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鎌田實「《コロナ肥満》《コロナフレイル》を甘く見ないで。今後恐れるのは、認知症になる人が増えること」

2022-02-02 15:30:00 | 日記
下記の記事は婦人公論.jp様のホームページからお借りして紹介します。(コピー)です。

医師の鎌田實さんは、感染症や認知症の予防につながる体づくりを今こそはじめてほしいと警鐘を鳴らします。「アフター・コロナ」と「人生100年時代」を見据え、《死ぬまで自分の人生を楽しむ》ために生活習慣の見直しを図りましょう(構成=福永妙子 撮影=本社写真部)
外出自粛による《肥満》と《フレイル》
4月から始まった長い自粛期間を経て、今も新型コロナウイルス感染予防の制約やルールのもと、これまでとは違う日常が続いています。僕が名誉院長を務める長野県の諏訪中央病院も感染者を受け入れていたので、院内感染対策の徹底のため大変な緊張感に包まれていました。今はようやく、落ち着きを取り戻しつつあるといったところです。
読者のみなさんやご家族のなかには、感染予防のためにしばらくは病院に行くことを控えようと考える方も多かったのでは。そして実際、むやみに病院に行かずとも、自分の健康は自分で管理することができると気がついた人もいるのではないでしょうか。僕も、長年内科医として、できるだけ薬に頼らず、食事と運動で生活習慣病を防ぐことを提言し続けてきました。
ところが、ここにきて心配なことが。病院の内科外来を訪れる人たちに2つの傾向が見られるのです。ひとつは肥満。もうひとつが、フレイル(虚弱)です。

外出自粛による運動不足に加えて、家で過ごす時間が長くなるとストレスもたまりやすい。そこで、ついつい甘いものを口に入れたくなるし、過食にもなる。そういう生活が続いた結果の肥満です。
普段から健康に無頓着だった人ばかりでなく、それまで健康を意識して生活してきた人たちが、真面目に自粛を守るうちに……というケースもあるでしょう。
そして、高齢者に目立つフレイルとは、心身の活力が低下して衰えている状態のことで、健康な状態と要介護状態の中間に位置します。自粛生活で体を動かすことが少なくなると筋肉の萎縮が進み、体のあちこちでフレイルが起こり始めます。閉じこもりがちの生活で社会とのがりがなくなることで、心の機能にも虚弱が起これば、うつになることもあるのです。
《コロナ肥満》や《コロナフレイル》を甘く見てはいけません。肥満は、高血圧や脂質異常症、動脈硬化などを生じさせやすく、さらには糖尿病や脳卒中なども引き起こしかねない。僕が最も危惧するのは、認知症になる人が一気に増えるのでは、ということ。体や心の虚弱状態を放置すれば、いずれ要介護ということになるのです。
今は認知症でないからといって油断できません。自宅で生活をしながら週に1回デイサービスに通っていたというような人が、外に出る機会を失い、その後、一気に本格的な認知症に進行していく可能性もあります。まさに今、フレイル段階で踏みとどまるのか、要介護状態へと進んでしまうかの瀬戸際にあると言えるのです。
また、新型コロナは感染しても症状が出ない人が多い一方で、重症化して死に至る場合もあることが注目されました。持病を持つ高齢者だけでなく、若くても、肥満や高血圧の人が重症化するケースが見受けられます。
WHO(世界保健機関)が中国政府と合同で行った調査によれば、新型コロナの致死率は3.8%ですが、高血圧の人だと8.4%に上がります。ですから、新型コロナ対策としても、肥満やフレイルには十分に注意しなければいけないのです。
《不健康な地域》を日本一の長寿県に
新型コロナとの付き合いはまだまだ続くでしょう。自粛は解除になり、外出はできるようになっても、「三密は避ける」「ソーシャル・ディスタンス」などなど、いろいろな面での制約がある。感染の第二波、第三波への対策を取りながら、この1~2年をどう乗り切るかが、5年後、10年後、20年後のあなたの健康状態を左右するということを肝に銘じてください。
脅かすわけではありませんが、新型コロナに感染しなかったとしても、メタボから脳卒中になって要介護、あるいは寝たきりに──今回のコロナ禍で、そんなことが起きるのを僕は恐れるのです。
そうして多くの人たちがどっと介護保険を使うようになると、必要な人が必要な介護サービスを受けにくくなり、《介護崩壊》につながります。ですからみなさんには、病気で入院や治療が必要となる日をできるだけ先送りするために、健康についての意識を変え、毎日の習慣を見直していただきたいのです。

