国立社会保障・人口問題研究所の『日本の地域別将来推計人口(平成25年3月推計)』によると,いまから25年後の2040年の鹿児島県の人口は,現在の165万8000人より約35万人減り,131万人と推計される。県最北の島,長島町の人口減は深刻である。人口減と高齢化に歯止めがかからず,民間研究機関からは「消滅可能性都市」の一つに選ばれている。
>>>「消滅可能性都市」 長島町 --ブリ養殖日本一の漁業の町--
--ブリの水揚げ 長島町ウエブサイトより
鹿児島県最北の島,長島町(ながしまちょう)。温暖な気候と青く美しい海岸線に恵まれ人口は11,000人,養殖ブリの生産量では「日本一」の漁業の町である。だが,下のグラフが示すように,人口減と高齢化に歯止めがかからない。1970年国勢調査では15,929人であった人口は,その後一貫して減少が続き,2010年には,11,1122人となった。
町内に高校はなく,若者の流出や出生数の減少も続いており,2040年には約7,000人になると試算されている。民間研究機関からは「消滅可能性都市」の一つにも選ばれている。
過疎化の進むこの町をどう立て直すのか。行政手腕が問われるところである。
● 長島町 人口・世帯数
年 月 | 総世帯数(戸) | 人 口 | ||
---|---|---|---|---|
男 | 女 | 計 | ||
昭和35年 | 4,439 | 10,507 | 10,672 | 21,179 |
昭和40年 | 4,248 | 8,969 | 9,549 | 18,518 |
昭和45年 | 4,250 | 7,703 | 8,226 | 15,929 |
昭和50年 | 4,286 | 7,209 | 7,731 | 14,940 |
昭和55年 | 4,375 | 7,184 | 7,656 | 14,840 |
昭和60年 | 4,426 | 6,977 | 7,463 | 14,440 |
平成2年 | 4,477 | 6,621 | 7,180 | 13,801 |
平成7年 | 4,489 | 6,275 | 6,910 | 13,185 |
平成12年 | 4,528 | 5,997 | 6,555 | 12,552 |
平成17年 | 4,439 | 5,698 | 6,260 | 11,958 |
平成22年 | 4,303 | 5,276 | 5,829 | 11,105 |
資料:国勢調査 単位:人
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┗■ 町勢も立て直しに向けて 「長島人口ビジョン長島版総合戦略」
http://www.town.nagashima.lg.jp/update/upload/20150813095731_079.pdf
長島版総合戦略では,長島大陸の基幹産業である農業・水産業のパワーを高めるとともに,住民との「交流」を育むことで,移住・定住につなげていく。また,婚活・出産・子育て支援の拡充や「美しい長島づくり」により,暮らしやすい長島をつくるとの,ビジョンを描いている。
なお, ビジョン実現に向けての具体策として,「鹿児島県長島町の特産品を販売できる「地域おこし協力隊」募集」と題して約20人の人材公募を打ち出している。
⇒⇒ 鹿児島県長島町の特産品を販売できる「地域おこし協力隊」募集 ⇒
https://jp.stanby.com/ats/nagashima/jobs/151027-023627
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┃★┃ 2040年 鹿児島県の推計人口
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国立社会保障・人口問題研究所の『日本の地域別将来推計人口(平成25年3月推計)』によると,いまから25年後の2040年の鹿児島県の人口は,現在の165万8000人より約35万人減り,131万人と推計される。
下の表は,2040年の鹿児島県の市町村の人口ランキングである。
順位 | 市町村名 | 2040年推計人口 | 2010年人口 | 人口増減 | 増減率 % |
鹿児島県 | 1,314,057 | 1,706,242 | -392,185 | -23.0 | |
1 | 鹿児島市 | 519,563 | 605,846 | -86,283 | -14.2 |
2 | 霧島市 | 111,767 | 127,487 | -15,720 | -12.3 |
3 | 鹿屋市 | 87,659 | 105,070 | -17,411 | -16.6 |
4 | 薩摩川内市 | 77,359 | 99,589 | -22,230 | -22.3 |
5 | 姶良市 | 62,931 | 74,809 | -11,878 | -15.9 |
6 | 出水市 | 40,695 | 55,621 | -14,926 | -26.8 |
7 | 日置市 | 37,866 | 50,822 | -12,956 | -25.5 |
8 | 奄美市 | 30,775 | 46,121 | -15,346 | -33.3 |
9 | 指宿市 | 29,635 | 44,396 | -14,761 | -33.2 |
10 | 南さつま市 | 24,133 | 38,704 | -14,571 | -37.6 |
11 | 南九州市 | 23,666 | 39,065 | -15,399 | -39.4 |
12 | 志布志市 | 23,165 | 33,034 | -9,869 | -29.9 |
13 | 曽於市 | 23,134 | 39,221 | -16,087 | -41.0 |
14 | いちき串木野市 | 20,647 | 31,144 | -10,497 | -33.7 |
15 | 伊佐市 | 18,003 | 29,304 | -11,301 | -38.6 |
16 | さつま町 | 15,445 | 24,109 | -8,664 | -35.9 |
17 | 枕崎市 | 14,572 | 23,638 | -9,066 | -38.4 |
18 | 阿久根市 | 13,590 | 23,154 | -9,564 | -41.3 |
19 | 屋久島町 | 11,058 | 13,589 | -2,531 | -18.6 |
20 | 西之表市 | 10,522 | 16,951 | -6,429 | -37.9 |
21 | 肝付町 | 10,357 | 17,160 | -6,803 | -39.6 |
22 | 垂水市 | 9,508 | 17,248 | -7,740 | -44.9 |
※ 国が進める地方創生事業は,地域経済の再生を通じて人口減少の克服などを目指すもので,自治体が従来の交付金よりも広い裁量で使える新型交付金が設定されている。