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「たくさん食べればがん予防が期待できる」世界の長寿地域で定番化している"ある食材"

2022-02-18 15:30:00 | 日記
下記の記事はプレジデントオンライン様のホームページからお借りして紹介します。(コピー)です。

健康で長生きするためにはなにを食べればいいか。京都大学名誉教授の家森幸男さんは「世界の長寿地域で共通して食べられているのが大豆。大豆は『健康食の王様』であり、ほとんどのがんや糖尿病の予防が期待できることや、更年期障害の症状を抑える効果がある」という――。
※本稿は、家森幸男『遺伝子が喜ぶ「奇跡の令和食」』(集英社インターナショナル)の一部を再編集したものです。
写真=iStock.com/Amarita
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大豆は「健康食の王様」
長寿の秘密を握る素材のひとつとして「大豆」があります。英語ではソイ・ビーンズ、ソイとも言います。
日本語の「醬油」という言葉がなまって、ソイと言われるようになったことからも分かるように欧米には元々、大豆がありませんでした。ヨーロッパで大豆の本格栽培が始まるのは19世紀になってからとも言われています。
しかも、欧米では、この大豆をもったいないことに家畜の飼料用として主に栽培していて、食用にする習慣はほとんどありません。これは実に憂うべきことです。大豆にはすばらしい健康増進パワーがあります。まさに「健康食の王様」だと思います。
そもそも私たちの世界調査は、脳卒中ラットに大豆を食べさせたところ、脳卒中を防いで長生きしたというところから始まっています。当時はまだ大豆の成分である「イソフラボン」も何も検出できていない時代でしたが、大豆が長寿の秘密にかかわる食材であることは当初から予想がついていました。
ちなみに尿中のイソフラボンは大豆の摂取量を反映します。これが多いと大豆をたくさん食べていて、少ないとあまり食べていないことになります。世界調査の結果を分析するとやはり予想通りで、中国・貴陽やハワイのヒロ地区など、多くの長寿地域では大豆が食べられていたのです。
大豆をよく食べている地域では血圧もコレステロール値も低い
大豆を食べている長寿地域の中でも印象深かったのは前述した中国の貴陽です。
この地域では大豆や大豆製品が本当によく食べられていました。豆腐、納豆、豆乳といった日本でもおなじみの大豆製品以外にも、干し豆腐、沖縄の「豆腐よう」のような発酵した豆腐、豆腐を発酵させたチーズ風のものなど、ひじょうにバラエティ豊かなのです。
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さらには豆腐を原料にした「豆腐麺」もありました。見た目はうどんのような麺で、これを豆乳のスープで食べるのです。Wソイフードです。ファストフードも豆腐です。市場では焼いた厚揚げのようなものが売られていて、出勤前のOLさんがハンバーガーのように立ち食いする姿が見られました。
とにかく大豆を徹底利用して、食べつくす知恵に感心しました。大豆こそ、貴陽の人たちの長寿を守る重要な食材だったのです。実際、貴陽の人たちの血圧は私たちの調査に赴いた、中国12カ所の中で広州についで低い数値でした。
血圧が低ければ当然、脳卒中も心臓死も起きにくくなります。この地域の人たちが長寿なのも当然と納得しました。
私たちの調査では、大豆をよく食べる地域では一様に血圧、コレステロール値が低く、心臓病、心臓死が少ないという結果が出ました。さらには肥満も少ないのです。
逆に大豆を食べない地域では「死の四重奏」と言われる肥満、高血圧、高脂血症、糖尿病が多く、また寿命も短命になってしまっています。では大豆がなぜスーパー健康食なのでしょうか。これには3つの秘密があります。

大豆に含まれるたんぱく質は、肉や魚と同じくらい質が高い
大豆にはたんぱく質、脂質、炭水化物という、私たちの体にとってなくてはならない3大栄養素がバランスよく含まれています。特にたんぱく質です。大豆は「畑の肉」と言われるように、実に30%が植物性たんぱく質です。
さらに特筆すべきはその「質」です。たんぱく質の質は「アミノ酸スコア」といって、食品に含まれる必須アミノ酸のバランスで見ることができます。大豆のアミノ酸スコアは牛肉・豚肉などの肉類、アジ、サケなどの魚と同じ100です。
植物性のたんぱく質はトウモロコシ、そば、バナナなどにも含まれていますが、肉や魚などの動物性たんぱくに比べると、劣る場合が多いのですが、大豆は魚や肉と肩を並べるほど良質なのです。
また大豆は脂質、カロリーが低いという利点があります。大豆と同じ量のたんぱく質を肉で摂ると、カロリーも高く、余分な脂肪も摂ることになってしまいます。さらに大豆のたんぱく質は悪玉コレステロールを下げることも研究によりわかっています。
大豆といえばイソフラボンというぐらい、みなさんに知られている成分です。イソフラボンはフラボノイドの一種で、女性ホルモンに似た働きをするといわれています。イソフラボンは実に多くの健康増進効果を持っています。
以下にまとめてみましょう。
・血圧を低下させる
・悪玉コレステロールを下げ、心臓病を予防する
・更年期障害の症状を抑える
・骨粗しょう症を予防する
・乳がん、前立腺がんの予防
・ほとんどのがんの死亡率を低下させる
・肌を若々しく保つ
まさに体にとっていいことずくめの働きをしてくれることがおわかりでしょう。
動物実験で効果が実証されたイソフラボン
実は私たちが世界調査を始めたころはまだイソフラボンの存在は知られていませんでした。1990年ごろになって大豆にイソフラボンという成分がある事実が注目されるようになり、私たちも早速ラットを使って研究を始めることにしました。
ところがなんと当時、イソフラボンは1グラム100万円という時代です。動物実験にとても使えるものではありません。いきなり挫折かと思われましたが、幸運なことに、ある大豆を扱う企業から、それまでは捨てられていたイソフラボンをいただいて、研究に着手することができました。
メスの脳卒中ラットから卵巣を取り除いて、わざと更年期の状態にします。言うなれば「更年期ラット」です。すると急に毛がバサバサになり、皮膚のつやがなくなります。
また、オスのようによく食べて肥満にもなり、骨からカルシウムが溶けだして骨粗しょう症になります。まさに人間の女性の更年期障害と同じです。また急に脳卒中も増えます。
この「更年期ラット」に大豆の胚軸を混ぜたエサを与えます。イソフラボンは大豆の胚軸に最も多く含まれているのです。
すると見る見るうちに毛づやがよくなり、肥満が解消されました。骨が溶けだす現象が抑えられ、骨粗しょう症の発生も緩やかになりました。更年期の諸症状が改善されたのです。さらには脳卒中の発生も抑えられました。
あまりにも見事な結果が確認され、急いで世界中の人から集めた尿をチェックしてみました。それまで尿中のイソフラボン量は調べていなかったのです。世界調査で集めた24時間尿はすべて冷凍保管してありますから、こういうときに迅速に対応できるのが私たちの強みです。
その結果、大豆を食べている地域の女性は閉経以降も血圧やコレステロールが低く抑えられていることがわかりました。イソフラボンが更年期の症状を和らげていることが実際に確認されたのです。

