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300万人男余りでも女性が婚活で苦労する背景

2022-02-21 15:30:00 | 日記
下記の記事は東洋経済様のホームページからお借りして紹介します。(コピー)です。

未婚男性は未婚女性より約340万人も多いという「男余り現象」については、こちらの記事(『「未婚男性」は未婚女性より340万人超多い現実』)で紹介しました。20~50代でも約300万人の男余りです。これだけ「男余り」ならば、結婚したい女性はよりどりみどり、婚活には苦労しないようなもの、と思うのですが、どうやら現実はそうでもないようです。
婚活の現場では、「そもそも男性の絶対数が少ない」「男性参加者が少なくて、婚活パーティーが単なる女子会になってしまう」などという声も聞かれます。未婚男性の絶対数が多いのに、婚活の現場ではどうしてこうした逆転現象が起きるのでしょうか?
結婚したい男女は9割の誤解
その1つの理由は、未婚男性だからといって全員が「結婚したい男」ではないからです。よくテレビや新聞などで「出生動向基本調査によると、結婚したい男女は9割もいる」という言説が流れますが、あれは正しくありません。
以前、こちらの記事(『「独身の9割が結婚したい」説の根本的な誤解』)で詳しくお伝えしましたが、この結果というのは、「いずれ結婚するつもり」か「一生結婚しないつもり」かの二者択一の質問に対する回答なのです。どちらか1つを選べと言われれば、よほど結婚したくないと思っていない限り「いずれ結婚するつもり」を選ぶでしょう。
出生動向基本調査では、それに続いて、「1年以内に結婚したい」「理想の相手ならしてもよい」という結婚前向き派か、「まだ結婚するつもりはない」「一生結婚するつもりはない」という結婚後ろ向き派か、という質問もしています。
それによれば、結婚に前向きな18~34歳までの未婚男性はたったの4割程度しかいません。一方、同じ年齢の女性でも5割です。二者択一の無理やりな選択で「結婚するつもり9割」だとしても、実際、結婚意欲があるといえるのはその半分程度であり、この傾向は30年前から変わっていません。
そして、重要なことは、男女の間には1割の乖離があるということです。2015年の出生動向基本調査から年齢別にその詳細を見てみましょう。


結婚意欲は女性のほうが高い
20~39歳までの年齢では、すべて女性のほうの結婚意欲が高いことがわかります。男女差分でいえば、25~29歳が16%も女性の結婚意欲が高くなっています。つまり、未婚者の絶対数では「300万人の男余り(20~50代の場合)」ですが、結婚意欲に関しては女性のほうが上回っているのです。単に未婚男性の人口が多くても、結婚意欲がない相手では結婚の対象にはなりえません。
この結婚意欲の違いを、結婚適齢期といわれる20~34歳までの未婚男女の人口差にあてはめてみましょう。単純な未婚男女の人口差では、99万人もの男余りです。しかし、結婚意欲の違いを乗じると、結婚したい人口は男299万人に対して、女308万人と、男女逆転して約9万人の女余りとなってしまいます。
20代だけに限ると、未婚人口差では55万人の男余りなのに対して、結婚したい人口で考えると25万人も女余りになるということです。これが、男余りといいながら、実際の婚活において女性が苦労する要因なのです。

※結婚したい人口は未婚人口に結婚前向き率(少数点以下の値も含む)を乗じて算出した。
仮に、20~34歳の結婚したい男性との比較で9万人の女余りだとしても、「その程度なら、まだまだ希望はある」と思われるかもしれません。しかし、結婚したい女性にとっては、さらに残念な事実があります。
2018年内閣府の実施した「少子化社会対策に関する意識調査」[結婚を希望している者で結婚していない20~49歳の女性を対象、n(調査数)=1343]によれば、女性が希望する相手の理想の年収は、400万~500万円が26.2%と最も多く、全体の72%が400万円以上を希望しています。
あくまで希望ですから、それをとやかく言うつもりはありませんが、20~34歳の未婚男性の年収分布は、400万円未満で81%を占めます(年収額不明を除く)。
400万円以上ある未婚男性は2割弱
つまり400万円以上の年収のある未婚男性はたったの19%しか存在しないのです。差引き、53%の婚活女性は余ることになります。前述した結婚したい未婚女性人口である308万人にこの53%を乗じると、163万人もの婚活女性は希望どおりにならないという結論になります。


