ricoのつれづれblog

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観劇感想〜野田地図「Q:A Night At The Kabuki」

2022-11-20 | お芝居のこと
もうひと月以上前になりますが、
久しぶりにお芝居を観に行ってきました。




野田地図の「Q: A Night At The Kabuki」です!

今回は2019年初演だった作品の再演です。
初演も観に行きました。
このとき、とにかくチケットが取れなくて、
何度も抽選に申し込んで、最後の立見が当選してようやく観に行けました。
平日だったらもうちょっと楽に取れたんだろうけど。
とにかく大阪新歌舞伎座の3階席のいちばん後ろでホントに立見。
腰がつからったのを覚えています。
でも、そのつらさを遥かに超えるほど感動したのです。

で、今回再演するとのことでチケットを申し込み、無事入手できましたヨカターヨ・゚・(ノД`)・゚・

今回の席はこちら↓






舞台からやや下手よりの4列目!
良席♪

さて、ここからはネタバレです。
自分の主観で書いているのと観てから時間が経ってしまっているので、
少し違うかも知れませんがそこはお許しを。


物語は、身なりがボロボロの男(上川隆也)が帰船に乗ることができず置き去りにされるところから始まります。

自分は平瑯壬生(たいらのろうみお)だ!
と名乗るが、聞き入れられず船に乗ることができない。

そこにとある男(竹中直人)が瑯壬生が愛する人に手紙を渡すと言う。
ただ、手紙は検閲があり無理なため、言葉で伝えることに。
一言一句全て必ず伝えると約束し、船は出発した。

次のシーンでは男は約束どおり女性(松たか子)の元へ。
しかし、言葉の手紙を預かってから30年も経っていた…。
女性は源愁里愛(みなもとのじゅりえ)。
なぜ30年も手紙は届かなかったのか…。

シーンは変わって
源氏と平家の時代、
源氏は名を捨テロリスト、平家は名を拾イズムを掲げて政権を争っていた。
ある日若き源愁里愛(広瀬すず)は平家で行われていたクリスマスパーティーに忍び込み、若き平瑯壬生と出会う。
敵同士の家であるにもかかわらず、2人はすぐに恋に落ちる。
愁里愛は瑯壬生に「名前を捨てて」と伝え2人は結婚をする。

しかし瑯壬生は友人である平水銀を源氏に殺されたことがきっかけで愁里愛のいとこである源義仲を殺してしまう。

物語はシェークスピア作「ロミオとジュリエット」そのものです。

この時の2人はそれからの愁里愛(松たか子)とそれからの瑯壬生(上川隆也)の回想。

それからの愁里愛はこれから起こること(ロミオとジュリエットの物語の結末)を変えようと若い2人に介入しいろいろ画策する。

計画通り心中したと思われた瑯壬生と愁里愛は生き延びるが、
おめおめと生き延びたことを恥として源氏も平家もそれぞれ2人は死んだとしていて、
瑯壬生も愁里愛も互いが生きていることを知らない。

瑯壬生は「平のへいへい」と名を変え戦に駆り出され、愁里愛は尼寺へ行くことになる。

ここからは瑯壬生と愁里愛は若い志尊淳と広瀬すずから上川隆也と松たか子が演じている。

戦で傷ついた人を治療する野戦病院で、瑯壬生と愁里愛は再び出会うこととなるが、
瑯壬生は源義仲の恋人であった巴御前に命を狙われていたため、
瑯壬生の正体を明かすことができなかった。
瑯壬生の顔を知らない巴御前は傷ついた戦士ひとりひとりの首に刀を向け、愁里愛に瑯壬生かを問う。
瑯壬生の順番が来たとき、愁里愛は「違います!」と言い、瑯壬生は助かったが、戦の恐怖からか失明してしまう。
そんな時に源頼朝が征夷大将軍となり戦が終わったと連絡が入り、ここからは人を殺すことは罪になることから瑯壬生は命を狙われることはなくなった。

