好事家の世迷言。

調べたがり屋の生存報告。シティーハンターとADV全般の話題が主。※只今、家族の介護問題が発生中です。あしからず。

ミステリマニアから見る『VS』。(辛口)

2013-06-27 | レイトン教授VS逆転裁判
物語というのは、風呂敷を広げるのは楽だが、畳むのは極めて難しいものだ。
『レイトン教授VS逆転裁判』も世の例に漏れず、
最終的にプロットは破綻してしまっている。

今まで何度も書いているが、事件全体のタネ明かしがどうにも弱いのだ。
どうしてもファンタジーとしか思えない怪異を、
何としてでも合理的なミステリにまとめたかったのは理解できるが、
その結果出てくるのが、現代科学ではまず不可能な超技術。

こうなるんだったら、いっそ、
実はやはり異界だったのかもしれない……という含みを持たせて
終わった方が説得力が増したのではと私は思う。
もっとも、それだと今度は、別の有名な作品と似通ってしまうから、
この辺が無難な落とし所なのかもしれないが。

いわゆる超展開を、しかし最後まで正々堂々と抜け抜けと描ききった
創り手たちに、私は最大級の敬意を払おう。

とにかく、面白かった事は間違いないから。


……以上。
つらつらと書き続けてきた『VS』考察は、ひとまずこの辺で一段落。

今度は、DLCネタでも語ろうかと考え中です。(先日Getしてみた)

それでは。また次回。

ミステリマニアから見る『VS』。(甘口)

2013-06-21 | レイトン教授VS逆転裁判
今回は純粋にミステリとして考えた時の『レイトン教授VS逆転裁判』の甘口感想。

探偵業をもこなす全能万能の天才学者と、
あらゆる逆境から勝訴を得る辣腕弁護士とが、
外界から隔絶された前時代的なコミュニティに迷い込み、
創造主(=神)として崇められている絶対的権力者に狙われ、
目の当たりにした数知れない怪異の真相を、
中世めいた魔女裁判を通して、
現代の一般常識と異なる特殊ルールに翻弄されつつ、
純粋に弁論のみで解き明かそうと挑む。

――もしこの設定で、完全オリジナルの作品が世に出ていたなら、
私だったら5桁の金注ぎ込んでも惜しくない。

『VS』に出てくるモチーフはコレ全て、
ミステリファンなら一度は目にし、そして憧れる物ばかりだ。
例えるなら、まさにひっくり返したオモチャ箱。

そして、この作品が万人受けする良品になっている理由は、
ひとえに探偵役たちの真摯な態度にある。
彼らは最初から最後まで、依頼人にして被告人であるマホーネを守り救おうと足掻く。
その過程で自分たちがダメージを受けても、決して投げ出そうとはしない。

悲劇で終わらず、キャラ全員の幸せを目指す。
いわゆる少年漫画的王道が、『VS』の根底には流れているのだ。

それでは。また次回。(次回は逆手を指します)

『VS』における異議。

2013-06-01 | レイトン教授VS逆転裁判
今回は『レイトン教授VS逆転裁判』における、両作品の相違点を挙げてみる。

目に留まるのは、大きく二つ。

★その1。ストーリーのテンポ。

『レイトン』シリーズは、ストーリーよりもまず、パズルを解くことを目的としている。
ナゾ一問ごとに長い時間を費やすのが常。
一方、『逆転裁判』は、少なくとも1周目では、出来るだけ早く真相に至ることを目的としている。

★その2。プレイヤーとPC(プレイヤーキャラクター)との関係。

『レイトン』シリーズのPC(=レイトン)は、
プレイヤーをクリアまで導く「教師」のポジションにある。
プレイヤーはPCの活躍を客観的に眺める形となる。
一方、『逆転裁判』のPC(=成歩堂)は、
プレイヤーと共にクリアを目指す「分身」のポジションにある。
プレイヤーはPCと同化し、活躍を文字通り体感する形となる。


……この通り、両作品はまるで正反対の部分を持っている。
なので、特に逆裁sideに没入している時、レイトンsideの特徴を示されると、
違和感をおぼえてしまう場合がある。

その対策として。
第3章でのナゾ探索で、レイトンsideのテンポに慣れる事。
第9章以降で、積極的に選択ミスを選び、テキストのバリエーションを楽しむ事。
この2点を押さえれば、2作品の比重が完全対等だと思える……はずです。

それでは。また次回。(次回は純粋にミステリファンとして……)

『VS』における意義。

2013-05-29 | レイトン教授VS逆転裁判
今回は、『レイトン教授VS逆転裁判』における、両作品の共通点を挙げてみる。

(今日の文章は、任天堂「社長が聞く」の記事を一部参考にしています)
http://www.nintendo.co.jp/3ds/interview/creators/vol23/index.html

差し当たって目に留まるのは、本格ミステリを模しているストーリーであるという事。
名探偵とその助手が、奇妙な事件に遭遇し、
己の目と耳と手と足とで捜査し、そして推理で真実を明らかにする。