基本となる三本柱は「食事」「運動」「生活習慣」──。僕が日頃、実践していることをご紹介しますが、その前に僕が住む長野県についてお話ししましょう。
長野県はもともと脳卒中が多く、《不健康な地域》でした。後遺症でまひが残ったり、認知症を発症したりして、要介護状態の人もたくさんいたのです。46年前、この地に赴任した僕は、地域のみなさんを巻き込みながら健康づくり運動を進めました。その結果、今や長野県は日本トップクラスの長寿県です。一人ひとりが意識を変えれば、必ず変われるということが証明されました。この時の健康づくりのノウハウは、今も僕自身の生活のベースとなっています。
まず「食事」ですが、脳卒中予防のキーワードは《減塩》と《野菜摂取》。当然、高血圧を引き起こす塩分の過剰摂取は控えなくてはなりません。また、野菜に多く含まれるカリウムにはナトリウムの排出を促して血圧の上昇を抑える働きがあり、減塩と同じ効果が。
厚生労働省は1日に350gの野菜の摂取をすすめています。長野県の健康づくりも、野菜をたっぷり入れた《具だくさん味噌汁》を推奨し、野菜摂取量を上げたことで成功しました。
僕は毎朝、野菜ジュースを作って飲むのを習慣にしています。その日冷蔵庫にある野菜をミキサーに入れ、それに牛乳かヨーグルト、さらに血液をサラサラにしてくれるえごま油を小さじ1杯ほど加えて混ぜます。
朝のジュースで目標の6~7割は摂取できるので、昼にサラダ、夜に野菜の煮物をいただけば、1日の必要野菜量は達成できるのです。ちなみに調味料は、わが家ではナト・カリ調味料(ナトリウム/カリウム比が低い塩、醤油、味噌など)を使っています。
これだけは続けたい健康習慣〜基本の三本柱〜
【1】食事
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健康に長生きするためにも、新型コロナから身を守るためにも、高血圧を予防することが大切。

「減塩」と「野菜をたくさん食べること」のふたつで、鎌田先生は少し高めだった血圧が正常値に戻ったそうです。
 
【2】運動

鎌田式ワイドスクワット
下半身を効率よく鍛えることができる「鎌田式ワイドスクワット」で、肥満を防ぎ、筋力を維持。脚とお尻の引き締めに効果絶大です。

さらに「かかと落とし」「速遅歩き」「コグニサイズ」もあわせて、スキマ時間に行うことが無理なく継続する秘訣。
 
【3】生活習慣
脳の活性化には、新しいことへの挑戦、社会への参加が必須です。人に会うことが難しくなったけれど、鎌田先生は早速リモート会議を導入し、介護施設への医療物資支援と感染症対策の指導に尽力中。
参考文献: 鎌田 實『認知症にならない29の習慣』(朝日出版社)
70歳を前に体力の衰えを感じて
僕は今、72歳ですが、3年前、ずっと70kg台前半だった体重が80kgまで増えてしまって。体は重いし、体力の衰えも感じました。
そこで、講演会でみなさんに推奨してきた「鎌田式ワイドスクワット」や「かかと落とし」を、これまでのように「ときどき」ではなく、毎日続けることにしたんです。
3年経った今は体重9kg減の71kg。太もも3cm、ヒップ3cm、ウエストは9cmほどサイズダウン。毎年スーツを仕立てていただいているテーラーさんに、「先生、サイズが変わりましたね。いいですよ」とほめていただきました。おなかまわりがスッキリすると、おしゃれも楽しくなります。