骨粗しょう症や心筋梗塞を防げる
イソフラボンの摂取で「骨粗しょう症」も防ぐことができることがわかっています。ハワイに移住した高齢女性の尿で、骨密度の低い人と高い人を比べたところ、骨密度の高い人は尿中にイソフラボンが多く出ていたのです。
さらにはイソフラボンと心筋梗塞における死亡率の関係を調べてみたところ、こちらも明らかな関係がありました。イソフラボンの摂取量が多ければ多いほど、心筋梗塞による死亡率が低く、イソフラボン摂取量の少ないところでは死亡率が高くなっていたのです。
同様に男性の前立腺がん、女性の乳がん、さらにほとんどのがんの死亡率もイソフラボンの量が多ければ多いほど、低下することが確認できました。
魚介類にも多く含まれているマグネシウムですが、大豆にもたっぷり含まれています。マグネシウムというと「金属」というイメージが強いかもしれませんが、私たちの体に欠かせない微量ミネラルです。
マグネシウムは私たちの体内において、「酵素」の働きをサポートしています。私たち人間は食べ物を食べて、それを消化・吸収して、エネルギーを作り、体を動かしています。この作業すべてに関わっているのが「酵素」です。
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私たちは酵素の働きなしに体を動かすことはできません。マグネシウムはこのうち、300もの酵素反応に関わっているといわれているのです。マグネシウムはなくてはならないという理由がおわかりでしょう。
またマグネシウムは動脈硬化や糖尿病、肥満、高血圧の予防や改善にも一役買ってくれることがわかってきています。先ほどタウリンは生命の素といっていいほど重要な栄養素だと述べましたが、マグネシウムもまた、ひじょうに重要な生命の素といえます。
マグネシウムを摂取することで脳卒中を予防できる
塩分の打ち消す栄養素の話をしましたが、マグネシウムも塩分を体外に排出させる作用を持っています。
このことは30年前に行った脳卒中ラットの実験ですでにわかっていることです。脳卒中ラットに塩分1%(味噌汁程度)の水を与えるとたった2カ月ほどで脳卒中を起こします。
ところが塩分入りの水を与えても、一緒に十分な量のマグネシウムを与えることで、脳卒中の発症を遅らせることができ、寿命が2倍に延びたのです。それから30年後、ついに人間でもこのことが証明されました。
血圧が高めの人を集め、毎日600ミリグラムのマグネシウムを摂ってもらったところ、12週間もすると血圧が下がることが確かめられ、血中のマグネシウム量も増えたと報告されました。血圧を上げないための仕組みである「ナトリウムポンプ」の話をしましたが、このとき、ナトリウムポンプの働きを助けてくれるのがマグネシウムです。
ナトリウムポンプを動かすATPアーゼという酵素は、マグネシウムと結合することで初めて働くのです。つまり、マグネシウムがないと、ATPアーゼを使って塩分(ナトリウム)を細胞から追い出すことができないのです。塩の摂りすぎになりがちな現代人こそ、マグネシウムをしっかり摂取すべきなのです。

大豆を食べることで肥満と糖尿病を予防できる
ところが日本人のマグネシウム摂取量は激減してきています。マグネシウムは大豆のほか、玄米や麦に多く含まれています。しかし精白した白米では、マグネシウムの含量は6分の1にまで低下してしまいます。
またマグネシウムはわかめやひじき、干しエビやするめなどの乾物、野菜やきのこにも含まれていますが、これらも現代の日本人の食生活では不足しがちです。その不足しがちなマグネシウムが大豆、そして魚にたっぷり含まれているのです。
今、日本では糖尿病がひじょうに増えています。厚労省の調査では糖尿病患者は1000万人、将来的に糖尿病になる可能性が高い「予備軍」がさらに1000万人いるとされています。もはや国民病といっていいでしょう。
糖尿病はご存じの通り、血液中の糖(血糖値)が慢性的に高くなる病気です。血糖値が高い状態が続くことで、血管がダメージを受け、脳梗塞や心筋梗塞などの合併症も起こりやすくなってしまいます。
ところが大豆を摂ることで血糖値を抑え、糖尿病を予防することができるのです。兵庫県で50代の人に対して行った調査ですが、納豆を1日1パック以上食べる人は、1パック以下の人と比べて血糖値が正常な人が多いことがわかりました。
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大豆をあまり食べない人は食べる人に比べて血糖値が高い人が3倍以上もいます。また大豆には肥満防止の効果もあります。図表1はマグネシウムと肥満の関係を調べたものです。世界の人をマグネシウムの摂取量を多い人から少ない人まで5分割し、肥満との関係を見ています。
出所=『遺伝子が喜ぶ「奇跡の令和食」』
マグネシウムをたくさん摂っている人は肥満が少ないことがわかります。またマグネシウムの摂取量の多い人は高血圧、高脂血症が少ないこともわかっています。
1日に必要な大豆は納豆1パック半
このほかにも大豆の健康成分は多くあります。炭水化物、たんぱく質、脂質の3大栄養素のほかに、食物繊維、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、リン、ビタミンE、ビタミンB1、葉酸など、多種多様な栄養素が含まれていることも見逃せません。
さらには悪玉コレステロールを低下してくれる大豆レシチン、抗酸化作用を持つ大豆サポニンといった成分も豊富に含まれています。
ではこのすばらしい健康効果を持つ大豆、はたして1日にどのぐらい食べればいいのでしょうか。私たちの研究でイソフラボンの量から割り出した大豆の必要量は「60グラム」です。
家森幸男『遺伝子が喜ぶ「奇跡の令和食」』(集英社インターナショナル)
大豆を1日60グラム食べることで、脳卒中や心臓死も防げますし、そして乳がん、前立腺がんを防ぎ、あらゆるがんも抑えることができるのです。大豆60グラムというと、納豆1パックと半分です。
「納豆1パック」はかつては60グラムだったのですが、どんどん小型化されていってしまい、昨今は多くが40グラムパックになってしまいました。ですから1パックでは足りません。
幸い、大豆には豆腐や豆乳などさまざまな加工製品があります。毎朝のヨーグルトに、大豆をすりつぶした粉であるきな粉を混ぜるのも悪くありません。また、最近は大豆たんぱくそのものをバー状にしたソイプロテインといったものも売られていますし、肉のように食べられる「大豆ミート」も売っています。
飽きないようこれらをローテーションして毎日食べたいものです。