しかし愁里愛は一瞬会えただけで瑯壬生とは再び離れることとなり、
敗戦した平家の戦士はズベリアへ送られ、過酷な強制労働を強いられる。
寒さと飢えときつい労働により次々に人が死んでいくなか、
平家の仲間の戦士が自分が助かるために強制労働させている源氏の男に「あいつは瑯壬生だ!」と瑯壬生の正体をバラすが、
すでに戦は終わっていて、いまさら瑯壬生などとわかってもどうでもよいと一蹴される。

平家の戦士たちが絶望しているときに、源頼朝が亡くなったことによる恩赦でズベリアの強制労働者が帰国できることとなった。

恩赦で名前を読み上げられた者が次々と帰船に乗り込むなか、瑯壬生の名前は読み上げられなかった。
平のへいへいは実在せず、瑯壬生はズベリアには来ていない。
名を捨てた瑯壬生はひとりズベリアに残されることとなってしまった…。

瑯壬生が男に託した言葉の手紙、
男が30年も伝えるべきか迷っていた愁里愛への手紙、

「私はもはやあなたを愛していない。」 
「私には寒さと飢えでもう愛する力がない。」
「どうかもう一度あなたを愛する力をください。」
「もう二度と私に名前を捨てろと言わないでください。」
「私を無名戦士として死なせないでください。」
「私には瑯壬生という名前があった。」
「どうか私のことを忘れないでください。」

この手紙を聴いた愁里愛はむしろこれは愛の手紙だと言う。
たった5日と数秒しか会っていない自分のことを最後まで忘れなかったから、と。

手紙を受け取った愁里愛のそばで、
若い愁里愛にかけ寄り抱きしめる若い瑯壬生。
それがそれからの愁里愛に入れ変わり、それからの瑯壬生が愁里愛を抱きしめたその時…

瑯壬生は崩れ落ちる。
そして、屍となった瑯壬生はズベリアの地で名もなき屍の山に捨てられる…


…もう号泣ですよ、このラスト。
私のつたない文章でわかってもらえないかもですが、ほんとに切ない、胸が痛い、つらいお話しでした。

初演の時より胸が痛かったのはいま、ロシアがウクライナに侵攻しているまさにその時期だからだろう。
ズベリア=シベリア抑留のことは遠い昔のことのように思えていたのが、再演では隣に感じるようになった。
時代は源氏と平家だけど、現代にまで争いの続きとは…をからませて何も生まない、ただ奪うだけ…という現実を突きつけるところはすごすぎる。

そして、ストーリーに絡んでくるQUEENの曲が悲しくて美しい。

アルバム「オペラ座の夜」の曲が使われています。
お芝居のタイトルがオペラ座が歌舞伎座になっただけでほぼそのまんまですね。

メインの曲は「LOVE OF MY LIFE」です。

※和訳している方のブログ引用させていただきました。

和訳を知るとこのお芝居に奥行きがでました。

他にも瑯壬生が源義仲を殺したシーンでは
「ボヘミアンラプソディー」が流れて、
「ママ、僕、人を殺してしまったんだ」の歌詞がリンクします。

タイトルのQがQUEEN以外になにか意味があるのかはまだ謎ですが、
歌舞伎はあるときピン!ときました。
歌舞伎座で公演しているからですよね?
いやいや、それ以外にも。

実は自分のブログを見て思い出したんですよ。


屋久島へ行った時に立ち寄った薩摩硫黄島、そこで見た銅像。





「俊寛」!

この人、島流しにされたんだけど、恩赦で他の人は戻れたのに、この人だけ罪をゆるされず取り残されたって話だった。
それを歌舞伎にして、薩摩硫黄島で上演してたらしいってブログで書いてたのよね。

