学生の就職活動が早期化,長期化して大学教育の足かせにもなっている。いま,学生によっては
大学3年生の夏ごろから「就活」を始める。 教育現場からは,「さあこれから専門教育という時
期に学生が勉学から離れていく」との嘆きも聞かれる。
◆
報道によると,三菱商事や三井物産など商社各社で組織する日本貿易会は,採用活動が早まり,
学業を妨げていることを憂慮して,2013年度入社の採用(現在の2年生が対象となる)から,3年生
の10月に本格化する新卒大学生の採用活動を,4カ月程度遅らせる方針を決めた。これが実現する
と,面接や試験を実施する採用選考は4年生の夏休みごろとなる見込みである。
貿易会は年内に詳細を決め,日本経団連や他業界団体に働き掛ける。また、行政や大学の理解も
求める。実現すると,2年生の就職活動の始まりは12年2月以降にずれ込む。
ただ,商社だけが遅らせても他業界の試験を受ける大学生の負担は増すことにもなりかねず,採
用活動の考えを定めた日本経団連の「倫理憲章」の見直しを含め,議論を呼びそうである。
→商社で働きたい方へ http://www.jftc.or.jp/shosha/index2.html
▼新卒者の採用活動の見直しについて(資料配布) 2010年10月6日 -
いまや、わが国の経済・社会の将来に対する危機意識とともに、人材の育成がわが国にとって焦眉
の急であるとの認識は、多くの国民が共有するところとなっている。
外にあっては経済活動のグローバル化が急速に進展し、内にあっては少子高齢化にともなう人口
減少の局面にあるわが国にとって、まさに人材の育成は喫緊の課題である。
このような観点に立って、企業の採用活動の早期化が学生の本分である就学環境を阻害している
ことがかねてより指摘され、各界においてその是正に向けての議論が進み、改善が図られてきたと
ころであるが、未だ根本的な是正には至っていないのが実情である。
このような状況下、日本貿易会は、人材育成における学生の就学環境の確保の重要性にかんが
み、商社業界の総意をもって下記の通り新卒者の採用活動の見直しに取り組むこととした。
記
1.2013年度入社対象の新卒者から広報活動を含む全体の採用スケジュールを遅らせるべく、
具体的な検討を行う。
2.各産業界が協調して見直しが実現できるよう、日本経済団体連合会をはじめとする関係団体に
働きかける。
.行政、大学などの関係機関を含む社会全体において効果的な議論がなされるよう理解を求めてい
く。
■ 伊藤忠商事株式会社
■ 伊藤忠丸紅鉄鋼株式会社
■ 稲畑産業株式会社
■ 岩谷産業株式会社
■ 兼松株式会社
■ 興和株式会社
■ CBC株式会社
■ JFE商事ホールディングス株式会社
■ 住金物産株式会社
■ 住友商事株式会社
■ 双日株式会社
■ 蝶理株式会社
■ 豊田通商株式会社
■ 長瀬産業株式会社
■ 阪和興業株式会社
■ 株式会社日立ハイテクノロジーズ
■ 丸紅株式会社
■ 三井物産株式会社
■ 三菱商事株式会社
◆日本経団連の意向-新卒採用開始は4年生の夏以降に
大学生の就職活動は一般的に、4年生の4~5月がヤマ場。ゴールデンウイーク前には内々定を
出す会社も多い。秋採用を実施する大手企業もあるが,春ほどの規模ではない。秋以降,大手の採
用活動は3年生に照準が移るのが実情である。
こうした状況かから,内定を得られない学生は,就職活動を続け就活に要する時間が大学生活の
半数以上を占めるケースも出るなど,長期化する就活期間により,「学業がおろそかになる」点は
否めない。
日本経団連は,こうした状況を憂慮し,平成24年入社の新卒から採用選考の開始時期を,4年
生の夏以降に徹底するよう申し合わせる方針を打ち出した。
日経連は既に2008年10月14日付けの「大学卒業予定者・大学院修了予定者等の採用選考
に関する企業の倫理憲章」で,“卒業・修了学年の学生が本分である学業に専念する十分な時間を
確保するため、選考活動の早期開始は自粛する。まして卒業・修了学年に達しない学生に対して、
面接など実質的な選考活動を行うことは厳に慎む。”とし,正式な内定日は、10月1日以降とす
る”,と表明している。
今回の日経連の「新卒採用開始は4年生の夏以降」という方針が,建前論に終わることなく,徹
底される事を期待したい。