経済的にも自立し、結婚する必要性を感じなくなり、あえて自発的に選択して未婚の道を突き進むソロ女ならまだしも、結婚したいのに希望する結婚相手がいない女性が163万人もいるというのは、残酷な現実かもしれません。
とはいえ、今回の記事での試算は、あくまで男女とも20~34歳の同年代でのマッチングという前提でした。つい先日、落語家の春風亭昇太師匠が、59歳のアラカン初婚にして、19歳年下の元タカラジェンヌと結婚したというニュースが話題になりました。婚活女性は、年齢が同じくらいの相手だけではなく、年上男性に対象の範囲を広げてみてはどうでしょうか?
対象を50代まで拡大したうえで、「結婚したい人口」と年収400万円以上の条件を加味して再計算した結果が以下の表です。女余りは解消できたでしょうか?
残念ながら、結論から言うとできませんでした。女余り数は20~34歳と比べて、むしろ増加して約192万人に膨れ上がってしまいます。年齢層を50代まで拡大したことで、対象相手の男性人口も増えますが、同時に、当然女性側のライバルも増えます。
何よりつらいのは、希望年収条件です。50代まで拡大したとしても、全国で400万円以上の年収のある未婚男性はたったの27%にすぎません。それだけでも44%の女性があぶれます。400万円以上の相手を希望すること自体、無理なのです。


希望年収を300万円台にすると
ちなみに、年収条件をもう100万円落として、300万円台にすると、対象者は50%まで広がります。事実、就業構造基本調査によれば、アラサーで結婚している男性の4人に1人は年収300万円台です。そこがメインボリューム層なのです。希望年収については、300万円台あたりに落として妥協しないと、どうにもならないのが現実です。
さらに、追い打ちをかけるようですが、たとえ300万円台に条件を下げたとしても158万人の女余りであることに変わりません。もう八方ふさがりです。結婚したい男女が集う婚活の現場で、希望にかなう相手を見つけようと思っても、基本的には女性が余るという構造は変えられません。
ただし、この計算の中には、結婚意欲のない残り半分の未婚男性が除外されています。年収条件を度外視すれば、20~34歳で結婚意欲のない未婚男性は、364万人もいます。この中には、今現在は学生であったり、働いていても収入が少なかったりする男性も含まれます。が、今はそうでも、将来性のある人もいるでしょう。
これまで説明してきたように、結婚したいという男性の中から希望の相手を見つけるのは、極めて厳しい戦いが予想されます。あえて、そこでは勝負せず、ブルーオーシャン戦略を取るほうが賢明かもしれません。
思えば、皆婚が実現できていたのは、お節介なお見合いおばさんや強引な職場の上司など、誰かの後押しがあったからこそ実現できたものです。そうした時代に戻ることはありませんが、この連載で何度も説明しているとおり、しょせん7割の男は恋愛や結婚に関しては受け身です。待っていたらどうにもなりません。
どうしても結婚したいと強く願う未婚女性は、「今は結婚なんて別にしたいと思わないなあ」という結婚意欲の薄い未婚男性にターゲットを絞って、彼らをどうやったら動かせるかの「お膳立て」を考えるほうが得策なのかもしれません。
荒川 和久 : 独身研究家、コラムニスト