  • 家森 幸男(やもり・ゆきお)
  • 京都大学名誉教授
  • 1937年生まれ。京都出身。67年京都大学大学院医学研究科博士課程修了。病理学専攻。米国国立医学研究所客員研究員、京都大学医学部助教授、島根医科大学教授、京都大学大学院人間・環境学研究科教授などを経て現職。


「老化とがんは関係しているのか」東大教授の最新研究で分かってきた"老いの正体"

2022-02-18 13:30:00 | 日記
下記の記事はプレジデントオンライン様のホームページからお借りして紹介します。(コピー)です。

老化を防ぐ治療薬の開発が進んでいる。東京大学医科学研究所の中西真教授は「老化の原因となる『老化細胞』のメカニズムを解明し、老化細胞を除去するための薬の開発に成功した。この薬が一般に向けて実用化されれば、老いのない社会が実現するかもしれない」という――。(第1回/全2回)
※本稿は、中西真『老化は治療できる!』(宝島社新書)の一部を再編集したものです。
老化の原因を特定することに成功
私たち、東京大学医科学研究所などの研究チームは2021年1月15日、アメリカの科学誌『サイエンス』に次のような論文を発表しました。
〈老齢のマウスに、GLS-1という酵素の働きを阻害する薬剤を投与したところ、老化細胞の多くが除去され、老年病や老化が改善した〉
私たちは、「老い」の原因となる「老化細胞」が生存するメカニズムを読み解き、そこから「老化細胞」を選択的に除去するための薬を導き出しました。今、私たちは、この薬の実用化に向けた研究を進めています。この薬が広く一般に向けて実用化されれば、「老化」を防いだり改善して、老いずに歳を重ねるということができる社会が到来するかもしれません。
本稿では、「老化細胞」とは何か、私たちが発見した老化細胞の生存に必要なGLS-1とは何か、そしてなぜGLS-1阻害薬を投与すると老化細胞を殺すことができるのか、そして、そもそも「老化」するとは何なのか、ということを一つひとつ説明していきたいと思います。

身体に残った「老化細胞」がさまざまな疾患を引き起こす
まず、人間の肉体というのも、最初は受精卵ひとつから始まるのは、みなさんご存じのとおりです。それがどんどん細胞分裂していって成長し、内臓なり筋肉なり骨なりをつくっていきます。
人間の体は60兆個もの細胞によってつくられています。細胞のなかには、不老不死に近い幹細胞というものもあります。たとえば、血液系であれば、赤血球や白血球、血小板やリンパ球などの血液系細胞の大元になる「幹細胞」というものがあります。この幹細胞の数はそれほど多くありません。
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多くの細胞は、そこから分化して分裂していったもので、この細胞は不老不死ではありません。人間であれば、50~60回ほど分裂したら、もうそれ以上は分裂できなくなります。こうして、完全に活動を停止してしまった細胞が「老化細胞」になってしまうのです。つまり、全身にある60兆個の細胞のうち、一部の幹細胞を除いた多くは、いずれ老化細胞になっていくということです。
これらの老化細胞は、本来であれば免疫細胞であるマクロファージ(白血球の一種)などが食べて除去してくれるのですが、生き延びた老化細胞が残ってしまい、体内のあちこちに蓄積されていきます。それらの老化細胞が炎症物質を誘発して、臓器や皮膚などにさまざまな炎症を起こしていきます。それが内臓疾患やシワなど、いわゆる加齢が原因のさまざまな疾患や症状として現れてくるのです。
過剰なストレスによって老化細胞に変化する場合も
老化細胞のなかには、そうやって分裂の上限に達して寿命が尽きた細胞のほかに、過剰なストレスなどによって、そこまで分裂を繰り返していないにもかかわらず、活動を完全に停止して老化細胞になってしまうものもあります。ストレスの多い生活をしている人が老けてみられるのは、そういう理由もあるかもしれませんね。
ストレスは細胞を酸化させて老化細胞へと誘導し、老化スピードを加速させてしまうのです。あるいは、がん遺伝子が活性化することで細胞老化が誘導されることも判明しました。このことは、細胞老化が、がん細胞の増殖を抑える役目もあるため、一概に老化細胞を悪者だと言い切れない部分もあります。
これらストレス性の老化細胞は、細胞分裂の上限を終えて自然に老化した細胞と、結果としてとくに違いはないと考えられます。ストレスといえば、紫外線や放射線なども細胞にとってストレスのひとつです。
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これらを浴びると遺伝子に傷がつき、細胞の老化を早めることがわかっています。屋外の仕事で年中日焼けしている方の皮膚と、常に日焼けに注意して日焼け止めを塗るなど、UV対策をしている女優さんのような方の皮膚を比べると、どちらも70歳くらいになった時の老化具合には大きな差が出ています。
皮膚のシワというのも、その部分に溜まった老化細胞によって、微小ながら過剰な炎症が起きていることの表れとも考えられます。蓄積された老化細胞が、さまざまなかたちで人の見た目や臓器を老化させているのです。