「運動」の効果は体重を減らすことだけではありません。筋肉の強化によりフレイルを予防できますし、血糖値を下げ、高血圧予防にもなります。
僕が実践している「スクワット」は下半身の大きな筋肉を鍛えます。鎌田式は背骨が曲がらないように動作し、足裏全体で床を踏みしめることと、膝を曲げたとき、膝がつま先より前に出ないことがポイント。筋肉が動くときに分泌される物質「マイオカイン」には、認知症のリスクを下げる働きがあることもわかっています。
あわせて行ってほしいのが「かかと落とし」です。まず、椅子の背などにつかまってつま先を上げてかかとで立つ。次につま先を下ろすと同時にかかとを上げ、最後にドスンとかかとを落とすというもの。
かかと立ちは鎌田式の特徴です。高齢者がわずかの段差でも転ぶのはつま先が上がっていないから。かかと立ちし、向こう脛の筋肉を強化することでつま先が上がりやすくなり、転倒予防になります。
つま先立ちでは、第二の心臓と言われるふくらはぎの筋肉が鍛えられ、全身の血流がよくなります。最後にかかとをドスンと衝撃を与えるように落とすことで、骨を作る骨芽細胞を刺激し、骨密度のアップが期待できます。
さらに、「速歩き」と「遅歩き」を交互に繰り返す「速遅歩き」もおすすめです。運動に慣れていない人でも取り組みやすく、効率よく脂肪を燃焼し、筋肉を強化できます。
僕は妻と一緒に、自宅から車で10分のところにある尖石遺跡まで出かけ、そこの原っぱで速遅歩きをしています。〈速歩き3分+遅歩き3分〉を2セット行い、最後に〈速歩き3分〉で終了、計15分。これだと無理なく続けられます。
ほかには、足踏みをしながらしりとりや計算をする、という運動もいいですよ。腿上げをしながら3の倍数で手を叩くなども。
この、頭と体を同時に働かせる運動を「コグニサイズ」と言います。これは、短期記憶を保持する脳の前頭前野の働き「ワーキングメモリ」を刺激する運動で、認知症予防になるだけでなく、判断力や適応力の強化にもがります。
「スクワット」「かかと落とし」、そして「コグニサイズ」も、道具は必要なく、いつでも、どこでもできるのがいいところ。僕は、テレビを観ながら、歯を磨きながらなど、「ながら」で、ちょっとした合間を見つけてやっています。大事なのは続けることなのです。
今は熱中症が心配な時期ですが、筋肉は水分の貯蔵庫。筋肉がないと体内で水分を保持できず、熱中症のリスクを高めます。この夏を乗り切るために、運動で筋肉強化をはかりたいものです。
好きなことを続けて、実りある人生を
「食事」「運動」とあわせて大事なのが、「意識と生活習慣を変える」こと。歳をとると意欲が低下し、行動範囲は狭くなります。自粛生活をきっかけに、引きこもりがちになった人もいるでしょう。けれど、脳を刺激するために、いつもと違うことに挑戦してほしいのです。散歩の道順を変えてみる、それだけでもかまいません。
また、社会とのがりを持つことも忘れてはいけないことです。僕は歌手のさだまさしさんと一緒に「風に立つライオン基金」を立ち上げ、介護現場にマスクや医療用ガウンを贈る活動をしています。感染症が増えているイラクへの支援も始めたところです。自粛期間中も、連日、さださんたちとリモート会議。社会の役に立てることを見つけ、できることをやる。ステイホームでも退屈する時間はありません。
僕も歳を重ねていくなかで、人の名前がなかなか出てこなかったり、書斎に資料の本を取りに行ったのに、目に留まった別の本を夢中になって読み、ふと、「何をしにここに来たんだっけ」と思ったりすることがときどきあります。認知症は他人ごとではありません。だからこそ、体や脳のための健康習慣を続ける努力をしようと改めて思うのです。

認知機能の低下に気づいたのが僕個人の危機なら、この新型コロナは私たちみんなにとっての大いなる危機です。この危機をプラスに転じ、人生を最後まで楽しく生きられるようにするにはどうすればいいか、一人ひとりがそれを考え、行動するきっかけになるのが今だと思います。
3ヵ月という自粛生活を通し、テレワークなど、働き方の改革も一歩進みました。買わない習慣に慣れたことで、「モノはそんなになくても暮らしていける」と気づいた人も多いでしょう。精神的な満足を優先するなど、新たな価値観を手に入れた人もいるかもしれません。
今後、さらなる価値観の大転換が起きる予感がしますが、何をするにしても、心と体のパワーが不可欠だということに変わりはない。僕は80歳になってもイラクの難民キャンプの子どもたちの診察をしたいし、90歳を迎えてもゲレンデで滑れる体力を維持していたいと願います。最期までピンピン生きて、ヒラリとあの世に行く……。ピンピンヒラリ、「PPH」です。
歳をとっても、ひとりでレストランに行き、好きなものを注文して食べる。ときどきは日帰り温泉でゆったり時間を過ごす。やりたいことは人それぞれでしょうが、そんなふうに心と体を動かすことができるのがPPHです。
繰り返しになりますが、コロナ時代へと突入した今の過ごし方が、2年後、5年後、さらには数十年後の未来にがります。今日から筋肉や健康の貯金をはじめましょう。自分で決めたルールのなかで、自分の健康は自分で守る──このことをしっかり実践していけば、人生はより実りあるものに変わっていくはずです。
構成: 福永妙子
撮影: 本社写真部

出典=『婦人公論』2020年8月11日号
鎌田實
医師、作家
1948年東京都生まれ。東京医科歯科大学医学部卒業後、諏訪中央病院へ赴任し、長年地域医療に携わる。チェルノブイリ、シリア、東日本大震災の被災地支援に精力的に取り組む。