「224人の子の脳」3年追って見えたスマホの脅威

2022-02-21 13:30:00 | 日記
下記の記事は東洋経済様のホームページからお借りして紹介します。(コピー)です。

今、アンデシュ・ハンセン博士による『スマホ脳』が日本で話題を呼んでいます。スマホを長時間使用したことで成績が低下してしまった子どもたちの脳には、いったい何が起きているのでしょうか??東北大学加齢医学研究所の所長、川島隆太氏が上梓した『最新研究が明らかにした衝撃の事実――スマホが脳を「破壊」する』を一部抜粋・再構成してお届けします。
私は東北大学加齢医学研究所で、2008年より認知機能発達寄附研究部門も主宰しています。この部門では、健康な児童・生徒の認知機能と脳の発達、発達障害を持つ方々の認知機能と脳の発達について研究を続けています。
この寄附研究部門の研究の1つとして、脳構造のMRI画像解析による脳発達研究を行っており、横断的調査による児童・生徒の日常生活習慣と認知機能や脳形態の関係の解析、3年間の追跡調査による日常生活習慣と認知機能発達や脳発達の関係の解析を行ってきました。
驚くべき結果が得られた
その中で児童・生徒の3年間の脳発達とインターネット利用頻度の関係を解析し、驚くべき結果を得ることになりました(文献1)。
図1をみてください。脳の模型図に色がついています。図のAは脳の模型を右横からみたものです。前方(額側)が図の右側、後方が図の左側にそれぞれあたります。図のBは同じ脳の模型を左側からみた図で、前方が左側、後方が右側に対応します。
図1:本書より引用
仙台市在住の5歳から18歳の児童・生徒224名の3年間の脳発達の様子を、MRI装置を使って観察しました。
図で赤い色のついている領域は、インターネット習慣が多いことが原因で大脳灰白質体積の増加(発達)に遅れが認められた領域を示します。赤の色が濃いほど、遅れの傾向が強いことを示します。
大脳灰白質とは、大脳皮質とも呼ばれ、神経細胞層を意味します。脳の活動は、神経細胞が活動し、その電気的な情報が他の神経細胞に伝わることで成立します。大脳灰白質体積が増加するということは、脳活動がより高度に成長していくことにつながっているのです。
より専門的にいえば、大脳の場所ごとに発達のスピードやタイミングは異なるのですが、いずれにせよ成長に伴う大脳灰白質の発達に抑制がかかっているのであれば、事態は非常に深刻です。身体で譬(たと)えれば、成長期の子どもたちの身体の発達が3年経過してもほとんど認められないことと同じなのです。
実験方法の概略ですが、一度目のMRI検査時に、その時のインターネット習慣をアンケート調査で調べました。そして3年後にもう一度MRI検査を行い、3年間の脳発達に伴う大脳灰白質体積の増加を計算しました。インターネット習慣に関しては、「使わせない」「まったくしない」「ごくたまに」「週に1日」「週に2~3日」「週に4~5日」「ほとんど毎日」の7群に分けました。そして1回目に調査したインターネット習慣が3年間の脳発達に与える影響を統計的に検証しました。
すると1回目の検査時では、大脳灰白質体積に群間差はなかったのですが、3年後にはインターネット習慣に応じた発達の差が認められたのです。
図2:本書より引用
図2をみてください。これは個人のデータをプロットした(グラフの中に書き込んだ)ものです。点線は平均値を示します。横軸はインターネット習慣(7群)、縦軸は3年後の全脳の灰白質体積(cc)の増加を表します。統計処理にあたっては、家族の数、家庭の年収、両親の教育歴、居住地、睡眠時間、頭蓋容積の影響が結果に反映されないようにしています。
データ解析について詳細に説明すると専門的になりすぎるので、具体的なことを知りたい方は原著論文(文献1)を読んでみてください。
毎日ネットを使用する子どもの脳
インターネット習慣がない、あるいは少ない子どもたちは、3年間で全脳の灰白質体積が増加しているのに対して、ほぼ毎日インターネットを使用する子どもたちの全脳の灰白質の発達に注目すると、増加の平均値はゼロに近く、全脳の灰白質の発達が3年間でほぼ止まっていることがわかります。
図1:本書より引用