なるほどー!
最初のシーンが歌舞伎モチーフだったんだ。

ほんとうに良い作品でした。
つぎ再演しても観に行きたいです。





観劇感想〜NODA・MAP『フェイクスピア』〜

2021-07-25 | お芝居のこと
お久しぶりです。
観劇感想も久しぶりです。

前回の観劇感想はコロナ前の劇団⭐︎新感線でしたが、
あの後、実はNODA・MAPの前作『Q』を観に行ってます。

この『Q』の観劇感想を書こうと思いながらバタバタした日々を過ごしてタイミング逃して今更書けなくなってしまったので、今回は観たてほやほやで書きます。

本日千秋楽なので、ネタバレ大丈夫と思いますが、念のため内容知りたくないよーの人はご注意ください。











冒頭は山?森?の中、小さな箱をかかえた男が倒れている。
木が薙ぎ倒される音、木々に扮した人々がゆっくり倒れていく。


そして恐山。
白石加代子さんが、女優白石加代子になるまえに恐山でイタコ修行をしていたと語るシーンから、流れるようにイタコみならいとして男二人に口寄せ?(取り憑きみたいなもの?)を依頼される。

一人は小さな箱をもっている若い男(高橋一生)
もう一人は年配の男性(橋本功)。

若い男はイタコみならいに「頭を下げろ!」と怒鳴る。
口寄せのダブルブッキングに怒ったのだと思ったイタコみならいは深々と頭を下げる。
すると若い男は「頭を上げろ!」と言う。

一方年配男性は殺された娘に会いたいと言う。なぜかその男性は国王で、自分に取り入ろうとしなかった三女に会いたいと言う。

すると三女はイタコみならいではなく若い男性に取り憑く。
三女はコーネリアス。

その後年配の男性がシェイクスピアのキャラクターになるたび、若い男性に相手役が降りてくる…。

イタコみならいは自分に取り憑いてもらえないので、これでは年一回のイタコ昇格試験に落ちてしまうと嘆く。

実は高校の同級生だったとわかったイタコみならいと年配男性。

協力を得てイタコ昇格試験に受かりたいと願うイタコみならい。

ここから話はめまぐるしく展開するので一度観ただけのわたしには説明できなくて申し訳ないですが、ダイジェストで。

小さな箱は神様が無くしたさいごの言の葉が入っていて、それを取り戻したい神様の使いたち(川平慈英と伊原剛志)、イタコみならいの母である伝説のイタコや星の王子様(どちらも前田敦子)らが物語を回していく。

神さまは目に見えない。言葉も聞こえない。言葉が聞こえないのはコトバの葉を人間に与えたから。

小さな箱に入っているコトバとは?



いつもの野田ワールド、セリフひとつ聞き逃してはいけない展開。

冒頭から散りばめられたセリフの中に、私はかなり早い段階で意味がわかってしまいました。

「18時56分28秒」。

若い男性と年配男性がイタコみならいに口寄せを依頼した時間。

この時間は、聞き覚えがある。

日航機墜落事故。

その墜落した時間…。

神様の使いは永遠と36年、箱を探していた。

36年前、もう間違いないわ。

一瞬箱が開いたときの言葉

がんばれがんばれ!

どーんといこうや!

墜落した日航機のボイスレコーダーに残っていた言葉たち…。

私のように覚えている人、知っている人もきっと少なくなかったと思う。

ああ、このテーマなんだ…

気づいた時から想像できる、というか事実でしかないラストに胸が痛くてつらかった。


冒頭の木々が倒れる姿は機体になぎ倒された御巣鷹の尾根の木々、もしくは人々。若い男性のセリフの「頭を下げろ!」と「頭を上げろ!」もボイスレコーダーの中で必死に、それこそ死を目前にして最後の最後までなんとかしようと発せらたことば。

若い男性はこの言葉の主、つまりパイロットだった。

そして年配の男性はこのパイロットの息子。
事故により、パイロットの家族も責めらたのだろう、息子は憧れの空ではなく、地下深く走る地下鉄の職員になって、定年を迎えた。
定年後、地下鉄に飛び込んで死のうとしていた。

箱の言葉を聞いて、生き延びる為に必死に発した最後の言葉たちを聞いて、
「生きる」ことを決めた年配の息子…。

込み上げるものの重さに涙が止まりませんでした。



ラストのフライトの様子を再現した緊迫のシーン。
セリフはきっとボイスレコーダーそのままだったのでしょう。

だから、泣きながら、ハンカチをぎゅっと握りしめて観ていました。
助かって、お願い!と本気で思ってました。

日航機墜落を題材にした舞台、事故当時を知っている人と知らない人には温度差があるかもしれないですが、
それでもパイロット役を演じるのはかなり重かったのではないかと感じています。

