りとるぱいんわーるど

ミュージカル人形劇団“リトルパイン”の脚本の数々です。

10周年記念公演 “あの空の向こう”―2幕― 3

2017年07月23日 19時07分10秒 | 新作(人形劇用)

                                                                  

 

     

 
    音楽流れ、シスター・アマン歌う。

 シスター・アマン「全く・・・毎日毎日、同じことの繰り返
         しでいい加減飽き飽きするわ。一体何が楽
         しくてこんな慈善事業・・・はぁ・・・」

    〝毎日馬鹿馬鹿しい やってられないホントにもう
     やれやれ溜息しか でてこないわ疲れてきた
     これまで何の為に いやになるわいい加減に
     こんなに我慢してる 同じことの繰り返しよ”

 シスター・アマン「こんな面白くもない衣装に身を包んで、
         一生過ごすなんてごめんだわ!フン!」

    〝だけども楽しいこと 考えてるこんな中で 
     私の生きる道が 潤う為なんでもする
     どんなに悪いことに 手を染めても構わないわ
     幸せになる為に 誰かのことおとしめても”

   コーラス〝有り触れた日々 退屈な日々
        なぜこんな日々 面白くない 
        いつまで続く 無意味に続く
        ただ漠然と繰り返される”

    〝明日はどんな理由つけてたかろうチョロイもんね 
     これから安泰だわ 私の人生なんて素敵
     あの子は金のなる木 手放さない絶対にね
     お金が手に入るの 黙っててもがっぽりとね”

   コーラス〝有り触れた日々 退屈な日々
        なぜこんな日々 面白くない
        いつまで続く 無意味に続く
        ただ漠然と 繰り返される”

    〝金だけ 金さえ お金は裏切らない”

    シスター・アマン、札束を手にしながら大笑いする。
    そこへ壁をつたいながら一人の目が見えない少年
    (フレディ)、上手より楽しそうに登場。
    (シスター・アマン、慌てて札束を仕舞う。)

 シスター・ローラの声「フレディ!フレディ、待って頂戴、
           フレディ!」

 フレディ「先生!こっちだよ!(笑う。)」

    フレディを追いかけるように、一人の見習い
    シスター(ローラ)登場。


  

 
 シスター・ローラ「フレディ!危ないわ!」
 フレディ「大丈夫だよ、先生!」
 シスター・アマン「まあまあ、何事です?」
 シスター・ローラ「あ、シスター・アマン!すみません
         ・・・」 
 シスター・アマン「フレディ、あなたは目が見えないので
         すからね。そんな風に暴れられて怪我で
         もされては堪ったものではありません。
         (ブツブツと)金ズルに何かあったらど
         うするのよ・・・」

 シスター・ローラ「シスター・アマン?」
 シスター・アマン「あ・・・え?ああ、何でもありません。
         (誤魔化すように咳払いする。)」
 フレディ「ごめんなさい、アマン先生。ねぇ、アマン先生!
     今度お兄さんはいつ、僕に会いに来てくれるかな?」
 シスター・アマン「さぁ・・・電話では、お仕事が忙しい
         ようでしたわ。もうしばらくは来れないの
         ではないかしら。」
 フレディ「・・・そうなんだ・・・」
 シスター・アマン「さぁさぁ、忙しいのですから、ローラ
         先生の手を煩わせないで頂戴。シスター・
         ローラ、あなたも一人の子どもにばかり
         気を取られていないで、もっと他にも仕事
         があるのですからね。」
 シスター・ローラ「はい、シスター・アマン・・・」
 シスター・アマン「本当に面倒ばかり掛ける子と役に立たな
         い先生だこと・・・(ブツブツと)フン!」


    シスター・アマン、上手へ去る。

 フレディ「ローラ先生、ごめんなさい。僕のせいで・・・」
 シスター・ローラ「いいのよ、あなたは何も気にしなくて。
         それより私、向こうを手伝わなければいけ
         ないのよ。フレディ、一人で大丈夫?」
 フレディ「うん!僕、平気だよ、一人でも!早くローラ先生
     は向こうの手伝いに行って!」
 シスター・ローラ「ええ。じゃあ、ごめんなさいね。何か
         あったら直ぐに声を掛けて頂戴!」
 フレディ「はい!」