もう一度図1をみてください。大脳灰白質の発達が特に悪くなっている領域に色がついています。前頭葉、側頭葉、小脳など多くの領域に悪影響が出ていることが読み取れます。
もちろんこのデータはインターネット習慣との関係をみたもので、スマホ習慣との関連を直接調べたものではありません。ただ内閣府のデータをみても中学生の65.8%、小学生では40.7%がスマホを使ってインターネットを利用していることがわかっていますので、スマホ使用との関係があることが推測できます。
ところで認知機能、すなわち脳の機能は、大脳灰白質の体積だけで決まるわけではありません。情報処理機器としての「脳」を考えると、神経細胞のネットワーク自体が大事だという考え方もあります。そこで神経細胞のネットワークの部分、すなわち神経線維層である大脳白質の3年間の発達に関しても、MRI画像で同様に調べてみました。
図3:本書より引用
図3をみてください。この図は脳を3方向から断面にしたものです。Aが脳を横に切った図。向かって左が左脳であり、上は前方に対応しています。Bは脳を縦に切った図。向かって右が前方に対応しています。Cは脳を水平方向に切った図。上半分が左脳で下半分が右脳であり、そして右側が前方ということになります。
ネットの使用頻度が高いと悪影響
色のついている部分は、3年間の脳の成長を追跡した結果、インターネット習慣が多いほど大脳白質の発達が統計的に有意に遅くなっていると判断された領域です。MRI画像上、局所の白質密度が3年間の成長で増えていない、すなわち成長に伴う白質の発達が認められない領域を意味しています。
インターネット使用の頻度が高いと、大脳灰白質や小脳内を結ぶほとんどの神経線維の発達に悪影響が出ていることがわかります。
図4:本書より引用
図4の見方は図2と同じです。横軸はインターネット習慣、縦軸は3年後の全脳の白質体積(cc)の増加を表す指標(統計処理後の指数)です。大脳全体でみても、インターネット習慣が多いと白質の発達が悪くなることがわかります。ほぼ毎日使う群では、3年間でほとんど発達が認められません。
この調査では子どもたちの知能指数を、16歳以上の被検者では世界標準の知能検査であるWechsler Adult Intelligence Scale-Third Edition (WAIS-III)で、それ未満の被検者では同じく世界標準の知能検査であるWechsler Intelligence Scale for Children-Third Edition (WISC-III)を使って計測しています。その結果、インターネット習慣の頻度が高いと、3年の間に言語性知能が低下することもわかりました。
スマホ使用が学力を低下させる原因が、何となくみえてきました。おそらくスマホによる頻回のインターネット使用によって、脳発達自体に障害が出ていたと思われるのです。
前述のデータをそのまま当てはめて考えると、スマホを毎日高頻度に使う子どもたちの脳は、3年間という期間でみると大脳全体の発達がほぼ止まってしまっていたため、勉強しようがしまいが、睡眠を充分にとろうがとるまいが、学力が上がらなかったと推測できます。
スマホが破壊していたのは学力ではない
『最新研究が明らかにした衝撃の事実―ースマホが脳を「破壊」する』(集英社新書)書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします
極端な話かもしれませんが、例えば中学3年生で考えれば、スマホを1時間未満しか、もしくはまったく使っていない生徒は中学3年生なりの「脳」を持っているのに対し、スマホを高頻度で使う生徒の「脳」は小学6年生のままである可能性があるのです。
中学3年生と小学6年生が、中学3年生レベルの同じ授業を受け、テストをしたら、その結果に差がつくのは当たり前です。
私の予測としては、最悪のストーリーがみえてきてしまいました。スマホが破壊していたものは、「学力」ではなく、「脳」そのものであった可能性が高いのです。
この事実を知っても、皆さんは、子どもたちにスマホを自由に使わせますか?
川島 隆太 : 東北大学加齢医学研究所 所長

