債務とデフレに苦しむ日本は次のギリシャなのか?
米スタンダード・アンド・プアーズは膨れ上がる債務水準と低成長を懸念し、日本の信用格付けを引き下げる可能性があると警告した。
だが、巨大な日本国債バブルやデフォルトに関する議論は、荒唐無稽だ。
確かに、日本の財政はいたって健全とは言えない。日本の債務総額をGDP比200%近くに押し上げた。
高齢化が進む中、この数字は一段と悪化しかねない。そう考えると、現在1.3%前後で推移している10年物日本国債の利回りは低く見える。
だが、いくつかの基準からして、日本は他国と異なる。
第1に、債務総額の水準はミスリーディングだ。国が持つ資産を差し引いた日本の債務は、GDPの100%に満たない。
第2に、国債の元利払いのコストは低く、GDPの1.3%程度だ。これに対して、米国はGDPの1.8%、英国は2.3%、イタリアは5.3%に上っている。第3に、日本の財政には手を尽くす余地がある。何しろ、消費税率はたったの5%だ。第4に、日本国債の95%は国内投資家が保有している。
今もって日本の問題は過剰貯蓄なのだ。銀行は膨大な預金を抱えており、どこかに投資する必要がある。当面の間、政府は日本国債の買い手の確保に苦労することはないだろう。
米スタンダード・アンド・プアーズは膨れ上がる債務水準と低成長を懸念し、日本の信用格付けを引き下げる可能性があると警告した。
だが、巨大な日本国債バブルやデフォルトに関する議論は、荒唐無稽だ。
確かに、日本の財政はいたって健全とは言えない。日本の債務総額をGDP比200%近くに押し上げた。
高齢化が進む中、この数字は一段と悪化しかねない。そう考えると、現在1.3%前後で推移している10年物日本国債の利回りは低く見える。
だが、いくつかの基準からして、日本は他国と異なる。
第1に、債務総額の水準はミスリーディングだ。国が持つ資産を差し引いた日本の債務は、GDPの100%に満たない。
第2に、国債の元利払いのコストは低く、GDPの1.3%程度だ。これに対して、米国はGDPの1.8%、英国は2.3%、イタリアは5.3%に上っている。第3に、日本の財政には手を尽くす余地がある。何しろ、消費税率はたったの5%だ。第4に、日本国債の95%は国内投資家が保有している。
今もって日本の問題は過剰貯蓄なのだ。銀行は膨大な預金を抱えており、どこかに投資する必要がある。当面の間、政府は日本国債の買い手の確保に苦労することはないだろう。