我が家から車で20~30分のところに,千葉徳洲会病院があります。家から近いこともあって,かかりつけ病院としてお世話になっています。その千葉徳洲会病院の「年末年始の診療案内」パンフレット(A4判4ページ)に,事務局のしかるべき地位にある方が書かれたと思われるコラム,その文章が妙に気になりました。目にとまった箇所は,文末の次の文章です。
・・・・・・・・・。私の今年の指針はつぎの3点です。私もいい年になってきたので他人への思いやりを今年のテーマとします。最近見つけた標語から,
・小さな過失はとがめない。
・隠し事をあばかない。
・古傷は忘れてやる。
この3つをこころがければ,自分の人格をたかめるばかりでなく,人の恨みを買うこともない。と説明されていました。今年はこれでいざ出発!!
>> 徳洲会幹部に有罪判決 公職選挙法違反事件で東京地裁
出典:日本経済新聞電子版 2014/8/12 11:28
徳洲会グループを巡る公職選挙法違反事件で、同法違反(買収など)の罪に問われたグループ幹部、I被告(59)の判決公判が12日、東京地裁であり、田辺三保子裁判長は懲役3年、執行猶予5年(求刑懲役3年6月)を言い渡した。田辺裁判長は判決理由で「選挙の公正さを著しく損なわせた」と指摘した。
判決によると、I被告はグループ創設者の徳田虎雄元徳洲会理事長(76)らと共謀。2012年衆院選で、病院職員らを徳田毅元衆院議員(43)=議員辞職=の選挙運動に動員して報酬を支払ったほか、虎雄氏らから買収資金として1千万円の提供を受けるなどした。
同事件では、徳田元議員の親族3人と、グループ幹部7人が同法違反罪で起訴され、I被告を含め10人全員が有罪判決を受けた。
徳田元議員には連座制が適用され、鹿児島2区から5年間の立候補禁止が確定している。
徳洲会側から5千万円を受け取っていたことが判明した元東京都知事、猪瀬直樹氏(67)は昨年12月に辞職。選挙運動費用収支報告書に資金受領を記載していなかったとして、今年3月に公選法違反(虚偽記入)罪で略式起訴され、罰金50万円の略式命令を受けた。
トラオ 徳田虎雄 不随の病院王 | |
クリエーター情報なし | |
小学館 青木理著 |
Livedoor粉飾決算事件で実刑が確定し服役していた堀江貴文氏が出所後書いた『ネットがつながらなかったので仕方なく本を1000冊読んで考えた そしたら意外に役立った』で,『トラオ 徳田虎雄 不随の病院王』を読んで徳田虎雄氏の生き方に強い共感を覚えたと述べている。その内容は,「虎雄氏主導の選挙違反」といわれる今回の騒動を予感させる内容である。
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┗■ 超絶人生が教えてくれる、自分の立ち位置
本を読んでいると時折,あまりに強烈すぎる才能に出会うことがある。
しかし、閃 光のように強烈な才能というものは,どういったわけか、その持ち主に強烈な影をも落とす。なんでなんだろうね? これ。 幸運をつかみ取る才能は,同時に 不幸にも足を取られやすいのか。ロケットエンジンのように、強烈な生命エネルギーは扱いが難しく,ちょっとのミスで大事故につながりかねないのか。
答えはよくわからないけれど、この種の 〝才能″ は,読む者の心に,いつまでも残るものだ。その強烈な閃光で生き様を刻み付けるように,痕跡を残していくのだ。
どれも到底真似できる生き方ではない。
でも,極端すぎる生き様を知ることで,自分が置かれている状況に幸せを感じたり,自分に足りないものを知るヒントになるかもしれない。
紹介したいのは『トラオ 徳田虎雄 不随の病院王』 (青木理) だ。
徳田虎雄は,全国66病院を含む280余の医療施設を擁する病院帝国を一代にしてつくりあげた人物として,政界にも広く知られる人物だ。
帝国の名前は医療法人・徳洲会。しかし彼は,その卓越した経営の才能を持ちながら,不治の難病ALS (筋萎縮性側索硬化症) とともに生きることを余儀なくされる。
ALSは,物理学者のスティーヴン・ホーキング博士によって広く知られるようになった病気だ。体中の筋肉が麻痺し,コミュニケーションや呼吸にも障害が及 び,社会生活が困難になる難病だ。現在,世界中でさまざまな研究が行われているが,いまだに有効な治療法や原因究明がなされていない。
徳田虎雄もALSが進行し,口で言葉を発することができない。鋭い眼光を宿す、ぎょろりとした彼の目が,いまは口の代わりをしている。
コミュニケーションをとるときは、眼前のプラスチックの文字盤を目で追い,秘書や看護師がその視線をとらえ、文字を書き取ることで言葉にする。そんな状態 でもなお,彼は徳洲会の理事長をつとめる。ホームページには 「世界200カ国に医療福祉施設夢の実現に向けて皆で頑張ろう」という彼の熱いメッセージが 掲げられている。
本書では終始,そんな徳田虎雄の無限のバイタリティーに驚かされっぱなしだ。
「ぜんしんの きんにくは よわつてしまっても あたまは せいじようで さえわたっている げんきだつた ときより むしろ ぶんかてき せいかつ かも」
一章の冒頭で綴られる彼のこの言葉が,すべてを物語っているようだ。ALSは彼を少しずつ蝕む。いずれは目の動きすら奪ってしまうという。しかし,ALSのハンデ程度では,彼は止まらないし,止められない。
彼の 〝疾走″ は、幼少期に弟を失ったことから始まった。
故郷の徳之島(鹿児島県の奄美群島) で,ある夜、弟が嘔吐と下痢を繰り返し,目をむいて気を失った。徳田があちこちの医者に往診を頼むも、誰も来てくれず,ようやく医者が来てくれたのは翌日の昼過ぎ。弟はもう,死んでいたという。
この壮絶な経験が,「年中無休,24時間オープン」 を旗印とする徳洲会をつくり今もなお,彼を走らせ続けているのだろう。
そのまっすぐな生き方は、時に世間から 〝キワモノ的″ とも評されるが、僕は強い共感を覚えた。彼なら世界中の過疎地に、病院を作りまくれるに違いな い。体中の筋肉が止まっても、彼は止まらないはずだ。自分の運命にとらわれず,自分の力で運命すらも超えて前進していく姿に圧倒させられる。
『ネットがつながらなかったので仕方なく本を1000冊読んで考えた そしたら意外に役立った』 p97~p101
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ネットがつながらなかったので仕方なく本を1000冊読んで考えた そしたら意外に役立った (ノンフィクション単行本) | |
堀江貴文:2006年,証券取引違反の疑いで東京地検特捜部に逮捕され,実刑判決。長野刑務所にて服役。 | |
角川書店 |
トラオ 徳田虎雄 不随の病院王 | |
クリエーター情報なし | |
小学館 |