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リンガーハット-時代の流れを読み,見事に復調

2019-01-12 15:41:53 | リンガーハット

 「長崎ちゃんぽん」や「皿うどん」で知られるリンガーハット(本店所在地:長崎市 http://www.ringerhut.jp/  )が,最終損益で24億3400万円の損失という過去最大の赤字となったのは2009年2月期のことだった。外食産業の「価格低下競争」に巻き込まれた結果だった。

 リンガーハットは1962年に長崎で「長崎ちゃんめん」の第1号店のオープンに端を発している。そして文字通り破竹の勢いで東上作戦を展開し2009年2月期末の店舗数は548に達していた(前期末:併営するトンカツ浜勝等も含め788店)。「低価格競争」は,「商品の価格引き下げ」->「人件費削減」->「サービスの低下」->「顧客離れ」の負のスパイラルに陥る。

 リンガーハットはこの負のスパイラルからどう脱し,今日の立ち位置を手にしたのか。それは09年10月にスタートした「国産野菜100%プロジェクト」だった。08年の段階から15道県の約40産地の野菜農家と提携することで,プロジェクトの地盤作りが成されていた。

 リンガーハット復調のキーポイントは,「安さから」から「安心・安全」,さらに「ボリューム重視」から「健康志向」へという,外食に関する時代の流れを敏感に読み取り,業界他社に先がけ「国産野菜」使用に踏み切ったことにある。

 「値引き合戦」から手をひき,「国産野菜100%」路線に転じたのは,「時代の流れを読んで」の決断であった。「健康志向の高まり」を読み,味方につけたのである。契約農家とは必要な野菜の種類・量を試算した上で「全量買い取り」「(契約農家を明示し)ここ以外からは買わない」を約束し,その代わりリンガーハットのスタッフが常に農家に出向き「化学肥料の極少化」をチャックし作付けを見守った。

 「世の中の変化に対応できない企業は,退場せざるを得ないが,対応し続けられれば大きく伸びる」。これは,セブン-イレブンの生みの親,セブンアイ・ホールディングス元鈴木会長の言である。勝ち残る企業にとって「時代の風を読む」ことがいかに大事なことを,リンガーハットの歴史が物語っている。

  国産野菜ブームの追い風に乗る

  リンガーハットは,2009年2月期は,24億円の大幅な最終赤字を出し無配転落。現在はというと,2015年1月までのリンガーハット既存店売上高は7カ月連続で前年比プラス。グループのとんかつ専門店「浜勝」を含めて,2015年2月期の連結決算は,2003年2月期以来の12年ぶりの営業利益20億円(前期は17.7億円)超が見込まれている。(会社予想の売上高計画は 前期比2%増の370億円)。

 リンガーハット復調の起爆剤は,国産野菜人気である。メインメニューである「野菜たっぷりちゃんぽ ん」の国産野菜480グラム使用に示されるるように,2009年からリンガーハット全店で使用している野菜をすべて国産に切り替え「健康,安全,安心」を アピールするとともに, 『野菜たっぷりちゃんぽん』の販売開始。さらに,毎月,2日間,「野菜の日」を設けて,当日限定の野菜たっぷり特別メニューを提供するという力の入れよう である。

 こうした取り組みが,功を奏した。海外産の野菜と比べて信頼がある国産を使っていることが,健康志向の強い消費者に受け入れられ,女性客へのアピールにもなっている。

 リンガーハットの復調は,「安さ」や「ボリューム」重視から,「安心・安全」そして「健康志向」へとの時代の流れの証明,さらには外食業界における新たなトレンドの予兆を感じさせる事実である。

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   リンガーハットジャパン株式会社
本店所在地:  長崎県長崎市鍛冶屋町6番50号
設立: 2006年9月1日
代表取締役社長:前田 泰司
資本金: 1億円
事業の内容     「長崎ちゃんぽん」の専門店としての飲食店の運営

 株式会社リンガーハット
本社: 東京都品川区大崎1-6-1TOC大崎ビル14F

 

⇒⇒  3分で分かる!リンガーハット  http://www.ringerhut.co.jp/three_minutes/


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