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「コロナ太り」を甘く見ると命取りになる…健康診断の結果に出てきた"ある異変"

2022-02-15 15:30:00 | 日記
下記の記事はプレジデントオンライン様のホームページからお借りして紹介します。(コピー)です。

コロナ禍の生活変化は健康面に大きな影響を与えている。産業医の池井佑丞さんは「生活様式の変化により、食べ過ぎ、飲み過ぎ、運動不足になっている人がいる。これらは生活習慣病のリスクを上げている」という――。

「コロナ太り」の影響が健診結果に出ている
新型コロナウイルスが世界的に広がりはじめてから2年以上が経過しました。感染対策としてのソーシャルディスタンスの確保やマスク着用・手指消毒の徹底、外出自粛、リモートワークの一般化など、生活習慣は大きく変化し、新しい生活様式として定着してきています。しかし、これらのような変化は心身に多くの影響ももたらしています。
国内で初めて7都府県に緊急事態宣言が発出された2020年4月には、新型コロナウイルスに関連した心の健康相談件数が急増したとの報告があります。感染やこれからの生活に対する不安、感染症対策へのストレスなどから心の不調を訴える人が増加しました(厚生労働省「新型コロナウイルス感染症にかかる心の健康相談に関する精神保健福祉センターの対応状況」2020年)。
フィジカル面では、「コロナ太り」という言葉も多く聞かれるようになりました。外出自粛やリモートワークの実施により1日の運動量は減少した一方で、在宅時間に間食をしてしまったり、飲酒量が増えたりしている方が多いようです。
そこで懸念されるのが「生活習慣病リスク」の増加です。生活習慣病は運動や食事などの生活習慣によって引き起こされる疾患のことですので、コロナ禍ではそのリスクが高まっていると考えられます。実際に、ある健診結果にてコロナ禍の影響と考えられる異変が起きていることがわかりました。

「中性脂肪」「ALT」の数値が上昇していた
2020年5月に健康診断を受診した2万8869名のうち、2018、19年も受診していた4634名を対象として、コロナ禍が健診データにどのような影響を与えたかについての調査が行われました(新潟県労働衛生医学協会「長い自粛生活(ステイホーム)が健康診断データに及ぼす影響について」2020年)。健診項目ごとに平均値を算出し、前年度の平均値からの増加率を調べたところ、男女ともに血圧・血清脂質など多くの項目で高い値を示す結果となりました。特に増加率が大きいものは「中性脂肪」で男性6.8%、女性4.9%、「ALT(肝臓疾患の指標になる項目)」では男性7.5%、女性6.0%の増加が見られました。また、異常率についても腹囲や血圧など多くの項目で上昇していました。
影響が大きかった中性脂肪・ALTについてさらに詳しく見てみます。各年度の平均値を前年の平均値と比較した結果です。中性脂肪では、男性で2019年は微増(0.7mg/dLの増加)だったのに対し、2020年では大きく上昇(8.1mg/dLの増加)しています。女性のデータでも同様の傾向が見られており、前者は0.4mg/dLの増加だったのに対し後者は3.9mg/dLとやはり増加の幅は明らかに大きくなっています。ALTの結果も、男性で2019年は0.4U/Lの増加だったのに対し、2020年は2.0U/L、女性では2019年は0.1U/Lの増加に対して2020年には1.0U/Lの増加と、いずれも2020年の増加分が大きくなっています。
中性脂肪上昇の原因には肥満や過食がある
このように、あきらかに数値悪化の傾向が生じているのです。中性脂肪・ALTはどちらも生活習慣病に当たる疾患と関連の深い項目ですから注意が必要です。これらの値が上昇する要因、上昇すると起きる問題を簡単にご説明いたします。
まず中性脂肪について。中性脂肪は脂質異常症の診断のひとつで、健診では血液検査で測定します。健診結果では「TG」や「トリグリセリド」と表記されていることもあります。この値が高いということは血液中の中性脂肪の代謝が正常でないことを意味しています。血液中に脂肪が増えると血管の内側にたまり、動脈硬化を引き起こしやすくするなどの問題があります。中性脂肪の値は30~149mg/dLが正常とされており、150mg/dLを超えると高中性脂肪血症とされ、注意が必要です。
中性脂肪の数値が上昇する要因としては、肥満や過食・脂肪過多な食生活、運動不足、ストレス、遺伝的要素が挙げられます。

