「身の丈」経営,「身の程」人生

身の丈,身の程を知って生きる・・・・・

総括 「ジャパネットたかた」のテレビ台破損事故

2011-03-06 12:00:49 | 「身の丈」経営

「ジャパネットたかた」のテレビ台破損事故に関連して,本ブログに次の6つの記事を掲載しました。本稿は,これらをとりまとめた「総括編」です。

▼「ジャパネットたかた」に関するブログ:


(続)ジャパネットたかた テレビ台破損事故への対応2011-03-04 15:24:10

ジャパネットたかた  テレビ台破損事故への対応から思うこと2011-03-03 16:15:16

「身の丈」を強みとする経営28 どうするジャパネットたかた-テレビ台破損多発 2011-02-17 10:29:57

  「身の丈」を強みとする経営 -21  ジャパネットたかた 3  クレド:2011-01-21 07:15:21

「身の丈」を強みとする経営 ―20 ジャパネットたかた・2 海外進出:2011-01-21 07:15:21
  
「身の丈」を強みとする経営 ―19 -ジャパネットたかた :2011-01-20 14:35:19 
  

ジャパネットたかた:義援金5億円と電池セット1万台寄付 テレビ通販の売り上げも

 

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◆事件の概要-- ジャパネットたかた・テレビ台破損事故多発
 2月16日の新聞報道によると,通信販売大手のジャパネットたかた(長崎県佐世保市)が,05年から09年に販売したテレビ台の天板の強化ガラスが割れる製品事故が全国で66件発生していた。同社は購入者への事故発生の連絡や,製品回収はしていなかったという。

 販売されたTV台は,台湾製と中国製で,大阪市の輸入業者とジャジャパネットたかたの子企業が輸入した約47万台。最初の事故は06年2月10日に山口県で起きた。それ以後,天板ガラスや棚板ガラスが破損し,TVが落ちるなどする事故が全国で起きたが,ケガ人はなかった。ジャ社は購入者への事故発生の連絡や,製品回収をしていなかったという。事故について,経産省所管の独立行政法人・製品評価技量基盤機構に対し,ジャパネットたかたが1月21日,大阪市の輸入業者が2月3日に報告した。

 火災やけが人が出ていない非重大事故のため,経産省への報告義務はないというが,同省は「09年,10年に事故が多発してから報告してきた印象。原因調査を待って,回収などの指導をしたい」としている。

▼「ジャパネットたかた」の対応 
 ジャパネットたかたは2月16日,2005~09年に販売したテレビ台の強化ガラスが割れる事故が全国で74件起きたとして,無償交換に応じると発表した。同社によると,テレビ台は台湾製と中国製で約46万5千台を販売した。テレビ本体を載せる「天板」や,ビデオデッキなどを載せる「棚板」が破損,けが人は報告されていない。

 原因について「メーカーの強化ガラス製造工程での処理方法に問題があったか,お客様の使用環境に起因している場合もある」と説明。「もっとテスト強化を促すべきだったと深く反省している」としている。

◆◇「ジャパネットたかた」への不信

 高田社長は,常々,「海外進出に関しては今はその時期ではない」と言い切っています。そして,「国だけでなく商品分野も身の丈を知る必要がある。私たちには化粧品や食品を売る力はない。勉強しないとモノは売れない,世の中はそんなに甘くないと思っています。」とも語ったっておられます。
 私は,こうした高田社長の経営姿勢は,「経営者の鏡」ともいえるものとし尊敬してきました。著作『「身の丈」を強みとする経営』(日本経済新聞出版社刊)では,「手本となる企業」として同社の経営をとりあげました。
 だが,今回の「テレビ台破損事故」への一連の対応を見て,いささか「高田社長を買いかぶっていた」との思いを深めています。なぜ,そう思うか,その理由は,次の3点にあります。

1 言動不一致
 過去に発生の「顧客情報漏洩」を教訓とし,コンプライアンスの徹底,社会正義にのっとる経営を説いておられます。それにしては,事故の公表が遅れは,言動不一致の感を強く持ちます。

