日本人駐在員との給与格差「50倍」やり玉 中国ホンダ系工場スト
産経新聞2010年5月29日(土)08:00
中国広東省仏山にあるホンダ系の自動車部品工場で賃上げを求めて従業員らが行っているストライキで28日、中国人従業員らが日本から派遣された駐在員との「50倍」という給与格差問題をやり玉に挙げ、経営側を突き上げていることが分かった。
江西省の衛星テレビなどが同日伝えたところによると、ストが起きている「本田自動車部品製造」の女性従業員が手取りで月額平均約1千元(約1万3500円)なのに対し、駐在する日本人技術者は同5万元。従業員らは経営側に日本人の給与を公表するよう迫ったという。
中国では年内にも「同一労働同一賃金」を柱とする「賃金法」の成立が見込まれており、中国人従業員らはこうした法整備をにらみながら労使交渉を進めているものとみられる。
部品工場のストには1千人以上が参加。経営側は約350元(約4700円)の賃上げを提示したものの、従業員側は拒否した。賃金の倍増となる1800~2000元への引き上げを求めており、交渉は難航しているようだ。
工場からの部品供給がストップしたため、中国国内に4カ所あるホンダの完成車工場も操業停止に追い込まれる深刻な事態となっている。
ホンダは28日、中国国内の工場について月内の稼働を断念したことを明らかにした。31日に再交渉し、6月1日から稼働できるかどうか判断する。広東省広州の輸出専用工場に関しては31日、変速機の在庫がある50台だけ生産。関係者は「部品工場の復旧が最優先だが、並行して部品供給を検討中だ」と述べ、日本からの変速機輸送を検討する方針を示した。
生産停止の影響について「在庫があるため当面、問題はない」としているが、事態が想定以上長引いて生産計画に波及すれば悪影響が出る可能性も否めない。4月の四輪車の生産実績によると、中国でのホンダの生産は前年4月を28・7%上回る5万8814台で、4月としては過去最高だった。それでも、1~4月が前年比4割増という好調な販売状況に追いつかず、ホンダは中国での増産方針を発表したばかりだった。
現地事情に詳しい関係者は「中国政府が労働者の権益保護に力を入れる一方、経済発展と一人っ子政策の結果、労働者にとって“売り手市場”になっている」と指摘する。
ホンダに限らず、中国に進出している企業にとって、労使トラブルや労務コストの増大は頭痛のタネとなりそうだ。(上海 河崎真澄、高橋寛次)
安い人件費が魅力だったはずなのに。
これでは撤退したほうが良いだろう。
産経新聞2010年5月29日(土)08:00
中国広東省仏山にあるホンダ系の自動車部品工場で賃上げを求めて従業員らが行っているストライキで28日、中国人従業員らが日本から派遣された駐在員との「50倍」という給与格差問題をやり玉に挙げ、経営側を突き上げていることが分かった。
江西省の衛星テレビなどが同日伝えたところによると、ストが起きている「本田自動車部品製造」の女性従業員が手取りで月額平均約1千元(約1万3500円)なのに対し、駐在する日本人技術者は同5万元。従業員らは経営側に日本人の給与を公表するよう迫ったという。
中国では年内にも「同一労働同一賃金」を柱とする「賃金法」の成立が見込まれており、中国人従業員らはこうした法整備をにらみながら労使交渉を進めているものとみられる。
部品工場のストには1千人以上が参加。経営側は約350元(約4700円)の賃上げを提示したものの、従業員側は拒否した。賃金の倍増となる1800~2000元への引き上げを求めており、交渉は難航しているようだ。
工場からの部品供給がストップしたため、中国国内に4カ所あるホンダの完成車工場も操業停止に追い込まれる深刻な事態となっている。
ホンダは28日、中国国内の工場について月内の稼働を断念したことを明らかにした。31日に再交渉し、6月1日から稼働できるかどうか判断する。広東省広州の輸出専用工場に関しては31日、変速機の在庫がある50台だけ生産。関係者は「部品工場の復旧が最優先だが、並行して部品供給を検討中だ」と述べ、日本からの変速機輸送を検討する方針を示した。
生産停止の影響について「在庫があるため当面、問題はない」としているが、事態が想定以上長引いて生産計画に波及すれば悪影響が出る可能性も否めない。4月の四輪車の生産実績によると、中国でのホンダの生産は前年4月を28・7%上回る5万8814台で、4月としては過去最高だった。それでも、1~4月が前年比4割増という好調な販売状況に追いつかず、ホンダは中国での増産方針を発表したばかりだった。
現地事情に詳しい関係者は「中国政府が労働者の権益保護に力を入れる一方、経済発展と一人っ子政策の結果、労働者にとって“売り手市場”になっている」と指摘する。
ホンダに限らず、中国に進出している企業にとって、労使トラブルや労務コストの増大は頭痛のタネとなりそうだ。(上海 河崎真澄、高橋寛次)
安い人件費が魅力だったはずなのに。
これでは撤退したほうが良いだろう。