私なら毎晩夢でうなされてしまうかも…。


フェイクスピアというタイトルの意味、シェイクスピアとの関わりについては一度しかみていないのでまだ私の中ではまとまっていません。

飛行機、宇宙船?に関わりのある星の王子さまの登場もまだうまくまとまりません。

コロスという烏たちもです。

すぐにテーマはわかったものの、野田ワールドはまだまだ深く深く、
全てを掬い出すのはずっとずっと時間を要するのですが、
それこそが野田ワールドのお芝居を観るのをやめられない理由ですね。

また次回作も是非観に行きたいです。


部屋の掃除をしていたら…。

2020-07-25 | お芝居のこと
なんだか懐かしいものをみつけてしまった。


いまから13年前の、
私がやっていたお芝居の解散公演のDVD。






掃除そっちのけでつい観ちゃいました( ̄∀ ̄;)← 掃除あるある。

当時は真剣にお芝居してたなぁー。

このブログの初期のころはまだ芝居をしていたし、
この解散公演のことも載せてました。

いま、コロナでこんな蜜なお芝居は出来なくなっちゃってますね。




小さな小屋でせまい舞台。
でもそれでも舞台に立っている私には広く大きく感じたなぁ。

この芝居は私が初めてにして唯一書いた脚本でした。

解散のときは再演で、初演はなんと20年前Σ(・Д・」)」




↑初演時のビデオも残ってました。




↑こっちは再演時の同じシーン。

観ていたらまた芝居がしたくなっちゃいまいました(,,•﹏•,,)うずうず。

でももう仕事も忙しく時間もないし、体力ないし(笑)

って懐かしく観ていたら案の定…




乗っかってきました。お約束のパソコン乗りツユコさん。




「飼い主、掃除しなくていいんですか?」

あ、やります…。
さすがツユコさん、現実に引き戻してくれました( ̄∀ ̄;)

いまコロナ禍で観に行くこともままならないお芝居。
規模の大小かかわらず役者さんや舞台関係者さんたちも大変な時期ですが、
どうか乗り切ってよいお芝居ができる日が来ることを願っています。


観劇感想〜劇団新感線「けむりの軍団」

2019-10-22 | お芝居のこと
久しぶりにお芝居を観に行ってきました!
しかも2週連続で劇団新感線とNODAMAP!
あー贅沢な時間でした゚.+.(♥´ω`♥)゚+.*.。

いっきに書ききれないのでまずは劇団新感線「けむりの軍団」から。




観劇日時は10月13日13時の部でした。


あらすじはけむりの軍団|あらすじをご覧ください

ここからはネタバレ含む可能性があります。
あと観ていない人にはなんのこっちゃ?な感想かもしれません(_ _;)

まず何がすごいって古田新太さんと池田成志さんがメインキャストってことですね!
ふたりの掛け合いとかとにかく楽しくて楽しくて♪ テンポもよいし呼吸ぴったり。

それからやっぱり殺陣!
これは早乙女太一さんすばらしく美しい〜!
ヒロインの清野菜名さんも身体のキレがすばらしい。

高田聖子さんは妖しい役がやはりお似合いですね。
粟根まことさんの安定したズルい役どころ良かったです。
お寺の最初のシーンはさながら「天使にラブソングを」のゴスペルのようでこれも楽しかった。