ALT上昇の主な原因は生活習慣の乱れ
つぎにALTについて。ALTは肝臓の細胞に多く含まれている酵素です。「GPT」と記載されていることもあります。肝機能障害の診断のひとつで、血液検査で血中の量を測定します。肝臓に障害が起こり肝細胞が破壊されると、血液中に流れ込んでくるALTの量が増加し数値が上昇します。健診結果で31U/L以上は要注意、51U/L以上であれば異常とされています。数値が高い場合には脂肪肝になっている可能性が高いです。
肝臓には、エネルギー源として脂肪を蓄える働きがあり、それ自体は正常な機能です。ですが、脂肪が使いきれなかった場合にその余剰分が蓄積され、肝細胞の30%以上を占めるようになると脂肪肝の診断となります。アルコールが原因の場合はアルコール性脂肪肝といわれます。食べ過ぎによる栄養過多やアルコールの飲み過ぎ、運動不足といった生活習慣の乱れが主な原因です。また、中性脂肪で前述した脂質異常症の場合も脂肪肝になりやすいです。
ただし、上記以外にも、肝炎ウイルスによるウイルス性肝炎、薬剤による薬剤性肝障害、肝がんなどの可能性もあります。健診で肝機能障害の指摘を受けた場合には、肥満やお酒のためだろうと自己判断はせず精密検査を受けるようにしてください。
カロリーを減らしつつ、バランスよく栄養を摂取
先にも述べたとおり、コロナ禍の生活様式が生活習慣病のリスクを高めています。そこで、生活習慣病予防の観点から、日常生活において実践していただきたいポイントをご紹介します。
・食事
過食は控え、エネルギーを摂り過ぎないように心がけてください。肝臓修復の材料となるたんぱく質は十分に摂る必要がありますが、肉類の摂り過ぎは脂質の摂取を増やしてしまいます。肉類は控え魚介類からの摂取を増やす、肉類を摂る場合は脂肪の少ない部位を選ぶのがよいでしょう。とはいえ、脂質も体には欠かせない栄養素です。脂質は不飽和脂肪酸を選べば中性脂肪を下げる効果も期待できます。使用する油をオリーブ油にするのもよいと思います。
敬遠されがちな糖質も体や脳のエネルギー源ですので、全く摂らないことも健康を損ねることになります。白米を控え玄米や雑穀米に置き換える、食物繊維の豊富な食材を多めに取り入れて空腹を満たすといった工夫をすれば、摂取カロリーを減らしつつ栄養素も同時に摂ることが可能です。以下におすすめの食品の例を挙げます。
<不飽和脂肪酸>
オリーブ油、青魚、ぶり、まぐろ、うなぎ、豚レバー、干しひじき、わかめ
<食物繊維・ビタミン・ミネラル>
野菜、海藻、きのこ、玄米、雑穀米、いも類、豆類、納豆、オートミール
<中性脂肪を減らす効果>
大豆、大豆製品、じゃがいも、トマト、りんご
<肝機能強化>
しじみ、牡蠣などの貝類、ごま
<脂肪燃焼効果>
唐辛子(辛味成分のカプサイシン)
どれもたくさん摂れば効果があるというわけではありません。バランスよく摂取すること、例えばテイクアウトなどを利用する場合には、単品メニューではなく定食にする、小鉢を1品追加する、カット野菜を用意するなど品目を増やす意識を持っていただきたいです。厚生労働省・農林水産省の示す食事バランスガイドも参考にしていただくとさらによいと思います。
有酸素運動を習慣にし、座りっぱなしを避ける
・運動
(1)習慣的な有酸素運動
ウォーキングやジョギング、水泳などを習慣的に行うとよいでしょう。
食事から摂取した脂質や糖質を消費するためには、有酸素運動を適度に実施することが基本です。スクワットなど下半身の筋トレと組み合わせればより効果が上がります。全身の筋肉のうち下半身が占める割合は7割にもなるといいますから、下半身を鍛えることで基礎代謝アップや脂肪燃焼の効率が上がるでしょう。

(2)座位時間を減らす
運動を習慣化するのに越したことはありませんが、運動に慣れていない方や体力に不安がある方には少々ハードルが高いと思います。また、余暇時間の運動量を増やしても、日常生活の座位時間が長いほど、健康上のリスクが上昇することがわかっています(京都府立医科大学 日本多施設共同コーホート研究事務局「座っている時間が長いほど死亡リスクが増加する」2021年)。平日の日中はオフィスで座ったままという方は多いと思います。1時間ごとに席を立って伸びをする、コーヒーを淹れるために立ち上がるだけでもよいです。意識的に座位時間を中断するようにしましょう。