老化と薄毛は関係ない可能性が高い
シワなどの老化現象は、蓄積した老化細胞によって誘発された炎症が原因ですが、一方で、老化細胞と関係の低いであろう老化現象もあります。その代表的なものが薄毛です。
薄毛は、毛母細胞の働きが抑制されることで毛周期という毛の生え変わりのサイクルが乱れて、毛が太くならず、十分に成長する前に抜け落ちてしまうことで進行します。この毛母細胞の働きを抑制する原因になってしまうのが、男性ホルモンであるテストステロンの存在。
テストステロンは酵素によってジヒドロテストステロンへと変化しますが、このジヒドロテストステロンが毛母細胞の働きを抑制することが知られています。つまり、薄毛自体は、老化細胞の蓄積による炎症が主な原因というわけではなく、男性ホルモンの影響が大きく関与しているのです。
実際、若くても薄毛が進行している人もいれば、年をとってもフサフサの人もいますね。薄毛が進行している人は老化が進行しているかというと、そういうわけではありません。遺伝的に男性ホルモンの影響が強く出ているための症状と考えられます。ですから、老化細胞を除去することで薄毛が改善するかというと、残念ながらその効果は、現状ではわからない、ということになります。
白髪も老化との関係性はまだわかっていない
また、薄毛と同様に見た目年齢を大きく左右するのが白髪ですが、白髪もたしかに老化現象ではありますが、老化細胞による炎症と関係があるとは証明できていません。髪の毛が白くなるのは、毛母細胞にある毛母メラノサイトの働きが低下して、メラニンという黒い色素の産生能力が低下していくためです。
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このメラニン色素の産生能力は個人差が大きいものです。褐色や金髪などの髪の色を持つ人たちは、もともとこのメラニン色素の産生量がそれほど多くないため、髪の毛が黒くならないのです。金髪や赤毛、栗毛など、髪の毛の色は遺伝的要素が大きく、それはメラノサイトによるメラニン色素の産生能力によって決まると考えられています。つまり、メラニン色素の産生の能力は、必ずしも老化によって左右されるものではないということです。
とはいえ、なぜメラノサイトの働きが低下していくのかということについて、はっきりとしたメカニズムは解明されていませんから、細胞老化の可能性を完全に否定するものではありません。老化細胞を除去することで白髪がなくなるかどうかは、薄毛と同様に、わからない、ということになります。

なぜ老化細胞は蓄積されてしまうのか
ここでは、老化細胞がなぜ死ぬことなく生き延びて蓄積されていってしまうのか、というメカニズムについて説明していきましょう。人間の細胞の中には、リソソームという細胞小器官があります。リソソームは古くなったタンパク質を取り込んで分解するための器官で、その内側は強力な酸性になっています。
細胞が老化してくると、リソソームの膜に傷がついてしまい、そこから内部の酸性物質が染み出してきて細胞全体が酸性に傾いてしまいます。細胞全体が酸性化してしまうと、本来の細胞であれば死んでしまうはずなのですが、老化細胞はGLS-1という酵素を活性化し、大量に発現させて生き延びてしまうということが私たちの研究でわかってきました。
なぜGLS-1という酵素が出てくると老化細胞が生き延びるのか─。
GLS-1はグルタミンをグルタミン酸に変換する酵素なのですが、この代謝の過程でアンモニアをたくさんつくり出します。アンモニアはアルカリ性の物質のため、酸性化していた老化細胞を中和してしまい、老化細胞を延命させてしまうのです。老化細胞は、酸化してしまった自分を中和することで生き延びるべく、GLS-1酵素を大量に発現させていると考えられます。
老化細胞が分泌する炎症性タンパク質が疾患の原因
細胞老化のカギを握っているのが“P53”という遺伝子です。その一方で、“ゲノムの守護神”との異名を持っており、損傷したDNAの修復や細胞分裂の調整などにも携わっているという特異な遺伝子なのです。
傷ついたDNAを修復する一方で、修復できないほどにDNAがダメージを受けた場合には、細胞の老化をうながし、老化細胞として排除する。まさにゲノムの守護神、正常な細胞を守る司令塔といえるでしょう。
このゲノムの守護神を特定の期間、活性化させることで、細胞を均一に老化させるという方法を私たちは開発したわけです。この人工的な老化細胞があったからこそ、老化細胞を延命させる特定物質、GLS-1を見つけ出すことに成功したといえます。
老化細胞は、もう細胞分裂はしないため増殖はしませんが、SASP(Senescence-Associated Secretory Phenotype=細胞老化関連分泌現象)を起こして炎症性タンパク質を分泌します。このSASPによって臓器や組織に引き起こされた慢性炎症が、加齢性の疾患の原因となってしまうのです。
たとえば、脳の神経細胞での慢性炎症はアルツハイマー病などの認知症の原因のひとつとなります。目の組織においては緑内障や白内障などの加齢性の眼病の原因となり、あるいは血管の老化は動脈硬化のリスクを高めます。

老化細胞にはがんを防ぐ機能もある
そのほかにも、呼吸器系の臓器においては心不全や心筋梗塞の原因となったり、肺の線維化が進んで弾力性を失い機能低下につながったりします。あるいは、血中のインスリンに対する感受性が低くなることで血糖値のコントロールがうまくいかなくなり、糖尿病のリスクも高くなります。
さらには、加齢によって筋肉量が減少して筋力が低下する、いわゆるサルコペニアの症状も一部は老化細胞のSASPによって進行すると考えられます。加えて、このSASPによって分泌される炎症性タンパク質は、細胞の遺伝子自身をも傷つけてしまい、細胞組織を“がん化”させてしまうということもわかっています。つまり、正常な遺伝子を傷つけることで、異常な“がん細胞”を誘発してしまうのです。
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老化だけでなくがんリスクも高めると聞くと、心中穏やかではいられないという方も多いと思います。とはいえ、人間の体というのは非常に複雑なプログラムで成り立っており、老化細胞には完全にマイナスの面しかないかというと、そうとも言い切れないのです。
というのも、老化細胞は、異常な増殖を繰り返すがん細胞を、その周囲の細胞とともに老化させて、増殖を抑え込むという役割も果たしているからです。繰り返しになりますが、老化細胞はもう細胞分裂しません。増殖しない細胞です。がん細胞を老化させることによって、その異常増殖を防ぐ、つまりがんを防ぐことが老化細胞のプログラムのひとつであると考えられるのです。
老化細胞を適切に除去できれば、老化の進行は止められる
老化細胞ががん細胞の異常増殖を防ぐのであれば、GLS-1を阻害して老化細胞の命綱を断ち、除去してしまうことが、がんの異常増殖につながってしまうという懸念はないのか、と思われるでしょう。しかし、そんなことはありません。なぜならば、「細胞老化のプロセス」と「老化した細胞」は、切り離して考えるべきものだからです。
中西真『老化は治療できる!』(宝島社新書)
細胞を老化させるプロセス自体は阻害すべきではありません。役割を終えた細胞はどんどん老化していく。これ自体は細胞分裂に限界がある以上、必要なプロセスです。一方で、GLS-1は、細胞を老化させるプロセス自体にかかわっているわけではありません。
すでに老化し酸性化した細胞を、GLS-1がグルタミンを代謝する過程で産生するアンモニアによって中和させるというのが、GLS-1による老化細胞“延命”のプロセスです。つまり、GLS-1を阻害したからといって、細胞の“老化自体”がストップするわけではないのです。老化した細胞に、正しく退場してもらう、ということです。
細胞の遺伝子の異常が生じてがん化したとしても、細胞をも老化させることで自身の異常増殖を防ぐ。考えてみれば、よくできた人間の防御プロセスだといえるでしょう。あとは、老化細胞を適切に除去し、新しく健康な細胞が増えていけば、老化の進行は止められるというわけです。

