「これこれ、男よ、起きなさい」
‥‥‥
「はよぉ起きんかいなっ、ちゅうてんねや‥!」
観音様が男にこえをかけました。
「キ、キ キティちゃんやおまへんか‥!」
「そやねん、今日から観音様やねん、
そんなことより、あんたにな、運を授けたるさかいに
ここを出たら階段から転げ落ちて、その時にくちばしになぁ
わらが入り込むよってに、それくわえて、
西に向かって行くんやで、‥」
と言って観音様は消えてしまいました。
「なんや、やっぱし夢かいな‥」
男は観音堂から出るなり、ころんで階段から転げ落ちてしまいました。
「いや、これは夢なんかやない、! それにわらがおいらの
くちばしにちやんと入っとるがな!」
そこへ、あぶが飛んできたので、男はあぶをつかまえて
わらの先にくくりつけておきました。
「観音様、いや、キティちゃんのおつげじゃ、‥
ちゃんと言うこと聞いとかんとカミカミされるのもいややしなぁ~
ほんなら、西に行ってみよかー」
つづく