症状がなくても適切な飲酒を心がける
・飲酒
お酒を断つことが一番良いですが、飲酒の習慣がある方にはすぐに断酒することは難しいかもしれません。生活習慣病は自覚症状が現れた時にはすでに重症になっている可能性が高いです。症状のないうちから適切な飲酒を心がけていただくことが大切です。以下に適切な飲酒のポイントを挙げます。できることから取り入れていただければと思います。
(1)飲酒量を減らすために
・食事と一緒に飲む、ゆっくり飲む
・水を摂りながら飲む
・微アルコール飲料を選ぶ
・薄めて飲む
・1日の摂取量を決める(何本、何杯まで)
・休肝日を設ける(飲まない日を決める、飲んだ翌日は飲まない)
・お酒の買い置きをしない
(2)おつまみの選び方
・塩分の多いもの、高カロリーなものは控える
・きのこや海藻、豆腐などを選ぶ
・生野菜のサラダを選ぶ
・肉よりも魚を選ぶ
以上、日常生活で気をつけたい点について、実践しやすいものをご紹介しました。コロナ禍以来、活動量が減った自覚がある方はもちろん、そうでない方も生活に取り入れ、健康リスクを減らす心がけをしていただきたいと思います。

  • 池井 佑丞(いけい・ゆうすけ)
  • 産業医
  • プロキックボクサー。リバランス代表。2008年、医師免許取得。内科、訪問診療に従事する傍らプロ格闘家として活動し、医師・プロキックボクサー・トレーナーの3つの立場から「健康」を見つめる。自己の目指すべきものは「病気を治す医療」ではなく、「病気にさせない医療」であると悟り、産業医の道へ進む。労働者の健康管理・企業の健康経営の経験を積み、大手企業の統括産業医のほか数社の産業医を歴任し、現在約1万名の健康を守る。2017年、「日本の不健康者をゼロにしたい」という思いの下、これまで蓄積したノウハウをサービス化し、「全ての企業に健康を提供する」ためリバランスを設立。


「風呂に入らない若者」が増え、個人消費減少?

2022-02-15 13:30:00 | 日記
下記の記事は日経ビジネス様のホームページからお借りして紹介します。(コピー)です。

若者の「お風呂」離れが進み、20代の4割はほとんど湯船につからない。その背景には、風呂につかっている「時間がない」ことのほか、「風呂に入るコストがもったいない」という節約心理があるようだ。そんな若者に、高額の消費を期待するのはもはや難しいのかもしれない。
「もったいない」「時間がない」といった理由から、湯船につかる若者が減っている
神戸市水道局、水の適正使用を目的に女子大とコラボ
若手社員有志が参加している早朝の新聞チェックで、数カ月前に興味深い記事を見つけた。
「若者よ お風呂に入ろう」
(2016年3月1日付 東京新聞朝刊から)

・『もったいない』『時間がない』
・20代4割『ほとんど湯船つからない』
・神戸の学生ら呼び掛け

湯船にお湯を張る機会が少ない若者に入浴の楽しさを伝えようと、神戸市水道局と地元の給湯器メーカー、神戸女子大家政学部の学生が協力。
「おふろ部」と名付けた情報サイトをネット上に開設して、入浴剤や半身浴など女子大生向けの情報を発信しているという。
である。
以下、この記事で最も重要な部分を引用したい。
「市水道局によると、節水機器の普及や人口減で水の使用量は減りつつある。水が水道管内に滞留すると水質の維持が難しくなるが、水道管の敷設は長期的な計画に基づいており、急には細くできない。有効利用を呼び掛けることになった」

「対象として浮かんだのが20代の若者だ。市水道局が昨年9~10月に実施した調査では『だいたい毎日湯船にお湯を張って入る』と答えた割合は、30代の66.4%が最も多かった。20代は25%で、『ほとんど入らない』が43.8%。昨年11月に同学部で開催したワークショップでは『一人暮らしでもったいない』『時間がない』などの意見が出た」
この記事を読んだ筆者がその場にいた若手社員に聞いてみたところ、ほとんどがシャワー派だった。神戸だけでなく、東京でも状況は同じのようである。
ヨーロッパ大陸のように空気が乾燥していれば、シャワーで済ませるのが合理的だと言えるかもしれない。また、気温と湿度の高さで消耗しがちな真夏には、シャワー派が日本でも多くなるように思われる。
「もったいない」「時間がない」
だが、20代の若者が湯船につからない理由は上記の記事の通り、以下の2点のようである。
① 「一人暮らしでもったいない」という経済面の合理的な思考
② おそらく、SNSでのやり取りやアルバイトなどでとにかく忙しいため、「時間がない」という時間的な制約
これらのうち①の関連では、さまざまな維持管理や付随する費用を含めて考えると都市部では自分で車を保有するのは「コスパ(コストパフォーマンス)が悪い」という彼らなりの経済合理的な思考ゆえに、若者の「車離れ」が顕著になって久しいことが想起される。筆者は講演などの場で最近、「お風呂にさえあまり入らない若者に車を買わせようとしても、なかなかうまくいかないだろう」と説明することがある。
上記①と②は、簡単に変わる(ないし変えられる)ことではない。時間が経ち、世代が入れ替わるに連れて、日本で「湯船派」は徐々に減っていく可能性が高いと、筆者はみている。
若者の入浴時間が近年になって短くなっていることを実際に示す統計データがないだろうかと思って探してみたのだが、そうしたものを見つけることはできず、逆に、一見すると長くなっているのではないかと思わせるデータが1つあった。
NHK放送文化研究所が5年ごとに実施している「国民生活時間調査」がそれである。日本人の生活時間がどのようなことに、どのくらい振り分けられているかを示す、時系列データが含まれている。
今年2月に公表された2015年の最新データ(調査実施期間:10月13~26日)によると、以下のような特徴があった。
① 日本人の睡眠時間減少が止まって「早起き」が一層進み、「早寝」が増加
② 高年齢層を含めてテレビの視聴時間が減少
③ ビデオやインターネットの利用に広がり