舞台はスクリーンで場所展開をしたり物語の流れの説明補足をしたりしてました。
ただねーラスト近くに顛末をスクリーンに文字で説明して端折っていたのは残念でした…。

ええっ⁈ それ説明して終わりぃ〜って感じで。
しかも早乙女太一さんの役、その後行方知れずみたいになってて、おーい、気になるんだけどほったらかし?みたいな。

詰め込みすぎ感もあり、痛快ではあったもののストーリーとしてはやや物足りなかったかな。

私的には池田成志さんの飄々としながらも古田新太さん演じる軍配士よりも策士なところが好きでした。

テーマとしては戦うことに意味があるのかってことですかね。

池田成志さん演じる元お殿様は戦わなかったからこそ国は滅びたけど国の民は生き延びることができた。

守るために戦う、でも戦うことでは守れないってことなのかもしれませんね。

劇団新感線はどちらかというとエンターテイメント要素が強いので、
観終った後に楽しかったー♪スッキリしたー♪って思えるところに良さがあると思います。

実は立て続けにお芝居を観てしまったため、細かいストーリーがあとのNODA MAPに上書きされてしまって忘れてしまったところもちらほら。

良い感想を書けなくてすみません…(´・ω・`)




「まったく感想になってないですが…」

「ほんとにいい加減な感想にゃよ」

もっと書きたいことを整理して書けばよかった…。



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映画版「レ・ミゼラブル」を観てきました!~その3

2012-12-30 | お芝居のこと
さて、今回で感想は終了です。

とにかく、感動した~。
もともと、ミュージカル版でもストーリーは泣ける。
人物描写がとてもいいのです。
そしてその描写にすごくあっている音楽。
相乗効果で人物の気持ちがすごく伝わって、とにかく泣けるのです。

同じメロディを、違う人物が歌っている。
でも、その時の心理描写は似ているので効果的。

ファンティーヌが死ぬ時の歌とエポニーヌの「オン・マイ・オウン」は
メロディが同じところがある。
愛しい者のそばにいくこともできず、無力な自分。

物語の初めごろ、ジャンバルジャンが、司教にさとされたあとに歌う歌と、
終盤ジャベールが、ジャンバルジャンを逃してしまったあとに自殺するときに歌う歌。
これも同じ曲が使われている。
自分とは何か、これまでの自分との決別など、二人が重なる。

冒頭の「囚人の歌」と中盤の「乞食たち」も同じ曲。
つらい状況下で、生きていくのも必死な、それでいて生きる希望も失う人々。

耳に残る名曲揃い。

そして、映画版ではすべてのキャストの歌がうまくて、
表情もよくて、とにかく泣けた。

ジャベール役のラッセル・クロウは、ミュージカルと違った感じの歌い方なのだけど、
(わりと静かに歌う)雰囲気がすごくいい。

ジャンバルジャンのヒュー・ジャックマンも、抑揚ある歌い方が、
そのときの感情を表していてよく伝わってきた。

映画の演出で、あとで吹き込んだ歌ををあてるのではなく、
そのシーンの撮影時に生歌を歌っているとのこと。

これがこの映画の一番いい演出だったとおもう。

芝居のながれでそのときの表情、感情と歌声がぴったり一致していて、
すごく泣けるのです。

舞台の映画化、また映画の舞台化は、いつもどこか違和感を感じるのだけれど、
それもほとんどないくらい、すごくよい映画でした。



映画版「レ・ミゼラブル」を観てきました!~その2

2012-12-24 | お芝居のこと
昨日の続き。

一日経ってどうして「夢やぶれて」が舞台より良かったのかが分かった。

舞台では、工場をクビになった直後に歌うのだけれど、
映画では、髪を売り、歯を売り、身体を売るという
堕ちるところまで堕ちた後に歌ったからなんだわ。

アン・ハサウェイの熱唱も、感情移入も納得。

さて、そのほかの感想。
本日は辛口感想です。

とにかく長かった。
舞台よりは短いけれど、休憩がない分、すこし疲れてしまった。
もともと舞台も次から次へと息つく暇なく場面転換する演出なので、
映画もほぼそんな感じ。
セリフはほぼすべてが歌だから、とにかく、聞き逃すと分からなくなりそうだし。

映画化されたものがほぼ舞台とおなじ流れである以上、
どうしても演出の比較をしてしまうのだけど、
映像化されて役者の表情や感情がすごくよく伝わったという長所と、
生々しい映像がすこしえぐい感じがして、舞台のほうが良かったという短所があった。