  • 中西 真(なかにし・まこと)
  • 東京大学医科学研究所癌防御シグナル分野教授
  • 名古屋市立大学医学部医学科卒業、名古屋市立大学大学院医学研究科博士課程修了(医学博士)。自治医科大学医学部助手、米国ベイラー医科大学留学、名古屋市立大学大学院医学研究科基礎医科学講座細胞生物学分野教授を経て、2016年4月より現職。


メタボ連鎖を断つ!万病の元「食後高血糖」防ぐ食事法

2022-02-18 12:00:00 | 日記
下記の記事は日経グッディ様のホームページからお借りして紹介します。(コピー)です。記事はテキストスタイルですので画面は出ません。

年齢を重ねるとともに健診でメタボに関わる異常値を指摘されはじめた、あるいは体重が徐々に増えてきた、と気になる人も多いだろう。緩やかな糖質制限食=ロカボを提唱する北里大学北里研究所病院副院長・糖尿病センター長の山田悟さんは、「ロカボの食事で食後血糖値の上昇を抑えることによって、肥満をはじめとした生活習慣病への連鎖を上流で食い止めることができると考えています」と言う。今回は、ロカボと病気予防、気になるアンチエイジングとの関係についても聞く。


メタボの上流にあるからこそ注意したい「食後高血糖」
前回(「ロカボで肥満・血糖値対策を! 『昼間の眠気』を撃退する効果も」)は、不規則な生活や運動不足になりがちなタクシー運転手やコンビニ従業員がロカボの食事を実践した結果、肥満やメタボ数値だけでなく睡眠時無呼吸症候群にも改善が見られた、という研究について紹介した。山田さんは、「健康的な食事法は、おいしく、楽しく、続けられるものでなくてはならない」という思いのもと、「ロカボ」(*1)を提唱している。前回でも紹介したが、ロカボは「緩やかな糖質制限食」のことで、3食の食事の糖質量を20~40g程度、1日の糖質量を70~130gにする食事法のこと。これにより食後の血糖値の急上昇(食後高血糖)を抑えることができる。
2008年に「The New England Journal of Medicine」という医学雑誌に、こんな研究が掲載された。「糖質制限食」と「カロリー制限食」、「地中海食」をそれぞれ2年間続けた結果、糖質制限食が他の食事法よりも体重が減少し、中性脂肪値を下げ、善玉コレステロールが増え、糖尿病の人のHbA1c(1~2カ月間の血糖値の平均を見る指標)が改善する効果が高いと報告された(*2)。
この研究を知ったことをきっかけに、山田さんはそれまで医療現場で行ってきた「カロリー制限」の食事指導を見直し、食べることに満足しながら続けられる「ロカボ」という食べ方を研究、指導してきた。そして、「ロカボは、糖尿病だけでなく、加齢によって進行するメタボリックドミノのリスク低減につながる食事法です」と言う。
どういうことだろうか。
「メタボリックドミノ」とは、慶應義塾大学の伊藤裕教授が提唱した概念だ。生活習慣病といわれる肥満、高血圧、食後高血糖、脂質異常症などの危険因子が一人の患者に集積していくことを「メタボリックシンドローム」という。これらの危険因子が集積すると、虚血性心疾患(心臓に栄養を送る血管が細くなったり詰まったりする状態)や脳血管障害(脳に栄養を送る血管が細くなったり詰まったりする状態)を発症し、死に至ることになる。最上流には生活習慣があり、肥満が上流に存在する(下図を参照)。それぞれの危険因子が時系列とともにドミノ倒しのように連鎖していくことを「メタボリックドミノ」と呼んだ。

伊藤裕教授が提唱する「メタボリックドミノ」(日本臨床 2003;61:1837-43をもとに作成)
山田さんはこのメタボリックドミノの源流に糖質の摂取過剰、そこからくる食後高血糖がある、とする「メタボリックドミノ 山田version」を提唱している(下図)。

図の最上流にある「糖質摂取過剰」からどのようにメタボリックドミノが倒れていくのか。山田さんは以下のように説明する。
1
糖質のとりすぎによって、食後高血糖が起こる

2
食後高血糖を抑えるためにインスリンをたくさん出さなければならず、大量に出たインスリンによって血糖値が急降下して急激な「飢餓感」が起こる。なお、食後高血糖が長年続くと空腹時血糖値も上昇、糖尿病の発症につながる
3
飢餓感によって空腹感が増し、食べ過ぎる、という食習慣が定着する

4
肥満、脂質異常症、高血圧などのメタボリックシンドロームが悪化していく
これまでは、食べ過ぎ(=カロリーのとり過ぎ)がエネルギーの余剰を招き、脂肪の蓄積や内臓肥満を引き起こし、内臓脂肪からインスリンの働きを邪魔する物質が分泌されて高インスリン血症、さらには食後高血糖を引き起こす、という考えが主流だったという。このため、医療現場でも長きにわたって「カロリー制限」が指導されてきた。
一方で、最近になって上記のメカニズムとは異なる、興味深い肥満のメカニズムが提唱されたと山田さんは話す。「2018年に栄養疫学研究者であるハーバード大学のデビッド・ルードヴィヒ教授が肥満のメカニズムについて新たな考察を提示しました(*3)。彼の考察でも、『糖質のとりすぎが出発点となり、空腹感が増して食べ過ぎて肥満となる』と示されています。この考え方によって、ロカボの食事がなぜ肥満を改善し、おなかいっぱいまで食べても減量が可能になるかを説明できるのです」(山田さん)。

