここで、寺に山号がつくのは、

その昔、中国の寺が山に建てられたことにちなむと、初めて知った次第w

(ガイドさんに教えていただきました。感謝!)

 

 

もともとは、越後(新潟県・上越市)の春日山の麓に建てられていたものの、

長尾あらため、上杉家2代目・景勝公米沢移封に伴い、

会津を経て、この地に移ってきたとか。

 

寺内には、謙信公、景勝(カゲカツ)公、鷹山(ヨウザン)公と、

上杉家、代々の殿様と直江兼続公の直筆の書など多数のお宝♫

 

さらに、境内に出れば、見事なお庭があり、

墓所には、直江兼続(ナオエ カネツグ)夫妻はじめ、

ゆかりの人々の墓が並びます。

 

 

こちらは曹洞宗のお寺ながら、謙信公真言宗に宗派替えをしました。

よって、謙信公以後の墓は、米沢では「御廟」こと上杉家廟所にあり、

その脇に立つ法音寺が菩提寺となっているそうです。

 

でも、なぜか、奥方達の墓は、ここ林泉寺にあります。

 

景勝公夫人・菊姫(武田信玄娘)、9代鷹山公側室・お豊の方(鷹山公は上杉家の養子)に、

謙信公の姉君にして景勝公の母・綾夫人・・・と

ビッグネームだけでも、こんなに! 

 

他にも、一族子女多数の墓所となっています。

 

 

なぜ、こんなに!?

 

受付のオジさまに伺うと、親切に教えてくださいました。

 

これは、なんでも、越後以来の習いなのだとか・・・

越後時代も、奥方の墓は、竹藪に囲まれた中に、

外から見えないよう建てられていたのだそうです。

 

 

してみると・・・

直江兼続公は、なぜ夫妻で並んで墓所があるのでしょう?

 

しかも、本堂には、お位牌が仲良く並んでいました。

 

大河ドラマ「天地人」では、妻夫木聡さん演じる直江公は、

しょっちゅう常盤貴子さんの妻・お船の前で涙していた印象が・・・w 

つまり、それだけ夫婦仲が、よろしかった♥ということでしょうか。

 

 

墓所で気になったのは、武田信清公の墓所。

武田といえば、川中島の戦で、上杉家のライバルです。

 

その武田家も、信玄公亡き後滅亡の憂き目を見ることとなり・・・

信清公は、姉・菊姫を頼り、越後に逃れ、

結果、上杉家と共に米沢移り住み、没したとのだとか。

 

菊姫は、武田信玄4女にして、上杉藩初代・景勝公の夫人・・・。

どんな想いで姉弟は再会したのでしょうか・・・と、切なくなりました。

 

 

 

到着以来、今にも泣き出しそうな空が、

寺内の見学を終え、境内の見学を始める頃には、降り出し、

やがて本降りとなってしまいました。

 

旅は始まったばかり。

冷たい雨に、風邪でも引いたら大変と、慌てて車に戻りました。

墓前で亡き人に想いを馳せることが、十分にできなかったのが心残りでした。

 

******************

境内の案内などや伺ったお話を基にまとめましたが、

わたしの勘違いもあるかもしれません。

素人のことと、どうぞお許しくださいませ。


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