「身の丈」経営,「身の程」人生

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TPP参加の是非 - 高い見地からの検討を /伊藤元重氏/新浪剛史氏

2012-01-31 00:05:18 | 「身の丈」経営

◇東京大・大学院教授,伊藤元重氏
  TPP参加推進派の東京大・大学院教授,伊藤元重氏は,この問題は,「小手先での政策運営の話ではなく,日本をどういう国にしたいのかという意思の問題である。問題の本質は,GDPの押し上げ効果何%といったすぐに数字に出るような利益ではない。重要なことは即効性の効果ではない。例えてみれば,熱が出ているから熱を下げるというような薬ではなく,免疫を高め体質を強化する漢方薬のようなものなのだ。
 TPPの交渉に参加するか否かも,日本が開かれた国という姿勢を積極的にとるのか,それとも市場を閉ざして閉塞感を高めていくのかの選択の問題である。」と高い見地からの検討の必要性を説いている。

◇ローソンの新浪剛史社長
 新浪社長は2012年1月24日、都内の日本記者クラブで会見した。環太平洋経済連携協定(TPP)に参加すると米国産の安いコメが日本市場を席巻するとの見方に対し、おにぎりや弁当の試作結果を紹介しながら「(米国産のコメは)国産に比べ水分量が少なく時間を置くと劣化する」と指摘。日本に合うコメを作るには「大規模なインフラ投資が必要で米国にとっても非合理的」と分析した。

 TPPを巡っては「農家と産業界が対立するのではなく、協力して農業を進化させるきっかけにすべきだ」と強調。付加価値の高いコメを作り「アジアに輸出する攻めの目標を持つことが大事」との見解を示した。

            

TPP亡国論 (集英社新書)
TPP(環太平洋経済連携協定)参加の方針を突如打ち出し、「平成の開国を!」と喧伝した民主党政権。そして賛成一色に染まったマス・メディア。しかし、TPPの実態は日本の市場を米国に差し出すだけのもの。自由貿易で輸出が増えるどころか、デフレの深刻化を招き、雇用の悪化など日本経済の根幹を揺るがしかねない危険性のほうが大きいのだ。いち早くTPP反対論を展開してきた経済思想家がロジカルに国益を考え、真に戦略的な経済外交を提唱する。
集英社
日本経済の底力 - 臥龍が目覚めるとき (中公新書)
東日本大震災後の日本を立て直すにはどうすればよいのか―。この問題を考えるとき、震災前の日本経済が停滞していたことを忘れてはならない。以前に戻るのではなく、復興とセットになった新たな成長が必要なのだ。そのために効果的な取り組みとは何か。本書では、飛躍的成長の核になる。産業集積の考え方から、TPPの本質までをわかりやすく説き明かし、まだ眠っている日本の力を最大限に生かす道を明解に示す。
中央公論新社
農業で稼ぐ!経済学
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