腎臓はある日突然力尽きる 異常値が出たら放置は禁物

2022-02-21 12:00:00 | 日記
下記の記事は日経グッディ様のホームページからお借りして紹介します。(コピー)です。

健康長寿を支えている私たちの「腎臓」。だが、健康診断の結果を見て、腎臓が弱っているかどうかを瞬時に知るのはなかなか難しい。尿検査の結果の多くは(-)(+)という記号で示されるだけだし、血液検査の項目も今一つなじみが薄い。腎機能はあるときから急激に落ちるため、気付いた時には深刻な状態になっている可能性もある。そうした事態を防ぐため、今回は、血液検査から腎臓の状態をどう知ればよいのかを見ていこう。
  • 健康長寿の生命線 「腎臓」を守る
腎臓の状態を知るために欠かせない、血液検査のクレアチニンとは?
血液中の老廃物をろ過して尿と一緒に排出するなど、生命の維持に欠かせない機能を担う、腎臓。「腎臓が悪くなると透析治療が必要になる」ということはよく知られているが、その異変を早めにキャッチする方法や、腎臓の健康を守る方法は、よく知らない人が多いのではないだろうか。
腎臓は、全身の血管の老化の影響を受けやすい臓器でもあるため、腎臓の機能が低下すると、心筋梗塞や脳卒中といった血管の障害を起こしやすくなり、死亡リスクも上昇する。腎臓の健康の維持は、健康長寿の生命線の1つと言っていいだろう。
だが、腎臓は、肝臓や膵臓と並んで「沈黙の臓器」と呼ばれており、腎臓の異変を症状からキャッチすることは難しい。第1回では、そんな腎臓の異常を察知するのに非常に優れた情報源が「尿」であることを解説した。
今回は、腎臓の状態を示すもう1つの指標、健康診断の血液検査の項目にも入っている「クレアチニン」から何が読み取れるかを、横浜市立市民病院腎臓内科長の岩崎滋樹医師に聞いていこう。
健康診断の血液検査のうち、腎臓に深く関係するのは「血清クレアチニン」という項目だ。腎臓の異常を指摘されない限り気にする機会がない用語であり、「クレアチニンって何だっけ?」と思う人もいるかもしれない。だがこの数値、もし基準値を上回り、B判定やC判定がついているようなら、要注意だ。
図1 健康診断で腎機能を示す検査項目とは?
クレアチニンは「腎・尿路」の検査値として表示される。この図の基準値は男性のもの。
クレアチニンは筋肉の老廃物のような物質で、本来は腎臓でろ過され、尿とともに排出される。腎臓のろ過機能が落ちれば、ろ過しきれなかったクレアチニンが血液中に残ってしまう。血液中のクレアチニン(血清クレアチニン)の数値が高くなれば、腎機能が落ちたことが疑われるわけだ。
しかし、腎臓は我慢強い臓器で、少し悪くなったくらいで症状が出ることはない(第1回参照)。「血清クレアチニンの数値も、少々のことでは上がってきません。腎機能がかなり落ちてから急に数値が上がるのが、血清クレアチニンの特徴です。その理由は、血清クレアチニンが示すのは『見かけ上の腎機能』だからです」と岩崎医師は話す。
見かけ上の腎機能とは、一体どういうことだろうか。岩崎医師によると、腎機能とクレアチニンの関係は、「働く人」と「仕事の量」に置き換えると分かりやすいという。
クレアチニンが上がらなくても、腎機能は着々と落ちていく
「1日8時間労働で残業ゼロの人が、仕事量が2倍に増えて16時間労働になっても、何とかこなせば仕事は残りません。でも、仕事量がさらに増えて限界に達して倒れてしまうと、急に大量の仕事がたくさん残ってしまいます。それと同じことが、血清クレアチニンが『突然に増えた』ように見えるときに起こっているのです」(岩崎医師)
それをイラスト化したのが図2だ。
図2 腎機能が最後に急激に悪化するイメージ
血清クレアチニン(Cr)の基準値は男性1mg/dL以下、女性0.7mg/dL以下程度(検査機関により異なる)。2mg/dLを超えて老廃物を処理する作業員が減る(腎機能が落ちる)と、1人当たりの仕事量が増え、腎臓の負担が増す。(参考資料:岩崎滋樹『腎臓病をよく知りともに闘っていく本』p.127 桜の花出版)
[画像のクリックで拡大表示]
老廃物を処理するという腎臓の仕事を、10人の作業員が支えているとしよう(A)。作業員が5人に減る(腎機能が半分まで落ちる)と、作業員の1人あたりの仕事量は倍増する(B)。それでも持ちこたえるが、作業員が3人に減ると不眠不休で働いても老廃物を処理しきれなくなる(C)。いよいよ作業員が倒れて末期腎不全に至ると、透析に頼るしかない(D)。作業員は倒れるまで仕事をこなすから、処理しきれなかった老廃物である血清クレアチニンはなかなか上昇せず、症状も出てこないのだ。


腎臓を長持ちさせる「たんぱく質」「水分」「塩分」のとり方

腎機能の低下が気になる人向けに腎臓を守る生活のポイントを紹介する。腎臓の負担を減らすためには、水分はしっかりとるべきか、あるいはセーブするべきか、たんぱく質や塩分はどの程度に抑えればいいのか…よくある誤解を取り上げつつ、山積する疑問を解決していこう。
健康長寿の生命線 「腎臓」を守る 特集の内容

