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荒行で知られる最福寺の池口恵観法主の本 『なぜ今,池口恵観なのか』・4 - 輪廻転生-その2

2017-05-13 00:14:30 | 「身の程」人生

荒行で知られる最福寺の池口恵観法主の本 『なぜ今,池口恵観なのか』・3 - 輪廻転生-その2

 私は無信心であり,巷間言われるところの死後の世界や,輪廻転生-死んでまた新たな肉体に生まれ変わる-は,全く信じてはいません。死んだら「無」とします。(先祖や両親を敬っていること書き添えておきます。)
 ところで,2008年にNHK放送文化研究所が実施した「宗教意識調査」によると,42.1%の人が輪廻転生を信じていると,回答しています。対して,「決してない」と応えた人は9%でした。
 
 池口恵観氏の著書 『なぜ今、池口恵観なのか』でも,「輪廻」についてふれられています。この機会に,”生まれ変わり”を信じる人の考え方やその根拠とする点を,とりまとめてみました。

 まず,池口恵観氏の「輪廻論」を示し,その後に,”生まれ変わり”を信じている人の言い分を掲載します。その1は,1969年『戦いすんで日が暮れて』で直木賞,2000年『血脈』で菊池寛賞を受賞のエッセイの名手としても知られる,佐藤愛子(93歳)さんの言です。

          ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・池口氏の言

┏┓
┗■ 輪廻 
                      出典: 『なぜ今,池口恵観なのか』p190~p194

  仏教には輪廻という思想があります。生きとし生けるものは、時代を超越して生まれ変わり、死に変わる。生まれたからといって、無限に生きるわけではないが、死んだからといって永劫に死んだままでいることはない。過去・現在・未来と時間を超越して廻りめぐって生命は存在し続ける。これが輪廻の思想です。時間もなければ、距離もない、そういう世界を生命は廻りめぐっているのです。

 現代科学は、これを遺伝子という日にも見えない微少な物質として説明しますが、実際には物質というのは偶然に存在するものではない、というのが密教の教えです。どんなに小さなモノであっても、存在する意味がある。それを説いているのが密教だといえます。

 大日如来という仏様がおられます。このみ仏を中心に拝むのが真言密教です。この仏様は、この私たちの住んでいる世界、太陽や星や月の浮かんでいる宇宙、その宇宙が幾百、幾千、幾万もの世界をつくっていますけれども、そういう宇宙をつくられた創造主で、その宇宙そのものが大日如来という仏様です。神々しい、本当にご立派な仏様の中の仏様といったお姿をしておられますが、実際には無限の空間から無限の物質まで、すべて大日如来ご自身の分身ですから、あまねく大日如来のおわさぬところはないという仏様です。

 私たちの肉体もこの大日如来のおつくりになられたものですが、同時に大日如来そのものでもあります。人間の姿を想像するとなかなか理解できませんが、あらゆるものが大日如来の体の一部を使ってつくられた、いわば私ども人間は分身とも言うべき存在です。

 話は、少々ややこしくなりますが、簡単に申しますと、夫婦が夜の営みをすると子供ができます。いかに人間が賢くなったといっても、生命を化学物質でつくり出すことはできません。皆さん方はどなたでも、その肉体の中に分身をつくる能力をもって生まれておられます。男も女も、また虫やケモノも、みんなこうして分身が分身を生み出す。

 これがすべての生命は大日如来の分身だという証拠なのです。大地は草木を育て、その草木の実を食べまして、私たちの生命が維持されます。そういう私たちも、死ねば大地に戻り、草木を育てる養分となります。動物も植物も石や岩も、そういう繰り返しの中に生きています。これを輪廻と呼ぶのです。

        以下(略)

 

 

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・佐藤愛子さんの言


肉体はやがて滅びて魂は残る
                 出典:  『それでもこの世は悪くなかった』文藝春秋刊  佐藤愛子著 p172-p180

 ほとんどの人は、人間は死んだら無になると思っているんじゃないでしょうか。だけど、私は死後の世界はある、と思っている人間です。なぜそう思うようになったか。それを話すと長いですから端折りますが、例の北海道の家を建てたのがきっかけなんです。
 そもそも、その土地は一坪二千円だと言う。そんなに安い土地はありませんから、思わず目がくらんだんですね。百万円出して、五百坪買いました。ところが、そこが大変な土地だったんです。日本人がアイヌの土地を侵略して、アイヌの人たちを皆殺しにするやら、女を犯すやら、非道の限りをした、まさにその集落があったところだったんです。