2 言い訳がましい 
 プレスリリースで,2005年~2011年の年度別の事故件数を公表していますが,そこでのコメントのなかで,“事故発生比率 0.01591% ”とありますが,事故が多発した09年単年で見ると事故発生率は,0.3%となります。こうしたことから,数字のマジックを使っての責任逃れの感さえ持ちます。



※販売期間 2005年11月~2009年7月
※販売数量 約465,000台
※事故発生累計数 74件
※事故発生比率 0.01591% 

【出典:ニュースリリース ---
     http://www.japanet.co.jp/shopping/support/info15.html】 


3 慢心-通信販売にとって事故・クレーム対応は,信用維持の生命線
 ネット販売が顧客の支持を得る基本条件の1つは「信頼」であり,その具体策として「品質保証」「トラブル発生時の迅速対応」があげられます。今回の事故の公表遅れは,同社に対する消費者の不信を招きかねないものです。「ジャパネットたかた」は,会社ぐるみで慢心しているのでは・・・・。

ニュースリリース ---ダイジェスト
     http://www.japanet.co.jp/shopping/support/info15.html 
株式会社山善およびセントラル通商株式会社が2005年から2009年までに製造し,株式会社ジャパネットたかたが売したガラス製のテレビ台におきまして,天板(テレビ本体を載せるガラス天板),棚板(ビデオデッキなどを載せる中敷のガラス板)に使用している強化ガラスが破損する事案が発生した。
【経緯
 原因は,強化ガラス製造工程での処理方法に問題があったか,お客様の使用環境にも起因している場合もある。
 ジャパネットたかたとしては,独立行政法人の製品評価技術基盤機構(NITE)や,経済産業省の関係機関にも報告をし,その対策を進めるとともに,新聞,テレビ報道にて,先にお客様に事実を公表する形となった。
 対応が遅れ,ご心配をおかけいたしましたこと,心よりお詫び申し上げます。

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◆◇◆「ジャパネットたかた」への賞賛の声
 ジャパネットたかた(長崎県佐世保市)が05年から09年に販売したテレビ台の天板の強化ガラスが割れる製品事故に関する,「ジャパネットたかた テレビ台破損事故への対応から思うこと」とのタイトルで,同社の対応に関して批判,疑問を持つ,との記事を書き込みました。

 もとより,私の批判,疑問が,私の独りよがり,一方的な思い込みによる問題提起であってはなりません。そこで本ブログをお読みいただいた方々の判断の一助にしていただくべく,同社,および同社を率いる高田社長の経営姿勢,人となりを高く評価しているブログ,ホームページのリンク集を掲載します。

 特に,九州大学での講演内容を簡潔・明解に紹介している,「講演でわかったジャパネットたかた社長のハイテンションの理由」は,要点を書き添えます。

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「講演でわかったジャパネットたかた社長のハイテンションの理由」
    http://n-styles.com/main/archives/2011/01/29-024500.php

《要約》
・九州大学ベンチャービジネスラボラトリーが開催する起業家セミナーに参加してきた。単位取得もできる大学の正式な授業として開催されたものである。

・高田氏は、長崎大学の受験に失敗し、大阪経済大学に入学している。

・高田氏は27歳で結婚し、3坪しか敷地がない店舗を任される。当初は1ヶ月の売り上げが55万だったが、300万の目標を設定し、1年で達成した。その後も業績を伸ばしていく。

・宣伝媒体としてラジオCMに目をつけた。テレビCMは高すぎるので、ラジオを選んだという。やってみたら予想を大幅に超える売上があった。

・九州全域に進出するころには「通販九州」と名乗り、四国進出時には「通販四国」…このままでは進出するエリアが増えるたびに名前が変わると思い社名を変更した。「ジャパネットたかた」の誕生である。

・問題が出てくればそれを一つずつ潰していく。「問題は階段を登るように一つずつ解決していけばいい。一足飛びにはいかない。

・テレビショッピング番組でのあのハイテンションは演技でもなんでもなく、「想いを伝える」「感動を伝える」事を実践したら自然とあのテンションになっていくそうだ。

・2004年の情報流出事件については,自主的な営業停止を決めたという。この対応はリスクマネージメントの模範として評価され、事件前を大きく超える業績拡大につながった。
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▼「ジャパネットたかた」取材記&テレビ台破損記事-リンク集

