働き方改革関連法ノート

労働政策審議会(厚生労働大臣諮問機関)や厚生労働省労働基準局などが開催する検討会の資料・議事録に関する雑記帳

個人情報保護法改正(個人情報保護改正法案)問題点

2020年06月03日 | スーパーシティ法案
個人情報保護法改正(個人情報保護改正法案)とは
個人情報保護法改正案の正式名称は「個人情報の保護に関する法律等の一部を改正する法律案」。個人情報保護改正法案は2020年3月10日に閣議決定され、国会に提出された。現在(6月3日)、衆議院は通過しており、明日(6月4日)の参議院内閣委員会で質疑後、採決される予定。

個人情報保護改正法案条文は、次の参議院ホームページの「内閣委員会に付託された議案」から

個人情報保護法改正案(参議院ホームページ)

個人情報保護法改正(個人情報保護改正法案)問題点

内田聖子・NPO法人アジア太平洋資料センター共同代表が、個人情報保護法改正(個人情報保護改正法案)について6月2日に連続ツイート。

「可決成立した #スーパーシティ法案 について、別の視点から問題提起します。政府は個人情報の取扱いについて、『現行の個人情報保護法令を守って行うので問題ない』と答弁してきました。しかしそもそも現行の個人情報保護法は様々な点で課題があり、法規制を強化しなければならないと思います。」

「知らない方も多いのですが、今国会では個人情報保護法の改正案も審議中で、すでに衆議院は通過、6月4日の参議院内閣委員会で4時間の質疑後、採決される予定です。わずか2日で結論という拙速審議です。本来であればこの改正時に十分審議され、法案に入れ込まれるべき項目がいくつかあります。」

「まず今回の法改正で、確かに市民のプライバシー、個人情報保護について部分的な前進はあります。しかしそれらよりも企業の個人情報の活用により重点が置かれているため十分な改正とは言えません。特にスーパーシティやAI、5G、Iotなどが導入される時代の個人情報保護としては足りないのです。」

「例えば以下のような内容が盛り込まれるべきです。
・個人情報の定義を広げ、オンライン識別子、位置情報などを加える(=日本の定義は狭い)
・企業等が個人情報を取得する際、本人同意原則を明確にする。
・『自己情報コントロール権』を軸に据え、本人からの開示、訂正等、削除等の権限を強化する。」

「また改正法案には『個人関連情報』『仮名加工情報』という新しい規定が設けられています。しかし個人情報の取得時の本人同意原則が確立されておらず、企業の利活用が優先される中でのこれらの導入は個人情報保護をさらに危うくします。削除(あるいは前述の内容が盛り込まれるまで凍結)すべきです。」

「これらの内容がさらに詳述された国会議員向けの要請書『個人情報保護法の抜本的改正を求めます』が、『共謀罪NO!実行委員会』と『「秘密保護法」廃止へ!実行委員会』によって出されています。全文は杉原浩司さんのブログ(に)掲載されていますのでぜひお読みください。」

【紹介】要請書:個人情報保護法の抜本的改正を求めます(杉原こうじのブログ)

「つまり、現行法がスーパーシティやAI、IoT時代の個人情報保護を十分保障できていない中、いくら『スーパーシティでは現行法を守るので問題ない』と言っても説得力がない。スーパーシティを進めるのであれば、それに対応するリスク回避(=個人情報保護法の十分な改定)がセットになる必要があります。」


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