九州の小売業界は,厳しい経営環境下にあって閉塞感が漂う。鹿児島県内では,11店舗を展開していた「まるいストア」,日置市などでスーパー「やまぐちバリュー」を展開していた「やまぐち」と地場中堅スーパーの閉店が相次いだ。長崎県では,「浜屋百貨店」の大村店(長崎県大村市)が,2013年3月31日をもってを閉店する。
>>>視界不良の中で堅調を維持 「コスモス薬品」
こうした状況にあって九州を地盤とし四国,中国で420店舗を展開する「コスモス薬品」(http://www.cosmospc.co.jp/)の『小商圏型メガドラッグストア』戦略は,人口減少・高齢化時代を合致した時代対応策として,注目される。
いま,小売業では大きな商圏には大きな店舗,小さな商圏には小さな店舗という考えが常識化している。そんな中で,コスモス薬品(465店舗,年商2,790億円)は,足元の小さな商圏(商圏人口1万人)をターゲットとする『小商圏型メガドラッグストア』戦略を唱えている。
『小商圏型メガドラッグストア』,商圏人口1万人の小さな商圏に可能な限りの大型店(売場面積2,000平米または1,000平米)をつくり,その地域に住む人にとって最も便利の良い店舗をつくるという戦略である。
小商圏での競合業態は,食品スーパー,小商圏型ディスカウントストア,コンビニエンスストア,500平米型ドラッグストア。 これらの競合に対抗する同社のメガドラッグストアは医薬品・化粧品はもとより日用雑貨,生鮮三品以外の食品等の日常の暮らしに必要な消耗品を豊富に取り揃えた店舗となっている。現代人にとって最も重要なものは時間であり,時間の節約こそが消費者最大のニーズ。 それを満たすのが,『小商圏型メガドラッグストア』というわけである。
出典:コスモス薬品HP http://www.cosmospc.co.jp/ir_shihyo01.html
◆異業種との価格競争が熾烈化
コスモス薬品の2011年6~8月期決算は,売上高は前年同期比15.3%増収の685億円,営業利益は同33.5%増益の39億円と,売り上げ,利益とも大きく伸長した。既存店増収率は8月が21%増収にとどまったものの,第1四半期全体では3.2%と,競争環境が激化する状況のもとで確実に伸長した。 コスモス薬品の事業戦略の中心は,「ディスカウント路線の強化」と「自社競合を発生させて地域深耕を図る」ことである。この経営の軸のプレはない。 同社の商圏人口はおおむね1・5万~2万人であり,店舗は駐車場スペースを十分に確保した郊外,ロードサイドなどに立地している。11年10月末現在の420店舗中,売り場面積が1000平方㍍超の店舗は374店舗に上り,2000平方㍍超の店舗が220店舗である。
⇒⇒ 事例1 宮崎駅前 大型複合商業施設 集客効果は微少にとどまる
http://blog.goo.ne.jp/rk_kobayashi/e/c8916aa60c24c3869b9f59e0c63fdf0b
⇒⇒ 事例2 大分駅前に建つ「大分開発ビル」-商業ビルの継続を断念
http://blog.goo.ne.jp/rk_kobayashi/e/c8916aa60c24c3869b9f59e0c63fdf0b
⇒⇒ 閉塞感漂う鹿児島の小売業界-「まるいストア」,9月末で全店舗を閉鎖
http://blog.goo.ne.jp/rk_kobayashi/e/3865a4a904194302a17b34b64c4366da
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