・高齢者住宅に住み替えを考えるときの条件の一つに家族との距離があると思います。
・距離には物理的な距離の他、心理的な距離があります。
・物理的な距離として、多くの場合、家族の近くや今まで住んでいた地域の中を希望する場合が多いと思います。こうした場合、自分で決めるにしろ家族が決めるにしろ、事前に入居・入所の条件などを調べておかないと、費用や定員などの条件が合わずに希望に添えない場合がでてきます。
・家族との距離などに拘らなければ選択肢は非常に多くなります。しかし、それは本当に自分の望む人生でしょうか。以前、東京圏では高齢者住宅・施設が一杯になるので地方の住宅・施設を利用したらよいという趣旨の意見を出されたグループがありました。
・住まいは単に食事や睡眠をする場所でないはずです。たとえベッドの中で過ごす時間が多くなっても家族や友人との交流が人生の大きな部分であると思っています。とすればどの程度の物理的な距離の高齢者住宅・施設に住み替えるかは事前に自分で決めるなり家族と話しておくことが大切ではないでしょうか。
・もう一つは心理的な距離です。たとえ家族との物理的な距離は短くても、家族と会いたくない、または家族が会ってくれない、といったこともあり得ます。
・これは、それまでの人生の中で家族とどのような関係であったのかによるでしょう。もし好ましくない関係であったとすると、それが劇的に変わってハッピーエンドとなることは多くないと思います。そうだとすれば自分の最終章を思い浮かべて、家族との関係をもう一度見直しておくこともよいと思います。