    シスター・ローラ、フレディを気に掛けながら、
    上手へ去る。(紗幕閉まる。)

    — 第 2 場 — B

    音楽流れ、中央スポットにフレディ浮かび上がり、
    歌う。

 
  


    ゛いつ会えるの 本当は寂しい
     いつも独りぼっち 側にいて欲しい
     暗闇の中         コーラス゛寂しいと”
     誰も頼る人がいない
     僕は孤独だ
     早く会いに来てお兄さん 待つよ”

    ジェシー、下手後方スポットに浮かび上がり
    歌う。(フレディを見つめる。)


  

    ゛会いに行くと 約束したのに  コーラス゛守れ
                      そうにない” 

     また一人にしてしまうのか
     ごめんよ”

    ジェシー、フェード・アウト。
    フレディ、歌う。  

    ゛僕は一人 いつも一人
     寂しいんだ”

    フレディ、フェード・アウト。

    — 第 3 場 — A 


  


    上手スポット、机に置いてある黒電話の呼びベル
    が鳴り響く。
    上手よりシスター・アマン、ブツブツ言いながら
    登場。

 シスター・アマン「もう、この忙しい時に一体誰よ、ホント
          に・・・(電話に出る。)はい、はい
          そうですが。はい・・・え・・・えーっ
          !?(音楽流れる。)ジェシー・ブラウ
          ンが死んだですってー!?(受話器を
          置く。)何てことなの!?私の金のなる
          木が・・・!!」

    シスター・アマン、歌う。

    ゛なんの為に 今まで
    あんな子ども 世話してきたと
    思っているの”

 シスター・アマン「全てはお金の為・・・私の為・・・!!」

    シスター・アマン、歌う。

    ゛これからは役に もう 立たないじゃないの”
   
 シスター・アマン「ただの厄介者だわ!!」

    シスター・アマン、歌う。

    ゛これから先 いい部屋に住まわす必要もない
    身分に合う”

 シスター・アマン「そう!!」

    シスター・アマン、歌う。

    ゛暮らし”

 シスター・アマン「フレディ・ブラウンの部屋を北の塔の
          天辺へおやり!!」

    シスター・アマン、歌う。

    ゛また新しい”

 シスター・アマン「次は誰から搾り取ろうかしら。」

    シスター・アマン、歌う。

    ゛獲物を探すわ”

    シスター・アマン笑う。フェード・アウト。







    — “あの空の向こう” ― 4へつづく
  










— ♪ — ♪ — ♪ — ♪ — ♪ — ♪ — ♪ — ♪ —

 (どら余談^^;)

 皆様、またまたお久しぶりでございました。
 ここ2か月近く、ホント珍しく寝込んでおりました。
 ようやく9割がた復活をはたし、リトルパインもしばらく
 お休みさせてもらっていたのですが、やっと始動し始める
 ことができるようになりました(^^;)
 
 リトルパインの近況はといいますと・・・
 寝込んでいる間にも、ボランティア公演の依頼が5件と、
 来年度の第11回自主公演の日程が決まり、その新作を
 寝込みながら書き進めていたもののセリフ練習に入り始め
 たばかり・・・と言ったところであります。

 そのボランティア公演に行く為の新作も書かなければ
 ならず・・・病み上がりの身としましては、少し辛い部分
 もありますが、長い間お休みしていた分、より頑張って
 準備をしていきたいと考えています。
 


 【 第11回リトルパイン人形劇公演のお知らせ 】

 2018年7月28日(土)吹田メイシアター小ホール

      『シャーロットの翼』2幕





 どうですか?
 今年は題名が先に決まったのです(^^;
 いつもは団員達にやいやい言われながら考えるのが・・・
 熱にうなされながら゛フッ”と浮かんだタイトルです(^^)v
 是非、会場までそんな風についたタイトルの物語、
 ご覧になりにいらして下さい

 





 









 



最新の画像もっと見る

コメントを投稿