ricoのつれづれblog

ricoです。日々おきたこと、感じたことを、つれづれなるままに書き込むblogです。

映画版「レ・ミゼラブル」を観てきました!~その3

2012-12-30 | お芝居のこと
さて、今回で感想は終了です。

とにかく、感動した~。
もともと、ミュージカル版でもストーリーは泣ける。
人物描写がとてもいいのです。
そしてその描写にすごくあっている音楽。
相乗効果で人物の気持ちがすごく伝わって、とにかく泣けるのです。

同じメロディを、違う人物が歌っている。
でも、その時の心理描写は似ているので効果的。

ファンティーヌが死ぬ時の歌とエポニーヌの「オン・マイ・オウン」は
メロディが同じところがある。
愛しい者のそばにいくこともできず、無力な自分。

物語の初めごろ、ジャンバルジャンが、司教にさとされたあとに歌う歌と、
終盤ジャベールが、ジャンバルジャンを逃してしまったあとに自殺するときに歌う歌。
これも同じ曲が使われている。
自分とは何か、これまでの自分との決別など、二人が重なる。

冒頭の「囚人の歌」と中盤の「乞食たち」も同じ曲。
つらい状況下で、生きていくのも必死な、それでいて生きる希望も失う人々。

耳に残る名曲揃い。

そして、映画版ではすべてのキャストの歌がうまくて、
表情もよくて、とにかく泣けた。

ジャベール役のラッセル・クロウは、ミュージカルと違った感じの歌い方なのだけど、
(わりと静かに歌う)雰囲気がすごくいい。

ジャンバルジャンのヒュー・ジャックマンも、抑揚ある歌い方が、
そのときの感情を表していてよく伝わってきた。

映画の演出で、あとで吹き込んだ歌ををあてるのではなく、
そのシーンの撮影時に生歌を歌っているとのこと。

これがこの映画の一番いい演出だったとおもう。

芝居のながれでそのときの表情、感情と歌声がぴったり一致していて、
すごく泣けるのです。

舞台の映画化、また映画の舞台化は、いつもどこか違和感を感じるのだけれど、
それもほとんどないくらい、すごくよい映画でした。



映画版「レ・ミゼラブル」を観てきました!~その2

2012-12-24 | お芝居のこと
昨日の続き。

一日経ってどうして「夢やぶれて」が舞台より良かったのかが分かった。

舞台では、工場をクビになった直後に歌うのだけれど、
映画では、髪を売り、歯を売り、身体を売るという
堕ちるところまで堕ちた後に歌ったからなんだわ。

アン・ハサウェイの熱唱も、感情移入も納得。

さて、そのほかの感想。
本日は辛口感想です。

とにかく長かった。
舞台よりは短いけれど、休憩がない分、すこし疲れてしまった。
もともと舞台も次から次へと息つく暇なく場面転換する演出なので、
映画もほぼそんな感じ。
セリフはほぼすべてが歌だから、とにかく、聞き逃すと分からなくなりそうだし。

映画化されたものがほぼ舞台とおなじ流れである以上、
どうしても演出の比較をしてしまうのだけど、
映像化されて役者の表情や感情がすごくよく伝わったという長所と、
生々しい映像がすこしえぐい感じがして、舞台のほうが良かったという短所があった。

宿屋での何が入ってるかわからないひき肉を作るシーンなんか、
コミカルさよりも気持ち悪かったし、
学生の蜂起が失敗し、みんな死んでしまったシーンも、
生々しく血が映し出されて、なんか悲しいと思う前に、
「え?血??」って思ったよ。

ジャベールが川に身を投げる自殺のシーンも、
川の縁に落ちて当たった音がこれまた生々しい。

なんか映像化でその演出はいや!って感じでした。
冒頭の強制労働のシーンのような臨場感という意味での良さは感じなかった。

あと、舞台でいちばん好きな役であるエポニーヌが、
あまりにも存在薄い・・・。

舞台では、もっともっと切ないのに。
これは役者さんのせいではないわ。
時間のせいか、エポニーヌのシーンに時間を割いていないからだと思う。

同じ理由はテナルディエ夫妻も同じ。
宿屋の生々しいシーンが尾を引いて、
本来の腹黒悪党でありながらも、コミカルで笑ってしまう感じが
まったくなかった。もったいない。

学生運動のリーダーのアンジョルラスも、もっと舞台では良いのに、
なんだかはしょられてるよなあ。
死ぬ時に、逆さまでぶら下がるシーンは舞台と同じようにはされていたけれど、
活きなかったのは、やっぱり存在薄めだったからかな~。

その点、ガブローシュは大活躍やったけどね。

まあ、物語の本スジはジャンバルジャンとジャベールの一生をかけた対決だから、
この時間では尺がたりないので仕方ないのだけれど。

私の中では、コゼットよりもエポニーヌのほうが、
役としては重要だと思うんだけどな。
コゼットはジャンバルジャンに迎えに来てもらうところが一番の見せ場で、
大人になってからはそれほど重要ではないのだけど・・・。

まさに「脇が甘い!!」と思わせる演出でした。

さて、まだ話は続くのでまた次回。
今度は良かった点を中心に。
今回辛口だけど、実際はハンカチぐしゃぐしゃになるくらい感動したんだから、
良かったんだよ~!!









映画版「レ・ミゼラブル」を観てきました!

2012-12-23 | お芝居のこと
ミュージカルでこの作品を初めて見たのは、
1994年のロンドン・ウエストエンド。

すごく感動した。

全編セリフが歌。
そしてめまぐるしく変わる舞台。

3時間超の舞台だったのだけど、あっという間だった。

それから日本版も観て、またロンドンへ行った時も観て・・・。

そんな私の中で最高のミュージカルが映画に!

予告編をCMで観るたびに早く観たい!!と期待が膨らむ。

そして今日、観てきました!

ずっと泣いてました(TT)
タオルハンカチはぐしょぐしょ(笑)

ここからはネタバレになるので、これから観る人は読まないでください。





とにかく、最初のシーンはすごかった。
舞台では、監獄で何かの強制労働をさせられているシーン。
映画では、荒波の中、大きな船をたくさんの囚人が引っ張って岸までつけている。
すごい波をかぶりながら、「囚人の歌」を歌っているシーンはすごい!
舞台よりも、強制労働のつらさが伝わってくる。

そしてジャンバルジャンが仮出獄をしたあと、
仕事にも食事にもありつけず、たどりついた教会で
司教から食事と宿泊を受けたにもかかわらず、銀食器を盗む有名なシーン。
ここは最初のクライマックスなのだけど、もともと舞台もすぐ終わってしまうシーン。
映画も流れるように進んでしまうのだけれど・・・

実はこの司教役、ロンドンの初演でジャンバルジャンを演じたコルム・ウィルキンソンなのです!!

直接舞台は見たことないけれど、私は初演キャストが歌うナンバーのCDを持っているので、
なんだかうれしい演出でした。

そして、めまぐるしくシーンは展開し、

アン・ハサウェイ演じるファンティーヌのシーン。
とにかく彼女が歌う「夢やぶれて」は圧巻。
ぼろぼろに泣きました。

舞台では絶対に見ることのできない表情だった。
切なくて、くやしくて、苦しくて・・・。

映画版の醍醐味はこんなところにありました。

え~っと、なんだか長い話なので、書ききれないや。
続きは次回。