特に『逆裁』の「調べる」コマンドが、『レイトン』の根幹であるナゾ解きに相当しているのは明らかだ。

つまり、『レイトン』シリーズとは、『逆転裁判』の捜査を最大限に展開させた作品だと言える。

なお、事件の奇妙さがインフレ気味なのも両作品の共通点だが、
この点は今は置いておこう。


ところで『逆転裁判』で描かれている推理とは、世間一般にある推理ゲームの物ではない。
プレイヤーが法廷で挑むのは、一つ一つはごく単純な――ナゾ解きだ。
「嘘をついているのは誰?」「仲間外れの物は何?」etc。

それは即ち、例えば今作『VS』ならナゾ11「襲われた王」のような、「論理パズル」そのものである。

つまり、『逆転裁判』とは、『レイトン』シリーズのナゾを最大限に展開させた作品だと言える。

なお、2作品の核と言っても過言ではない「頭の体操」シリーズを未読の方は、
何らかの形で読む事を強くオススメしておこう。


それでは。また次回。(次回は逆手を指します)

レイトンファンとして『VS』本音。(コキオロシ編)

2013-05-22 | レイトン教授VS逆転裁判
またも手のひら返して、『レイトン』ファンとして
『レイトン教授VS逆転裁判』の短所を挙げるの段。

……と言いつつ、実はハッキリと短所だと言える部分は少ない。

強いて言うなら、逆裁sideにサプライズが多かったのに対し、
レイトンsideはいつも通りの内容で新味に欠けるというくらいか。
3Dポリゴンは『奇跡の仮面』で既出だし。


後はそう、途中でレイトンが表舞台から一時退場してしまうのが寂しいとか。
レイトン&ルークの言動が、普段とはちょっと異なってて違和感があるとか。

まずはルークの一例。
「『それくらい気づけよ』っていうムジュンでした」などと、
ややぞんざいに喋った事。
その後の裁判、レイトン不在時に、テーブルがんがん殴って叫ぶ姿。

それからレイトンは、ひとえに終盤。
日頃のレイトンは、犯人探しにはさほど興味を示さない。
(だから「この事件に犯人がいるとすれば……」となる)
なのに今回、事の発端の実行犯を挙げる際、
漆黒の笑みを浮かべてるように見えて仕方なかった。
あの態度は、成歩堂(=逆裁)sideに寄りすぎてるような気もします。

それでは。また次回。(次回は2作の共通点を……)

レイトンファンとして『VS』本音。(ホメゴロシ編)

2013-05-18 | レイトン教授VS逆転裁判
今度は『レイトン』シリーズファンとして、『レイトン教授VS逆転裁判』を褒めたたえる回。

まず、操作における画面処理が大幅に改善された事。
前作『奇跡の仮面』と比べると、
3Dポリゴン画面が格段に見やすくなった。

それから、コインの数・隠されたナゾの数が示されてるのは、
私としては嬉しいポイント。
ナゾの難易度も、気軽にプレイするならこのくらいが丁度いい。
ただし、1周目で全てのナゾを回収するのはなかなか難しいんじゃないかと。
(私は攻略サイトに頼りました)

イチオシは勿論、法廷でのレイトンの活躍。
ダメージモーションからの言い訳まで拝んだ時には、
本気で笑った。

そして、コラボならではの長所。
要となるトリックが、
『逆裁』寄りの比較的現実的な説明になった事。
少なくとも『悪魔の箱』の時よりは説得力ある伏線があったかなと。

おかげで、ストーリーはストーリー、パズルはパズルと、
頭を切り替えて没頭できる事も、長所と言えるだろう。

それでは。また次回。(次回は逆手を指します)

逆裁ファンとして『VS』本音。(コキオロシ編)

2013-05-15 | レイトン教授VS逆転裁判
てのひら返して、今度は『逆転裁判』側から見た『レイトンVS逆裁』の短所を。

ネックとなるのは最後の法廷、タネ明かしから後の展開だろう。
慣れたミステリ好きなら最初に考えて最初に捨てる、
そんな単純な答えを大真面目に説明されて、
笑って流せるか怒ってこだわるかで、
この作品の評価は決まる。

そして、そのタネ明かしの下りは、
何もかもほぼ全部レイトンが一人でかっさらっていく。
成歩堂は基本、聞き役に徹しているのだ。
逆に言えば、レイトンの思考回路でなくば
付いて行けないほどの超展開って事なんだけど。

もう一つは、やはり、難易度が大幅に下がってる事。
はじめて逆転シリーズに触れる人を対象にしているため、
過去作を何周も進めてるような人(=私)には、やや物足りないかもしれない。
ペナルティもゲージ制でなく、(第1作のような)ライフ制を取っているので、
一つのミスで即退場のような緊張感は生まれにくい。