「身のまわりの用事」に費やす時間は増加傾向
調査項目の中に、「身のまわりの用事」がある。
「洗顔、トイレ、入浴、着替え、化粧、散髪」が具体例として挙げられている分類(時間の使い方)である。
この「身のまわりの用事」に平日に費やされた時間を、男女別・世代別に見ると、20代の男性は1時間04分で、5年前の調査から6分増加。20代の女性は1時間29分で、5年前から5分増加していた。
■図1:「身のまわりの用事」に費やされている平均時間(平日)
(出所)NHK放送文化研究所
[画像のクリックで拡大表示]
同じ世代の動向を探るため、10年前(2005年)の調査における10代と比較しても、男性は9分増加、女性に至っては19分も増加している。土曜や日曜のデータでも、傾向はおおむね同じとなっている。
「お風呂派」が減って「シャワー派」が増えているとすれば、普通に考えれば入浴時間は短くなるはずである。しかし、「国民生活時間調査」のデータとは整合しない。この謎に関しては、次のようないくつかの解釈が可能だろう。
(A) 全国ベースで見ると、実際には「シャワー派」は増えていない。
(B) 「身のまわりの用事」のうち、「入浴」の時間は減っているものの、それ以外(たとえば「化粧」や「洗顔」)に費やされる時間が増えている。
(C) 「入浴」中に行われる活動が現在は多岐にわたっているため、結果として「身のまわりの用事」の時間が長くなっている。たとえば、「シャワー派」が増えていても、「お風呂派」が防水のゲーム機やテレビなどで長い時間楽しむ、お風呂の中でストレッチをするなどの活動をしているケースが考えられる。
筆者は上記のうち(B)や(C)が影響しているとみているのだが、現時点では、正解がどれなのかはわからない。より細分化した生活時間の調査結果が待たれる。
麻生財務相が語る、個人消費を伸ばすための条件とは
個人消費が低迷を続けていることに関連して、麻生太郎財務相は5月31日の閣議後記者会見で、「基本的に個人消費が伸びるためにはいくつか条件がある」と述べた上で、その条件2つを次のように説明した(時事通信の会見詳報から引用)。
■【まずデフレを止める】
「間違いなく、今より明日の方が安いとなれば買いませんよ。買い物に行って100円だった大根が次の週行ったら97円になってた。次の週は95円になってた、という話をデフレというが、そういった物価が下落状況になるときには消費は伸びない」
■【次に勤労所得層の可処分所得を増やす】
「給与が増えるということは企業が利益を出し、かつ企業の中の生産性が上がらない限りは利益が出ませんから」「そういった意味では企業が生産性を上げるような設備投資をやって、結果としてこの20年近く止まってる設備投資の多くを、この際金利の安い今、新しく買い替えていく」
個人消費に景気をけん引させるのは、今後も困難だろう
その上で、会見の最後に麻生財務相は、「消費者の心理がどのように影響していくか」が一番見えないとした。可処分所得が増えても、消費性向(可処分所得のうち消費に回される金額の割合)が低下すれば、消費は減少してしまう。
だが、麻生財務相は、生産年齢人口が毎年減少していることが消費に及ぼす影響については、記者からの質問に回答しなかった。
さらに、いわゆる「長生きリスク」にさらされている高齢者のみならず、お風呂の関連で述べた2つの理由や老後への不安などから、若者も支出額を絞り込む生活パターンを変えないとすれば、個人消費が景気をけん引する絵図を描くのは、構造的な面から今後もきわめて困難だと言わざるを得ない。
上野 泰也
みずほ証券チーフMエコノミスト