(JAMA Intern Med. 2018;178:1098-1103.より改変)
私たちは忙しいときなどに、コンビニのおにぎりだけを2、3個食べるような食事をしてしまいがちだが、糖質を過剰にとるそんな生活習慣を変えないと、さまざまな疾病を招くことになるのだ。
食後高血糖は30~40代に進行し、50代以降に糖尿病へ
メタボリックドミノが食後高血糖を起点として進行し、ドミノ倒しの下流に行くに従って、命に関わる病気へと発展していく。健康寿命を延ばしたいなら、「食後高血糖」のうちに改善することが重要ということが分かる。
では、どのぐらいの年代から食後高血糖に注意すればよいのだろう。山田さんは以下のように説明する。
20代
社会人になるとともに生活習慣が乱れ始め、食生活が変わる
30代
運動量が減り、体重が明らかに増え始める。食後高血糖が起こり始める
40代
高血圧、空腹時高血糖、脂質異常などメタボに関する数値の異常が表れ始める。
糖尿病を発症する人も
50代以降
糖尿病を発症するなど症状が悪化していく。
動脈硬化や生活習慣病が進行
「20代のうちは多少糖質をとり過ぎていても、体の恒常性を保つ機能が正常に発揮され、上昇した血糖値はインスリンの働きによってすみやかに下がります。しかし、乱れた食生活により糖質摂取過剰が続き、運動量も減ると、30代ぐらいから食後高血糖が起こり始めます。元からあるインスリン分泌の働きも年齢とともに低下するため、40代からメタボに、50代以降は病気の悪化が深刻化していきます。このため、30代のうちに一度、食後高血糖が起こっていないかチェックすることをお勧めします。また、妊娠を考えている人も、妊娠中はインスリン抵抗性が生じて血糖値が上昇しやすく母子ともにトラブルが起こりやすくなるので要注意です」(山田さん)。
問題は、通常の健診で測定する「空腹時血糖値」では、食後高血糖は分からないこと。「文字通り、おなかがからっぽの時に測定した血糖値であって、食後高血糖を検出する検査ではありません。空腹時血糖値に問題が表れるのは、限りなく糖尿病に近い病態になったときなのです」(山田さん)。
しかし、現在は食後血糖値への認識が広まり、薬局やドラッグストアの「検体測定室」で食後血糖値を測ることができる。1検査につき500円ほど、所要時間15分程度で計測が可能だ(*4)。
山田さんは、「おにぎり2個と野菜ジュース1パックで、合計糖質量が100gほどになります。このセットを食べた1~2時間後に血糖値測定をすること」を勧める。このとき、血糖値が140mg/dL以上になると「食後高血糖」と想定される。
住んでいる地域や勤務先近くのドラッグストアに「検体測定室」がないかチェックしてみよう。どの年代の人も、ぜひ一度、自分自身の食後血糖値を確かめてみたい。
*4 人間ドックなどで「経口ブドウ糖負荷試験」を受けても、食後の血糖値を把握することは可能。
ロカボの食事は、骨や筋肉を量・質ともに保護する
ロカボの食習慣は、食後高血糖を防ぐのはもちろん、糖質を控える代わりにおかずをしっかりとる食事となる。筋肉や骨の維持に重要なたんぱく質もしっかりとることができるため、アンチエイジングの面でもいい影響が期待できそうだ。
近年、アンチエイジングにおいて「筋肉」の重要性が指摘されていることは多くの方がご存じだろう。高齢になってたんぱく質の摂取量が減ると、筋肉が衰え、転倒・骨折などのリスクが高まり、最終的に寝たきりなどの要介護状態になる危険性がある。こうした背景もあり、昨年改定された厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」の2020年版では、50歳以上のたんぱく質の目標摂取量の下限が引き上げられている。
つまり、高齢になってもたんぱく質をしっかり摂取したほうがいいわけだが、おかずをがっつり食べてOKのロカボなら、たんぱく質は不足しにくく、筋肉を維持しやすくなるというわけだ。「ロカボの食事は、骨や筋肉を、質・量ともに保護していきます」(山田さん)。
また、糖質の摂取量を抑え、血糖値が高い状態を防ぐことは、最近、老化の要因の1つとしてクローズアップされている「糖化」を抑えることにつながるのもポイントだ。
糖質の摂取量が多く、血糖値が高い状態になると、余った糖は体内のたんぱく質にくっつき、たんぱく質が劣化してAGEs(advanced glycation end products=糖化最終生成物)という老化物質が生成される。「AGEsが体内に蓄積すると、体内の組織のたんぱく質が変性し、機能低下が起こったり、炎症が引き起こされる、ということが明らかになってきました」(山田さん)。
私たちの体の多くはたんぱく質で構成されている。例えば、肌や髪、骨などに含まれるコラーゲン(たんぱく質の一種)に糖化が起こるとコラーゲンは硬くなり弾力を失うという。実際、糖尿病の患者は、高血糖状態が続いているために、体内でもAGEsがたくさん蓄積され、肌の張りが低下し、黄色くくすんだり、シワが定着しやすくなるという。
「髪の毛のこしも失われ、骨ももろくなります。さらに、糖尿病網膜症、腎症、神経障害といった糖尿病の合併症ともAGEsは関連します」(山田さん)
糖化を進める最大の要因は、体内にある過剰な糖質なので、その対策の柱は糖質の摂取を抑えることだ。「ロカボを実践すると、血糖値が上昇しにくくなりますので、効率よくAGEsの産生を防ぐことができます」と山田さんは話す。
◇ ◇ ◇
山田悟(やまだ さとる)さん
北里大学北里研究所病院副院長・糖尿病センター長、食・楽・健康協会代表理事