なお、今作では、裁判終了時のライフが
ピカラット数(=おまけデータを解放する点数)と連動しているので、
少なくとも1周目はノーペナルティを目指す必要がある。

その際は、各尋問の開始時や、裁判長の木槌が動いた時にセーブする事。
今作はピンポイントでセーブ出来ないので、
下手すると相当の場面を読み返す羽目になるので要注意だ。

それでは。また次回。(次回はレイトンsideで書きます)

逆裁ファンとして『VS』本音。(ホメゴロシ編)

2013-05-10 | レイトン教授VS逆転裁判
今回は逆裁ファンとして、『レイトンVS逆転裁判』の長所を徹底的に。

何はともあれ、最大のポイント。
私のような「逆転裁判3」までが大好きだという人は是非プレイすべき。

「逆転裁判3」や「なるほど逆転裁判」にいた、あの成歩堂&真宵に再会できる。
美麗なポリゴンで、元気いっぱいに動き回る二人に会える。
これだけでも、買って損はしないはずだ。

……と、これだけだと単なるキャラ好きの意見なので、以下は、より客観的な評価点を。

まず、「複数の証人を同時に尋問する」という新システムが、実に興味深い。
ただしこのシステムは、「尋問でミスした時の会話文が面白い事」が前提だが、
今作では、いわゆる「巧節」は全開で飛ばしている。本当に笑ったもんだ。

また、先の文章と前後するが、キャラクターがポリゴンになったため、
「物を持つ」「服を着る」という具体的行動や、
クローズアップ・ダウン、カメラパンなど、演出の幅が広がった事も大きい。

そして、このコラボならではの長所は、
「レイトン」シリーズ的な異界が舞台になった事そのものだ。

現場写真や解剖記録などのカガク捜査が存在しない。
法曹界云々といった社会派要素など、もってのほか。
おかげで今作では、50年前100年前の、推理小説黄金時代の世界をとっくりと堪能できる。
ましてテーマは「魔女裁判」。
被告人が有罪ならば、それは即ち死罪となる。
探偵役は依頼人の命を預かっているという真実を、プレイヤーは改めて見せつけられるのだ。

なお、私のように推理ゲームが苦手な人は、レイトンsideのコインでヒントをもらえるので、
推理に詰まる心配が皆無なのも、今作の特長と言えるだろう。

それでは。また次回。(次回は逆手を指します)

70/70!!

2013-05-04 | レイトン教授VS逆転裁判
『レイトン教授VS逆転裁判』2周目クリア。
当サイトの「実況レポート」は、
ひとまずこれで完成である。

ナゾ全70問、コイン全200枚を回収。
最終的に5000ピカラットに到達。
そして今もなお、3周目以降の周回プレイを計画中。
法廷で選択ミスした場合のテキストも全部調べたい。

この時点で、私の今もっている感想はお分かりだろう。
思い返せば、これほど繰り返しプレイにハマったのは、
『レイトン』でも『逆裁』でも第1作ぶりだ。

自サイト掲示板にも少し書いたが、
今作はどちら側のファンとしても良作だと思う。
互いの魅力を引き出し合って、互いの欠点を補い合って。
特に終盤は、完全対等の対決を見せてもらった。
これなら、制作側の言うように、
確かに「どちらから見てもホンモノ」だ。

後日この場で、また感想の続きを書く予定。
ごく率直に正直に述べていくので、
それを検討材料にしていただきたい。
どうか3DSごとソフト購入してくれ
と個人的には言いたいくらいなんです。はい。

それでは。また次回。

ナゾのカラクリに異議あり!

2013-04-17 | レイトン教授VS逆転裁判
『レイトン教授VS逆転裁判』をクリアした。

サイトのメルフォで実況レポートをお褒めにあずかり、
嬉しくなった勢いで3DSごとソフトを手に入れ、とにかく終わらせてみた1周目。

細かい感想は、こちらの実況レポート暫定版を見ていただくとして。
(追記。5月に最終決定稿となりました)

結論としては、「プレイして良かった」と言える内容だった。

元気に動く成歩堂&真宵を見られただけで、まず感動して。
立ち絵の表情差分に惹きつけられて。
複数の証人から話を聞く「対質」のシステムに感心して。
推理ではヒントに大いに救われて。
テキストや動きの笑いどころは数えきれず。
まさか今作でも「レイトン」的な超展開だった事に恐れ入って。

ただ、実は今のところ、私はまだ最低限のストーリーを押さえただけだ。
3Dも音声も完全OFF、Aボタン連打の早解きで、解いたナゾは40ほど。

だがそもそも私は、こういったクロスオーバーもの自体、
評価を非常に厳しくしてる奴であり。
『ルパンVSコナン』ですら酷評してるような私が、
許容範囲に感じてるって事は、コレ一般的には傑作なんだろうと思うんだな。

実際、これから改めて2周目やってみるつもりだし。
今度は3DもBGMもONにして、ナゾも全問制覇を目指そうかと。

ただし、ボイスだけは最後までOFFにして、言及しません。
ゲームで声が流れるのだけは、「レイトン」シリーズでさえも未だに慣れないもんで……。

それでは。また次回。