教えて!goo - ジャパネットたかた
 http://oshiete.goo.ne.jp/search_goo/?status=select&MT=%A5%B8%A5%E3%A5%D1%A5%CD%A5%C3%A5%C8%A4%BF%A4%AB%A4%BF&SH=1&from=oshieteajax


日経BP ジャパネットたかた社長 高田 明。(2005年3月25日)
 http://www.nikkeibp.co.jp/style/biz/person/interview/050325takata/

じゃぱネットたかた・高田明社長取材記
 http://www.onda-honpo.com/teleshop-sp/teleshop_g.html

ジャパネットたかた 高田明社長の名言
 http://kandoumeigen.seesaa.net/article/178834097.html

ジャパネットたかた 高田明代表取締役インタビュー(5)
 http://kigyoka.com/kigyoka/public/news/news.jsp?id=776

ジャパネットたかたの高田明社長に今期の戦略を聞く
 http://www.tsuhanshinbun.com/archive/2010/12/2-3.html

高田明 ジャパネットたかた社長[カンブリア宮殿]
 http://ijin.keieimaster.com/wadai/tv/406.html
   
卒業研究“ジャパネットたかた”,高田社長にインタビュー!
 http://www.wilmina.ac.jp/ojc/news/038


「ジャパネットたかた」のテレビ台に苦情相次ぐ ガラス破損74件 経産省も調査
  http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110216/dst11021612020009-n1.htm
ジャパネットたかた:テレビ台破損66件 経産省に報告
 http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110216k0000e040063000c.html

テレビ台の無償交換を発表 ジャパネットたかた[共同通信]
  http://www.47news.jp/CN/201102/CN2011021601000304.html

テレビ台(強化ガラス製)のガラスが割れる事故について(news release 消費者庁)
 http://www.caa.go.jp/safety/pdf/110221kouhyou_1.pdf
ニュースリリース 弊社販売のテレビ台について
 http://www.japanet.co.jp/shopping/support/info15.html

ジャパネットたかた:テレビ台破損66件 経産省に報告
 http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110216k0000e040063000c.html


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「身の丈」を強みとする経営(日本経済新聞出版社刊)
 閉塞感漂う時勢ではありますが,背中を丸め,ぼやいてばかりいても,展望は開かれません。一時的な成功を追うことなく,堅実経営を貫き,長期にわたる成長を維持している小売業は多数存在します。
 こうした企業を凝視すると,ある共通性が見られます。それは,性急な業容拡大は弊害が多いとして,長期にわたる堅実な発展を目指して,自らの分を知り,ライバルの動きに惑わされることなく,マイペースを貫きながら存在感を発揮するという経営姿勢を貫いています。本書ではこのような経営姿勢を「身の丈経営」と称して,縮小の時代の小売業経営のあり方を考察しています。



⇒《本書でとりあげている企業》
ネスレ,アマゾンジャパン,楽天,サントリー,キッコーマン,日清紡,東レ,ヤマト運輸,バンダイ,JR東日本,伊藤園,花王

ケーズ電器,ベスト電器,でんかのヤマグチ,ジャパネットたかた,セブン&アイ,イオン,ヤオコー,ユニバース,トライアル,ベイシア,ユニー,ケーヨー,コメリ,カインズ,セブン-イレブン,しまむら,A-Z阿久根,マルヤガーデンズ,銀座三越,ダイシン百貨店,大丸


「身の丈」を強みとする経営―縮小の時代に勝つ「新リージョナルマーケティング」
小林 隆一
日本経済新聞出版社



ジャパネットからなぜ買いたくなるのか? 一番売れた生放送の秘密
荻島央江
日経BP社



ジャパネットたかた思わず買いたくなる“しゃべり”の秘密
金子 哲雄
ぱる出版



テレビではわからない ジャパネットたかたのすべて
クリエーター情報なし
モーターマガジン社

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