「怒りっぽい子ども」が増加している悲しい事情

2022-02-02 13:30:00 | 日記
下記の記事は東洋経済様のホームページからお借りして紹介します。(コピー)です。

コロナ禍によって、子どものフラストレーションがたまっている。
「国立成育医療研究センター」(世田谷区)による、0歳から高校3年生までの子ども・保護者を対象とした「コロナ×こどもアンケート」によると、15~30%の子どもに中等度以上の「うつ症状」の傾向がみられたという。
同調査は、コロナ禍以降4回にわたって行われ、直近の2020年11~12月に実施したアンケートでは、回答した小学4~6年生の15%、中学生の24%、高校生の30%に、中等度以上のうつ症状がある――ことに加え、その保護者の29%にも中等度以上のうつ症状がみられたと報告している。
子どもの相談が「以前の4倍」に
「当院でも中高生の子どもの相談がとても増えています。ここ3ヵ月で、以前の4倍ほどの急増です」と語るのは、うつ病のカウンセリングや依存症の認知行動療法を専門とするライフサポートクリニック(豊島区)の山下悠毅氏。
同クリニックは、基本的に成人を対象としているのだが、依存症を専門に取り扱うため、保護者が「ゲーム依存症になっているのではないか?」などの不安を覚え、親子で来院するそうだ。切羽詰まっている、そんな保護者が少なくないという。
実は、昨年9月に実施された「新型コロナウイルス感染症に係るメンタルヘルスに関する調査」(厚生労働省)において、新型コロナウイルス感染症の感染拡大前と比べた変化の項で、約2割が「ゲーム時間が増加した」と回答している。
男性15〜19歳にいたっては58.1%、女性15〜19歳も43.2%という数字が示すように、10代のゲーム時間の増加は著しい。言わずもがな、休校や外出自粛などにともなうイエナカ時間の増加に比例する形でゲーム時間も増加しているわけだが、どうやら話はもっと複雑のようだ。
「私も、当初は『イエナカ時間の増加によるゲーム依存』といったケースを想像したのですが、ふたを開けると『子どもがコロナを怖がり学校に行かない』『感染しても無症状と伝えても家から出ない』といった相談ばかりでした。そのため、『過度に不安が強いお子さんや、理解力がまだ不十分なお子さんなのかな』と思ったのですが、診察室でお子さんと二人きりで話してみると、不安を語る子どもは少なく、新型コロナウイルスへの理解も問題のない子ばかりだったのです」(山下氏、以下同)
いったいどういうことか。
「診察を重ねていくと、どうやらこのたびの不登校の子どもたちは、私が今まで相談に乗ってきた、いわゆる“学校に行きたいのに行けない”子どもではなく、“学校には行く必要がないから行かない”と考えている印象です。もちろん、前者のようなケースの相談もありますが、緊急事態宣言の発令で学校が急に休みとなり、登校が再開したかと思えば、異なるクラスや学年の感染により再び休校となる。しかし、家族や友人が誰もが健康であり、『コロナはただの風邪』なんて話す大人までいる。その結果、一部の子どもは『学校は休んでも問題がないのでは』と疑い始めているのです」
これまでであれば、親が「学校へ行きなさい!」としかりつけることに、一定の効果はあっただろう。しかし、コロナ禍を経て、「え? どうして行かないといけないの。だって、学校へ行かなくても何とかなっているよ」が、一つの回答として間違いではないことが示されてしまった。
ゲームに依存しているのではないかという不安は、入り口にすぎず、奥へと進むと子どもと保護者の関係性に関する悩みがほとんどだという。「義務教育という、ある種の洗脳が解けてしまった。学力が低下することを危惧する保護者もいます」と山下氏が指摘するように、コロナ以前では通用した親から子への教育のフォーマットも、ニューノーマルを迎えているというわけだ。
どうすれば「子どもとの軋轢」を防げるのか?
保護者の戸惑いはイライラとなり、子どもにも伝わる。先の第4回「コロナ×こどもアンケート」では、「すぐにイライラするか?」という設問もあるのだが、小学生以上の子どもを持つ保護者の36%が該当すると答えている。さらに、子どもたち自身も、小学1~3年生32%、小学4~6年生37%、中学生42%、高校生27%が、「すぐにイライラする」と回答しているほどだ。いつ割れるともわからない巨大風船が膨らみ続けている。
こうした軋轢をどのように解決したらいいのか。山下氏に尋ねると、「我々としても初めてのケースなので、日々向き合っている最中」と前置きした上で、「親の価値観を見つめ直さないと、子どもを導くことは難しい」と説明する。