残された腎臓の機能を守るにはどんなことに気をつければいい?
加齢や高血圧、糖尿病などによって、じわじわと機能が落ちていく「腎臓」。腎臓の機能がゆっくり落ちていく病気の総称である「慢性腎臓病」が怖いのは、状態がかなり悪化してからようやく症状が出てくるところだ。しかも、一度落ちた腎機能は、生活改善や治療によって簡単に取り戻せるものではない(第2回参照)。
腎臓の検査値が悪くなり始めたら、残された腎機能を長持ちさせ、それ以上悪くならないよう対策を講ずることが大切だ。もし、腎臓の機能を悪化させる高血圧や糖尿病といった持病があるなら、それらの治療をしっかり受けて、血圧や血糖値を正常値に維持していくことも重要となる。そのうえで、腎臓をいたわる生活を心掛けていきたい。
では、具体的には日常生活においてどんなことに気をつければいいのだろうか。腎機能が低下してきた人の生活上の主な注意点を、表1にまとめた。
表1 腎機能が低下した人の生活上の注意
たんぱく質の摂取量を減らす
(そのぶん炭水化物と脂質で補う)

体重の増減が起こらないように注意する

水分をきちんととり、脱水が起きないように注意する

塩分摂取を減らす

血糖値や血圧が上がらないようにコントロールする

適度な運動を取り入れる

禁煙やストレス対策など

※推奨される食事や運動の程度は人によって異なるため、医師の指導を受けながら進めよう。ステージが進むとカリウムやリンの制限も必要になる。
3大栄養素のうち、腎臓の負担に関係するのはたんぱく質
「腎機能が落ちてきたとき、腎臓にかかる負担を減らすには、まずはたんぱく質の摂取を減らすことが大事です」と、横浜市立市民病院腎臓内科長の岩崎滋樹医師は話す。
腎臓が悪くなるとたんぱく質を制限しなければならない、と聞いたことのある人は多いだろう。腎機能が下がると尿にたんぱく質が出るようになり(たんぱく尿)、尿検査で引っかかってしまう(第1回参照)。そのことを踏まえると、「たんぱく質が尿中に出て失われているのに、なぜ摂取を抑えるのか? むしろ多く摂取するべきなのでは?」という疑問がわいてこないだろうか。
たんぱく質の制限が必要な理由について、岩崎医師は、「3大栄養素の特性を見れば分かります」と話す。3大栄養素とは、おなじみの炭水化物、脂質、たんぱく質だ。
3大栄養素のうち炭水化物と脂質は、体内で燃焼すると最終的に水と二酸化炭素に分解される。二酸化炭素は呼吸によって体の外に排出され、水は体に残っても害になることはない(図1)。
図1 3大栄養素のうち、腎臓から排泄されるのはたんぱく質だけ
一方、たんぱく質の場合はそうもいかない。たんぱく質が体内で燃焼すると、そこに残るのは窒素化合物(尿素窒素や尿酸など)という最終産物(老廃物)だ。窒素化合物は呼吸によって排出されることはなく、腎臓から排出されるしかない。そのため、腎機能が下がっていると、たんぱく質の摂取量が増えれば増えるほど、血液中の老廃物をろ過する腎臓に負担がかかることになる。
「第2回でお話しした通り、腎機能が下がると老廃物をうまくろ過できなくなります。その状態でたんぱく質をとり過ぎると腎臓の負担がさらに増大するので、非常に良くない状況になります(図2-上)。でも、たんぱく質の摂取を減らして腎臓の負荷が半分になれば、急激な悪化を回避することが可能です(図2-下)」(岩崎医師) 
図2 たんぱく質の摂取を減らして腎臓の作業量を減らせば、腎機能の低下を止められる
たんぱく質の摂取を減らすと血液中の老廃物も減るので、腎臓の負担を減らすことができる。Cr(血清クレアチニン)は腎機能の指標。(参考資料:岩崎滋樹『腎臓病をよく知りともに闘っていく本』p.129、桜の花出版)

