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「林原の経営破綻」から,同族経営のあり方を考察する ・1(確執 その1)

2014-06-26 14:09:26 | 林原-同族経営の功罪

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赤福のお家騒動
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 伊勢神宮参道に本店を構える和菓子メーカー赤福(三重県伊勢市)でお家騒動騒が勃発した。4月に社長の浜田典保(のりやす)氏が事実上の解任となり、新社長には実母の勝子(まさるこ)氏が就任。典保氏は2007年に消費期限の偽装が発覚し経営危機に陥った赤福を立て直したが、名物みやげ「赤福餅」を全国に知らしめた先代社長で実父の益嗣(ますたね)氏ら両親と経営方針をめぐり確執があったといわれる。消費者不在の親子ゲンカが宝永4(1707)年創業の老舗の「のれん」を傷つける結果を招いている。

林原元社長 林原健氏  「画像引用-長野市商工会議所だより-」

  バイオ企業の林原(岡山市)の突然の経営破綻から3年。その当事者である林原の元社長 林原健氏と元専務の林原靖の両氏が倒産に至る経緯とその真相を,それぞれの著書で明らかにしている。

 両書とも,同族経営の内幕を知り,同族経営のメリット、デメリットを論じる上で,参考になる書籍である。両書の併読をお薦めする。

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林原にみる同族経営の確執
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 突然の経営破綻から3年。林原健元社長が『林原家 同族経営への警鐘』を上梓した。経理面など経営の実務を任されていた弟で,元専務の林原靖氏は著書, 『破綻──バイオ企業・林原の真実』で,“世界的優良企業「林原」は,銀行に裏切られ潰された”と訴えている

 それに対して,兄である元社長は,『林原家 同族経営への警鐘』で,林原家が悪かった,私が会社を倒産させてしまったと自己批判。“林原が倒産した根本的な要因は,「経理部門を任せていた弟,林原靖と私の関係性である。もっといえば,林原一族の特異性こそ倒産の真因は宿る。」と,述べている。”(まえがき P4)。

 

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 ┃ 実弟・元専務 林原靖氏の反論
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  上述の兄・林原健氏の言い分に対して,林原靖氏は,ブログ “「号外・「林原家」について” http://blogs.yahoo.co.jp/gra_yasushi/32719847.html で,弟のわたしに関する記述の多くが、私にとって事実や根拠の無い「思い込みの話」となっている,と痛烈に反発・反論している。

        

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 ┃  元専務 林原靖氏の倒産の経緯に関する言い分
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 元専務の林原靖氏は著書, 『破綻──バイオ企業・林原の真実』で,“世界的優良企業「林原」は,銀行に潰された”と訴えている。

  「林原」は、食品甘味料や保存料などに使われる糖質・トレハロースの量産化に世界で初めて成功した会社である。1998年の秋以降、新製品のトレハロース を軸に快進撃の10年が始まり、「林原」の 業績はいたって堅調だった。売り上げは伸び、利益は確実に出ていた。ただし、グループ全体で1300億円超と巨額の借り入れが問題ではあったが、金利はき ちんと支払い,直近の10年で350億円を返済していた。(p19~23)

 林原氏の言によると,裏で歩調を合わせた主力取引銀行2行が、銀行借入残高報告の数字が違うことを問いただしてきたことを発端に,“破綻劇”の幕が開いた。「林原」は会社更生法の適用を受け、入札にかけられ、700億円で競り落とされた。弁済率93%の倒産であった。
  「資産もあり、赤字もなく、利息も払い続け、債務も減少していた会社が、なぜ、会社更生法の適用を受けなければならないのか!?」とし,次のように言い切っている。

 ―わたしはいま、はっきりと確信している。破綻劇の幕を開けてしまったのはメインの中国銀行と、サブの住友信託銀行だと。彼らの一連の対応が大きな誘因であった。(p220 12行目~14行目)」

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岡山の世界的優良企業「林原」はなぜ銀行につぶされたのか!?
弁済率93%の倒産の不可思議!?

 この破綻劇のキーとなる役者は一帯誰だったのか。その理由は何だった―――
わたしはいま,はっきり確信している。破綻劇の幕を開けてしまったのはメインの中国銀行とサブの住友信託銀行だと。                            
                                       『破綻──バイオ企業・林原の真実』 p220  11~13行

 

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NHK 「仕事学のすすめ」2月放送予定の林原・1-経営行き詰まる  2011-01-27 14:14:01

  

   :::::****:  マスコミの見方      ::::****

>>>経営破綻の要因--無理な開発投資が業績悪化を招く --
  一連のマスコミ報道は,概ね,次のようにまとめられる。

  林原は食品原料や医薬品の製品化を,基礎研究の段階から手掛けているため,長期にわたり開発投資が先行する事業構造になっている。このため金融機関からの 借り入れで資金調達を進めてきたが,景況悪化で保有する土地や有価証券の資産価値が劣化し,資産規模に対して債務が膨らむ状況に陥っていた。

 林原の主力取引銀行の一つである中国銀行は,体力以上の無理な開発投資を継続したことが経営悪化の主因とみている。
 
 林原の借入金総額は約1400億 円。中国地方の金融機関では中国銀行のほか山陰合同銀行,広島銀行,鳥取銀行が貸し付けており,合算で約500億円であった。

 

 

林原家 同族経営への警鐘

私は棺桶の中まで、真実を持っていくつもりだった

 「これから『同族企業の雄』として持ち上げられた林原の実態をさらけ出す。日本企業は同族企業の割合が世界の中でも飛び抜けて高い。その一角を占めた私たちの失態をぜひ教訓にしてもらいたい。それが今の私にできる最後の責務だと思う。
 さあ見ていただこう。これが株式会社林原、そして林原家の真実である」(まえがきより)。

 父、林原一郎との対立、末弟との絶対的上下関係、早世したもう一人の弟との約束。林原家に深く埋め込まれた、破綻に向かう必然のストーリー。

日経BP社

 

破綻──バイオ企業・林原の真実


著者は、2011年2月2日に会社更生法の適用を申請したバイオ企業の雄であった「林原」の元専務林原靖氏です。

半沢直樹もたじろぐ-銀行の悪行???。

 

ワック

 

 


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