教師は教室の中で次のような言い方をしていないだろうか。
「みんなとよく相談しなさい。でも,一人で考えることも大切です。」
「時間がないので,急いで書きなさい。でも,掲示するから丁寧に書かなければいけませんよ。」
言っている教師の中では矛盾していないつもりだが、受け取る子どもは混乱する。
矛盾する指示が同時に出されているからである。
こう言った状態が続くと、教師への信頼は失われ、さらに、子どもたちも自己肯定感を下げてしまう結果となる。
このような状態を「ダブル・バインド」(二重拘束)という。
「ダブル・バインド」とは,心理学用語で,その意味は,二つの相反する言動を一度に受けるということ。
教師も知らないうちに,「ダブル・バインド」をしてしまっていることが多くある。
教室で教師は子どもたちに、「自由に表現しなさい」「自分の意見を自由に言いなさい」と言う。
その一方で、実際には教師の展開や指導案から逸脱した意見や考え方が出てくると、教師が強引に授業をまとめたり、子どもの意見を曲解して進めたりすることもある。
また、「わからないことはなんでも聞きなさい」と言いながら、実際に勇気を出して聞きにいけば「こんなこともわからないの。授業で何を聞いていたの。もう言いました。」と責められる。
子どもを指導する場面でもよくある。
生徒指導的な場面で、子どもが黙っていると、
「きちんと状況を説明しなさい。なんとか言いなさい。」
と言われる。
何かを話そうとすると今度は、
「言い訳はしない。」
と言われる。
これは典型的な「ダブル・バインド」である。
指導以前に子どもたちの頭の中は大混乱する。
では、教師は「ダブル・バインド」をさけるためにはどのような配慮が必要なのだろう。
それは次にようなことに注意することである。
1 本当にしてほしいことだけをシンプルに伝える
子どもは教師の言葉の裏にある感情や言葉の裏表を読み取る能力がまだ備わっていない。
そのために、「○○をします。」「○○はしません」などとシンプルでわかりやすい言葉をかける。
2 あらかじめ条件をつけておく
「この3つの中から好きなものを選んでいいよ」など最初に条件づけをしておく。
「イベントを開きます。条件は、三つあります。一つ目は、お金をかけないこと。二つ目は、学校の施設を傷つけたり、壊したりしないこと。三つ目は、人の心を傷つけるようなことはしないこと。」
「読書してもいいです。ただし、30分です。」
3 教師が自身の言動を意識する
自分の指示や言動が矛盾していないかと常に気をつける
4 メッセージに含まれた矛盾に気が付く
メッセージに矛盾や行き違いがないかを点検する。
5 自分の発言に責任を持つ
自分が言った以上、そのことで自分を律することも大事。
6 ダブルバインドに関して周囲の人の協力を得る
周りの先生方にも、自分も言動について率直に批判していただく
自分の以前こんなことがあった。
運動会の時である。
運動会の前には、「勝っても、あまり大喜びしないように。負けてしまったクラスの子もきちんと考えなさい。」と言っておいて。
運動会で勝利したときに、あまり喜びを表現しない子どもたちに対して、「なんで素直に喜ばないの。うれしくないのは一所懸命努力しなかったからですか。」と言ってしまった。
その日の日記にある子が次のように書いてきた。
「先生は敗者の気持ちを考えて、勝っても心の中で喜ぶようにといっておきながら、体で喜びを表現しなかった私たちを叱るのはおかしい。」
その通りで反省した。
saitani
「みんなとよく相談しなさい。でも,一人で考えることも大切です。」
「時間がないので,急いで書きなさい。でも,掲示するから丁寧に書かなければいけませんよ。」
言っている教師の中では矛盾していないつもりだが、受け取る子どもは混乱する。
矛盾する指示が同時に出されているからである。
こう言った状態が続くと、教師への信頼は失われ、さらに、子どもたちも自己肯定感を下げてしまう結果となる。
このような状態を「ダブル・バインド」(二重拘束)という。
「ダブル・バインド」とは,心理学用語で,その意味は,二つの相反する言動を一度に受けるということ。
教師も知らないうちに,「ダブル・バインド」をしてしまっていることが多くある。
教室で教師は子どもたちに、「自由に表現しなさい」「自分の意見を自由に言いなさい」と言う。
その一方で、実際には教師の展開や指導案から逸脱した意見や考え方が出てくると、教師が強引に授業をまとめたり、子どもの意見を曲解して進めたりすることもある。
また、「わからないことはなんでも聞きなさい」と言いながら、実際に勇気を出して聞きにいけば「こんなこともわからないの。授業で何を聞いていたの。もう言いました。」と責められる。
子どもを指導する場面でもよくある。
生徒指導的な場面で、子どもが黙っていると、
「きちんと状況を説明しなさい。なんとか言いなさい。」
と言われる。
何かを話そうとすると今度は、
「言い訳はしない。」
と言われる。
これは典型的な「ダブル・バインド」である。
指導以前に子どもたちの頭の中は大混乱する。
では、教師は「ダブル・バインド」をさけるためにはどのような配慮が必要なのだろう。
それは次にようなことに注意することである。
1 本当にしてほしいことだけをシンプルに伝える
子どもは教師の言葉の裏にある感情や言葉の裏表を読み取る能力がまだ備わっていない。
そのために、「○○をします。」「○○はしません」などとシンプルでわかりやすい言葉をかける。
2 あらかじめ条件をつけておく
「この3つの中から好きなものを選んでいいよ」など最初に条件づけをしておく。
「イベントを開きます。条件は、三つあります。一つ目は、お金をかけないこと。二つ目は、学校の施設を傷つけたり、壊したりしないこと。三つ目は、人の心を傷つけるようなことはしないこと。」
「読書してもいいです。ただし、30分です。」
3 教師が自身の言動を意識する
自分の指示や言動が矛盾していないかと常に気をつける
4 メッセージに含まれた矛盾に気が付く
メッセージに矛盾や行き違いがないかを点検する。
5 自分の発言に責任を持つ
自分が言った以上、そのことで自分を律することも大事。
6 ダブルバインドに関して周囲の人の協力を得る
周りの先生方にも、自分も言動について率直に批判していただく
自分の以前こんなことがあった。
運動会の時である。
運動会の前には、「勝っても、あまり大喜びしないように。負けてしまったクラスの子もきちんと考えなさい。」と言っておいて。
運動会で勝利したときに、あまり喜びを表現しない子どもたちに対して、「なんで素直に喜ばないの。うれしくないのは一所懸命努力しなかったからですか。」と言ってしまった。
その日の日記にある子が次のように書いてきた。
「先生は敗者の気持ちを考えて、勝っても心の中で喜ぶようにといっておきながら、体で喜びを表現しなかった私たちを叱るのはおかしい。」
その通りで反省した。
saitani