肥満解消は「何を食べるか」に加え「どう食べるか」も大切

2022-02-15 12:00:00 | 日記
下記の記事はビヨンドヘルス様のホームページからお借りして紹介します。(コピー)です。

肥満解消というと、食事制限や運動を思い浮かべる人が多いだろう。しかし、食べ方とも密接な関係がある。「肥満」と「噛むこと」について研究を行ってきた早稲田大学スポーツ科学学術院教授の林直亨氏らは、昨年「噛む、味わうだけで食後のエネルギー消費量が増え、5分間食べ方を変えるとその効果は食後90分まで続く」ことを発表し、注目を集めている。「どう食べるかは、体重管理だけでなく、食のサステイナビリティにとっても重要な問題」と話す林氏に、研究の内容と目的について聞いた。
コロナ禍で増えている肥満、早食いは肥満のもと
新型コロナウイルス感染症の流行によって、外出を控え、オンライン中心で仕事をする生活が続いている。厚生労働省が行った「新型コロナウイルス感染症に対応した新しい生活様式による生活習慣の変化およびその健康影響の解明に向けた研究」(2021年3月、20~79歳までの男女8万3216人対象)によると、コロナ感染拡大後は、体重、BMI(肥満度)ともに有意に増加する傾向が見られる一方、身体活動量は有意に低下していた(図1)。この「国民の肥満傾向」は今後も継続する可能性がある。


厚生労働省の調査によると、コロナ感染拡大前(2020年1月)と拡大後(2021年3月)では、体重、BMI、身体活動量の全てで有意な変化が見られた(出所:厚生労働省「第14回健康日本21(第二次)推進専門委員会参考資料4」)
思うように人と会えず外出もしづらい日々の中、楽しみは食べること……という人も多いだろう。しかし、食欲に身を任せるままでは肥満となり、生活習慣病やがんのリスクにもつながっていく。
そんな中、昨年「噛むことによって食後のエネルギー消費量が増加する」ことを明らかにする論文を発表し、注目を集めているのが、早稲田大学スポーツ科学学術院教授の林直亨氏だ。
肥満予防のためには、「食事を減らしてエネルギー摂取量を減少させること、運動量を増やしてエネルギー消費量を増加させること」が基本とされる。摂取エネルギーを減らすためには、食べる量を減らしたり、カロリーの少ない食品を選んだりといった対策が有効だが、食べる楽しみを削られるがゆえ、実践と継続が難しいのが現実だ。
一方で、「よく噛む」「ゆっくり食べる」といった「どう食べるか」に着目する研究も行われてきた。
例えば、アメリカ人の実業家Horace Fletcher氏(1849~1919年)は、生命保険に加入できないほどの肥満だったが、よく噛んで食べることを実践した。健康な体を取り戻し、1口30~40回、よく噛んで食べる「フレッチャーイズム」を欧米で普及させ、食べる速さと体型の関係が世界でも研究されてきた。
林氏も長年、噛む回数や食事時間など「どう食べるか」をテーマに研究を行ってきた。
女子大学生84人におにぎり1個を食べてもらい、噛む回数や総食事時間と体重、BMIの関係を見たところ、食べる速さが速く、飲み込むまでの咀嚼回数が少ないほど、体重やBMIが増加する傾向にある、つまり「早食いは太りやすい」ことが分かった[1]。
「どう食べるか」には、岡山大学で2014年に発表されたこんな研究もある。大学生1314人を対象に3年間の追跡調査を行った結果、早食いの人は早食いでない人よりも4.4倍肥満になりやすく、男性は女性よりも2.8倍肥満になりやすいことが分かった。この研究において「早食い」は、「脂っこいものを好んで食べる」や「満腹まで食べる」よりも肥満との相関が強いという結果が得られた。


大学生1314人(男性676人、女性638人)を対象に食事の速さや生活習慣をアンケート調査し、肥満との関係を3年間にわたって観察。その結果、早食いの者は早食いでない者と比べ肥満リスクが4.4倍高いことが分かった(出所:Obesity (Silver Spring). 2014 Oct;22(10):2262-6.もとに日経BP作成)
「じっくり味わう」「よく噛む」はエネルギー消費量が上がる
「これまでの肥満研究で、早食いをすると体重が増える、ということが明らかになっています。その理由として、(1)早食いをすると多く食べ過ぎてしまう、(2)早食いが食事誘発性体熱産生量(DIT)を減らす、という2つの要因があると考えられています」と林氏は言う。
(2)のDITとは、食事によって体内に吸収された栄養素が分解され、その一部が体熱となって消費されるエネルギー量のこと。1日の総エネルギー消費量の1~1.5割程度を占める。食事をした後、体が暖かくなるのはこの熱量の発生のためだが、早食いにより体熱産出が低下する可能性が高いのだという。
そこで林氏らは、この「DIT」に着目して研究を行ってきた。
まず、300kcalのブロック状の試験食を早食いと遅食いで比較したところ、食後90分間のDITの累計は、早食いで0.4kcal、遅食いで10.4kcalと大きく違うことを証明した[2]。
また、パスタ、ヨーグルト、オレンジジュースの食事(合計621kcal)では、早食いよりも遅食いのほうが食後3時間のDITが15kcal高くなることが分かった[3]。
しかし、ここで問題が発生する。
「これまでの実験では、食べるものが塊の場合には噛まないほうが胃腸を働かせる必要がありエネルギー消費が増える可能性があったり、噛むからDITが高くなるのではなく噛むことで柔らかくなることがDIT増大に影響する(食べ物の形状が結果に関わる)のではないかという問題が出てきます。そこで、今回はこれらの問題を排除し、純粋に、噛むこととDITの関係を示したいと思いました」(林氏)。
新たな実験では、固形食でなく、液体のココア味の飲料を試験食とした。そして、飲むだけの「対照群」、30秒ずつ口に含む「味わう群」、1秒に1回噛んで飲み込む「噛む群」に分けた。その結果、食後90分間のDITの総計は、「味わう群」「噛む群」いずれも有意に高くなった(図3)。
この研究で、味わったり、噛んだりしたのは合計5分間。しかし、その影響は食事の90分後まで及んでいた。「食後かなり長い時間まで、熱産生が高い状態を維持していることが分かったのも、今回の実験の大きな成果でした」(林氏)。