悠仁さまが筑附高合格 受験生の保護者は「窮屈になるのかな」と不安も

2022-02-18 11:00:00 | 日記
下記の記事はNEWSポストセブン様のホームページからお借りして紹介します。(コピー)です。

秋篠宮家の長男・悠仁さまが4月から国立の筑波大学附属高校(筑附高)に進学されると、2月16日に宮内庁が発表した。宮内庁によると、悠仁さまは現在通われているお水女子大学附属中学校と筑附高との間の提携校進学制度に出願し、2月13日に同校で行われた学力検査を受けた結果、合格したという。
2月13日、午前8時過ぎ。筑附高へと向かう道には、試験を受けにきた受験生と、付き添いの保護者が一様に緊張の面持ちで続いていた。その列の中に、悠仁さまの姿があった。
東京23区のほぼ中心に位置する文京区は、都心にあって緑豊かな自然が整備されており、教育水準が高い「文教地区」として知られている。特に区立「教育の森公園」の周辺は公立、私立問わず、小学校から大学まで多数の教育機関が集中する。その一角に、筑附高は歴史ある校舎を構えている。
ほかの受験生への心理的な影響を避けるためか、側衛官はその姿を隠し、物々しさは感じられない。マスクを着用されていることもあり、周囲は、すぐ目の前を“将来の天皇”がひとり歩かれていることに気づく様子はない。
冷え込みの厳しいその朝の気温は約3℃。悠仁さまは、詰め襟の制服にダッフルコートという出で立ちだ。黒いリュックは、ぱんぱんに膨らんでいる。悠仁さまは正門をくぐると、屋外にある受付テントの列に並ばれた。手には受験票が握りしめられていた。
この日の試験は、男女別にフロアが分けられていた。合わせて受験生約500人。悠仁さまはほかの男子生徒と同じように、所定の教室へと入られた。午前9時、試験が始まった。試験科目は、国語、数学、英語、理科、社会の5科目で、各60点満点だ。
各科目の間には休憩時間がある。スマホの電源を入れ、ニュースを読んだ何人かの受験生が気づいたようだ。この会場に、悠仁さまがいる──なかには、昼食休憩の時間に隣の教室からわざわざ悠仁さまのお姿を見に来る生徒もいた。それでも悠仁さまは、静かに机に向かわれ、集中されていたという。
午後3時15分に試験が終了。冷たい雨が降り始めていた。試験を終えた生徒たちが校舎から一斉に流れ出てくる。正門前は、保護者や進学塾の関係者でごった返している。再び、悠仁さまが姿を見せられた。白い縁取りがされた黒の折りたたみ傘をさされ、ほかの受験生に溶け込み進む。ところが、ふいに列から外れると、脇道へと入られた。住宅街を抜けた先には、ひっそりと迎えの車が待っていた。同日、試験を受けた男子生徒の保護者が話す。
「皇族ですから特別な存在ですし、“行きたい”とおっしゃれば、どこでも入れるわけですよね。わざわざこの学校を受けなくても、とは思いました。もしも“一般”で受験されたのだとしたら、合格枠が1つ減ってしまうわけですし……」
また別の保護者はこう語る。
「自由な校風に憧れて、第一志望にしました。でも、もし悠仁さまが同級生となったら、警備の都合などで窮屈になるのかな……。そうだとしたら、残念で仕方ありません」
眞子さまが皇籍を脱されて初の新年となった秋篠宮さま、佳子さまと、悠仁さま(写真は昨年末。宮内庁提供)
写真23枚
漂い始めた「筑波忌避」の空気
悠仁さまを迎え入れる準備だろうか、昨年9月以降、筑附高では工事が急ピッチで進められている。
「校舎はところどころ雨漏りがあるため防水工事が行われています。屋外のテニスコートやバスケットコートのグラウンドが新しく張り替わりました。ロッカーやトイレなどの設備も順次新調されています」(筑附高関係者)
自分たちの通う学校が、きれいで使いやすくなるならば、在校生としては歓迎すべきことだろう。だが不安の声もある。
「悠仁さまの入学によって学校の雰囲気が一変してしまうことを恐れる人も多いのです」(前出・筑附高関係者)
当然ながら、悠仁さまには護衛がつく。不特定多数の人が出入りする学校行事には制限がかかる可能性もある。過去にも、お茶の水小では、悠仁さまが入学された年の運動会から、それまでは児童1人につき保護者は4人までとされていたのが、2人までに制限され、写真撮影についても「自分の子供のみ」という制約ができた。また、翌年以降の運動会はメディアに公開され、校内には代表の報道陣の姿があった。
「報道陣がいることに、違和感を覚えた児童や保護者も多かったようです。3年生のときには、報道陣のカメラによく写るようにと、綱引きの際の悠仁さまの立ち位置が急きょ先頭に変更されたこともある」(前出・皇室記者)
特別対応は、お茶の水小の空気を大きく変えていった。悠仁さまの筑附高進学が現実味を帯びるなか、すでに「筑波忌避」の空気も漂い始めているという。中学受験を終えた息子を持つ保護者の話。
「筑附中と、別の私立中に合格しましたが、私立中への進学に決めました。筑波には魅力を感じていましたが、同じ敷地内にある高校に悠仁さまがいらっしゃるとなると、将来中学校の行事にも影響が出る気がしたんです。子供が成長する姿は、いまを逃したらもう見ることはできません。貴重な機会を、余計な制約のせいでみすみす見逃したくなかったんです」
悠仁さまの選択の波紋は、すでに大きく広がっている。
※女性セブン2022年3月3日号

