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鹿児島県職員1千人の上海研修事業   <成果に疑問-韓国事例を紹介>

2013-06-20 00:01:00 | これでいいのか鹿児島

韓国に学べ <県職員1千人の上海研修事業>


 鹿児島県が鹿児島-上海便の存続を理由に県職員1千人の上海研修事業費として1億1800万円を補正予算案に計上した問題で,伊藤祐一郎知事は6月18日,県議会本会議で,「路線維持対策に遅れが生じることは許されない」と述べ,白紙撤回の考えはないことを強調した。

 県は中国東方航空鹿児島-上海線維持のためとして、本年度一般会計補正予算案に派遣費用1億1800万円を計上。「公費の使い方として不適切だ」との批判もある。

 利用客が伸び悩む鹿児島-上海間の定期航空路線の利用客増が主な目的だとしており、6月一般会計補正予算案に交通費や宿泊費など経費として1億1800万円を計上した。
 対象は一般行政職員500人と教職員500人。50人ずつ20班に分け、県上海事務所で上海の産業について説明を受けたり、現地の行政機関や教育・文化施設を視察したりする。水曜に鹿児島を出発し、土曜に帰国する3泊4日の予定。

 県によるとこの研修の目的は,利用が低迷している中国東方航空の鹿児島―上海線(週2往復)を維持にあるという。同路線は2002年に開設。県によると、東日本大震災や尖閣諸島を巡る日中関係の悪化を背景に、搭乗率は50%台に落ち込んでいる。現時点で中国東方航空側から路線休止などの通告はないが「一旦廃止されると復活は難しい。何としても維持したい」(県財政課)として支援を決めた。
 県はこれとは別に、団体ツアー客やビジネス客への助成制度も拡充。例えばビジネス客への助成額は現行の1人1万円を2万円に増やす。


 県の目論見通りに,この研修が鹿児島―上海線の搭乗率向上の呼び水になるとは到底思えない。搭乗率向上にはリピート客の増加,中国(上海)からの来日観光客の増加が当面の課題となる。日本人が上海に出かけていくのではなく,中国の人たちに鹿児島に来てもらい,鹿児島の良さを知り,鹿児島ファンになってもらうためにチエとカネを使うべきである。

 参考までに,「「韓国観光PRで女性記者100人招待」という,韓国の目のつけどころのすごさと粋な取り組みを紹介する。

 韓国は日本と同様に観光を成長産業と位置づている。去年韓国を訪れた外国人は初めて1000万人を超えたが、日本からは円安に加えて政治面の冷え込みもあって落ち込んでいる。そこで、観光公社は、「韓国観光PRで女性記者100人招待」というアイデアをひねり出した。
 
 >>>韓国観光PRで女性記者100人招待

 日本と同じように観光を成長産業と位置づける韓国政府は、日本や中国をはじめとする国々から100人の女性記者を韓国に招待し、美容や韓流の音楽を体験してもらうといったユニークな取り組みを始めた。

 これは、韓国観光公社が初めて実施したもので、日本から40人をはじめ、中国や香港、台湾から合わせて50人、それに東南アジアや欧米から10人の合わせて100人の女性記者を韓国に招待した。

 30日、ソウルに到着した一行は歓迎晩さん会に出席し、観光公社のイ・チャム社長は「韓国の魅力を、流行や文化に敏感な女性記者の皆さんに知ってもらい、広くPRしてほしい」とあいさつした。
 2泊から4泊のコースは国や地域ごとに分かれていて、観光公社は、日本の記者たちには、30日から31日にかけて、韓国の酒マッコリの味の違いを楽しんだり、Kポップダンスの振り付けを学んだりしてもらった。

 一方、日本を抜いて最も多くの観光客が韓国を訪れるようになった中国の記者たちには、一層多くの団体旅行の誘致につなげようと、主に地方の観光地を視察するコースを組んだ。
                      (出所:NHKニュース,他)

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参考データ1:観光庁発表の「平成24年訪日外国人消費動向調査」
 日本は観光立国を掲げているが,訪れる外国人観光客の数が少ない世界有数の観光赤字国である。2012年の1年間で、海外に出国した日本人は1,850万人。これに対し、日本を訪れた外国人の数は837万人にとどまる。なお,観光庁発表の「平成24年訪日外国人消費動向調査」によると,来日外国人消費額の1位は中国(2,688 億円),2位が台湾(1,648 億円),3位韓国(1,466 億円)と,この3国で合わせて5,802億円である。これは訪日旅行者全体の消費額は1兆861億円の53.4%を占める

参考データ2:外国人の旅行宿泊者が多い県は? 外国人の旅行宿泊者が少ない県は?
 2012年12月公表の都道府県別 外国人宿泊旅行データ(データは2012年7月~9月)によると, 2012年7月~9月の外国人宿泊者数は658万人である。

 外国人の旅行宿泊者が最も多かった都道府県は東京都で,東京の外国人宿泊者数は198万9670人で昨年の同時期に比べると39.3%の増加。2位は大阪の77万7610人,3位は北海道の56万9920人,4位は京都の53万7960人と続く。外国人の旅行宿泊者が最も少なかった県は高知県で3040人である。
 鹿児島県の延べ宿泊者数は,21位で3万5370人。九州では福岡県が8位(23万1170人),長崎県14位(3万440人),熊本県15位(71万460人),大分県は16位(6万4090人)である。
      出典:「都道府県別 外国人宿泊者数ランキング」http://www.japan-now.com/article/343159319.html


参考データ3:共産党県議団の街頭アンケート--9割が反対
 西日本新聞電子版2013年6月9日によると,県が計画する県職員千人の上海研修派遣について、共産党県議団は8日、鹿児島市の繁華街・天文館で賛否を問う街頭アンケートを実施した。1時間で291人が回答し、9割が「税金の無駄遣い」「路線維持に効果があるのか疑問」と反対の意思を示した。

⇒⇒関連ブログ:「「宝くじ事業仕分け」での鹿児島知事の発言-庶民の反感を買う」http://blog.goo.ne.jp/rk_kobayashi/e/c6b86ff23069a6efd34605b0d0495516


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