11名(平均年齢23歳)が安静時のDITを測定後、日を変えて3回ずつ異なる方法で、同じ飲料(20 mlのコップに分けた10杯のココア味の飲料:合計200ml)を5分間で摂取した。対照群は、飲料20mlを30秒ごとに1回飲み込み、10回繰り返す。「味わう群」は飲料を30秒間口に含んで飲み込むことを10回繰り返す。「噛む群」は、1秒に1回噛んで飲み込むことを10回繰り返した。摂取後90分までのDITを求めた結果、味わう群、噛む群では対照群よりもDITが有意に増加した(出所:Sci Rep. 2021 Dec 23;11(1):24483. もとに日経BP作成)
注目される「噛む」と「交感神経」の働き
では、ダイエットしたいという人が、よく噛むことを実践すれば、実際に減量は可能なのだろうか。
「以前行った食事の研究[3]では、早食いより遅食いをすることで、1食あたり15kcalのDITが余分に増加しました。この効果が1日3食、1年間続いたと仮定すると、1万6425kcalとなります。脂肪1kgのエネルギー量は7000kcalですから、おおよそ脂肪2kgの減少に相当します」(林氏)。
なるほど、「しっかり噛もう」というモチベーションが湧いてくる。
「牛乳もよく噛んで飲みなさい、などと言われますが、ゆっくり味わうこと、噛むことが確かにDITを増加させることが明らかになりました。噛むことが肥満予防につながる、というこれまでの一連の研究がひとまず完成した、と考えています」(林氏)。
なぜ、噛むとDITが増加するのだろう。
「そのメカニズムはまだ分かっていません。推測しているのは、噛むという口腔への感覚刺激が、交感神経の活動を活発化させることによってDITを増加させているのでは、ということです。DITは、消化、吸収によって生じるエネルギー消費と、自律神経活動を介して生じるエネルギー消費から構成されています。ゆっくり噛んで食べると、早食いするよりも口腔への感覚刺激時間がより長くなり、交感神経活動も増大するのではないでしょうか。また、交感神経が刺激されることにより、脂肪を分解して熱を生み出す働きのある褐色脂肪細胞が活性化されることもDIT産生に関わっていると考えています」(林氏)。

「噛むことが肥満予防につながる、という一連の研究がひとまず完成したと考えています」と林教授(写真:福知 彰子、以下同)

私たちが目指すべきは「サステイナブルな食べ方」
林氏はかつて競泳の選手で、研究者となってから運動と循環器の関係について研究を行ってきたという。
「運動をしてエネルギーを消費すれば健康になれる。これは確かなことなのですが、運動が苦手な人も少なくありません。もっと運動を、と啓発しているはずの研究者が集まる学会でさえ、階段とエスカレーターがあれば全員がエスカレーターを選んでいる。これが現実です」(林氏)。
運動はなかなか実践や継続に結びつかない。ならば食べ方を、と咀嚼の研究を行い、気づいたのは「味わうこと」の大切さだという。そこで、今回の研究でも「ただ味わうだけ」という試験群を追加したのだと話す。
「私自身もつい早食いをしてしまいます。よく噛もう、と反省してもそのときだけで、結局日常では噛まずに飲み込んでしまう。しかし、あるとき、よく味わって食べよう、と思うと、パスタに小麦の味がすることに気づきました。味わおう、という意識で食べると自然と食事時間もゆっくりになり、DIT増加につながるはずです」(林氏)。
噛むことでエネルギーを消費することは「サステイナブルな食べ方」でもある、と林氏は言う。
「現代人は、飽食といわれるほど食べ過ぎる傾向にあります。しかし、エネルギーを取り過ぎたからといってガソリン車を運転してジムに行き運動する、というのは、冷静に考えるととんでもないエネルギーの無駄遣いですよね。これまでのそういった消費活動への反省のもと、少なくおいしく食べて、ある程度消費する、というスモールエネルギーの循環へと私たちは変わっていくべきではないか。その1つの方法が、“味わって、噛んで、いただく”ことだと思っています」(林氏)。
使い終わったらどこかに捨てられ、環境を汚す廃棄プラスティックと同様、時間になったから味わいもせず食べ、肥満する、という食べ方はエネルギーを無駄にし、循環を止める行為なのだろう。
ハードな運動でもなく、厳しい食事制限でもない、その真ん中にある“少なく大切に食べる”という方法は、私たちのこれからの食べ方の方向性として大きなヒントになっていきそうだ。

