飛耳長目 「一灯照隅」「行雲流水」「万里一空」「雲外蒼天」

「一隅を照らすもので 私はありたい」
「雲が行くが如く、水が流れる如く」

夏の庭

2015年08月22日 08時32分48秒 | 人生論
小説「夏も庭」湯元香樹実著の一節である。

ホースの角度をちょっと変えると、縁側からも小さな虹を見ることができた。
太陽の光の7つの色。
それはいつもは見えないけれど、たった一筋の水の流れによって姿を表わす。
光はもともとあったのに、その色は隠れていたのだ。
たぶん、この世界には隠れているもの、見えないものがいっぱいあるんだろう。
虹のように、ほんのちょっとしたことで姿を現してくれるものもあれば、長くてつらい道のりの果てに、やっと出会えるものもあるに違いない。
僕がみつけるのを待っている何かが、今もどこかにひっそりと隠れているのだろか。

普段の生活の中では仕事に追われ、気が付かいことがたくさんある。
年を重ねるごとに、ふつうとか当たり前がいかに幸せかを痛感する。
しかし、人は当たり前に感謝することは少ない。
失っては初めて気づくのである。

この夏休み、自己を振り返ったり、新しいことにチャレンジすることで普段見えないものが見えるようになるいいきっかけとなることがたくさんある。
そんな思いを抱かせる平成27年の夏である。

saitani

夏の思い出 琵琶一

2015年08月21日 20時19分05秒 | 趣味
8月17,18日と念願だった琵琶一を決行した。
今回は友人二人と一緒にチャレンジすることにした。
天気予報では、両日とも天気があまりよくない。
雨もしくは曇りである。
降水確率も70%以上と雨は覚悟しなければならない。

早朝にこちらを立ち、琵琶湖畔の近江八幡駅についたのは11時近くだった。
すぐに駅近くにコインパーキングに車を入れ、湖畔に向かって走り始めた。
降っていた雨もスタート時点では止み、青空さえ覗いていた。

近江八幡を出発し、彦根城がみえるあたりから雨が非常に強くなった。
バイクは激しく水しぶきをあげ、横を走るトラックからも水を浴びるような降りだった。

米原を過ぎ、長浜につく頃は再び雨も止み、曇り空となった。
ここで少し時間をとり、長浜の古い町並みを散策した。

二日目は、天気予報が外れ、晴天に恵まれた。
朝、三人で湖畔を散策したが、とても気持ちがよかった。
晴天の中でもライドは爽快そのものだった。

二日間のチャレンジを終え、琵琶湖をあとにするときに今読んでいる小説の一節を思い出した。

はじかれたように、ぼくたちも思いきり手をふった。
おばあさんは肘を曲げ、ゆっくりと、ぼくたちに手をふっている。
顔は見えないけれど、きっとにこにこしているに違いない。
それは、言いようのないほどさびしい風景だった。
夕日に染まった畑の真ん中に、ぽつんと置き去りにされた小さな箱のような建物。
その箱の中にぎっしりとつまっている何かを、ぼくはもっとしっかりつかみたいと思った。
でも、それはどんどん遠ざかってしまう。
時間を止めることができないように。

平成27年度の夏の終わりの思い出。
それは単なる琵琶一チャレンジ以上の思い出を残してくれた。
非日常の中にある輝きと言ってもいいかもしれない。

多くのトラブルもあったが、それ以上に多くのものを心に残してくれた二日間だった。
気持ちは小学生の頃の、夏休みに感じていたちょっと切ないような記憶と同じである。

近いうちに再び、訪れたい。

saitani