「身の丈」経営,「身の程」人生

身の丈,身の程を知って生きる・・・・・

鹿児島県阿久根市議会のリコール成立-2

2011-02-22 00:01:28 | 竹原信一-元阿久根市長

 鹿児島県阿久根市議会のリコール成立は,私はこれを歓迎すべき出来事だと受け止めている。



 市議会リコール成立は,前市長の竹原信一氏が批判し続けた議員の「厚遇」に対し,市民の拒否表示と受け取れる。
 市民の平均年収が300万円以下とされる阿久根市で、市職員や議員との「官民格差の是正」を訴えてきた竹原氏の主張は多くの市民共感を得ていた。先月の出直し市長選は864票差という僅差で敗退も,その表れであろう。

 竹原氏に変わる新市長の西平良将が,竹原氏が専決処分で日当制(1万円)にした議員報酬を月額制(26万3千円)に戻す条例案を提案,今月16日の臨時議会で可決されたこともが,市民感情を逆撫でしたようだ。
 また,名古屋市での市議会リコール成立も,竹原派への追い風になったのであろう。

 竹原信一氏のやり方を「専制的」「独裁的」と言う人やメディアもあるが,「ゆでガエル現象」に陥っている市政,そして疲弊の度合いを深め,無惨とも言える状況にある地域経済を蘇らせるには,竹原流の荒技が必要である。(この点に関しては,稿をかえて論述します。)

▽阿久根市の現状
 鹿児島県阿久根市。県の北西部に位置し,東シナ海に面しかつて漁業が栄えた町である。農業や漁業が基幹産業の阿久根市の人口は1955年の4万1000人をピークに減少一途であり,現在,約2万4500人。高齢化率34.3%は全国平均(21.5%)を大きく上回る。市中心部ではシャッターを閉じた店が多く,地域経済は疲弊している。



 5年前に九州新幹線の部分開業を期に,並行在来線はJRから切り離され第三セクター<肥薩おれんじ鉄道>として運行されているが,これも阿久根の衰退の一因とされる。 加えて,隣接する出水(いずみ)市からのパイオニア,NEC関連企業の工場撤退などの影響で疲弊している市の現状から,竹原氏の市職員厚遇批判は反響を呼んだ。市民の平均年収は200万円程度と言われる。

    ===============================

 なお,地方政治の観点からいえば、名古屋市での河村氏の行動や,竹原氏の動きは,「二元代表制」の本旨から外れたものといわざるを得ないとする,論者の意見を添えておく。


◆花岡信昭氏・拓殖大学大学院教授 --「二元代表制」の本旨から外れる

 地方政治の観点からいえば、河村氏の行動は、鹿児島県の阿久根市の騒ぎと同様に、「二元代表制」の本旨から外れたものといわざるを得ない。そのため、行政学者ら当初は河村氏を支持していた識者が次々と去っていったといわれる。

 ひとことでいえば、名古屋市長に再選された河村たかし氏という異端の政治家が巻き起こしたポピュリズム・ゲームといっていのではないか。市民税10%削減、市議報酬半減などの主張はあまりに浮世離れしている。

 最後は有権者の判断にゆだねる以外にないのだが、河村氏と同様にテレビで顔を売った大村秀章氏が、これに連携して愛知県知事選を制した。地方政治がこれによって活性化するというのなら、喜ばしいのだろうが、最近の風潮である「地方の反乱」に対しては、もうひとつ腰を落として見ていく必要がありそうだ。
 出典:様々な問題を投げかけた「中京の乱」、国と地方のかたちを議論し直すべきだ
  BPnet  http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20110214/260047/?P=1
▼佐伯啓思氏・京都大学教授 --甘美な毒を含む
 河村市長と市議会の対立は、10%の市民税減税と議員報酬の50%カットという市長の提案を市議会が拒否したことに始まった。そして、辞任し出直し市長選をはかった河村氏が圧倒的に勝利した。市民税減税と議員報酬のカットをセットとして議会と対決し、議会との対立を演出することで市民の支持を得る、という方式である。
 ただ,この方式は,たいへんに甘美な毒を含んだものだ。それは大衆的なエネルギーを引き出して、それを支えにするが、大衆への依存は無限のポピュリズムに陥るか、もしくは大衆を利用した一種の独裁に帰着するであろう。
 出典:名古屋「民主革命」の意味 産経新聞 2011.2.21 03:08
  http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110221/elc11022103080000-n1.htm
⇒関連ブログ:
・鹿児島県 阿久根市議会リコール成立・1
 http://blog.goo.ne.jp/rk_kobayashi/e/9649aa099a4f1090f48135a84d8d66f0
・鹿児島県阿久根市の出直し市長選
 http://blog.goo.ne.jp/rk_kobayashi/e/b5acceb45399b0f025c2e306cb38b331
・鹿児島県阿久根市 竹原信一市長を巡る動き
 http://blog.goo.ne.jp/rk_kobayashi/e/a1847870dca2e8ed602b95fec3ab8401


       :::::******::::::::*********

「身の丈」を強みとする経営』(日本経済新聞出版社刊)。本書は,性急な業容拡大は弊害が多いとして,堅実な発展を目指して,自らの分を知り,ライバルの動きに惑わされることなく,マイペースを貫きながら存在感を発揮するという経営姿勢を貫く経営姿勢を「身の丈経営」とし,縮小の時代の小売業経営のあり方を考察しています。

「身の丈」を強みとする経営―縮小の時代に勝つ「新リージョナルマーケティング」
小林 隆一
日本経済新聞出版社



ビジュアル 流通の基本 (日経文庫)
小林 隆一
日本経済新聞出版社





マニュアルのつくり方・生かし方
小林 隆一
PHP研究所

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 鹿児島県 阿久根市議会リコ... | トップ | 地方自治のあるべき姿 「長... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

竹原信一-元阿久根市長」カテゴリの最新記事