林 直亨氏
早稲田大学スポーツ科学学術院教授
はやし・なおゆき。早稲田大学人間科学部卒業。医学博士。大阪大学健康体育部助手、カリフォルニア大学デービス校客員研究員、九州大学健康科学センター助教授・准教授、東京工業大学大学院社会理工学研究科、同大学リベラルアーツ研究教育院教授などを経て2021年より現職。スポーツ科学、運動生理学、生体医工学などを専門に研究。おいしいと感じるときの顔面血流変化や運動と眼底血流の関係など多方面にわたる研究を行う


美智子さま、雅子さま、紀子さま、眞子さま…順番にバッシングされる皇族の悲劇

2022-02-15 11:00:00 | 日記
下記の記事は日刊ゲンダイデジタル様のホームページからお借りして紹介します。(コピー)です。

ひと昔前の秋篠宮ご夫妻の人気にくらべ、秋篠宮家の権威がずいぶん失われたように思う。最近の雑誌には「眞子さんの乱」も秋篠宮さまに原因があるとか、「皇室の危機」は秋篠宮ご夫妻が招いたなどと書かれているほどで、紀子さまが「3LDKのプリンセス」と騒がれた頃にくらべたら雲泥の差だ。雅子さまが「適応障害」で東宮御所に引きこもっていた頃、紀子さまは娘たちを連れて天皇皇后を訪問したり、一緒に会食したりしていることがメディアで報じられ、紀子さまが皇室を支えているかの印象を与えた。2006年9月6日に悠仁さまを出産すると、「皇統の危機を救った」といわれ、その評価は一段と高くなる。

ところが、しばらくすると紀子さまへの批判がこぼれ始めた。厳しく言いすぎるので辞める職員が後を絶たないとか、しきりに「皇嗣家にふさわしく」と言うので、娘たちと口論になったとか──。


考えてみれば、紀子さまは一庶民として一般社会で育った人である。それがいきなり皇族に嫁いだのである。宮家でいるうちはそれほど気を使うこともなかっただろう。それが、悠仁さまが誕生したことで皇嗣家になり、環境がガラッと変わってしまった。皇位継承者を育てる皇嗣家とそうでない宮家ではまったく違うといわれる。それなのに、紀子さまには相談する相手がいなかったのだろう。そんなプレッシャーと生真面目さから「皇嗣家らしく」しようとすればするほど、生まれながらの皇族である眞子さんたちとの関係がギクシャクしたのかもしれない。

ある意味で秋篠宮さまも同じだ。元来、皇位継承権のある男子が複数生まれたら、帝王学を受けるのは長子だけである。例えば、昭和天皇には3人の弟宮がいたが、東宮御学問所で特別の教育を受けたのは昭和天皇だけだった。今上天皇も将来の天皇としての教育やしつけを受けたが、礼宮時代の秋篠宮さまは、美智子さまの放任主義ではないかといわれるほど自由気ままに育てられた。兄弟に同じ教育を受けさせないのは、古から兄弟が皇位をめぐって争わないための知恵なのだ。秋篠宮さまが天皇になる教育を受けてこなかったのだから、紀子さまの相談相手になることはできなかっただろう。
■批判するのはどういう人たちなのか

 やがて眞子さんと小室圭さんの婚約が決まり、秋篠宮家が再び注目された。ところがその数カ月後、小室家の借金問題が噴出して、秋篠宮家の評価は再び落ちていく。

 評価が上がったり下がったり、これほど激しく変わるのも珍しいが、世論に近づいて報じるのがメディアなのだから、批判はおそらく世間の平均値だったのだろう。ただ、どういう人たちが批判していたのかだ。

