さて、大千秋楽も終わった事だし
心置きなくネタバレを(笑)
あっ、でも
DVDを買う予定の未観劇の方はお気をつけて。
あらすじ
時は1945年8月15日
日本の無条件降伏が決まり、武装解除が進む北の外れの島「幌筵島(ポロムシル)」と「占守島(シムシュ)」
兵士達の悲喜こもごもの中、突然前ぶれなくソ連軍がこの島へ侵攻を開始する。
指揮統制の混乱する中、偶然出会った5人の男達が最後の砦となった一騎の戦車を死守している。
それは本土へ帰還する者達を、家族を、故郷北海道を守るためであった。
あとは覚えている範囲でつらつらと・・・
題名になっているポロムシル島よりひとつロシア寄りの、一年の大半を霧に包まれる小さな島シムシュ。
そこで終戦の玉音放送を聞く日本兵たちの場面から始まります。
受信感度が悪いため、はっきりと敗戦の情報は浸透せず、兵士達は混乱。
そこでシムシュへ指令本部があるポロムシルから小宮少尉(森崎博之)が派遣されます。
彼には各部隊に日本の無条件降伏を通達する任務が課せられています。
「日本は負けたんだ。戦争は終わった」
突然の敗戦にショックを受ける兵士達。
徹底抗戦を叫ぶもの、自決しようとするもの、静かに事実を受け入れるもの。
傷病兵の収容される軍病院も例外ではありませんでした。
兵士も慰問に毎日訪れていた缶詰工場の女工たちも戸惑いながらも事実を受け入れていきます。
「戦争は終わった。家へ帰れる」
武装を解き、終戦を噛み締め、喜びに沸く兵士達。
しかし、ここを死に場所と思い決めていた矢野整備兵(音尾琢真)は諦め切れないでいます。
そこへソ連からの侵攻が始まったという知らせが。
戦争は終わったんじゃなかったのか?
俺たちは故郷や家族の元へ帰れるんじゃなかったのか?
情報が錯綜するなか、着実に日本兵たちの命は奪われて行きます。
そんな中、ある一騎の戦車に偶然集まった部隊も階級も違う5人。
シムシュにいたため巻き込まれ司令部から抗戦を命ぜられてしまった小宮少尉(森崎博之)。
部下を全員復員船に逃がし、単独で戦場に向かう決意をした水島軍曹(大泉洋)。
満州で戦いに恐怖し友人を見殺しにし、その亡霊に悩まされる矢野整備兵(音尾琢真)。
激戦区ガダルカナルで仲間を全て失い、家族をも東京大空襲で亡くし、
精神を病み軍病院に収容されていた桜庭一等兵(安田顕)。
ソ連侵攻の最前線となった部隊の唯一の生き残り田中二等兵(戸次重幸)。
戦車で突撃するもついに対戦車砲で大破する彼らの戦車。
しかしソ連の侵攻は益々激しいものとなってきます。
ついに寸前までソ連軍は迫り、彼らの守る動かない戦車が最後の砦となるのです。
小宮少尉と水島軍曹が撤退し援軍を待とうと主張する中、
桜庭一等兵が断固として、この場所での徹底抗戦を叫びます。
彼は軍病院に慰問に来ていた缶詰工場の女工達が今夜、船でこの島を離れる事を知っているのです。
それを絶対に守らなければならないと。
ここを突破されてしまうと彼女達はどうなってしまうんだと。
朝まで何とかここを死守する事が自分のやるべきことだと。
矢野、田中がこれに賛同します。
矢野はここで死ぬために、田中は生きて帰るために。
もう嫌だ!俺は家族の元に帰りたいんだ!涙を流す水島。
彼に桜庭はいいます。俺は地獄ばかりを経験し、もう泣き方さえも忘れた。
桜庭の血を吐く様な告白と懇願に小宮も水島もついに戦う事を決意します。
そこに、ソ連との停戦交渉のために軍司令部から一時停戦の命令が。
一時停戦となった束の間の休息の時間、