大学3年生の夏ごろから「就活」を始める。 教育現場からは,「さあこれから専門教育という時
期に学生が勉学から離れていく」との嘆きも聞かれる。
◆
報道によると,三菱商事や三井物産など商社各社で組織する日本貿易会は,採用活動が早まり,
学業を妨げていることを憂慮して,2013年度入社の採用(現在の2年生が対象となる)から,3年生
の10月に本格化する新卒大学生の採用活動を,4カ月程度遅らせる方針を決めた。これが実現する
と,面接や試験を実施する採用選考は4年生の夏休みごろとなる見込みである。
貿易会は年内に詳細を決め,日本経団連や他業界団体に働き掛ける。また、行政や大学の理解も
求める。実現すると,2年生の就職活動の始まりは12年2月以降にずれ込む。
ただ,商社だけが遅らせても他業界の試験を受ける大学生の負担は増すことにもなりかねず,採
用活動の考えを定めた日本経団連の「倫理憲章」の見直しを含め,議論を呼びそうである。
→商社で働きたい方へ http://www.jftc.or.jp/shosha/index2.html
▼新卒者の採用活動の見直しについて(資料配布) 2010年10月6日 -
いまや、わが国の経済・社会の将来に対する危機意識とともに、人材の育成がわが国にとって焦眉
の急であるとの認識は、多くの国民が共有するところとなっている。
外にあっては経済活動のグローバル化が急速に進展し、内にあっては少子高齢化にともなう人口
減少の局面にあるわが国にとって、まさに人材の育成は喫緊の課題である。
このような観点に立って、企業の採用活動の早期化が学生の本分である就学環境を阻害している
ことがかねてより指摘され、各界においてその是正に向けての議論が進み、改善が図られてきたと
ころであるが、未だ根本的な是正には至っていないのが実情である。
このような状況下、日本貿易会は、人材育成における学生の就学環境の確保の重要性にかんが
み、商社業界の総意をもって下記の通り新卒者の採用活動の見直しに取り組むこととした。
記
1.2013年度入社対象の新卒者から広報活動を含む全体の採用スケジュールを遅らせるべく、
具体的な検討を行う。
2.各産業界が協調して見直しが実現できるよう、日本経済団体連合会をはじめとする関係団体に
働きかける。
.行政、大学などの関係機関を含む社会全体において効果的な議論がなされるよう理解を求めてい
く。
■ 伊藤忠商事株式会社
■ 伊藤忠丸紅鉄鋼株式会社
■ 稲畑産業株式会社
■ 岩谷産業株式会社
■ 兼松株式会社
■ 興和株式会社
■ CBC株式会社
■ JFE商事ホールディングス株式会社
■ 住金物産株式会社
■ 住友商事株式会社
■ 双日株式会社
■ 蝶理株式会社
■ 豊田通商株式会社
■ 長瀬産業株式会社
■ 阪和興業株式会社
■ 株式会社日立ハイテクノロジーズ
■ 丸紅株式会社
■ 三井物産株式会社
■ 三菱商事株式会社
◆日本経団連の意向-新卒採用開始は4年生の夏以降に
大学生の就職活動は一般的に、4年生の4~5月がヤマ場。ゴールデンウイーク前には内々定を
出す会社も多い。秋採用を実施する大手企業もあるが,春ほどの規模ではない。秋以降,大手の採
用活動は3年生に照準が移るのが実情である。
こうした状況かから,内定を得られない学生は,就職活動を続け就活に要する時間が大学生活の
半数以上を占めるケースも出るなど,長期化する就活期間により,「学業がおろそかになる」点は
否めない。
日本経団連は,こうした状況を憂慮し,平成24年入社の新卒から採用選考の開始時期を,4年
生の夏以降に徹底するよう申し合わせる方針を打ち出した。
日経連は既に2008年10月14日付けの「大学卒業予定者・大学院修了予定者等の採用選考
に関する企業の倫理憲章」で,“卒業・修了学年の学生が本分である学業に専念する十分な時間を
確保するため、選考活動の早期開始は自粛する。まして卒業・修了学年に達しない学生に対して、
面接など実質的な選考活動を行うことは厳に慎む。”とし,正式な内定日は、10月1日以降とす
る”,と表明している。
今回の日経連の「新卒採用開始は4年生の夏以降」という方針が,建前論に終わることなく,徹
底される事を期待したい。
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