 私が何か物事をすると、必ずへンなことになるんですね。皆殺しにされ、恨みを呑んで死んでいったアイヌの人たちの怨念の場へ、私は家を建てたんです。そうしたら、いろいろな超常現象が起りました。
 そんなところにいたら大変だから、佐藤さん、売っばらって住むのは止めなさい、と霊能者の人たちに言われました。けれども超常現象が起きているとわかっている家を他人に売るなんて、そんな無責任なことはできないでしょう。買った人こそいい迷惑ですよ。
 幽霊屋敷を買ってしまった、という人の話をよく聞きますけれども、売った人はどういう人だろう、と私は思いますね。そんなことはできないから、「じゃあ、ここに住むのを止めて東京の家に行くことにします」
 と言ったら、
「その家があなたの名義である以上、東京にいても来ますよ」
 と言われた。
 家を建てるのに一千万円を越えてしまった上に、アイヌの怨霊と戦わなければならなくなったんです。借金と戦ってようやく終わったと思ったら今度は怨霊との戦いが始まる。本当に私の人生はなんだろう、と我ながら呆れます。
 結局、その怨霊を鎮めるのに二十年かかりました。
 けれども、そのお蔭で私は、アイヌ民族がいかに優れた民族だったか、日本人が清らかで何も知らない彼らに損得を教え、いかに堕落させていったか、そんなむごたらしい歴史を知るようになりました。
 気の毒な人たちですから、さすがの私も戦うわけにはいかないんですね。最後は戦わずにお詫びする、ということになった。
 その境地に達することができたんですから、これも失敗だったとは思っていないんです。
 それで私が知ったのは、人は死んでも無になるわけではない、ということです。肉体はほろびるけれども、魂は残るんです。
 人間はね、肉体と魂の両方で成り立っているんです。だから、肉体が死んだ後も魂だけが残るんですよ。恨みつらみを抱えた魂は、永遠にその恨みを抱えて残ることになるわりけです。
 それを経験したのです、私は。
「何を言っているんだ。死んで魂が残るなんてこと、ありえない」
 そう思う人がたくさんいることはわかっています。でも経験したんですから、しょうがないじゃありませんか。そういう人たちは、佐藤さんの妄想だとか何だとか言うけれども、私一人ではなくて、娘やたまたま来合わせたお客さんとか、いろいろな人が経験しているんです。
 ポルターガイスートとなると、実際に物が動くんですよね。ここにあったものが無くなって、とんでもないところから出てきたりする。
 アイヌの怨念だということがわかってからでも、私は夏になると必ず北海道の家へ行くんです。何で東京に家があるのに、「怖い、怖い」と言いながらそんなところへ行くのか、と他人から不思議がられました。
「君、なんやねん、普通やないで」 と遠藤周作さんには言われました。
「そう言わないで、遊びに来てよ」
 と言っても、遠藤さんは絶対に来ない。怖がりなんですね、あの人。それでいて、超常現象の話は喜んで聞くんです。北海道から帰ると必ず、「なんかオモろいことなかったか」 と電話をかけてきました。
 これだけの経験をすると、私は「死んだら無になる」とは言えないですね。そしてその経験をして、私の人生観はまた変わりました。
 死んだら無になるわけではないんです。四次元の世界というものがあって、そっちへ行く。そっちの方が永遠の世界であって、この世は仮の世なんです。四次元の世界から来て仮の世で過し、また四次元の世界へ戻るんです。
 戻った時にこの世での生き方によって行く先が決まるというんですが、それは本当かどうかわからない。けれど、たいていの研究者はそう言います。
 立派な生き方をした人は魂の高い人が行く場所へ行く。悪いことをしたり自分のことしか考えないような生き方をした人は、魂が低い人が行く場所へ行く。
 私は低いところへ行くのは嫌ですからね。それはどんなところか、というと、地獄からいろいろな段階がある、と何人かの研究者から聞いています。その人が実際に経験したことではないし、私にはわからないのでみなさんにはお伝えしませんけれども、異次元の世界に行くことだけは確かなんです。
 だから、私は神の存在も信じるようになりました。それまでは神や仏について考えるヒマもない、戦い続きの人生でした。けれどもこの経験をしてからは、私はやっぱり神の存在を信じるようになったし、死後の世界も信じるようになりました。

 肉体はやがて滅びて魂は残る。その魂の格、波動を上げておかなければ、死んでからつまらないことになる。

 非常におおざっぱに言うと、そういうことです。
 けれども今の日本の識者と言われる人たちの中には、こう言うと笑う人がいる。中には笑うだけではすまなくて怒る人がいるんですよ。そういう人たちに私はいつも、
 「死んでみろ、そしたらわかる」 と心の中で言うんですけどね。
 私はいつも経験主義なんです。経験したことだけが真実で、その経験の中から何を汲み取るかが大事なんです。辛い経験からもプラスのものは必ず汲み取れるので、恨みつらみだけが残るのでは、魂の波動は低いままで人生を終えることになります。
 私も倒産亭主には裏切られてばかりです。離婚した時だって、借金返済のために便宜上、籍を抜くだけだと言われてその通りにしたら、すぐに別の人と入籍していたことが後でわかりました。けどね、私は別に何とも思っていないんです。恨みつらみはさぞかしあるでしょうね、と人に言われますけれど、
「いやあ、何とも思っていませんよ。ヘンな人でしたけど、私の方もヘンなんだから、ヘン同士でちょうど良かったんですよね」
 と言います。恨みつらみなど微々たるものなんだと、そう思えるようになったのです。
 私のように生きたらロクなことになりませんよ、というのは、みなさんが物質的なことに価値を置かれるならという前提があります。今はもう世界中を物質的な価値観が覆っていますよね。精神性というのはどこにも無くなった。これからもその方向へどんどん進んで行くんでしょう。
 まあ、好きなように生きていくんですよ、人間は。だけども、その中で精神性だけは少しでも残しておきたいというのが、今の私の願いです。

 

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◇【目次】
なぜ今、池口恵観なのか
憂国法話
第一話 憂国の祈り
・三無事件
・靖国の祈り
・戦没者慰霊・平和祈念公園構想
・怨親平等思想
・平和の祈り
第二話 真言の力
・灼熱の行
・仏教と治療
第三話 生きるための知恵
・祈りの力
・煩悩は悪か
・生と死について
・宗教と人間
・生きるための知恵
補遺 一問一答
あとがき

 

 

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本書は、多くの一流企業でマニュアル作成に携ってきた著者が、その実務をわかりやすく解説したものである。本書を活用することによって、例えば、◎社員を早期に戦力化したい、◎クレーム対応などの非定型業務を定型化したい、◎作業効率アップ、コスト低減、非社員化を推進したい、などの目標を実現することができるであろう。

 


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