5人は各々の身の上話を始めます。
水島は函館でカレー店の修行をしていた事、しかしずっと軍に徴兵されていたから皿洗いから進歩していない事。娘に会いたくて仕方が無い事。でも空襲で家族はみんな死んだかもしれない事。
桜庭は浅草で映写技師をしていた事、娘が女優になりたいと言っていた事、息子が映写技師になりたいと言ってくれていた事。
田中は孤児であった事、孤児院を脱走し全国を転々とする中で小樽で今の奥さんに巡り会い、漸く家族を作れると思った矢先に赤紙が来た事、
そして皆に自分が出兵してのちに生まれた息子の写真を見せるのです。帰って抱きしめたいと言って号泣する田中。
そんな時桜庭がずっと持っていた荷物を出します。
蓄音機でした。流れる音楽はチャップリンの映画ライムライトのテリーのテーマ。
桜庭が田中に言います。
この映画の最後でチャップリンが言うんだ「辛いときこそ笑え」と。
桜庭がチャプリンの真似をして無理に笑顔を作る仕草に、自分も無理矢理笑顔を作る田中。
小宮は軍人一家に生まれ、父は先の戦争の英雄。兄たちはエリートだが自分は落ちこぼれである事、本当は野球選手になりたかったこと。
父にはいつも名を挙げろと言われてきたが、結局ダメだったなと寂しく笑う小宮。
小宮少尉の事はわれわれ4人がしっかり覚えています。と慰める水島。
水島の軍手を丸めた即席野球ボールでキャッチボールをしながら和やかな5人。
俺たちはチームだ。
こんな状況で会ったのではなかったら友人になれただろうな。
ともに酒を飲みかわし、歌をうたい、映画もみたかったな。
しかし、つかの間の休息は突然破られます。
停戦交渉は決裂し、一方的なソ連軍の攻撃が再開するのです。
戦車砦には続々とはぐれた生き残りの兵士が集まってきます。
最後の戦いだ。
小宮の指揮の中、兵士達は応戦します。士魂の旗を掲げて。
そして最後の戦いの中でようやく矢野は亡霊から解放されます。
俺はもう卑怯者じゃない。
戦いの中、夜が明け、本土への船が出たころだと安堵する5人。
彼らは最後の手榴弾を投下し、ソ連軍に向かって行くのでした。
生きるために・・・・・
そして守るために・・・・
時は過ぎ、五十年後。
激戦地となったあの場所へ遺族達の慰霊団が来ています。
既に日本の国土ではなくなったこの地。
厚生省の国交政策の一環でしょうか?
霧に包まれた島で手を合わせる遺族達。
遺族の中に桜庭の姿がありました。
田中の息子も。
水島の娘も生きていました。
良かった!良かった!
喜ぶ桜庭。
ずっとずっと探していたんだよ。
君のお父さんの事を話したかった。
厚生省の若者に帰りをせかされる中
一人「あの場所」に向かって祈り号泣する桜庭。
何故俺が生き残る?何かの罰なのか?
俺以外の4人こそ生きているべきだった!
止まらない涙の中、水島の声が聞こえます。
「泣けたじゃないか、桜庭」
顔を上げると花に囲まれた戦車の前で4人が桜庭に笑顔を向けています。
桜庭は彼らに向かって慟哭するのでした。
さくっとこんな感じでしたか。
細かい点はご容赦を。
本当に今回の公演は重いテーマでした。
おかしなものでこんな時は素直に泣けないんですね。
なんか考える事が多過ぎて。
顕ちゃんの演技は素晴らしかったし、
あくまでも私の問題なんですけどね(^^;
さて次は3年後(笑)
楽しみに待ちましょう(*´∇`*)
※※※※※※
4月5日追記・・・・
さっきリーダーのダイアリ見たら
舞台上では「ポロモシル」と言っていたようです。
私ずっと「ポロムシル」って聞こえてたよ・・・(^^;