 美智子皇后がバッシングを受けて「失語症」になったのは1993年。普賢岳が噴火した島原を訪問した両陛下(当時)が、膝をついて被災者に向き合ったことに対し、〈何もひざまずく必要はない。被災者と同じ目線である必要もない。(略)立ったままで構わない。馬上であろうと車上であろうと良いのです〉と評論家の江藤淳氏が批判したのが95年だった。いずれも代替わりから数年後である。こうした時期に批判が集中するのは、前天皇を懐古する人たちがまだ健在であり、その中でもとくに保守的な人たちが前天皇と比較して批判するのだろう。そう考えると、秋篠宮家を快く思わないのも「眞子さんの乱」を批判するのも、あるいは昭和や平成を懐かしく思う人たちかもしれない。

糖尿病治療:薬を早い段階で飲み始めるか、食事と運動でギリギリまで頑張るか…

2022-02-15 08:30:00 | 日記
下記の記事は日刊ゲンダイヘルスケアデジタル様のホームページからお借りして紹介します。(コピー)です。


 糖尿病専門医は患者さんを診察していく中で、今の状態だと血糖コントロールは今後どのように変化し、あと何年くらいで合併症が出てくるだろうと予測しながら、治療計画を立てています。

 進行を遅らせ、合併症を発症する時期を最大限に遅らせるには、どういう薬がいいか? 多種多様の糖尿病治療薬が登場していますから、今ある薬の中から患者さんにベストと思われるものを選んで提案するわけです。

 世界中で行われている新薬の研究の情報も常にチェックしています。新型コロナウイルスの治療薬のように薬が超短期間で承認されるのは例外中の例外で、薬は開発、承認までに何年もかかります。

「◎年先には▲▲▲の新薬が出る可能性がある」という情報があれば、そのタイミングで薬を切り替えられるように、患者さんの血糖コントロールをいい状態で保てる治療法を考えます。
 ただ、せっかく効き目の高い薬、使い勝手のいい薬が登場しても、糖尿病が進行し、合併症をすでに発症してしまっていたら、「残念ながら、新薬の良さを生かせる段階を過ぎてしまっていた」となりかねません。

 今後、1週間に1回でOKのインスリンや、1週間に1回でOKの血糖降下剤の合剤(メカニズムの違う薬が1つになった薬)が登場するとみられています。薬の選択肢が増えれば、血糖コントロールが楽になります。そしてそれは、遠い未来ではないのです。なんとかして合併症に至らないように、薬を上手に活用して欲しいと思います。

 読者の中には「結局は薬ありきの治療ではないか……」と思われる方もいるかもしれません。糖尿病(2型糖尿病)は生活習慣病なのだから、食生活を改善し、運動を取り入れることで、薬を飲まずとも血糖コントロールを改善できるのではないか。薬を検討するのは、もうちょっと時間をかけて生活習慣を改善し、それではどうしようもないと分かってからでいいのではないか……と。
確かにそうですが、現実には生活習慣病改善による数値低下は年齢による各臓器の機能低下並びに筋力低下などから年々難しいものとなります。

 また厳しい言い方かもしれませんが、そもそも、食事や運動に気を配れる気質なら、糖尿病にならなかったかもしれませんし(体質的に糖尿病になりやすい方もいますが)、たとえ糖尿病になっても、医師や栄養士の介入がほとんどないうちから血糖コントロールを良好に保てるようになっているはずです。

 また、もうひとつ言えるのは、40~50代は仕事やプライベートが忙しく、本人がそうしたくなくても食事時間や内容が不規則になったり、運動する時間を確保しづらかったりする、ということ。

 今は生活のためにむちゃせざるを得ないようなら、定年退職後、時間に余裕ができて健康に気を使えるようになってから運動などをすればいいのであって、その時が来るまでは、自分に合った薬を使っていけばいいと思うのです。
■私だったら「早め」を選ぶ

もし私が血糖値が高く糖尿病という診断が下りたら……。医者の仕事をこなしながら、毎日1日3回決まった時間に栄養バランスの取れた食事をし、適度な運動を取り入れることは極めて難しい時もあるかと思います。減塩や糖質の取り過ぎ回避には可能な範囲で取り組み、2~3カ月様子を見てHbA1cが下がらなければ、すぐに薬物治療に入るでしょう。何よりも、早い段階での合併症の進行を食い止めることを目標とします。そして、今とは違う生活スタイルになったら、食事や運動に気をつけ、薬を減らしていくことを次の目標にするでしょう。

糖尿病の薬は一度飲み始めるとやめられない?必ずしもそうではないです。血糖コントロールが良い状態を長期間保てていれば、薬を減らせます。前述の通り、今後は合剤もどんどん登場していきますし、飲む頻度が少なく済む薬も登場していきます。結果、薬の効果は今まで以上に、でも毎日は飲まなくていいようになるのです。
坂本昌也
国際医療福祉大学 医学部教授 国際医療福祉大学 内科部長・地域連携部長
専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。