宿屋での何が入ってるかわからないひき肉を作るシーンなんか、
コミカルさよりも気持ち悪かったし、
学生の蜂起が失敗し、みんな死んでしまったシーンも、
生々しく血が映し出されて、なんか悲しいと思う前に、
「え?血??」って思ったよ。

ジャベールが川に身を投げる自殺のシーンも、
川の縁に落ちて当たった音がこれまた生々しい。

なんか映像化でその演出はいや!って感じでした。
冒頭の強制労働のシーンのような臨場感という意味での良さは感じなかった。

あと、舞台でいちばん好きな役であるエポニーヌが、
あまりにも存在薄い・・・。

舞台では、もっともっと切ないのに。
これは役者さんのせいではないわ。
時間のせいか、エポニーヌのシーンに時間を割いていないからだと思う。

同じ理由はテナルディエ夫妻も同じ。
宿屋の生々しいシーンが尾を引いて、
本来の腹黒悪党でありながらも、コミカルで笑ってしまう感じが
まったくなかった。もったいない。

学生運動のリーダーのアンジョルラスも、もっと舞台では良いのに、
なんだかはしょられてるよなあ。
死ぬ時に、逆さまでぶら下がるシーンは舞台と同じようにはされていたけれど、
活きなかったのは、やっぱり存在薄めだったからかな~。

その点、ガブローシュは大活躍やったけどね。

まあ、物語の本スジはジャンバルジャンとジャベールの一生をかけた対決だから、
この時間では尺がたりないので仕方ないのだけれど。

私の中では、コゼットよりもエポニーヌのほうが、
役としては重要だと思うんだけどな。
コゼットはジャンバルジャンに迎えに来てもらうところが一番の見せ場で、
大人になってからはそれほど重要ではないのだけど・・・。

まさに「脇が甘い!!」と思わせる演出でした。

さて、まだ話は続くのでまた次回。
今度は良かった点を中心に。
今回辛口だけど、実際はハンカチぐしゃぐしゃになるくらい感動したんだから、
良かったんだよ~!!









映画版「レ・ミゼラブル」を観てきました!

2012-12-23 | お芝居のこと
ミュージカルでこの作品を初めて見たのは、
1994年のロンドン・ウエストエンド。

すごく感動した。

全編セリフが歌。
そしてめまぐるしく変わる舞台。

3時間超の舞台だったのだけど、あっという間だった。

それから日本版も観て、またロンドンへ行った時も観て・・・。

そんな私の中で最高のミュージカルが映画に!

予告編をCMで観るたびに早く観たい!!と期待が膨らむ。

そして今日、観てきました!

ずっと泣いてました(TT)
タオルハンカチはぐしょぐしょ(笑)

ここからはネタバレになるので、これから観る人は読まないでください。





とにかく、最初のシーンはすごかった。
舞台では、監獄で何かの強制労働をさせられているシーン。
映画では、荒波の中、大きな船をたくさんの囚人が引っ張って岸までつけている。
すごい波をかぶりながら、「囚人の歌」を歌っているシーンはすごい!
舞台よりも、強制労働のつらさが伝わってくる。

そしてジャンバルジャンが仮出獄をしたあと、
仕事にも食事にもありつけず、たどりついた教会で
司教から食事と宿泊を受けたにもかかわらず、銀食器を盗む有名なシーン。
ここは最初のクライマックスなのだけど、もともと舞台もすぐ終わってしまうシーン。
映画も流れるように進んでしまうのだけれど・・・

実はこの司教役、ロンドンの初演でジャンバルジャンを演じたコルム・ウィルキンソンなのです!!

