東京五輪・パラリンピックを巡る汚職事件で、大会組織委員会元理事の高橋治之被告に賄賂を提供したとして、AOKIホールディングスの青木拡憲前会長は贈賄罪に問われた、被告の身となった。1958年、質流れ品を担いで行商から身を起こし、91年に東証1部(現プライム)に上場と、一代で服飾関連約600店舗を構える業界大手に築きあげたという輝かしい経歴に汚点をつけることとなった。
青木氏 五輪に熱き思い
「世の中のお役に立つという思いをもとに、万全の準備態勢を敷く」と、全力かつ真摯に真剣に取り阻む」と決意表明している。。2020年1月、都内のホテル。東京五輪・パラリンピックで日本選手団が開会式や式典で着用する公式服装の発表会で、AOKIホールディングス会長(当時)の青木拡憲前会長は熱い思いを込めてあいさつしている。
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┃★┃ 「東京五輪の大会価値を失墜させた」 青木氏に懲役2年6カ月求刑
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図の出所:信濃毎日新聞
東京五輪・パラリンピックを巡る汚職事件で、大会組織委員会元理事の高橋治之被告(78)に賄賂を提供したとして、贈賄罪に問われた大会スポンサーのAOKIホールディングス(HD)元会長、青木拡憲被告(あおきひろのり・84)ら3人の論告求刑公判が2月1日、東京地裁で開かれた。
検察側は「東京大会を私利私欲のために利用し、大会の公共的価値を踏みにじった」と断じ、青木元会長に懲役2年6月、ほかに贈賄罪に問われた元副会長の青木宝久被告(実弟・77)と元専務執行役員の上田雄久被告(41)には、それぞれ懲役1年6月、懲役1年を求刑した。
弁護側は最終弁論で「(青木元会長ら)3人は、私利私欲を得ようとした高橋元理事に巻き込まれ、利用された」と主張した。元理事が職務に絡む金銭の授受を禁じられる「みなし公務員」に当たる認識もなかったとし、執行猶予付き判決を求めた。
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┃★┃ AOKIの経営理念に則る行為であったのか
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青木拡憲氏は、自著『何があっても、だから良かった』(PHP研究所刊)で、「社会性の追求」 「公益性の追求」 「公共性の追求」を経営理念に掲げ、ビジネスに挑んできた、と語っておられる。東京五輪・パラリンピックを巡る贈賄行為が事実だとすると、AOKIの経営理念が、空虚に響く。青木氏程の経営者が、人として守るべき道徳や規範、ましてご自身が唱え掲げた経営理念をないがしろにしたとは、思いたくない。この点を、追求してみたい。
(続 く)