— 第 3 場 — B
下手スポットに息を切らせたピット、浮かび上がる。
ピット「(息を切らせて。)はぁ・・・もう、一体どこまで
上ればいいのよ。みんな、天界の使者は瞬間移動で
も出来る、未来から来た宇宙人だとでも思っている
のかしら、ホントに・・・。私だって、私用で目的
地に行くには、人間同様、自分自身の足でちゃんと
その距離を歩いて、その場所まで辿り着かなくては
いけないってのに・・・全く、嫌になっちゃう・・
・。それにジェシーが言ってた日当たりのいい東館
の1階にフレディの部屋はなかったし・・・。シス
ター達の立ち話を盗み聞き・・・嫌ね、盗み聞きだ
なんて人が悪い!ちょっと小耳に挟んで、やっと
フレディがこの塔の上にいるって分かったからいい
ようなものの・・・あ・・・ここだわ・・・」
舞台明るくなる。
上手ベッドの上でフレディ、泣いている様子。
ピット、そっと部屋の中へ。
音楽流れる。
フレディ「(泣きながら。)お兄さん・・・お兄さん・・・
どうして僕を置いて死んじゃったんだよ・・・
ヒック・・・お兄さん・・・うっ・・・うっ・・
・」
ピット、歌う。
※
゛あなたがフレディ?
なぜこんな場所に
一人ぼっちでいるなんて
驚いたわ”
フレディ、歌う。
゛そこに誰かいる?
あなたは誰なの
僕のところへ来るなんて
もういないよ”
ピット、歌う。
゛お兄さんからの
ことづてを持って
あなたのところへ来たのよ
だからもう泣かないでね”
フレディ「お兄さんからのことづて・・・?」
ピット「ええ。」
フレディ「あなたは誰?新しい先生?お兄さんはどうして
僕一人を残して死んじゃったの?」
ピット「私はピット、先生ではないわ。」
フレディ「ピット・・・」
ピット「お兄さんは死んでからも、とてもあなたのことを
気に掛けているのよ。」
フレディ「だったらどうして・・・」
ピット「どうして・・・?どうしてと聞かれると私も困っ
てしまうのだけれど・・・兎に角、人間には寿命と
言うものがあって、誰だっていつかはその日がやっ
てくるので・・・ただそれが早いか遅いか・・・」
フレディ「・・・分からない・・・」
ピット「あ・・・ごめんなさい。兎に角、私はあなたのお
兄さんからこれをあなたに渡すようにことづかった
の。(通帳をフレディの手の中に持たせる。)」
フレディ「・・・これは・・・何?」
ピット「お金を預けている銀行の通帳よ。その中に、あな
たがこれから一人で生きて行くのに十分足りるだ
けのお金が入っているわ。あなたのお兄さんが、
あなたの目を治そうと、今まで必死に働いて貯め
てくれたお金よ。」
フレディ「僕・・・お金なんかより・・・お兄さんに側に
いて欲しい・・・」
音楽流れる。
ピット「分かってる・・・。けど、あなたがずっとそんな
顔してると・・・お兄さん、悲しむと思うな・・
・」
フレディ「え・・・?」
ピット「たとえ会えなくても・・・お兄さんはいつもあな
たの側にいる・・・」
フレディ「側に・・・?」
ピット「ええ、私には分かるの。」
フレディ、歌う。
゛本当? 僕の? 側にいる?
いつも 今も 横に いる?”
ピット、歌う。
゛勿論 いつも あなたの 側 いるわ”
フレディ、歌う。
゛僕が 不安 そうに して
いたら きっと 駄目だ よね”
ピット、歌う。
゛あなたの笑顔 お兄さんが 願う
一つのことよ”
フレディ、歌う。
゛僕の 笑顔”
フレディ「分かったよ・・・!」
その時、下手よりシスター・アマン登場。
(ピット消える。)
シスター・アマン「誰かいるの!?」
フレディ「アマン先生・・・」
シスター・アマン「フレディ・・・あなた・・・一人・・
・?」
フレディ「ううん、違うよ!僕、今ピットと一緒に・・・」
シスター・アマン「ピット・・・?(怪訝そうに部屋の中
を捜すように。)・・・どこにいるの
・・・?そのピットやらは!!」
フレディ「え・・・?今ここに・・・ピット?ピット?」
シスター・アマン「何、可笑しなことを言っているのかし
ら全く・・・この部屋にはあなた一人
しかいません!!何かしらあなたが話
す声が聞こえると思って、見に来たの
だけれど・・・(ブツブツと。)もう
本当に気持ちの悪い子どもだこと・・
・」
※ ピットちゃんの腕がやけに太い・・・と思ったら、
ピットちゃん、ジェシーから預かった通帳を持っていた
のでした・・・^^;
— ♪ — ♪ — ♪ — ♪ — ♪ — ♪ — ♪ — ♪ —
(どら余談^^;)
7月23日(日)
昨日はボランティア公演でした。
とっても暑い一日で、公演中も汗だく・・・
頭巾が顔に汗でペタッと貼りつき、危うく息ができなく
なりそうになりながら、人形操作、頑張ってきました^^;
この作品は、去年同じ団体様から依頼されて書いた、
゛認知症”を題材にしたお話しで、お人形は第9回公演
の時のララちゃん作品のものを使いました。
(本公演の時は右端のツッツ君は洋服だったのですが、
ララちゃんに合わせ、急遽浴衣を作って着せてみました
(^^)v)
今回、去年の公演で上演した、この作品が良かったと言う
ことで、再び同じ場所で同じ作品での公演となりました。
(本来は同じ場所で呼ばれた場合、同じ作品を持って行く
ことはないのですが・・・^^;)
当日は色々と準備、お世話して下さった公演先の皆様、
ありがとうございました
8月9日(水)
今日は、毎年呼んで頂いている小学校でのボランティア
公演でした♪
もう、何度か行かせて頂いている小学校なので、私達も
気持ち的に余裕を持って準備から公演まで、滞りなく
進めることが出来ました(^^)v
準備の段階から終了まで、色々とお手伝い頂いた皆様、
本当にありがとうございました
このお話しは、今年の1月の小学校公演用に、急遽
書き上げた少人数で公演出来る作品なのです^^;
当日は参加出来ない団員が多く、どうしたものか・・・
と思案し、今あるお人形で出来るお話しを・・・と
書いたので、よーく見て頂くとお分かりになると
思いますが、皆、どこぞの作品に登場する、ちょっと
癖のあるお人形たちなのでした(^^;)
このお話しの台本は、またそのうちにご紹介したいと
思います♪
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