直接舞台は見たことないけれど、私は初演キャストが歌うナンバーのCDを持っているので、
なんだかうれしい演出でした。

そして、めまぐるしくシーンは展開し、

アン・ハサウェイ演じるファンティーヌのシーン。
とにかく彼女が歌う「夢やぶれて」は圧巻。
ぼろぼろに泣きました。

舞台では絶対に見ることのできない表情だった。
切なくて、くやしくて、苦しくて・・・。

映画版の醍醐味はこんなところにありました。

え~っと、なんだか長い話なので、書ききれないや。
続きは次回。





観劇感想~第三舞台「深呼吸する惑星」

2012-01-15 | お芝居のこと
本日、大千秋楽。
ライブビューイング観てきました。

年末に舞台もちゃんと観てます。もちろんです。
だけど、解散の大千秋楽が観られるなんて、そんなチャンス見逃すわけにはいきません。

以下感想。

ストーリーについて。
とってもわかりやすかったです。
だからすんなり入り込めました。
第三舞台はストーリーがわからないときがあったりするのだけど、
「ビーヒアナウ」や「天使は瞳を閉じて」のように、展開もメッセージも
わかりやすく、見やすくて、よかったです。

鴻上さん直筆のいつもの「ごあいさつ」に、
亡くなった人と話をすることが書かれていましたが、
その感覚・・・よくわかります。とっても伝わりました。

だから、観終わった後は感動しました。
いろんな思いが込み上げてきました。

役者さんについて。

懐かしかったです。
残念ながらみなさん年齢のせいか、動きやセリフのキレはすこし落ちたかな。
だけど、ノリは健在。
長野さんはよかったです。
おやくそくのかぶりものを笑顔でされていたのはおもしろくもあり、切なくもあり。

筧さんはやっぱり第三舞台でみるとホッとするなあ。

筒井さんはサスペンスドラマ見慣れすぎてすっかりキャラを忘れてました。
そう、ドロンジョ様でしたね。

小須田さんはあいかわらずやわらかい演技でした。

大高さんは滑舌が・・・。

山下さんは確かにかわいくなってましたよ。

高橋さんは、よかったです。
最後泣きました。

池田さん、伊藤さん、ずるい。
ちゃんと出演してるんだもん。
大感激でした。


年末に観たときは、ああ終わっちゃうんだな、さびしいなって感想でした。
今日、ライブビューイングを観たら、最後、エンドロールで
過去の公演歴が紹介されて・・・

公演の年や公演会場なんかみてると懐かしくて、懐かしくて。

近鉄劇場、近鉄小劇場・・・よく観に行ったなあとか、
がんばってチケットぴあに早朝からならんでチケットとったよなあとか、
学生だったからチケット代高くてもがんばって観に行ったよなあとか、

そんな懐かしくて戻ってこない日々を思い出し、
切なくなったり・・・。

通常の観劇とはまた違った気持ちにさせてもらいました。

もう第三舞台は解散してしまったけれど、
第三舞台は私のなかで存在していて、
舞台を観ることができるんだなって、
「ごあいさつ」をあらためて読み返して思いました。



当選♪

2011-09-09 | お芝居のこと


先週、大阪公演の先行予約の抽選申込みのDMが届きました♪
なんと届いたその日が申込み期間の初日。
あわてて申し込みました。

抽選なので、早い者勝ちってわけじゃないのだけど、
なんだか浮き足立ってその日のうちに申込み。

昨日、当選発表。
当選した人だけにメールが来るということで、なんだか不安要素いっぱいでしたが、
夕方6時過ぎにメールが来ていました(^^)v

楽日狙いだったのですが、当選したのは第3希望の日時。
(一回の申込みで第5希望まで選べました)
それでも当たったのはうれしいです。

最後の第三舞台、しっかり眼に、耳に、心に焼きつけたいと思います。

「深呼吸する惑星」先行予約DM

2011-08-15 | お芝居のこと
第三舞台の解散公演「深呼吸する惑星」の先行予約DMが届きました。
この10年間に住所移動があったりして届かない可能性があるので、
DMを送ってもらえないかと、事務所へメールしたところ、
さっそく届きました。

しかし・・・

大阪公演の先行予約はこのDMには記載されていませんでした。
DM自体が東京公演のものだけだったので、
大阪公演の時はまたくるのかなぁ。
それとも大阪公演は先行予約なし!?

大阪公演は4日間。
それに対して東京公演は3週間強プラス大阪公演後に会場変えて4日間。
いいなぁ、東京。

大阪って劇場ないわ、公演で東京から来てくれる数も激減したわで、
なんかお芝居好きにはさびしい感じです。

とにかくチケットれますように。