りとるぱいんわーるど

ミュージカル人形劇団“リトルパイン”の脚本の数々です。

“アレックス” ―全15場― 4

2013年01月21日 20時59分17秒 | 未発表脚本



  キャシー「(嬉しそうに微笑む。思い出したように。)・・・そうだわ
        、カール・・・お母さんが迎えに来られているの・・・。」
  カール「はい、先生・・・。俺・・・また転校するけど・・・おまえ達の
       ことは忘れないよ・・・」
  ロット「え・・・?また転校するって・・・」
  キャシー「これから、バージニア州のお婆さんのところで暮らす
        のよね・・・。」
  カール「今まで迷惑ばかりかけて・・・すみませんでした・・・。俺
       ・・・キャシー先生に憧れてたから・・・つい我が儘言って
       気を引きたかったんだ・・・。でも・・・先生も結婚するん
       じゃ・・・俺の片思いも終わりかな・・・(笑う。)」
  キャシー「カール・・・」
  ロット「何だよ・・・畜生・・・折角・・・友達になれたのに・・・どうし
      てなんだよ!!」
  カール「ありがとう・・・ロット!ジュディと仲良くしろよ!」
  ロット「(カールに抱き寄る。)馬鹿野郎!!手紙書けよ!!」
  カール「ああ!じゃあ先生!みんな!!(手を上げて走り出て
       行く。)」
  ロット「元気でな!!(叫ぶ。)」

         キャシー、そっとロットの肩に手を置く。
         カーテン閉まる。

    ――――― 第 12 場 ―――――

         カーテン前。
         正装のアレックス登場。歌う。

         “君が指から摺り抜けた今・・・
         いくら自分を悔やんでみても
         君は元へ帰りはしない・・・”

         アレックス、ポケットに両手を突っ込んで、
         ゆっくり歩く。
         そこへマリア、ジョー出る。

  マリア「(アレックスに駆け寄って。)アレックス!!こんなところ
      にいたの!?」
  アレックス「よぉ・・・何か用か・・・?」
  マリア「随分、捜したのよ!!」
  アレックス「・・・今日は楽しいクリスマスだぜ・・・。ボーイフレンド
         と出かけないのか・・・?」
  マリア「そんなことよりキャシーが大変よ!!」
  アレックス「(驚いて。)・・・何だって!?大変って一体・・・!?」
  マリア「パーティが終わって、キャシーはピーターと行ったカフェ
      バーで、変な酔っ払いに絡まれるのよ!!そこでキャシ
      ーは大怪我をするわ!!早く行って、助けてあげて!!」
  アレックス「キャシーが・・・!?分かった!!どこのカフェバーだ
     !?」
  マリア「ええっと・・・学校の側の・・・先生達の行きつけだって言
      ってた・・・」
  アレックス「ボンか!?」
  マリア「そう!!その、ボン!!ボン!!ボン!!」
  アレックス「分かった!!ありがとう!!」

         アレックス、慌てて駆け出て行く。

  マリア「(手を大きく振る。)頑張って!!」

         暗転。 

    ――――― 第 13 場 ―――――

         カーテン開く。と、カフェバー“ボン”。
         ピーター、キャシーをエスコートして出る。
         (歌手、歌っている。)
         ピーター、キャシー、店の中へ入り、
         空いているテーブルの側へ。
         ピーター、キャシーに椅子を勧め、自分も
         座る。
         ピーター、手を上げてボーイを呼び、
         何か注文しているように。
         歌手の歌終わり、静かな音楽流れる。 

  ピーター「素敵な夜だね。それに、今日の君は一段と美しい。」
  キャシー「(淋しそうに微笑む。)」
  ピーター「どうしたの?楽しくないかい?」
  キャシー「いいえ・・・少し踊り疲れただけ・・・。楽しいわ。」
  ピーター「本当に?」
  キャシー「ええ・・・」

         ボーイ、飲み物を2つ、トレーに乗せて
         運んで来る。ピーター、キャシーの前に
         其々置く。
         ピーター、グラスを持って。

  ピーター「じゃあ、素敵な夜に・・・乾杯!(飲む。)」
  キャシー「(グラスを上げて、口を付ける。)」
  ピーター「そころで、僕たちの結婚式のことだけど・・・君は反対
        したけれど、矢張りアレックスにも来てもらうことにしな
        いかい?」
  キャシー「・・・でも・・・」
  ピーター「(微笑んで。)僕は全然、構わないんだよ。彼が君の
        昔の恋人でも。他の先生には声を掛けて、彼だけ除け
        者って言うのもどうかな?」
  キャシー「・・・でも・・・声を掛けても彼は来やしないわ・・・」
  ピーター「それならそれで仕方のないことだよ。来たくないと言
        うのなら、それは彼の勝手だ。そりゃ、彼が僕と結婚
        する君のウェディングドレス姿を見るに耐えない気持
        ちも、分からなくはないがね。」




















































 
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    (どら余談^^;)

    本日も遅くなってすみませんでしたm(_ _)m
    夕方から爆睡し、ただいま復活致しました(^^;

    全身筋肉痛で動きが多少不自由ですが、
    今回もとても楽しい公演日でありました♥




       
    

      ↑ 1枚だけおまけフォトです(^O^)
      昨日の舞台設置は、団員が来るまで1人で
      組み立てていたのですが、一番下の土台
      部分まで1人で組み立てできたので、
      「一人でここまで出来たよ!」
      の、証拠写真でした~(^_^;)

      この本舞台・・・1人では支えてもらう人が
      いない為、組み立てるのがと~っても
      大変なのです・・・(>_<)








 
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