コロナ禍でも「日々を豊かに」できる感性の磨き方

2022-02-21 08:30:00 | 日記
下記の記事は東洋経済様のホームページからお借りして紹介します。(コピー)です。

いま、「決められない⼈」が増えています。「トレンドを追う」「⼝コミを参考にする」「みんなが⾒ているものを⾒る」。情報があふれ、SNSでもさまざまな意⾒が⾶び交う現代で、「流されずにいる」ことは簡単ではありません。「⾃分に似合うもの」「⾃分が好きになれるもの」。コロナによって内省的になっているいまだからこそ、これらの⽬に⾒えない価値を感じ、自分だけの正解を選び取れるようになりたいものです。
「自分で感じて選び取るための“感性”は、習慣によって養われます」と語るのは、京都で330年続く陶芸の名家に⽣まれ、器アーティストとして世界で個展を開くなど活躍しているSHOWKO(ショウコ)さんです。「いまでこそ器をつくったり、ホテルの内装を手がけたりしていますが、社会人になるまで芸術に関する勉強をしたことはありませんでした。いまの作品づくりで発揮している感性は、すべて日常の習慣で養われてきました」。SHOWKOさんの著書『感性のある人が習慣にしていること』から、無理なく感性を養っていくためのヒントを紹介します。
江戸時代中期に京都で人気を博した画家の伊藤若冲は、花鳥画「動植綵絵(どうしょくさいえ)」を描く際に、1日中、自宅で飼っている鶏を観察していたといいます。実際に生きる鶏を丁寧に観察したからこそ、羽の1枚1枚、尾の先の躍動感まで、リアルに描くことができたのでしょう。
「微かに木々が揺れている。すこし風が吹いているのかな」
「川の音がいつもより大きいから、昨夜は雨が降ったのかな」
日常生活でも、味覚、嗅覚、視覚、聴覚、触覚に集中して過ごすと、いろんなことに気がつきます。これは自分の美意識の定規に、細かい目盛りを刻んでいくことといえるでしょう。
感性のある人は小さな変化にも敏感
感性のある人は、身の回りの細部や変化をとてもよく見ています。だから、人と同じものを見ていても、他人とは違うことに気づき、たくさんの感覚や感情を得られるのです。どんなに細かい変化や違和感にも気づこうとする「観察する習慣」を身につけ、これまで目を向けていなかったことを意識して見つめ、日常を解像度高くとらえてみましょう。
この「観察する習慣」について、いくつかご紹介します。
■「同時にこなす」意識をもつ
生活しているだけでどんどん家が散らかっていく人と、そうでない人がいます。この違いの理由は、ふだんの行動に隠されています。後者は、一度の動きで複数の仕事をしている人なのです。
たとえば、料理人が料理をしたあとはシンクに洗い物がほとんど残りません。それはひとつの料理に集中するだけではなく、お客さんの食事の進行度合いを見て、食器の片付けなども含めたすべての段取りを組み立てて、一度の動きで複数の仕事をしているからです。
一度に複数をこなす習慣を身につけることで、周囲を観察する意識が高まります。これは料理に限ったことではなく、日常でも応用できます。
食器を洗う。ついでに蛇口の部分を磨いておく。
手を洗う。ついでにタオルを替えておく。
1階に物を取りにいく。ついでに2階から持っていくものを携える。
書いてみると特別なことではないように思いますが、実際に毎回の行動で意識するのは、なかなか難しいことです。
茶道では洗練された動きを極めている
実は茶道の手前では、こういった動きがたくさんあります。たとえば、2服目のお茶を1服目と同じお茶碗で点てるとき。お湯を入れたお茶碗を手のひらで包んでゆっくりと回し、「洗う」と「器を温める」を同時に行います。
また、大勢の方が参加するお茶会でお運びとしてお手伝いをするときには、「手ぶらで帰ってこないように」と注意されます。広間にお茶を運ぶと同時に、水屋へ下げるものがないか確認して、必ず何かを持って帰ってくるようにします。
一見とてもゆっくりと行っているようにみえるお茶のお点前ですが、実は極限まで効率化され、洗練された動きなのです。これを心得ていると、オフィスを移動するときも、家の中を移動するときも、自然と周りに意識が向くようになります。
観察しながら動き、できることを同時にこなす。そんな意識を持てれば、ふだんは気づいていなかったことにも意識が向くようになるでしょう。
■音を「分解して」聴いてみる
感性というと、「文化や歴史などの知識を学ばねば」と思う方もいるかもしれません。しかし、知識はときに、私たちの観察の目を曇らせます。
たしかに、文化や歴史の知識といった教養を身につけることで、作品への理解は深まります。たとえばクラシック音楽を聴くときなら、その歴史的背景や作者の来歴を知っているほうが、深く聴くことができるかもしれません。