「幸福感が高い人」がやっている15の簡単な習慣

2022-02-18 08:30:00 | 日記
下記の記事は東洋経済様のホームページからお借りして紹介します。(コピー)です。

「自己肯定感を高め、幸福感を得るためには、悪い習慣を捨て、いい習慣を身につけることが大切」と語るのは、自己肯定感の第一人者であり、心理カウンセラーの中島輝氏。著書『うまくいっている人がしている 自己肯定感を味方にするレッスン』の内容から、思考の「悪習慣」を断ち切り、いい習慣を身に着けるためのルールについて解説してもらいます。
悪い習慣は「人生の約半分」を無駄にする
「人間の行動の45%は習慣でできている」といわれています。つまり、漫然と悪い習慣を続ければ、人生の半分近くを無駄にすることになってしまうのです。良い習慣を身に付け、自己肯定感を高めるためには何から始めるべきか。うまくいっている人の「15のルール」を紹介します。
<ポジティブな自分を手に入れる習慣>
1.「いいこと」を遠慮なく受け取る
自己肯定感の高い人は、「いいこと」を遠慮なく受け取ることができます。さらに、それを与えてくれた相手に対し、「うれしい」「ありがとう」と素直に感謝することができます。「自分にはこれを受け取る価値がある」という自尊感情を持っているからです。疑ったり、卑下したりせず、素直に感謝する態度は、次の「いいこと」を引き寄せ、自己肯定感の好循環が生まれます。
2. 損得の人づきあいは逆効果
どんなに人間関係に気を配っても、自分に攻撃的な態度を取ってくる人はゼロにはなりません。それは、人間関係が「262の法則」でできているからです。
これは、人生で出会う人の2割は「自分の味方」で、6割は「どうでもいい人」、残る2割は「批判的な態度の人」で構成されているという法則。人生には、好ましくない出会いもあって当然なのです。この人はいい人か?悪い人か?などと考えるのはやめて、恐れることなく新しい出会いに飛び込み、その中に必ずある素晴らしい出会いに期待しましょう。
3. ワクワク、ドキドキの気持ちを大事に
ワクワク、ドキドキは自分の可能性を広げる土台となる大事な感覚です。その感覚を忘れないよう、毎日5分でも10分でもいいので、本当に好きなことをする時間を用意してください。心が満たされ、エネルギーがわいてくるはずです。ポイントは、悩まずにすぐやること。すぐに行動することで悩む時間が減ります。
<一喜一憂しない、しなやかな自分を作る習慣>
4. 素の自分に戻れる「ホーム」をつくる    イライラ、むしゃくしゃすることは誰にでもあります。そんなときに必要なのが、自分自身を取り戻せる「ホーム」です。「ホーム」は、不安を忘れてリラックスでき、幸せを感じられる場所。私にとっては、愛犬と一緒に遊ぶ時間が「ホーム」です。運動でも、趣味でも、家族でもいい。「ホーム」がある安心感が自己肯定感を高めてくれます。
5.「みんな」と「ひとり」の時間をバランスよく持つ    仕事など「みんな」からの刺激を受ける「動」の時間も大切ですが、「ひとり」で自分自身と向き合う「静」の時間も重要です。動と静のバランスがとれていると、どんなときにも自分らしくいられるようになり、自己肯定感が高まります。
誰かと一緒にいなくても、ネットでつながっていることが当たり前となっている現代。パソコンや携帯から離れて、意識的にひとりの時間を作ることが大切です。
しんどいと感じたらやめてみる
6. 1つの意見に捉われすぎない    「このプロジェクトはA案で進めたい」と思っていても、周囲と議論するにつれて、B案の良さが勝ってきたら「やっぱりB案を採用しよう」としなやかに意見を変える。これが自己肯定感の高い人です。そんなときは、「最適な答えを選べた柔軟性のある私」を、自分自身で褒めたたえてあげてください。自己肯定感がますますアップし、人間としての器も大きくなっていきます。
<毎日を心地よく暮らす習慣>
7.「好きでもないのにやっていること」を捨てる    自己肯定感が高い人は、「快」のエネルギーに包まれています。心を「快」で満たすには、「好きでもないのにやっていること」をやめるのが一番です。
例えば、あなたが「必ず朝ご飯を食べて出社する」と決めていたとします。それは、どんなに睡眠不足でも、前日飲み過ぎていても、やりとげなければならない習慣でしょうか。しんどいときには朝ご飯を抜いてもいいはずです。
今やっている習慣を、本当に好きでやっているのか考えてみてください。「やらなくてもいいこと」は切り捨て、その時間を楽しいことに当てていくだけで日々の幸福度が高まります。
8. 自分と周りもご機嫌になることをする    自分の幸せと同時に、人の幸せを願って行動できる人は、自己肯定感が高く、自立した人です。まずは、自分自身をご機嫌にすることから始めてみてください。例えば、鮮やかな色の服を着てみるだけでもOK。気分が上がれば、前向きな行動ができるようになります。そのポジティブなエネルギーを周囲にもお裾分けしましょう。
9. 心地よく過ごせる1日のルーティン持つ    「朝食に何を食べようか」「明日何を着ようか」といった小さな迷い。しかし、それが積み重なるとエネルギーを消耗し、自己肯定感を低下させていきます。
好きなことを悩むのは楽しみですが、どうでもいいことに悩むのは時間の浪費です。例えば、「朝食はパンとヨーグルト」「出勤日は白いシャツ」など、ルーティンを作ってしまえば迷う時間が減り、毎日を機嫌よく過ごすことができます。
迷わずに、直感に従うことの大切さ
<信念を持って行動する習慣>
10. 自分らしくよりも、人間らしく    疲れてヘトヘトになったときは、自分を優先して休息を取るべきです。その方が成果を上げやすく、結果として自己肯定感を保つことにつながります。みんなが残業中で自分だけ早く帰ってしまうと、周囲にはわがままな人に映ってしまうかもしれません。しかし、時と場合によっては、わがままを通すことも必要。
「自分らしく」自己肯定感を高めていく前に、まずは「人間らしく」あることが大前提。その選択は自分勝手とは違います。
11. 夢中になって取り組む    自分にとって何が大切か分かっている、自己肯定感の高い人は、「今は夢中になるときだ!」と見定めると、驚くほどのパワーを発揮します。
もちろん、夢中になって取り組んでも失敗することはあります。しかし、「自分で決めて自分で行動できた」という自信は、必ず次のステップにつながります。失敗のない成功はありません。チャレンジすることで自己肯定感は上がっていきます。
12. やりたいと思ったら、1秒でやる    行動を起こすとき、私のモットーは「今やる、すぐやる、とっととやる」。私は「1秒」で選んでしまうことにしています。
毎日は迷いと決断の連続です。電車でどの席に座るか、自販機でどの飲み物を買う…。でも、たいていの選択は、どれを選んでも大差のないことです。だから迷わず、直観で選んでいいのです。普段から1秒で決断していると、重要な選択に直面したときにも、フットワーク軽く挑戦できるようになります。
<疲労を回復し、モチベーションを保つ習慣>
13. 待つことは、自己肯定感を育てる時間    人は「内発的動機付け」、つまり「やりたい」という欲求がないとうまく行動に移せません。「やれ」という他者からの強制や報酬、賞罰などの「外発的動機付け」では行動の意欲が生まれないのです。
やる気がわかないときには、一旦休んでみる。好きなことをして、ぐっすり眠り、「やりたい」エネルギーがたまるのを待ちましょう。「待つ」時間も自己肯定感を育みます。
「何も考えない時間」はものすごく重要
14. 疲れたときは無理せず、すぐに休む    真面目な人であればあるほど、休むことに抵抗を持つ人は多いと思います。しかし、休むことは、停滞ではなく、さらに前に進むために自分を切り替える時間です。休息することによって、消耗した「自己肯定感」を充電することができます。
休むときには休む、働くときには働く、遊ぶときには遊ぶ。素早く気持ちを切り替え、自由に人生を謳歌できる人が「自己肯定感」の高い人なのです。
15. 何も考えない時間こそ、自己肯定感を高める    人間の心はまるで、スノードームのようなものです。

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舞い落ちる雪は、心の中の感情や思考のかけら。雪が舞っている間は、向こう側が見えずに不安になりますが、落ち切ると透明で見通しがよくなります。
自己肯定感を育むために必要不可欠なのが、心を透明にするための「何も考えない時間」です。心がまっさらな状態になれば、「やるぞ」という意欲が自然にわいてきます。
以上、いい習慣を作るために必要な「15のルール」を紹介しました。どれか1つだけでもいいので、ぜひ今日から取り入れてみてください。1つ1つは些細なことですが、その積み重ねが必ずあなたの自己肯定感を高めてくれます。
中島 輝 : メンタルコーチ