・ 「林原の経営破綻」から,同族経営のあり方を考える ・1(確執 その1) 2014-06-26
破綻──バイオ企業・林原の真実 | |
半沢直樹もたじろぐ-銀行の悪行???。
|
|
ワック |
JR岡山駅南に2014年11月の開業を目指し建設中のイオンモール岡山。開発計画では、中国・四国地方最大級の「都市型大規模モール」として、地下2階・地上8階の多層階、350の専門店で構成される。この場所は,かつての林原の所有地であった。
※ イオンモール岡山
“バイオの雄”として名をはせてきた岡山の「林原」が、突然、会社更生法を申請したのが2011年2月。黒字を計上し続けてきた優良企業に、何が起こっ たのか?。林原は約30年前から不正会計を重ね、その間の架空の売掛金は300億円は、200億円の簿外債務も発覚した。
「幅広い投資の実態や経営内容が不透明」と糾弾された。破綻当時,林原健社長の乱脈経営、 公私混同、さらにはその無能経営者ぶりが指摘されバッシングを浴びた。 岡山駅前の再開発、東京歌舞伎町の土地取得など、不動産事業などに手を広げ過ぎた事も経営破綻の原因といわれた。
なお,林原健社長はKHK教育テレビの「仕事学のすすめ」で,2月から3月の2ヶ月間にわたり独自の経営哲学を披露する予定で,テキストも発売されていた。
林原元社長 林原健氏 「画像引用-長野市商工会議所だより-」
仕事学のすすめ 2011年2・3月 世界に発信する独創力/超多忙流 創造術 (知楽遊学シリーズ) | |
クリエーター情報なし | |
日本放送出版協会 |
:::::****:::::****
◆“破綻劇”の内幕と、悲劇を生み出してしまった経営責任者としての胸中
『破綻──バイオ企業・林原の真実』 は、兄の林原健社長を支え,専務取締役として渦中に身を置いた著者 林原靖氏が,“破綻劇”の内幕と、経営責任者としての胸中を綴ている。同族会社の経営姿勢,さらに金融機関の思惑を知るうえで,参考になる。ある意味で,「半沢直樹のテレビドラマ」を超えたおもしろい本ともいえる。
▼
「林原」は、食品甘味料や保存料などに使われる糖質・トレハロースの量産化に世界で初めて成功した会社で、抗がん剤・インターフェロンの量産化にも成功 したバイオ関連技術では世界的に見ても傑出した企業であった。特に、1998年の秋以降、新製品のトレハロースを軸に快進撃の10年が始まり、「林原」の 業績はいたって堅調だった。売り上げは伸び、利益は確実に出ていた。巨額の借り入れはあったが,直近の10年間で350億円を返済していた。
◆林原グループの業績
(単位:百万円) 平成20年10月期 平成21年10月期 平成22年10月期
売上高 28,333 28,268 28,113
営業利益 2,818 3,678 4,511
営業利益率(%) 9.9 13.0 16.0
▼破綻劇”の幕あけ
この本の筆者である元専務林原靖氏の言によると,裏で歩調を合わせた主力取引銀行2行が、銀行借入残高報告の数字が違うことを問いただしてきたことにより、“破綻劇”の幕は切って落とされた。
「林原」は結局、会社更生法の適用を受け、入札にかけられ、700億円で競り落とされた。弁済率93%の倒産であった。
「資産もあり、赤字もなく、利息も払い続け、債務も減少していた会社が、なぜ、会社更生法の適用を受けなければならないのか!?」,と元専務林原靖氏は訴えている。
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃ 元専務林原靖氏の言い分
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━
『破綻──バイオ企業・林原の真実』では,“世界的優良企業「林原」は,銀行に潰された”と,元専務の林原靖氏は訴えている。
「林原」は、食品甘味料や保存料などに使われる糖質・トレハロースの量産化に世界で初めて成功した会社である。1998年の秋以降、新製品のトレハロース を軸に快進撃の10年が始まり、「林原」の 業績はいたって堅調だった。売り上げは伸び、利益は確実に出ていた。ただし、グループ全体で1300億円超と巨額の借り入れが問題ではあったが、金利はきちんと支払い,直近の10年で350億円を返済していた。(p19~23)
林原氏の言によると,裏で歩調を合わせた主力取引銀行2行が、銀行借入残高報告の数字が違うことを問いただしてきたことを発端に,“破綻劇”の幕が開いた。「林原」は会社更生法の適用を受け、入札にかけられ、700億円で競り落とされた。弁済率93%の倒産であった。
「資産もあり、赤字もなく、利息も払い続け、債務も減少していた会社が、なぜ、会社更生法の適用を受けなければならないのか!?」とし,次のように言い切っている。―わたしはいま、はっきりと確信している。破綻劇の幕を開けてしまったのはメインの中国銀行と、サブの住友信託銀行だと。彼らの一連の対応が大きな誘因であった。(p220 12行目~14行目)」
。+゜☆゜+。Y⌒Y⌒Y。+゜☆゜+。Y⌒Y⌒Y。+゜☆゜+。Y⌒Y⌒Y+
岡山の世界的優良企業「林原」はなぜ銀行につぶされたのか!?