「私が、診察室で『どんな親だったら子どもは言うことを聞くと思いますか』と親御さんに尋ねると、多くの方が言葉に詰まってしまいます。『何と言えばいいか教えてください』と聞かれることもしばしばです。しかし、大切なことは“何を言うかではなく誰が言うか”です。『学校に行くのは当たり前。子どもの仕事は学校に行き勉強をすること』では、子どもは納得しないのです。この話は子どもに限った話ではなく、誰だって、尊敬や信頼できない人からのアドバイスに耳を傾けたいとは思わないですよね」
ライフサポートクリニックへ親とともに来院したある男子中学生は、「義務教育というのは子どもが学校へ行く義務ではなくて、親が子どもに教育を受けさせる義務であって、子どもの義務ではない」といった正論を展開したそうだ。感心してしまうほどの頭の良さ。だが、もし親である自分が言われたらと思うと頭が痛い。言い返す言葉がない……。
大事なのは「親としての器」
「『社会で生きていくことは大変。お父さんもお母さんも、必死で仕事を頑張っている。だからお前も学校へ行け』なんてことを言いたくなる気持ちは、もちろんわかります。しかし、子どもにしてみたら『そんな人生がつらそうな親のアドバイスを聞いたなら、自分も将来、同じ目に遭いかねない』と意識下で感じ取るため逆効果です。
そうではなく繰り返しになりますが、人を導びくには、相手からの信頼や尊敬が不可欠。『ゲームの時間を守らせたいなら、親も帰宅したらスマホをいじらない』『家で勉強させたいなら、まずは親が読書や勉強をする』『早く寝かせたいなら、親も一緒に早く寝る』というように説得力をともなわなければいけません。もちろん、『子どもと親は別』もその通りです。しかし、私たちだって『遅刻するな』と口うるさい社長がいつも遅刻していたら、『社員と社長は別』であることを知っていながらも、その社長を信頼や尊敬することは困難なわけです」
経済力や職業といったスペックが大事なのではない。大切なのは、親としての器をどう作り上げていくかということ。
そして、言葉で説明する際は、抽象的な説明は避けることも控えたほうがいいとも。例えば、「遅刻はよくない」ことを伝える際も、「ダメなものはダメ」ではなく、なぜ遅刻がいけないのかを具体的に伝えなければ信頼を得ることは難しいとも。たしかに成人すれば、遅刻=デメリットだとイヤでもわかる。しかし、子どもの時分では、せいぜい先生から注意される程度。子どもには理解できないだろうから、親自身が想像力を働かせて、伝えることが肝要となる。
「心理学の世界に、“社会的結末を共有する”という考え方があります。遅刻を続ければ、いずれ保護者が先生に呼び出されて、子どもと一緒にしかられる。ところが、多くの親がそれを面倒くさがり嫌がるわけです。つまり、社会的結末を共有したがらない。ですが、それをやってあげることこそが親の愛情なのです」
診察では「先生の言いたこともわかるが、そもそも痛い目を見る前に行動を変えられる子どもにしたい」と補説する保護者もいるという。
「社会的結末を共有すれば、子どもは考えるきっかけを得ることができます。しかし、その共有もせずに親の言いつけを守らせたい気持ちは『親のコントロール願望』」と言えます。また、言われたことをむやみに実行する子どもは、将来、人から簡単に騙されかねないのです。子どもは子どものうちにたくさんの失敗をすることで、自分の頭で考える大切さを学び、人を見る目を養うのです」
特に大事なのは「良好な夫婦関係」
尊敬や信頼は、社会的結末を共有する際にも効果を発揮する。
「親子で先生に呼び出された際に、先に謝るのは子どもではなく保護者である場合が多いでしょう。なぜなら呼び出されて困るのは、子どもではなく親なわけですから。ただし、そうした場面でも子どもからの尊敬や信頼が強ければ強いほど、『親に迷惑がかかるから、同じ失敗は避けよう』と子どもは考えるのです。
最後に、私は夫婦そろって受診にいらしたケースでは、決まって良好な夫婦関係の再構築をお願いしています。言うまでもなく、子どもにとって両親はどちらも大切な存在です。そして、子どもはそんな二人が仲睦まじく生活する姿を通して、両親への尊敬や信頼を深めるからです」
コロナによって社会の様式やルールが刷新された。保護者自身、子どもとの向き合い方をバージョンアップする局面を迎えている。
山下 悠毅(やました・ゆうき)
精神科医、ライフサポートクリニック院長、極真会館東京城北支部指導員。専門は依存症治療、うつ病やパーソナリティ障害のカウンセリング。

