「身の丈」経営,「身の程」人生

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”車いすの社長”  春山満社長(59)の信念・2

2013-08-01 05:43:03 | 「身の丈」経営

 phote:ハンディネットワーク インターナショナルHPより

 

 進行性筋ジストロフィーという難病によって、首から下の運動機能をすべて失った春山満氏。「なくしたものは数えな い」「足や手が動かなくなっても、話すことも考えることもできるじゃないか。だったら、首から上を使って銭を稼げばいい」と,独自の哲学で福祉ビジネスに 参入し、見事に成功に導いた。“車椅子の社長、の信念とは-。

 

僕はそれでも生き抜いた

ジェットコースターのような半生と春山哲学

が綴られている。

実業之日本社

             

|||  「会社は小さく、ネットワークはでかく。そして、粗利をガッポリ」というのが、春山流ビジネス理念とか

  春山氏は,こう語る。「パナソニックやトヨタなどに福祉事業のアドバイスもしました。大企業を呼び込むことで、市場も大きくなり、結果、利益も大きくなります。福祉ビジネスで陥りがちなのが、『利益よりも人の役に立つことを優先させる』とヒューマニズムに惑わされ、ビジネスの基本である利益を忘れてはいけない。福祉ビジネスに携わって25年以上ですが、その間、利益の出ない商品、サービスは提供していません」。

 「ビジネスの基本である利益」という自説にこれに関連して,その具体例を著書 『僕にできないこと。僕にしかできないこと』で,次のように説いている。

 ディーラーを大事にした提案型ビジネスの展開  -  価格破壊は値崩れにすぎない

 「イージー・ケア・テーブル」は、普通のタイプで60万円、木目タイプで72万円と高価です。はっきり言って、自分でも高いと思います。現に、僕は商品を説明するときにはいつもこう言っています。
「うちの商品は高いですよ。しかし、その分、いろんな問題を解決してくれる要素が詰め込まれています。それでも、高いと思ったら買わないでください。安いと思ったら買ってください」。

 決して売り込んではいけないのです。なぜなら、売り込んだら買いたたかれるからです。
僕は従業員には、いつもこんなふうに教えています。

「絶対に売り込んじゃいかん。買いたいと思わせるのだ。そして買いたいという動機が生まれたら、提案という付加価値をつけてあげるんだ」。

 最近、「価格破壊」という言葉をよく聞きますが、僕はその言葉を聞くたびに腹立ちを覚えます。「正しく〝値崩れ〃せいう言葉を使え⊥と叫びたくなります。「価格破壊」などという酒落た四文字熟語を使うから、日本人は勘違いしてしまうのです。本当は値崩れ以外の何ものでもありません。

「悔しかったら高付加価値、高価格で売ってみろ」
 僕は、そう叫びたいと思っています。なぜ僕が高価格を維持するかというと、ディーラーに高いマージンを提供するためです。きわめて当然なことですが、マージンがなければ、ディーラーは働いてはくれません。高いマージンがあれば、彼らも提案型のビジネスができるのです。

「値崩れという安直なサービスはするな」
              
「己がまず商品にほれ込み、堂々と額に汗して、目を爛々と輝かせろ」
「確かに値段だけを見れば高いけれど、この商品は実はこうなんですよ、と説得しろ。そうすれば、必ずそこに活路が見つかる」
 僕は、ディーラーにはそういうふうに話しています。
 いったん納得して買ってくれた人は、必ずファンになってくれます。ファンになれば自分の仲間に商品を宣伝してくれます。いい循環ができてファンが増えていけば、利益も比例して上がっていきます。利益が上がればまた提案ができるわけです。提案効果というものは、そうしていい方向に循環していくのです。
 僕はいわゆる「売り逃げ集団」はお断りです。特にこの医療と福祉という世界には、売り逃げ集団はいりません。なぜなら、後々のアフターサービスとかフォローアップが非常に重要だからです。
 そのためにも、ディーラーにはちゃんとした利益を上げてもらわないといけません。幸いにも、僕のところのディーラーはそのことをよく理解してくれて、僕のやり方に賛同してくれています。だから、当然、お客さまを大切にするのです。
 彼らの努力があるからこそ、「イージー・ケア・アーブル」は、ヒット商品であり続けているのです。

                 『僕にできないこと。僕にしかできないこと』  p 176-179  

 

僕にできないこと。僕にしかできないこと。 (幻冬舎文庫)
24歳のとき進行性筋ジストロフィーを発症。現在、首から下がまったく動かない車椅子の社長が、福祉・介護ビジネスの第一線を走る! 人間の無限の可能性を問う、生きる勇気が湧く本。 
幻冬舎


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