弁済率93%の倒産の不可思議!?
この破綻劇のキーとなる役者は一帯誰だったのか。その理由は何だった―――
わたしはいま,はっきり確信している。破綻劇の幕を開けてしまったのはメインの中国銀行とサブの住友信託銀行だと。
『破綻──バイオ企業・林原の真実』 p220 11~13行
>>>林原に関する関連ブログ記事
・ 「林原の経営破綻」から,同族経営のあり方を考える ・1(確執 その1) 2014-06-26
・岡山の「林原」の元専務語る “「林原」破綻劇”の内幕 2013-08-27 21:29:21
・林原のスポンサー 長瀬産業の目論見 2012-01-05 21:59:52
・経営破綻の林原の更生計画を認可-東京地裁 2012-01-04 20:32:05
・林原再建に向けて前進 -JR岡山駅南土地の売却先決定 2011-09-23 14:12:41
・林原グループ管財人が住友信託銀行を提訴 2011-09-15 12:35:18
・「トレハロース」の林原支援-長瀬産業がスポンサー契約 2011-08-18 10:52:34
・「仕事学のすすめ」 林原 6 ー 今はむなしい・社長の言 2011-02-08 08:14:42
・「仕事学のすすめ」5 いまはむなし,林原氏の「経営哲学」 2011-02-03 06:10:36
・仕事学のすすめ」4 林原社長の今はむなしい・社長の言 2011-02-02 20:24:47
・「仕事学のすすめ」 林原番組お蔵入り3-司会・勝間和代氏のコメント 2011-01-31 07:09:40
・NHK 「仕事学のすすめ」2月放送予定の林原・2-無理な開発投資で破綻 2011-01-28 08:30:35
・NHK 「仕事学のすすめ」2月放送予定の林原・1-経営行き詰まる 2011-01-27 14:14:01
:::::****:::::****
>>>経営破綻の要因--無理な開発投資が業績悪化を招く --
一連のマスコミ報道では,概ね,次のように報じられていた。
林原は食品原料や医薬品の製品化を,基礎研究の段階から手掛けているため,長期にわたり開発投資が先行する事業構造になっている。このため金融機関からの 借り入れで資金調達を進めてきたが,景況悪化で保有する土地や有価証券の資産価値が劣化し,資産規模に対して債務が膨らむ状況に陥っていた。
林原の主力取引銀行の一つである中国銀行は,体力以上の無理な開発投資を継続したことが経営悪化の主因とみいる。
事業再生ADRでは,申請企業がまとめた再生計画案を,債権を持つすべての金融機関が同意することで私的整理が成立する。林原の借入金総額は約1400億 円。中国地方の金融機関では中国銀行のほか山陰合同銀行,広島銀行,鳥取銀行が貸し付けており,合算で約500億円にのぼる。
林原家 同族経営への警鐘 | |
私は棺桶の中まで、真実を持っていくつもりだった 父、林原一郎との対立、末弟との絶対的上下関係、早世したもう一人の弟との約束。林原家に深く埋め込まれた、破綻に向かう必然のストーリーを、著者が初めて明らかにします。 |
|
日経BP社 |
・
破綻──バイオ企業・林原の真実 | |
半沢直樹もたじろぐ-銀行の悪行???。
|
|
ワック |
・ 「林原の経営破綻」から,同族経営のあり方を考える ・1(確執 その1) 2014-06-26