追記:今の子供が青年・大人になったとき何人かは犯罪に走らないか心配です。マスコミで報道されいるような犯罪です。親はどうすることもできません。

愛子さまに高まる天皇待望論 懊悩する雅子さま「表舞台から隠す」への反転

2022-02-02 12:00:00 | 日記
下記の記事はNEWSポストセブン様のホームページからお借りして紹介します。(コピー)です。

愛子さまの将来を案じられている(2016年12月、東京・千代田区、写真/アフロ)

ご快復の途上ながら、雅子さまは「国母」のお役目を果たされようとしている。一方、「愛子さまの母」でもある。成人以降、過剰といえるほどに膨らむ愛子さまへの期待には雅子さまも戸惑わずにはおられまい。愛娘を守るために導き出された答え──。
はるか以前より、皇室と一般国民との間には、分厚い「菊のカーテン」が存在した。「敬愛と畏怖」という精神的な結びつきがありながら、決して交わることのない両者の関係性は、戦後、時代が進むにつれ大きく変化した。
特に、上皇ご夫妻が築かれた「平成流」は、美智子さまが民間から初の皇太子妃として皇室入りしたこととも相まって、「開かれた皇室」を象徴していた。カーテンは徐々に薄くなってきたのだ。
その姿勢は、令和の皇室にも受け継がれている。昨年12月24日、秋篠宮さまが「日本学生科学賞」の表彰式に臨席された。その際、オンラインで交流された中高生との会話が、音声つきでメディアに公開された。
「式典での挨拶を除くと、皇族方と一般の人とのやりとりの音声が公開されるのは極めて異例です。2019年に雅子さまが秋田県を訪問された際、動物の保護施設で、犬に“みよちゃん、いきますよ”と声をかけられた様子が伝えられたときも、大きな反響がありました。会話には、感情や個性が表れやすく、皇族方のお人柄が伝わりやすい。“カーテン”で秘することだけが皇室を守るわけではありません。非常に画期的な試みです」(宮内庁関係者)
いま、多くの国民が関心を寄せているのが、昨年12月1日に20才の誕生日を迎えられた愛子さまだ。
「12月5日に行われた成年行事では、報道陣の前での立ち位置について、事前に両陛下に相談されるなど入念に準備されたといいます。国民からどう見られているかの重要性を充分理解されているからでしょう。その効果もあって、成年皇族となられた愛子さまの成年は祝福をもって広く受け止められました」(皇室ジャーナリスト)
年末に初の宮中祭祀を経験され、元日には成年皇族として最初の公務である「新年祝賀の儀」にも臨まれた。ところが一転、「講書始の儀」(1月14日)や「歌会始の儀」(18日)には、学業優先で試験期間中ということもあり、出席されなかったのだ。
しかし遡ってみると、愛子さまの前に成年皇族になられた秋篠宮家の次女・佳子さまは、成人して初めて迎えた新年、講書始の儀にも歌会始の儀にも出席されたことがある。学習院大学を中退され、国際基督教大学(ICU)への入学を目前に控えていた時期だった。愛子さまへの注目度が高まっていた矢先の“愛子さま不在”──「菊のカーテン」はなぜまた分厚くなったのか。そこには母である雅子さまの憂いが見え隠れするようだ。
国民からの人気が高いことを改めて示された(2021年12月、東京・千代田区、共同通信社)

