初めまして。リハビリテーション科です。
皆さんはリハビリテーション(リハビリ)と聞いてどんなイメージをもちますか?
運動?歩く練習?マッサージ?厳しくて痛いことをされる?
では、リハビリテーションの和訳は?いかがでしょう?
社会的にもリハビリという単語自体、だいぶ身近になってきたと思いますが、正しく説明できる方はまだまだ少ないのが実情のようです。
初回はリハビリテーションとはなにか?についてお話したいと思います。
日本において「リハビリテーション=機能回復訓練(関節の曲げ伸ばしやマッサージ、歩行訓練など)」ととらえがちですが、本当はとても広い意味があります。
「リハビリテーション」(Rehabilitation)は、re(再び、戻す)とhabilis(適した、ふさわしい)から成り立っています。
つまり、単なる機能回復ではなく、「人間らしく生きる権利の回復(全人的復権)」や「自分らしく生きること」が重要で、そのために行われるすべての活動がリハビリテーションということになります。
WHO(世界保健機構)の定義によれば、
・リハビリテーションは、能力低下やその状態を改善し、障害者の社会的統合を達成するためのあらゆる手段を含んでいる。
・リハビリテーションは障害者が環境に適応するための訓練を行うばかりでなく、障害者の社会的統合を促す全体として環境や社会に手を加えることも目的とする。そして、障害者自身・家族・そして彼らの住んでいる地域社会が、リハビリテーションに関するサービスの計画と実行に関わり合わなければならない。とあります。
障害を治すだけでなく、障害を持った人が障害を持ったままでも、よりよい人生を送ることができるよう、支援を行なっていくことが重要であると考えられています。そのためには、今までの生活の中で、「できなくなってしまったこと」や「こんなことがしたい」という希望に対して、本人を支える人々やリハビリテーションによって、残された能力を最大限にひきだし、1人1人の人生に合った生活能力を獲得し、 豊かな人生を送るようになることが大切なのです。それには、理学療法士(PT)や作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)のような専門職だけでなく、さまざまなスタッフが関与し、ボランティアや家族の方々の支えもとても大切になります。
リハビリテーション(全人的復権)とは概念であり、患者様の障害に関わりながら、その人の生活をより良いものにしていくもの。そして、その実践を通じて、より良い地域づくりを目指すものであるということです。
いかがでしたでしょうか?少し教科書的な堅苦しい内容のお話になってしまいましたが、このようなリハビリ情報や日々の仕事の様子などを発信できたらと思います。
それでは皆様、老健みがわリハビリテーション科をよろしくお願いします。
理学療法士 笠原 鉄聡