「和牛オーナー」制度で出資会員を集めていた安愚楽牧場(栃木県那須塩原市)は2011年夏,負債総額4300億円で突如破たんした。このブログでは,被害者方々が納得される真相究明と被害賠償が実現することを願い,裁判や警察の捜査の動きを追い続けている。
安愚楽牧場被害で国を提訴 宇都宮地裁,出資者86人
和牛オーナー制度が行き詰まり経営破綻した「安愚楽牧場」(栃木県)の出資者86人が5月30日、国の対応が被害拡大の一因になったとして、計約1億8800万円の国家賠償を求める訴訟を宇都宮地裁に起こした。
訴状によると、07年12月に、別の業者を立ち入り検査し和牛預託商法の危険性を認識していたのに、安愚楽に立ち入り検査を行わなかったと指摘。 その後、安愚楽に配当利益がなく、繁殖牛の数が出資者と契約した数より大幅に不足していたことや、ビジネスモデルとして破綻の危機にあったことを容易に把握できたなどと主張している。さらに、業務停止していれば原告は安愚楽と契約しなかったとして「裁量権を著しく逸脱する違法がある」と訴えている。
弁護団によると、原告は2007年12月以降に契約した栃木、福島、埼玉3県などの男女,86人。 同様の集団訴訟は同日、東京で1305人、名古屋では285人が各地裁に提訴し,賠償額は総額約83億円に上った。今後、大阪などでも提訴が予定されている。集団提訴について、消費者庁は「訴状の送達を受けておらずコメントできない」としている。
◆株式会社 安愚楽牧場 http://www.agura-bokujo.co.jp/g-navi/news/index.html
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┃☆┃ 安愚楽問題で国賠訴訟検討 弁護団「行政の失態-被害拡大の一因」
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◇安愚楽問題で弁護団が国賠訴訟を検討
「安愚楽牧場」(栃木県)をめぐり、全国安愚楽牧場被害対策弁護団 http://agurahigai.a.la9.jp/ (団長・紀藤正樹弁護士)は、国にも被害を拡大させた一因があるとして、国家賠償訴訟の提訴を検討している。
弁護団は「和牛オーナー制度をめぐっては、以前にも同様の問題が起こっており、国が必要な規制権限を行使していれば多くの被害は防げた」と指摘。刑事事件としての捜査状況や、国側の対応も見据えながら、準備を進める方針。
弁護団は、「実質的な調査など対応を全く取らなかった」として消費者庁に謝罪や賠償、真相究明などを要求していたが、同庁は9月27日、「現 時点ではコメントを差し控えたい」と口頭で回答したという。弁護団は「被害が露呈して約1年になるのに極めて不誠実」と批判している。
出典:産経新聞 2012.10.3 00:22 http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/121003/trl12100300240000-n1.htm
安愚楽牧場問題を追求している,共同通信社記者 斉藤知彦氏は,安愚楽牧場の経営破たんの責任は安愚楽の経営陣だけでなく、行政にもあると思うとし,その理由を著書『和牛詐欺 人を騙す犯罪はなぜなくならないのか』で,次のように論じている。
◇行政の失態
「申し訳ありませんでした」
2012年2月21日午前、衆議院予算委員会。桧原仁消費者行政担当相は、安愚楽牧場問題に対する消費者庁の対応の不備について述べた上で、質問者の自民党の柴山昌彦衆院議員から促され、出資者に対して謝罪した。
安愚楽牧場問題がなぜこれほど大規模な被害になったのか。その責任は安愚楽の経営陣だけでなく、行政にもあると私は思う。
2009年、消費者庁は発足に伴い、それまで預託法を所管していた農林水産省から同法に基づく安愚楽の監督権限を引き継いだ。農水省は同年の引き継ぎ前の 2009年、安愚楽の財産状況に関する書類の記載に不備があるとして、同法に基づき立ち入り検査を実施、行政処分をしている。
その際、定期的に報告するよう求められた安愚楽は翌年夏、消費者庁へ報告を申し出たが、消費者庁は「必要があれば聞く」と回答しただけで、その後も報告を受けていなかったのだ。
結局、消費者庁が安愚楽に対して行動を開始したのは破たん後になってから。景品表示法に基づいて調査し、2011年11月に、安愚楽に出資したオーナーとの契約数よりも「牛が足りなかった」と公表したのが、目に見える最初の行動だった。
牛の不足をもっと以前に把握できていれば、もっと安愚楽に監視の目を光らせていれば、せめて安愚楽から「報告したい」と言ってきた際にとりあえず話でも聞 いておけば……。和牛商法がもともと抱える危うさと安愚楽牧場の規模の大きさを考えた時、消費者庁の動きはあまりに鈍いとしか言いようがない。
松原担当相はこの日の委員会会で、一連の失態について「大変遺憾だ」と述べ、消費者庁長官が2011年に担当課長らを厳重注意処分にしたことも明らかにした。
担当大臣が公の場で非を認めたことは、出資者であるオーナーの委任を受けて活動する全国弁護団にとっては朗報となった。約7万人に上るオーナーの被害総額 は4200億円超あるが、破産手続き中の安愚楽や、自己破産した経営陣から得られる金額は微々たるものになることは明白で、いずれは回収のために国などに 賠償請求をしなければならなくなるはずだからだ。大臣の謝罪は、国の責任を認めさせる重要な証拠になり得る。
出典:『和牛詐欺 人を騙す犯罪はなぜなくならないのか 』 斉藤知彦著 講談社刊 ページ104~105(原文掲載)
▼参考-「和牛オーナー制度」とは
和 牛オーナー制度は,安愚楽が雌の繁殖牛を1頭当たり300万~500万円程度でオーナーと呼ばれる出資者に売却し,数年後に買い戻す仕組み。飼育は安愚楽 が担当し,その間に生まれた子牛を売却して,年3~4%程度の配当が得られると宣伝し,約7万人の会員を集めたていた。
同社は経営破綻の最大の理由として,2010年発生の口蹄(こうてい)疫や東京電力福島第1原発事故による風評被害を挙げている。
和牛詐欺 人を騙す犯罪はなぜなくならないのか | |
被害額4300億円、被害者7万人と、戦後最大規模の消費 者被害事件となった安愚楽牧場事件。1990年代、そして2000年代後半に起こった「ふるさと牧場事件」など、怪しい和牛預託商法が行われ、そして摘発されてきた歴史があるにもかかわらず、悲劇はまたもや繰り返されたのはなぜなのか? 自他共に「詐欺専門記者」と認める共同通信社記者が、徹底取材で分析した「詐欺犯罪はなぜなくならないのか」 |
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講談社 |
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ブログ紹介ありがとうございます。
「お薦め >>>あぐら物語日記」と有り難いお言葉…恥ずかしさとともに感激しました。
今の私は応援して下さるお会いしたことのないブログ読者の皆さんに支えられています。
まだまだ長い道程ですが、自分にできることをやっていきます。
今後とも応援宜しくお願いします。