愛子さま人気は想像以上だった
「歌会始の儀」の今年のお題は「窓」。天皇陛下は、コロナ禍にあえぐ世界が平穏を取り戻すことを願われ、雅子さまは、昨年お引っ越しされた御所の窓からご覧になった自然の豊かさを詠まれた。
「雅子さまが御歌を披露されるとき、陛下が雅子さまに微笑みかけられていたのが印象的でした」(皇室記者)
愛子さまは、高校2年時にイギリスのイートン校へ短期留学した際の、心弾むお気持ちを込められた。
《英国の 学び舎に立つ 時迎へ 開かれそむる 世界への窓》
長年皇室取材を続けている放送作家のつげのり子さんが話す。
「愛子さまのお歌からは、希望に満ち、大空にジャンプするような屈託のなさを感じました。そればかりか、外交官として世界と交流し、国際親善の最前線に立たれていた雅子さまの役割を引き継がれたい、というお気持ちも込められているように感じられました」
学習院大学文学部2年の愛子さまは、日本文学を専攻されている。愛子さまが前述したようなお歌を詠むことができるのは、単なる勉強以上の深い教養をお持ちだからだろう。
「愛子さまの達筆ぶりは有名なところです。小学6年生の頃には『藤原道長』をテーマにレポートを作成。結びは《道長の人生は本当に幸せだったのだろうか》でした。中学の卒業文集では戦争と平和について思いの丈を記されました。また、中学1年生のときには、《私は看護師の愛子》という冒頭で始まる、けがをした動物を相手に主人公が奮闘する物語を創作されています」(前出・皇室ジャーナリスト)
成人される前から、断片的にでも愛子さまのお姿やご活動が報じられるだけで、世間からは「やはり天皇家の第1子である愛子さまはすごい」と感嘆する声が聞こえていた。
「宮内庁には、コロナ禍での公務減少と、それに伴って皇室の存在感が希薄になっていくことへの危機感が強くあります。なによりも、秋篠宮家の長女・眞子さんと小室圭さんの結婚騒動や、それを巡る秋篠宮家や宮内庁の対応の不首尾で、“皇室離れ”が起きている。愛子さま人気は、そうした逆境における一筋の光です。愛子さまにどんどん公務に出ていただき、皇室人気を回復するのがよい方策のように見えるでしょう。
しかし、愛子さまの人気ぶりは想像のはるか上を行った。あまりに愛子さまへの注目度と人気が集まってしまうと世論を二分する事態を招きかねない。『愛子天皇待望論』の熱が高まりすぎると、混乱につながる可能性があるからです。母である雅子さまは、そういった事態を危惧されているようなのです」(前出・宮内庁関係者)
2つの家はまるでシーソーのよう
愛子さまへの期待が高まる一方、向かい風にさらされているのが秋篠宮家の長男・悠仁さまだ。悠仁さまは、お茶の水女子大学附属中学校の3年生。進学先としては、筑波大学附属高校(筑附高)が有力視されている。筑附高は、毎年30人前後を東大に送り込んでいる全国屈指の進学校だが、それよりも視線が注がれているのは、悠仁さまの“進学方法”だ。
「筑附高へは、『提携校進学制度』を利用されることが濃厚とみられています。お茶の水大と筑波大の間で結ばれた制度で、双方の附属学校の生徒が進学を機に他方の学校へ入学できるというものですが、制定の経緯などを見るに“悠仁さまのために作られたのではないか”という指摘がある。一部には“皇室特権”だと批判の声もあります」(別の皇室ジャーナリスト)
ただでさえ眞子さんの結婚問題の余波で、秋篠宮家に冷たい視線が投げつけられているなかで、さらに厳しい意見もある。
「悠仁さまは皇位継承順位第2位です。天皇陛下の次世代に限れば、皇位継承権をお持ちなのは悠仁さまのみ。当然悠仁さまには充分な“帝王教育”が施されるべきですが、“これまで次男として奔放に生きてこられた秋篠宮さまにできるのか”“秋篠宮家で育った悠仁さまが天皇の重責を担えるのか”と、将来を不安視する声まで広がっています」(前出・宮内庁関係者)
天皇家に生まれた一人娘と、筆頭宮家に生まれた男子。年齢も5つしか差がない同世代の愛子さまと悠仁さまが、折に触れ比較されるのは、避けられないことだ。
「かつては、適応障害による雅子さまの療養のトンネルが続き、公務を満足に果たせない時期が延びると、秋篠宮家への期待感が高まった時期がありました。愛子さま誕生後は、2004年に小泉政権が、女性・女系天皇を容認する報告書を取りまとめたことで、視線が一気に愛子さまに集まった。
かと思えば、2006年に41年ぶりの皇族男子として悠仁さまが誕生し、またしても世間の興味は秋篠宮家に。2つの家は、まるでシーソーのように交互に期待と注目を浴び、そのたびに答えのない比較に晒されてきたのです」(前出・皇室ジャーナリスト)
まさにいま、愛子さまと悠仁さまは「天皇」を巡ってそのような状況にある。愛子さまの存在感が増せば増すほど、「愛子天皇待望論」は盛り上がる。対して有識者会議は、悠仁さままでの皇位継承順位は「ゆるがせにしてはならない」と結論づけた。
「『愛子天皇』派と『悠仁天皇』派で国論が二分されてしまうと、ただでさえ安定的ではない皇位継承が、ますます不安定になります。雅子さまも、そのような状況には“待った”をかけたいでしょう」(前出・宮内庁関係者)
2021年12月9日、58才のお誕生日を迎えられた(2021年12月、東京・千代田区・写真/JMPA)

