好事家の世迷言。

調べたがり屋の生存報告。シティーハンターとADV全般の話題が主。※只今、家族の介護問題が発生中です。あしからず。

某詩人風、のような。

2024-11-08 | 詩編
ある人が言った。
「私は幸せだ」と言っている人は、まだ本当の幸せじゃないと。

その人は言った。
本当に幸せな人とは、自分で気づけないほど幸せに飽食しているのだと。

私は思った。
全てを退屈と疎んでいた頃の私は、人としての何かを捨てそうになっていたのだと。

14歳。

2022-08-02 | 詩編
愛したい家族なんていなかった。
だから出来事なんて語れない。

信じたい友達なんていなかった。
だから思い出なんて話せない。

それでもただ懸命に、ひたすら死なずに生きていた。
その気持ちだけは騙れない、この身から離せない!

某詩編風。

2021-09-16 | 詩編
こんな程度で、今のあなたは満足なの?
そう笑う人がいる。

こんな程度で、今のあなたは満足なの?
そう諭す人がいる。

誰もいない。
この日常が、努力の末に勝ち取られたという真実を知る者は。

某詩人風。

2018-12-30 | 詩編
あの日あの時、あなたは全てを与えてくれた。
初めて知る喜びで、私の心を埋めてくれた。

あの日あの時、あなたは全てを奪ってしまった。
長く過ごした時間と共に、私の心に穴が空いた。

変わってしまったのはあなた? それとも私?
――いいえ。ただ、夢から醒めただけなのです。

某詩人風。

2017-10-09 | 詩編
あなたは知りもしないでしょう。
あなたの何気ない言葉が、私の心を縛った事を。

あなたは知りもしないでしょう。
あなたの何気ない言葉が、私を縛り続けている事を。

私だけが知っている。
私を縛り続けているのは、私だけだという事を。

蛙の詩。

2016-12-30 | 詩編
井戸の底で蛙は鳴く。
うるさい、と石を投げ込まれても変わらずに。

井戸の底で蛙は鳴く。
誰一人、答える者はいなくても変わらずに。

蛙さんは何故鳴くの?
ただ鳴きたいから鳴くのです。

託宣。

2016-11-20 | 詩編
何もしていなくても、心地よく過ごせる人を見つけなさい。
それは一生の宝になるから。

本当の気持ちを、素直に打ち明け合える人を見つけなさい。
それは一生の絆になるから。

「あなたを知りたい」と擦り寄ってくる人には、気をつけなさい。
それこそが本当の敵だから。


【補足】
上の詩編には、元ネタがあります。
ずっと昔、おみくじの裏に書いてあった言葉が、
確かこんな感じでした。

「あなたを褒める人は友である。
 あなたを貶す人は師である。
 あなたに媚びる人こそ敵である」

●ありふれた物語 (裏)

2016-07-16 | 詩編
私は目覚めた時、多くの人々に囲まれていました。
一人が進み出て王だと名乗り、私に命じました。
創られた魔物として、これから訪れる兵士たちの糧になってくれと。
よく見ればここは、誰も来られるはずもない洞窟の奥。
だけれど、去った人々と入れ替わりに、兵士の一団は現れました。
金色銀色に彩られた若者たちは、誰も同じように美しく見えました。
少なくとも私のような、鈍色の重い体とはまるで違います。
彼らは私に、自分たちを痛めつけろと訴えました。
何度も何度も煽られて、私は力をふるいました。
兵士たちに炎を浴びせ、爪で斬り裂き、牙で捕らえてみせました。
彼らは火傷に鮮血だらけ、なのに平然としています。
それも然り、彼らの傷は、幾らでも治っていってしまうから。
それに、そもそも私には、彼らを殺せる力を持たされていないから。
さて、これで理由が出来ました。
彼らが私を殺す『正義』が成り立ちます。
私は身体を灰にされ、彼らの鍛錬の役に立つのです。

「はい、お疲れ様でしたと」
「まだ物足りないね」
「もっと戦いたかったな、がっかりだよ」

去って行く兵士たちを遠くから眺めながら――私は思い出しました。
私が魔術師である事を。
王に心身を貸し与えるという契約が、今しがた終わり、こうして夢から醒めたのです。

それでは、帰り支度と致しましょう。
この大理石の城から、住み慣れた故郷の村へと。

●ありふれた物語 (表)

2016-07-15 | 詩編
ある日、王は兵士たちに命じた。
邪な儀式により生まれた魔物を倒せと。
集められた彼らは、誰を誰とも知らぬまま。
めいめい各々、きらめく鎧に兜に仮面。
三日三晩かかるだろう山の向こうへ。
翼の加護で一飛びで、彼らは洞穴に至る。
最奥に横たわる龍は、見るもおぞましき形と色。
輝ける兵士たちに恐れをなすか、気圧されたのか動かない。
彼らは高らかに、名乗りを上げて武器をふるう。
その勇ましき猛進を、卑怯にも敵は狙う。
兵士たちに炎を浴びせ、爪で斬り裂き、牙で捕らえる。
されど彼らは、そんな責めなど苦にしない。
彼らの火傷も裂傷も、己が聖なる力によって癒される。
さあ、反撃の狼煙を上げよ、与えられし痛みを返せ。
龍の牙を折れ、爪を落とせ、首を斬れ。
敵は心臓をも砕かれて、倒れる間もなく、灰と消える。

「はい、お疲れ様でしたと」
「まだ物足りないね」
「もっと戦いたかったな、がっかりだよ」

消えた魔物の跡を背に、兵士たちは互いに見合って笑い合う。
彼らは次の命を受けようと、意気揚々と去って行く。
いつでもどこにでもある、これは、ありふれた物語。

いろいろ。

2016-06-22 | 詩編
青くさいって笑われる。
暑苦しいって笑われる。

甘すぎるって笑われる。
生ぬるいって笑われる。

嘘つきだって笑われる。
偽善者だって笑われる。

そんな僕を、好きと言ってくれた君がいる。