ベートーベンの交響曲第2番、第2楽章は、とても美しく牧歌的なメロディですが、作曲されたのはベートーヴェンの持病であった難聴が悪化した時期でした。その背景を知ると、この曲とのギャップに驚かされます。この美しいメロディが、もっと追い詰められたものに聞こえるかもしれません。
つまり、背景や歴史を知っているのと知らないのでは、感じ方が変わります。感性は知識の集積の上に成り立つものでもあるのです。
それは重要なこととして、ときにはその知識が邪魔になることもあると、知っておかなくてはなりません。自然に音を楽しむ感覚や、無意識下に眠る感性がはたらかなくなってしまうのです。感性と知識、どちらかがもう一方に蓋をしてしまってはいけません。
そこで、たとえばクラシックのコンサートに行ったとき、たまに、それぞれの楽器の音ひとつひとつを選んで意識的に聴いてみてください。ひとつの楽器に意識を向けて、その演奏者の動きを観察し、そこから聴こえてくる音を全体のシンフォニーから聞き分けてみましょう。
音楽を聞くときは1つの楽器に集中してみる
ずっと観察し続けていると、複雑に重なりあった音のなかから、その楽器の音色だけが耳に飛び込んでくる瞬間があります。そこから個別の響きを再度合体させて全体のハーモニーを楽しむと、前よりもさらに楽曲を楽しめるようになるのです。
全体のなかにある細部に意識を向ける習慣を身につけることで、自然と深い観察ができるようになります。これは音楽の話に限りません。たとえば料理なら、口に広がる味のなかから、ひとつひとつの食材や調味料の味に意識を集中させてみるのもいいでしょう。
味や音を因数分解して観察することで、感受性は向上していきます。それぞれの細部の良さを知ったうえで、全体の調和を味わったときに、すべてのハーモニーを理解できるのです。
■モノの配置を「体で覚えて」みる
みなさんは、目をつぶったまま自分の部屋を歩けますか?
仕事から帰宅して、部屋がまっくらなままカバンをおろし、ソファにたどり着き、テレビのリモコンを手に取る。もしかしたら、意外とできてしまうのではないでしょうか?
このように、私たちは頭ではなく、体で場所を記憶していることがあります。そして心地よい配置を感覚的に覚えていると、多少の変化があったとき、少しの違和感にも気づけるようになります。そこで、身近なモノの配置を決めてみましょう。
例として、茶道における道具の配置について説明させてください。茶道では、お抹茶を点てるために使う陶磁器や漆などの作品、お茶碗、お湯を沸かす釜、それに水を入れておく水指、そしてお茶を掬う茶杓など、さまざまな道具を使います。
そして、すべての道具の配置はミリ単位で決まっています。茶道の場合は「畳の目の数」を基準とした測り方があります。畳の膨らんでいる筋目ひとつのことで、「1目」は1.51センチです。たとえば、「畳の縁から16目に座る」「5目離して置く」などのように単位として使います。
私も茶道を習いはじめたころは、「16目」と言われてもぱっと理解ができず、1目ずつ指で数えてたしなめられたものです。それが、ずっと「1目」単位の配置を意識していると、だんだんと慣れてきて、数えなくても物を置く場所がわかるようになりました。
正しい配置が感覚的に馴染んでくると、たとえ小さなズレでも、人間は感覚的に「快」「不快」を覚えます。この繊細な「快」「不快」の感覚を知った、ある出来事があります。
以前、茶道のお稽古で私が道具を置いて、お点前を終わろうとしたときに、茶道の先生に「ちょっとだけ心地がよくないのでは?」と呼び止められました。そう言われた私は、ほんの3ミリほど、蓋置きの位置を左に動かしてみました。すると、まるでさざ波が凪になるように、すべての道具が心地よく空間に「ぴたっ」と収まった感覚を得たのです。
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心地よさには必ず理由があります。そして、その調和の乱れに気づくには、ふだんから意識を向け、心地よい状態を意識的に保っていなくてはいけません。調和がとれたモノの配置を感じることで、調和が乱れたときに違和感を持つことができます。身の回りにあるモノにも定位置を決めてあげることで、そのわずかな変化にも気づく観察力が養われていくでしょう。
これらの「観察する習慣」を身につけると、世界の情報量は一気に増えます。日々のあらゆることを「意識的」に感じられるようになり、小さな変化や違和感、魅力に気がつける感受性が高まっていくのです。これが、感性を養っていくための第一歩となります。
SHOWKO : 陶芸家・器アーティスト