お相手次第では眞子さんのようになる
愛子さまのご様子が伝えられれば、存在感は自然と増す。
「愛子さまからにじみ出るお人柄のよさと優秀さは、もはや隠すことはできません。講書始も歌会始もそうですが、ならばいっそ『愛子さまは隠す』という方針に反転するというのが雅子さまのお考えなのではないでしょうか」(前出・皇室記者)
国民から一心に期待を寄せられることの重圧は、なにより雅子さまご自身が経験されてきた。外務省時代からお妃候補としてメディアに注目され、結婚後も、雅子さまの一挙手一投足が国民の関心事となった。
「お世継ぎへの期待はいつしかプレッシャーに変わりました。真面目な雅子さまはなんとか対応されようとしてきましたが、適応障害に苦しまれることになりました」(前出・皇室記者)
いまなお、雅子さまは快復の途上にある。
「雅子さまは、過度ともいえる注目に晒される経験をしています。その大変さを誰よりも強く理解されているからこそ、愛子さまを守らなければならないという懊悩もあるのではないでしょうか」(前出・宮内庁関係者)
また、国民の皇族への思いはいとも簡単に変わる。眞子さんがいい例だ。
「眞子さんは、上皇ご夫妻の初孫として生まれ、成年後はご公務にも大変真面目に取り組んだ。先細る皇室の期待の星でもありました」(前出・宮内庁関係者)
しかし、そうした印象は結婚問題で一変。すべてを放り出してニューヨークに渡った。現在20才の愛子さまにも、いずれは結婚の話が出るかもしれない。
「どれだけ愛子さまが素晴らしくても、お相手次第では眞子さんのようになるリスクがある。期待が過度であればあるほど、落差は大きくなると雅子さまは認識されています」(前出・宮内庁関係者)
愛子さまはご自身の将来が不透明な状況に置かれ続けている。「結婚したら一般人になる」のか、「いずれ天皇になる」のか—─2006年の悠仁さま誕生以降、その将来は宙に浮いている。
「だからこそ両陛下は、どのような決定がされても人生を全うできるようにと愛子さまを育ててこられました。それでも母として、子供の将来が定かでないのは不安でしょう。雅子さまは、愛子さまには幸せになってほしいと願われています。
愛子さまが人前に出られることで将来に新たな混乱を招いてしまうならと、しばらくは“学業”を理由に愛子さまを表舞台から隠すことをお選びになったのではないでしょうか」(前出・宮内庁関係者)
愛子さまの将来に続く窓は、いつ開かれるのだろうか。

2045年には高齢者の4人に1人が認知症

2022-02-02 08:30:00 | 日記
下記の記事はビヨンドヘルス様のホームページからお借りして紹介します。(コピー)です。

2045年には、日本の高齢者の認知症有病率が25%を超えるとする推計データが報告された。敦賀市立看護大学の中堀伸枝氏、富山大学の関根道和氏らの研究によるもので、詳細は「BMC Geriatrics」に10月26日掲載された。同氏らは、「2045年はまだ先のことだと感じるかもしれないが、認知症抑制政策は効果発現に長い時間を要することから、早急な対策が必要」と述べている。
この研究は、富山県認知症高齢者実態調査のデータを利用して行われた。同調査は1983年にスタートし、現在までに6回実施されている。調査対象は同県に居住する65歳以上の高齢者から無作為に抽出。一例として2014年の調査では、同県内の高齢者30万7,582人の0.5%に当たる1,537人に参加協力を依頼し、施設居住者を含む1,303人から同意を得た(同意率84.8%)。それ以前の調査では、高齢者人口の0.9~1%に協力を依頼し、同意率は90.0~96.8%の範囲だった。なお、富山県の人口高齢化は、日本の平均より若干早く進行しているという。
認知症有病率の推計には、認知症の診断を精神科医が行うようになった1985年以降の5回のデータを用いた。認知症の診断には、まず保健師らが改訂長谷川式簡易知能評価スケールで評価し20点以下の場合、または認知機能低下の既往のある場合などに、精神科医が改めて診察し診断を確定した。
認知症患者数・有病率の推計には、まず1985~2014年の5回の調査における性・年齢別認知症有病率を算出。線形回帰分析により、2045年までの推定有病率の推移を予測し、それに都道府県別の性・年齢別高齢者人口予測値を乗算して、認知症患者数の予測値を求めるという方法をとった。続いて、算出された認知症患者数を各都道府県の高齢者人口の予測値で除して、有病率の推移を予測した。
その結果、2025年には地方を中心とした5県(富山、長野、島根、山口、高知)で、高齢者の認知症有病率が20%を超えると予測された。2030年になると全都道府県で有病率が20%を超え、2035年までに42道府県(埼玉、東京、神奈川、愛知、沖縄以外)で25%を超えると予測された。そして2045年には、東京を除く全ての道府県で認知症の有病率が25%を超え、さらに12県(青森、秋田、山形、福島、鳥取、島根、高知、大分、長崎、宮崎、熊本、鹿児島)では30%を超えると予測された。
都道府県によって予測される認知症有病率に差が生じる原因は、主として高齢者人口の予測値の違いにあるという。特に80歳以上の高齢者人口の急増が予想されている道府県では、有病率の上昇がより速いと予測されるとのことだ。
著者らは、本研究の限界点として、「富山県のデータを全国の都道府県に外挿可能か」という点を挙げている。ただし、同県の認知症有病率は久山町研究の報告と大きな差がないことから、「結果が大きく外れている可能性は低いのではないか」としている。その上で、「都道府県別に認知症患者数を予測した研究はほとんどなく、本研究の結果は、地域ごとの認知症対策を進めるための重要な情報となり得る。2045年までに高齢者の認知症有病率は25%以上になると見込まれ、早急な対策が必要だ」と結論付けている。
[HealthDay News 2021年12月13日]