働き方改革関連法ノート

労働政策審議会(厚生労働大臣諮問機関)や厚生労働省労働基準局などが開催する検討会の資料・議事録に関する雑記帳

出入国管理法(入管法)改正案 野党有志対案に関する報道

2018年11月20日 | 入管法改正案
立憲民主党、国民民主党と衆議院会派「無所属の会」の3党派有志による議員連盟は2018年11月19日、国会内で総会を開き、出入国管理法改正案の対案の要綱を了承しました。この入管法改正案・野党有志対案に関する報道について幾つかの記事を引用させていただきます。

入管法改正案 野党3党派議連が「対案」了承
https://www.sankei.com/economy/news/181120/ecn1811200004-n1.html

立憲民主、国民民主両党と衆院会派「無所属の会」の3党派有志による議員連盟は19日、国会内で総会を開き、出入国管理法改正案の対案の要綱を了承した。議連側から各党派に示し、共同提出を促す。ただ、立憲民主党内には政府案の問題点追及を優先すべきだという声が根強く、共同提出に至るかは見通せない。

対案は、現行の外国人技能実習制度の抜本的見直しや、外国人労働者の受け入れ総数に上限を設けることが柱。議連会長の中川正春元文部科学相(無所属の会)は記者団に「統一して結論を出すことが一番いい」と語り、3党派での共同提出に期待を示した。一方で「立憲民主党はそこまでの議論に至っていないと思う」とも指摘した。
<THE SANKEI NEWS>

社説:就労外国人 野党有志の対案 制度の欠陥がよく見える
https://mainichi.jp/articles/20181120/ddm/005/070/044000c

外国人労働者の受け入れを拡大する入管法改正案への対案を野党議員の有志がまとめた。

現行の技能実習制度を温存する政府案に対し、これを廃止して新たな「外国人一般労働者受け入れ制度」を創設するのが柱だ。

技能実習については、途上国への技術移転という建前と、人手不足対策で実習生を受け入れてきた現実とのゆがみがあらわになっている。

低賃金や長時間労働などを理由に昨年は7000人以上の実習生が失踪した。現行制度上、実習先や職種を変える自由はなく、失踪者は不法残留者として扱われる。

なのに政府案は、技能実習制度で日本語の会話力などを身につけた外国人が就労を目的とした新しい在留資格へ移行することを想定する。実習生の就労環境が改善される保証はなく、受け入れる地域社会の側にも不安定な制度が続く懸念が残る。

野党有志の対案は、最初から労働者として在留できるよう日本語教育や社会保障などの受け入れ態勢を整備し、所管省庁の垣根を越えて生活支援に責任を持つ「多文化共生庁」(仮称)を創設するとしている。

政府案でも法務省の入国管理局が「出入国在留管理庁」に格上げされるが、あくまで外国人労働者を管理対象に位置づけるものだ。受け入れ態勢の整備は後回しになっており、支援の視点が乏しい。
対案は外国人労働者に家族の帯同を認める条件や、受け入れ人数の総量を規制する基準など、制度設計の肉付けには至っていないが、打ち出した方向性は理解できる。政府案と比較すれば、政府が導入を目指す制度の欠陥がよく見えてくる。


残念なのは、この対案を国会に提出するめどが立っていないことだ。

対案をまとめたのは中川正春元文部科学相ら旧民主党の有志が4年前につくった議員連盟で、メンバー38人は現在、二つの政党と無所属に分散している。国民民主党は国会提出に前向きだが、立憲民主党は対案を正式な法案の形に仕上げることにブレーキをかけている。

対案提出が政府案の審議に協力する構図につながるのを立憲民主党は恐れているようだ。しかし、対案は重要な論点を提示しており、国会で丁寧に審議されてしかるべきだ。
<毎日新聞>

旧民進系議連、入管難民法改正案の対案まとめる
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3528700.html

旧民進党の議員で構成される超党派の議員連盟が、外国人技能実習制度の廃止などを柱とする政府の「入管難民法改正案」の対案をまとめました。

「技能実習を廃止して、新しい制度として打ち出していくこの制度が各党の統一的な形で流れをつくっていければいいなというのが、我々この議連としての思いです」(「外国人の受け入れと多文化共生社会のあり方を考える議員連盟」中川正春会長)

立憲民主党、国民民主党、衆院会派「無所属の会」の議員で構成される議員連盟が19日、外国人労働者の受け入れを拡大する「入管難民法改正案」の対案をまとめました。

法律案には政府案にはない現行の「技能実習制度」の廃止や外国人労働者の総数の上限を設けること、職業選択の自由の保障などを盛り込んでいます。今後、野党で共同提出できるか各党で検討に入ります。

国民民主党は19日、関係省庁と外国人労働者の受け入れに関する合同会議を開催し、今週中にも国民民主党としての対案を正式にまとめる方針です。一方、立憲民主党は政府案を追及することを重視し、党としての対案をまとめることには否定的です。

中川議連会長は、各党から対案が出てこない場合は「議連として最終的にこれを出していくことも選択肢」と述べています。
<TBS NEWS>

入管法改正案 野党議連の対案、宙に 立憲の反対で
https://mainichi.jp/articles/20181120/k00/00m/010/143000c

立憲民主党、国民民主党、衆院会派「無所属の会」の3党派などによる議員連盟は19日の総会で、外国人労働者の受け入れを拡大する入管法改正案の対案要綱を了承した。今国会への共同提出を目指す。ただ、立憲民主党は政府案に徹底抗戦する構えで、対案を出すめどは立っていない。

議連はこの日、対案要綱を公表しなかった。関係者によると、外国人技能実習制度を段階的に廃止し、就労目的の外国人を受け入れるのが柱。産業や地域ごとに総量規制を設け、職業選択の自由や家族の帯同を認める。

予定していた公表を見送ったのは、立憲民主党の枝野幸男代表が18日に「対案以前の問題だ」と発言したためだ。これで立憲は事実上、共同提出に加われなくなり、議連としての対応が難しくなった。
一方、国民民主党は「時間をかけて疑問点を解消する」(玉木雄一郎代表)と議論に前向きで、両党の立場の違いが顕在化しつつある。議連幹部は「廃案に持ち込みたい立憲と、議論したい国民。政府案ではだめだという方向性は一緒なのに、困った」と語った。(遠藤修平)
<毎日新聞>


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